2012年9月29日土曜日

優秀な人とは・・

今週は、またまた恵まれた事に、伊那食品さんにお邪魔しておりました。

しかもこれが有り得ない話なのです。

あの、日本一楽しい歯科医と言われるヨリタ歯科さんが社員研修で行かれるところに混ぜて頂くという、全国のいい会社を目指す経営者達からすると、恨み買いまくり!の事でした。

しかも、コーディネーターは大久保寛治さんという企画ですから、一発ノックアウト状態ですね。

何故、こんな事になったのかは、その説明にも時間がかかるので割愛しますが、寄田先生始めヨリタ歯科の皆さん、大久保寛治さんのご厚意と、切欠を作って頂いた愛知の酒井さんには、本当に大感謝致します。

伊那食品の社員さんとヨリタ歯科のスタッフの双方向でのやり取りや、それぞれの反応、立ち居振る舞い、全てが勉強にもなり、何故、年齢、キャリア関係なく、これだけしっかりできるの?そして、仕事に対しての意識が高いの?といつもながら落ち込むばかりでした。

大久保さんからも常々、伊那食品の社員さんの素晴らしさは聞いておりますが、生で、どこからどう切ろうと、2年目だろうと18年目であろうと、結いの精神で、皆の会社で、皆で良くするという意識に満ち溢れているのです。

誰かが失敗しても、できなくても、決してその人のせいにしない、という事が染み付いていて、皆で解決する、カバーするのが当たり前だというのです。
それどころか、むしろ”え、普通はそうじゃないんですか?”という反応なのです。

大久保さんが仰っていました。

優秀な人というのは、優しさに秀でた人であり、優しいも分解すると、人を憂える事ができる人の事だと。

二日目は塚越会長のお話を聞きました。

会長のお話も何度もお聞かせ頂いていますし、感動的な話でもない話なのに、何故か胸が詰まりました。

社員さん達から、異口同音に、会長は厳しい、しかし、会長の言われる事は全て受け入れられる、と全幅の信頼を寄せられる会長のお話には、社員さん達への深い愛情が感じられ、そのまだまだある自分との想いの差に、胸が詰まったのかもしれません。

そんな想いがあるから、皆が思い切り成長し、人間的成長をするから又、何でもスポンジの様に吸収して行かれるのだと思います。

本当に良い企業とは人を成長させる企業です。と大久保さん。

問題が起きた時に、人を責めるのではなく、自分に何ができるか?を皆が常に考える組織だなんて、理想論だと、信じられないかもしれませんが、それが実在しているのです。


そんな素晴らしい伊那食品の社員さんが、同じ雰囲気を感じると評されたヨリタ歯科さん。
初日の研修は、夜11時頃までみっちりあって、その上に、あとは寄田先生の部屋に行きましょうか、と大久保さんの誘いで行ってみると、真っ暗な部屋を、プラネタリウムの様に仕立て、驚いて入ると、スタッフの皆さんが全員集まって来て、”先生、私たちを研修に連れて来て頂いた有難うございます!”とのサプライズプレゼントでした。

有り得ないでしょ?

早い人だと5時起きで伊那に来て、全く遊びもなく、夜の11時までみっちり研修、それまでも誰一人として、人の話をいい加減に聞く様な姿勢の人はない事自体が有り得ない組織ですが、その上にまだ、先生を驚かし、喜ばせる為に、そこまでやるか。

