2018年8月26日日曜日

ストーリーを作りましょう。

今週は台風19号、20号が西日本を縦断する中、避ける様に水曜日から北海道におりました。

ところが一旦日本海へ抜けたそれぞれの台風が又北海道に戻って来て、JRが運休していますが、元々取っていた夜の新千歳からの便には間に合いそうで、何とか帰れそうです。

という事で、今、運転再開を待つJR帯広駅で書いています。

水曜日は札幌で講演、木曜日は北海道の真ん中に位置する新得町をご案内頂き、金曜日は勉強会で帯広にいました。

水曜日の講演は、北海道田舎活性化協議会主催のセミナーで、北海道の企業や、自治体の方々に向けて、最近のオフィス、働き方の動向と、それに関連してのテレワークの有効性についてお話させて頂きました。

やはり北海道は、かなり様相が違うので、オフィスの動向などについても新鮮に感じて頂いた様で、我々からすると、最先端イメージの通信会社さんでも、”目から鱗でした”と言って頂いて、逆に驚きました。

新得町では町長に表敬訪問させて頂いた後、役場の方にご案内頂きましたが、それが新得町とは知らなかったサホロリゾートを始め、ヒグマを自然に近い形で観察できるベア・マウンテン、高原エコトロッコ鉄道、そばの花が一面に咲く、そばロードなどなど、コンテンツの豊富さに驚きました。

しかし、どこの地域に行ってもそうですが、地元の方からすると、ずっと有る物なので、その価値に気づいておられないのです。

何も無いと言いながら、さらっと、”地鶏って呼べるのは、北海道ではここだけなんですよね~” って言われて、いや、”それも大きなアピールポイントだと思うんですが?”という感じです。

と偉そうに書いていますが、うちの会社でも今まだ正に、問題視しているのはこの点で、自分達の強味を全く理解していない、或いは、頭では理解していても、それをビジネスに結び付けられていないのが現状です。

どうしてそうなるのか?その原因は主に三点かと思います。

まず一つは、そもそも人というものは、”隣の芝生は青く見える”という様に、他者(他社)が持っているものが良く見えるという事です。

二つ目は、当事者意識が薄く、自分のやっている事と、会社なり、町なり、その所属している所のあるべき姿とが、繋がっていない事です。

そして三つ目が、目に見えたり、計る事のできる価値での外形評価や、消費型モデルの社会に毒されているというのか、その価値観が染みついているからだと思います。

一点目は、人間の性による所も大きいので後回しにしたとしても、後の二点は、組織内で
やっていける点であり、ここを変えていく事が特に、リーダーの仕事ではないか?と思います。

消費型社会というのは、常に、もっともっとと、企業側からすれば欲しがらせる様にするのですが、モノではなくコトと言われる様に、体験型社会に変わっている事を理解しないと、当たり前ですが、間違ったオペレーションになります。

モノなどは求められていないのに、地方は都会と同じ様なハコ・モノを欲しがり、中小企業も大企業と同じ価値観の中で、何とか、表面上だけでも同じ様にしようとしています。

コト(体験型)の社会では、それが何故生まれたか?何故行われているのか?などの、ストーリーが大事なので、無いものや足らないものを求めるのではなく、有るモノの背景や強味を発信していく事が重要なのですが、なかなかうちの会社でも、この頭の変換ができずに、消費型モデルの中で、わざわざ負ける事ばかりをやろうとするのです。

金曜日には勉強会で、カルビーポテトの中村社長のお話を聴きましたが、カルビーという社名は、1955年に、カルシウムとビタミンB1を簡単に取れる様にと生まれ、それを追求した結果、”かっぱえびせん”という大ヒット商品を生み出す事になったそうですが、これなどは、半世紀以上も前に、理念、ミッションから考えた商品を生み出されていたという事で、今なお残っているというのは、やはりその商品にストーリーがあるからではないでしょうか?

我々の様なモノも技術も無い中小企業や、過疎地域と言われる地方にとっては、逆に面白い時代になってきたのです。

自らのストーリーを作っていきましょう!

