今朝まで北海道におりました。
参加させて頂いているトップフォーラムが帯広であり、カルビーの伊藤社長の講演とカルビーさんの契約農家の視察&イモ掘りという勉強会でしたので、イモ掘りには子供も便乗させて頂きました。
実は、お盆休みを取っていませんでしたので、家族も帯同し、休暇に変えて、勉強会の前後一日を北海道で過ごさせて頂きました。
と言っても、行き帰りのチケットがうまく取れず、千歳に入ってレンタカーでの行き来でしたので、殆ど移動で運転手状態でしたが。
この会には元々、カルビー創業家の松尾相談役もメンバーであり、又、その松尾相談役が上場を託してヘッドハンティングされた松本現会長も名前は連ねておられる事から、この様な特別勉強会を行って頂けたのですが、カルビーさんは、働き方の変革を唱えている我々にとっても、日本企業の良さを残しながら、グローバル企業に変貌していかれる姿を、間近で見せて頂くことができる、この上ない存在です。
30年以上も前から、農家と専属契約をするという事は、その時代には全く考えもつかない事で、量的な安定と、農業や、農家に対しての考え方を抜本的に変えないとできない事であったと思います。
単に自社だけの目先の利益を考えるのではなく、農家と共に道を切り拓いていく姿勢でないと無理であったと思いますし、その事は、実際訪れた農家でも、80歳のお爺さん、50代の息子さん、20代のお孫さんの三世代が一緒にイキイキと働かれる姿や、カルビーの方との距離感からも見て取る事ができました。
個人の成長が会社の成長に繋がるとのスタンスもしっかり持っておられますが、同時に、コミットメントを求められ、二年連続でコミットメントが守られなければ降格という事も明確にルール化されている様でした。
この辺りは、our credo が有名なジョンソン&ジョンソンの日本支社長であった松本会長のバランスからくるものだと思いますが、未上場時代の優しいけれど、悪く言えば甘い(と言っても一般レベルからいけば素晴らしい業績です) 会社から、世界の食品会社と戦える会社に変貌させていこうとしておられるところなのだと思います。
それだけに、外資系のコミットメントや、単に、売上、利益の結果だけを出せば良いという成果主義とは似て非なるものだと思いますし、実際この点については、カラオケの歌声が流れる二次会の席で、伊藤社長に、じっくり確認させて頂きました(笑)
松本会長が強烈なリーダーシップでビシビシ展開されておられるイメージでしたが、実際は、年初にじっくり二人で摺り合わせをされ、あとは殆ど打合せらしきものをしないと言われる伊藤社長ご自身も、会議は基本的に無しで、下への権限移譲の連鎖を作っておられます。
その自主性を重んじるところと、その一方での理念、価値観の摺り合わせ、又、食品会社としてのリスク管理やコンプライアンス上の管理や仕組みという、それぞれがトレードオフの関係になる様な要素をバランスさせるという事が、今後の日本企業の本当の意味でのグローバル化なのだと思います。
そして、世界を含めた外部環境下での松本会長の展開と、創業からの良き時代を知り、言わば日本的成果主義の在り方を構築していかれているのが伊藤社長、という素晴らしい掛け合わせなのだと感じました。
世界で注目された日本の家電メーカーが創業家の理念継承をうまくできず苦しんでいるだけに、カルビーさんの今後の展開は日本全体としても大いに注目すべきだと思います。
自主性(自由)と厳しさ(責任)のバランスは、以前、東京本社のオフィスも見学させて頂いた際にも、見事にそのメッセージが表されている様に感じましたし、表面上、優しいところ(効率的にみれば甘いところ)だけ、真似しかけていて、信じて頂けないかもしれませんが(笑)、私自身の存在感をドンドン消していこうとしているウエダ本社でも、新年度から、放任ではない、個人の分権を進め、日本型のコミットメントを研究していきたいと思います。
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