疲れている筈なのに、誰も嫌がるどころか、本心で皆感謝しているんです。

それだけではありません。

初日は、混ぜて頂いている私にまでも、どこから引っ張って来たのか私の顔写真入りの紙に、皆で寄せ書きをして用意してくれていました。


この両社の皆さんは、人を喜ばせる事、人を思いやれる事ができる本当に”優秀”な人ばかりでしたし、本当の優しさというものを考えさせれました。

優しいというのは、態度がやさしくとも、厳しくとも、そんな表面上の事ではなく、人を憂える事ができる、そういう気持ちの持てる人なんですね。

最後に、改めて、我々も目指したいという事で、、

いい会社をつくりましょう。 ~たくましく、そしてやさしく~


2012年9月22日土曜日

相手方を含めた自利

中国のデモも漸く沈静化しましたが、国のさじ加減であれだけコントロールできる中国の恐ろしさも感じました。

我々の感覚では全く理解できない世界があるという事ですから、そこを見ないと、こちらの感覚、常識で物事を考え、対応していても、解決などには程遠いどころか、むしろ悪化させてしまう事になる、そう感じさせられる最近の情勢です。

しかし、これは相手が中国だから、韓国だから、という問題ではない様な気もします。

日本人のコミュニケーション能力が恐ろしく低下していて、人の気持ちや、何故そうなるのか?という背景を読んだりする事が著しく低下している事に原因がある様に思えてなりません。

原発問題であれ、環境問題であれ、素晴らしい事を唱えている人が、自分と違う見解を持つ人に対して、その人間性までを否定したりする光景を見たりもしますが、何故、そうなってしまうのでしょうか?

それは、領土問題においての中国や韓国、ロシアと、構図的には変わらない気がします。

その人達が置かれている背景、目的、価値観などを理解したその上で、両者の前にある課
題を解決するには、どうしていくのか?を考えないと、解決には繋がらないと思います。


その為にはベースを合わせて行くことが重要で、国内問題で言えば、少なくともそれが自
分の欲や悪意で行っているのではなく、本当に、利他の精神で日本の事を考えて言ってい
たり行っているのであれば、違う立ち位置の人でも、共通の想いをベースに話していく
事、それしかないと思います。

むしろ、同じイデオロギーの人達同士が集まって、幾ら相手の悪い点を上げていても、
その方が何の解決にもならない様に思います。


中国や韓国との間であれば、アジアをどうする?という話になるかもしれませんし、もっとグローバルな問題については、我々の住む地球をどうする? そして宇宙全体でどうする?という事から考えないといけないのだと思います。


世の中の為、利他と言うけれど、それって、それを行う自分のエゴであって、自利ではないのでしょうか?

ある時盛和塾で、塾生がこんな質問を稲盛塾長にしました。

の時、稲盛塾長は、

確かにそうかもしれない。    
しかし、自分だけという自利より、まずは自分の家族の為と考える、すると隣の家はどうなっても良いのか?となって、町内の為にという利他で行動しようとなり、又そうなると、自分の町の自利となって、それではいけないから利他の心で、隣の町を考え、その繰り返しで、市や国や世界へと利他の心を大きくしていくのだと仰っていました。


原発問題でも領土問題でも、まずは相手も含めた自利で考えてみると、発想が変わってくると思います。


2012年9月15日土曜日

働き方を変革する

Facebookでも小出しにしておりますが、昨年の南ビルリノベーションに引き続き、北ビルも大幅なリニューアルを行いました。

この目的は、今後のオフィスの在り方、働き方の変革を提唱していく我々として、それを見える形にしていく為であり、我々自身がそれを体感し、その事を提案していく為であります。

日本のオフィスは、まだまだプロダクトアウト型の思考のままだと思います。

つまり、大量生産で物を生み出し、物が売れていた時代には、オフィスは単に事務を行う"事務所"で良かったわけで、それだけにできるだけお金をかけない様にしてきたのですが、まだ日本のオフィスはその感覚から抜け出せていないのです。

お客様の為に!    顧客満足を声だかに叫ぶ、サービス、小売業において、お客様の目に付く所にはお金をかけるが、社員が使うバックヤードは劣悪な環境に押し込めている所も多くあります。

少しでも、売り場を広く取り、少しでも効率よく量を売ろうとする、プロダクトアウトの考えのまま、運営がなされ、そのしわ寄せがオフィス、つまり社員さんに行っているのです。