2018年8月19日日曜日

最近の私の仕事

今週は暦通り(京都では16日までがお盆休み)で、一日のみの出勤でした。

とは言え、オフィスのリニューアルなどの現場は、連続の休み中に行わないといけないので、この間は全員が休んでいる状態だと逆に会社的にはまずいのですが、今年も有難い事に、何名かが現場に出てくれていました。

この間を利用して、ウエダ本社北ビルの2階もリニューアル工事に入っています。

10月にはお披露目ができると思いますが、こちらは、地方と京都、そして東京を繋ぐ拠点として、面白い場になると思います。

この件も含めて、先日の京都流議定書でもショートプレゼンをさせて頂きましたが、ウエダ本社として追いかけているのは、”本質的な働き方改革”です。

それは、抜本的に働き方のベースにある”時間”を軸にした考えから、”価値”を軸にしたものに転換するという事です。

かねてより、それぞれが、それぞれの状況に合わせて時間と場所を選択できる事が、最も豊かな働き方だと唱えておりますが、それを進めていく場を、北ビル2階に創っていきますので、是非またご注目下さい。

私の方は出勤日に、ある経営コンサルの会社さんから、講演依頼を受けていました。

以前は講演については、あまり積極的ではなかったのですが、最近は、日本の中で、この”本質的な働き方改革”こそ、最も重要な社会課題であり、まずその考えを広めていかなくてはならないとも思っていますので、積極的に受ける様にしています。

有難い事に、この経営コンサルの会社さんも、働き方改革で面白い会社をずっと探していて、うちの会社を見つけて頂いたそうですが、先日”ルソンの壺”で取り上げて頂いたNHKさんも同様に仰っておられた様に、政府やマスコミが声高に叫んでいる働き方改革に、少し違和感を持たれている方も多い様に感じます。

人が長期に休まれる際に、働かざるを得ない我々のスタッフは、人が少なく安い時に旅行も行ける様に、時間に縛られず、自分のスタンスで働いていける様に進めていきたいですが、この働き方が広がっていくと、皆さんの休みも分散していくので、オフィスの工事はいつやる事になるのでしょう?

まあ、この感覚が広がっている頃には、オフィスや働き方についての考えも大きく変わっていて、会社か家庭かという話ではなくなっていると思いますが。

それだけに、これも毎度言ってますが、ワークライフバランスという事で論議されるところが、そもそもの意味を間違えているのです。

そんな事から崩していくところが私の仕事になっていますが、来週も京都と北海道でお話する場を頂いて、そんな考えを広める様、”仕事”して参ります。


2018年8月12日日曜日

自然の摂理に則った組織

京都流議定書が終わり、今週は比較的スケジュールに余裕を持たせていたので、急な対応や、打合せにも時間を取る事ができました。

京都流議定書でのテーマはTealで、参加頂いた方々のアンケートなどを見ても大変好評でしたが、 実際にやるのは難しいという意見や、実際は、色々な段階が混ざっていたり、
状況によって使い分ける必要もあるという意見もありました。

我々としても、そもそも今回の京都流議定書のテーマに上げて、皆さんとも共有しているくらいですから、そういう組織にしたいと思っているのですが、今週、内部での課題について話をしていても、まだまだ遠いですね。

Tealで言われている事は、表面上は特に働く人にとって、素晴らしい(優しい)組織の様に聞こえますが、実際は、大変厳しいものだと思います。
(Tealについては、今回も解説頂いた嘉村さんのこちらの記事もご参照下さい)

ただ厳しいという定義も、一般的な組織で考えている厳しさとは違って、やはりTealをイメージするには、自然界をイメージして考えると分かりやすいですが、自然界で生きていく厳しさの様なものだと思います。

そこが、その前段階のグリーンの組織と、Tealが全く違う所だと思うのですが、Tealは自然界の様に、それぞれに役割(使命)がしっかり決まっており、その関係性において、それぞれが有機的に動いていくイメージで、そこでは当然リーダーや管理者も不在で、指示、命令、管理がなく、一見?自由に動いているのです。

これを書いている間も外では蝉が鳴いています。

蝉は当たり前で、誰かに指示されて鳴いているわけではなく、自然界の中で、蝉としての存在を全うする為に役割をただ遂行して、勝手に鳴いているのです。

私がTealを理想に思うのは、人間自体、経営側であろうと、労働者側であろうと、仕事というものが、与えられるものではなく、自分がそれぞれ能動的に向かうものであると思っているからですが、それも、全てが自然の摂理に則ったものだと考えると説明しやすくなります。

人も会社も世の中に必要だから生まれて、必要が無くなれば死を迎えるのだと思いますし、その死というものも、他の物に対して必要である営みなのだと思っているので、仕事でなくてもいいのですが、多くの場合、仕事が最も自分の役割を果たせるものであると思いますし、会社、組織というものも、社会に対して自分の役割をしっかり果たす事が使命だと思うのです。

地球上で、人間以外に、自分の役割を嫌々行なっている生物体があるのでしょうか?