お客様満足を実現する為には、まずは社員満足を!と掲げる所も多いですが、殆どの時間を過ごすオフィスを社員さんの事を考えて快適にしよう、という会社は、まだ一割も無いと思います。

金融機関などでも、オフィスに "無駄"なお金をかけず、ケチケチして構成している経営者の方が、評価が高いのもまだまだ変わっていません。

物を生み出さない非製造業の会社にとって本来は、少しばかりの効率よりも、社員さんのモチベーションを高める事にお金をかけるべきであり、その方が、確実にトータルのパフォーマンスは高まる筈なのです。

それを何とか証明し、日本の職場環境、日本人の働き方を変革したいのです。

それさえ変われば、生産年齢人口が減る日本においても、まだ、落ち込まずにやっていく道はたくさんあると思います。

ウエダ本社では、建物をリノベーションした南ビル、中だけをリニューアルした北ビルをショーケースとしながら、今後の日本のオフィス環境を考え、変革していきたいと思います。

お披露目はまだ先ですが、先日来、お越し頂いた方々からは、 "こんなオフィス見たことない"  "こんな所で働きたい" と驚きと共に、評価頂いています。

うちのメンバーは、自分自身がこの環境で働く事を楽しみ、変革の案内人となってもらいたいと思います。

2012年9月8日土曜日

プロボノで日本を変える

今週から、企業版ダイアログバーというものがスタートしました。

毎月行われているオープンなダイアログバーとは別に、企業人に向けて行っていこうとするもので、第一回目はプロボノがテーマで、サービスグラントhttp://www.servicegrant.or.jp/の岡本さんと、その導入企業であるパナソニックの金村さんがゲストでした。

プロボノとは、知識や技術をNPOなどに無償で提供する事ですが、ボランティアと違って面白い点は、自分が普段行っている仕事やスキルが困っている人や公共の役に立つという所で、サービスグラントさんはスキルを拠出する人とNPOのマッチングを行われているのです。

実は昨年、震災が起こる三日前、門川市長に説明した京都流議定書の企画書には、ワークライフバランスからワークライフマネジメントへの転換を唱えており、震災がなければ、プロボノをテーマにしようとしていたのです。

仕事か、趣味や家庭か?という様な感覚で、日本では仕事をバリバリ行う事が悪い事の様な雰囲気さえありますが、どんな人においても仕事が人生のベースであり、そこがしっかりしないと趣味や家族などと言ってられるわけがないのです。

それなのに日本では、月曜日〜金曜日の様な仕事は適当にして、充実を求めて土日にボランティアに行くというところもあり、ボランティアはいいのですが、本末転倒な感もあります。

ところが、自分が普段行っている仕事や持っている知識が、NPOなどを通じて困っている人を助ける事になれば、ボランティアなどに行かなくも、自分の仕事を一所懸命に行う
になり、そうなれば、ワークか、ライフか、という二者択一の様な論議ではなく、一体化っして自分の人生を考える、正にワークライフマネジメントとなる様に思うのです。

それだけに、これからの日本の方が、もっとプロボノを普及させるべきだと思いますし、我々も、サービスグラントさんと何か連携していければと思います。

しかし、そんな想いもパナソニックさんの社員数を聞いて、吹き飛ばされました。

海外含めたグループ全体で36万人・・・

我々が、日本人の働き方を変革したいとか、良い会社を広げて、良い世の中にしていきたいなどと思って取り組んでいるより、パナソニックさん一社が変革できれば、その方が早いですよね^^;

でも、我々は我々なりに行動していきます。

今度の北ビルは働き方を考えて、皆さんにもご提案できる構成となっていますが、このコンセプトは後日又!



2012年9月4日火曜日

宇宙を想え人愛せ

いつも興味深いテーマについて大学の先生や堀場最高顧問のお話が聞けるクオリアAGORA、先週は、「宇宙の不思議 生命の不思議」をテーマにJT生命誌研究館の中村館長と、宇宙物理の長田京都大学教授のお話でした。

宇宙物理と生命体、一見、正反対とまで言えなくとも全く違う方向からのお話ですが、どちらから見ても、我々人間は構成物の一つに過ぎないと思える程ちっぽけな物で、全く分からない事だらけなのです。

どんどん膨張していく宇宙、その際限はあるのか?その先はどうなっているのか?

多細胞生物は170万種いるとの事ですが、どんなに多様であってもその祖先は一つである。

人間の遺伝子は23000あるそうですが、人間特有の遺伝子は一つもなく、今居る生き物は全て38億年前に行き着くとの事で、この事からも、人間が一番進化した生き物というのではなく、全ての生き物がそれぞれで進化しているという事でした。

こんな風に生命体を分析していくと、人間の存在とはどういうものか?如何にこの全く分からない大宇宙という中で、その中でも数少ない環境豊かな一つの星を、人間だけのエゴや都合で、生態系に合わない事を行っていって良いのか?
と考えざるをえないと思いますし、自分の欲だけで膨張していって、それが何になるのだ
ろうと思ってしまいます。

そんな宇宙の中で、それだけの生命体が全て繋がっているという世の中で、人間の役割を
もっと考えるべきだと思いますし、生まれて来て、生きているという意味をもっと深く考えるべきだと思いました。

また、こんな事を言っていると、マジメだの堅いなどと言われると思いますが、宇宙や生命から考えると、そう考えざるをないのです。

会社もこんな理由から、自社の発展のみを考えるのではなく、その存在意義から考えなくてはならないと思いますし、宇宙と生命という両極から考える事は大変重要だと感じました。

数年前から、うちの社是は素晴らしい!と思うようになったのですが、それは、" 宇宙を想え人愛せ" です。

堀場製作所さんの、 "おもしろおかしく"にも匹敵する社是だと思います。

後は、それに恥じない様な会社になるという事ですね。

勿論、経営者もです^^;




2012年9月1日土曜日

12’9月ウエダ本社 社報

《第三創業の年》

変則的な決算を組んで、新年度がスタートしました。

第二創業という言葉も10年程前に使って、グループを再構築して来ましたが、そういう意味からすると、今期は第三創業というつもりで、皆で、新たなビジネス、流通、仕組みを作っていかなくてはなりません。

昨年の南ビルのリノベーションに引き続いて、現在北ビルをリニューアルしているのは正にそれを表していくもので、これをもって我々は、ウエダ本社として唱えているところを繋いで、目に見える形にしていけるようになります。

価値観の変革を訴え、その為にも多様な人達が融合していく事を目指して開催している京都流議定書イベントと、その融合する場をもっと頻繁に設けていく意味合いも持つJimukino-Ueda bldg.(南ビル)、そして、そんな流れから今後の働き方を研究し、働き方の変革に繋げていく事を目指してリニューアルした北ビルが完成する事により、今まで、ボランティア?と思われて来た活動が、漸く本業と繋がって来る事となるのです。

それらを各クラスターやその中で動く各自が、自分達の領域、役割に繋げる様に、考え、利用していってもらいたいと思います。

今までには無かったか、少なくともこの数十年来には無かった、ウエダとして独自の物、ウエダとして独自の展開を今期からは行っていきます。

多様な人や企業が交流する京都のハブとなり、、ウエダ本社が基点となる事によって、価値を変換し、生み出していき、京都にとっては無くてはならない存在、企業としての存在価値を形成していきたいと思います。

再度皆は、そのシンボルともなるべき、五条通りに面して南北両側に立つビルを輝かせていく事、そしてそれを誇れる存在にしていく事を目指して、京都の中で、無くてはならない存在になったウエダ本社の中で、イキイキとした働き方の模範となって、日本人の働き方の変革を起こしていく存在となって欲しいと思います。