その様な事を考えて、自然界を組織と重ねると、Tealをイメージし易いのですが(あくまで私のイメージです)、そこでの私の疑問は、そんなTealが、レッドやオレンジから、もしくはグリーンからの進化(厳密な表現は進化ではないと思いますが)で、作れるのだろうか?という事です。

嘉村さんの解説にある様に、グリーンまでとはパラダイムが違うので、積み上げではなかなかできないのではないか?と思いますが、自然界と調和した様な人々が現れて、ある一定数を占めていかないと、人工的に創り上げていけないのではないか?とも思います。

それこそ突然変異で新種が生まれ、それが継承されていき、一定の種となっていくのかも知れません。

100匹目の猿現象というものもありますが、パラダイムシフトが起こる時には、離れた各地で、それこそ突然変異の様に、食べ物を洗って食べる猿が現れる様に、各地で、同じ様な自然の摂理に則った人や組織が現れ出すのかも知れません。

お盆休みだからでもないのですが、いつもにも増してクサイ話?になってしまいましたが、自社や自分自身が百匹目の猿となれる様、大文字の送り火が行われる京都から、自然や祖先にも、問いかけていきたいと思います。




2018年8月5日日曜日

11年目の京都流議定書と81年目のウエダ本社

第11回の京都流議定書も沢山のお客様にお越し頂き、無事終了しました。

昨年までの三日間開催ではなく、今年は一日開催でしたが、話題のTealをテーマに、今や大忙しの嘉村賢州さん、元ボストンコンサルティングシニアパートナーで総務大臣補佐官も務められた太田直樹さん、リクルートNEXT編集長藤井薫さん、ダイアモンドメディア代表の武井浩三さん、ジャーナリストの瀬戸川礼子さんという皆さんのお陰で、一日に凝縮された濃い内容にする事ができました。

イベントの運営については、毎年三日間をこなしてくれていますので、安心していましたが、期待以上であったのは、司会を任せていた来年入社の内定者が、プロ顔負けの司会ぶりで見事に務めてくれた事ですが、”私、本日の司会を務めさせて頂きます、来年4月ウエダ本社入社予定の~と申します”というスタートの挨拶から会場を沸かせていました。

京都流議定書というイベントを第一回から、自分たちで手作りで行なって来て良かった事は、ここでのスタッフの姿に、会社の価値が現れているところであり、実際、来場された多くの方々が、スタッフの対応を褒めて頂き、ウエダ本社の見方を変えて頂く事に繋がっている事です。

この内定者のこの件も、いくつかの点で、おおいに会社価値を高めてくれました。

今、一般的に中小企業は特に採用には苦労されていて、仮に内定と言っても、来年4月まで本当に入ってくれるかどうか分からないという所が多い中、この時点で内定者との関係性ができている事と、その内定者に、いきなりの場が与えられ、それに見事に応えられる優秀な人が、我々規模のところに入っているという事などを、冒頭の挨拶のワンフレーズで表してくれたのです。

当たり前ですが、この様な事は、すぐにできる訳でも、突然起こる訳でもありません。

それこそが風土づくりだと思いますが、これも毎年言ってる様に、京都流議定書という場が我々にとって最大の研修であり、その蓄積が風土を作っていっているので、これも11年の積み重ねの賜物だと思います。

今回のテーマのTeal組織というのは、特に大企業に多い、達成型組織の対局にある、自然の摂理に合わせた様な、個々やチームが機動的に動いて対応していくという組織ですが、こと京都流議定書の時だけは、うちの会社もTeal組織に近いのではないか?と思います。

実際、毎年、テーマと出演頂く方を私が決めた後は全て、スタッフで自主的に運営してくれており、今回の内定者を司会にするのも、面接に関わっていたスタッフが、この内定者が放送部での経験を覚えていて、”彼女ならできそうです”との提案からでした。

夜にはウエダ本社80周年の懇親会を、スタッフとOB、仕入先さんとパートナー企業さんという内輪で行いましたが、こちらの司会は、同じく来年入社予定の男子学生に、内輪の会で失敗しても良いからと、当日ぶっつけ本番でやらせた(これはTeal的ではないですね)のですが、緊張すると言いながら積極的にやってくれて、こちらもやはり、うちを目指して来てくれただけに、既に価値観が合っている事を見せてくれていました。

この80周年は、スタッフと私の兄でもある前社長や、分社した時期の子会社の代表なども含めたOB、仕入れ先さんも代表ではなく、普段お付き合い頂いている担当者の皆さんと、今後連携を図っていくパートナーの皆さんという、ある意味変な顔ぶれでしたが、この光景自体が、まず他ではない、ウエダ本社の価値だと改めて感じました。

そんな蓄積の大切さ、繋がり、そしてそれらの重みを感じる事ができた今年の京都流議定書と80周年でしたが、来年からの京都流議定書は、よりTeal的な場にしていけないか?と思います。 

という事で指示はしませんが、そうなっていかないかなぁ。