2014年1月25日土曜日

信頼を目指して、まずは信用から

都知事選は候補者の人数だけは盛り上がってますね。

都民ではありませんので、関係はないのですが、何か、ん〜と思ってしまいます。

そんな中、ちょっとビクっとした事があります。

その人の事を全く知らなかったりしても、ある人が推薦してたり、応援していたりすると、知らない候補者の事を、その推薦者のカラーで見てしまう様になります。
知らなかった人なのに、その推薦や応援者の印象で、イメージ付けしてしまうのです。

私もよく、推薦や、支援を頼まれたり、頼んだりしてますが、それを見た人から、私のせいでその人や団体のイメージ付けをしてしまっていたり、逆に、あまり良くその人の事を知らずに安請け合いしていたが為に、私も違う印象を持たれてしまう事にもなるのだと感じました。

この何年か私の周りには、仲良くと言うのか、仲良さげに話をしているけれど、実は、二、三度しか会ってないとか、実は何をやっているのか深く知らなかったという人がたくさん居ます。
ずっと以前から知っていて何十回会っている人より、深く知っている感じがするのですが、やっぱり価値観が合うというのか、同志というのか、二、三回しか会っていないのに、居心地が良いと感じるのは、信頼している人が信頼している人という、信頼の二乗になっているからなのでしょう。

信用と信頼は大きく違うと思いますが、信用した相手、信用の二乗だとそこまでいかない様な気がします。

信用は信じて用いるのに対して、信頼は信じて頼るのですから、似ている様で真逆に近い感覚があります。
信用は、人格など関係なく構築する事は可能で、ビジネスライクにできますが、信頼は、相手の人格から信じたもので論理的なもの以外、感覚的、直感的なものも含まれる感じがします。

貿易決済でL/Cというものを使いますが、この日本語は信用状で、これは見ず知らずで、その国の事すら知らない相手と、銀行が介在して取引を行うのですが、この様に信用は、マニュアル化してロジックで作れますが、信頼はロジックでは作れないと思います。

と、正しいのかどうかは分からない自分の考えを分析していくと、何故、都知事選で、ん〜と思うのか?に気付きます。

いくら良い事を言っていても、そこに戦略や、推薦、応援を含めた色々な人の思惑などが見え、正しい事であっても、信頼まではできないからではないのか?と。

相互依存、利他、、、信頼できる集団を作って、そういう人とビジネスやプロジェクトも行なっていきたいですし、そんな世の中にしていきたいものです。

まずはその為にも、ロジックで考えても信用できる人から作り、信用できる仕事から始めていかないといけないのでしょうね。

改めて、アミタホールディングスの熊野会長が創設された信頼資本財団というネーミングへの想いの深さを感じます。





2014年1月18日土曜日

RELEASEの学生を通して考えること

今週は、広報活動の様な一週間でした。

水曜日は学生向け、木曜日は先生向けに京都府立大学で授業と講演、土曜日には企業✖学生 未来共創プログラム「RELEASE」の中間プレゼンが有りました。

又、それぞれ昨年に取材を受けていた月刊総務の特集記事や、テラルネッサンスの立派な活動報告書が配布され、常に唱えている話を色々な形で広めさせて頂いた週でした。

又、そんな事を言っていると、何の為にそんな事やっているの?そんな事やってて大丈夫?目立ちたいの?など色々な声が聞こえてきそうですが、何年かかって、何度説明しても、その意味は殆ど理解されないのですから、RELEASEで、それを企業に理解してもらうには?的な課題に挑戦してくれている学生さん達には、大変、酷な、難しい課題であると思います。

他は、パタゴニアさんやフェリシモさんなどCSRで有名な所ばかりであり、本当に素晴らしい理念に基づき商品開発を行われている企業で、殆どが消費者向けビジネスですので、課題も分かりやすく、自分達のやりたい事も、イメージしやすい中、わざわざ、無名で分かりにくい課題のウエダ本社を選んでくれている人は、多分、直感的に我々が唱えている事を捉えてくれているのだと思いますし、実際、少しの話でよく本質を抑えてくれているなあと感心します。

私の立場を想像してもらえれば、気持ちも分かってもらえると思いますが、並み居る有名企業の中、ウチを選んでくれて、自分がずっと唱えている事を面白いと感じ、研究し、その課題を解決するプランを考えてくれているのですから、可愛いく思えますし、彼らが悩んでいる姿も微笑ましくも思えます。
何とか、関わってくれた学生達には、経験や気づきという資産を得て、大きな成長に繋げて欲しいと思います。

その報告会には、三ヶ月前に中途採用した二名と、ウチの理念を理解してもらう企業を開拓している社員の三名を連れていきましたが、彼らにも大きな気づきがあった様です。
何せ自分の会社をこれだけ一所懸命研究し、しかも議論し悩んでくれている姿を見るのですから、何も感じない方がおかしいでしょう。

ウチの社員も含めて、日本の、特に中小企業のサラリーマンは、まず、自社の事をこれだけ研究して、自社の課題解決する為に悩み、考えているでしょうか?
加えて言うと、こちらは大事な自分達の生活の糧になる給料をもらっていながら、です。

殆どは、そんな事も考えず、給料など条件ばかり追いかけ、不満を抱き、やらされ感の中、人生の殆どの時間を費やす仕事を行なっているのです。

本当に人間という資産が生かされていない一番勿体無い話だと思います。
人間誰しも大きな可能性と役割も持っている筈なのに、しかも普通に働けているという事は色々な環境的にも恵まれているのに。

ウチの会社が何の為にこんな事を行っているの?という事については、日本人の働き方や仕事に関しての、こんなpoor(プアー)な考え方を変えたい、その為には自社がそれを目指して行かないと、という事であり、その為にはあの手この手、からめ手で考えていかないと駄目だからであって、自社の社員に対しても座学研修などでは伝えられない事だからです。
そういう意味でも、決してボランティアで行っているのではなく、ウエダ本社の存在意義を作り、考え方を広め、社員教育にも繋がる、思い切り事業に絡んだ展開なのです。

オフィス(企業)に関わっている我々と、課題で悩んでくれている学生との接点は、RELEASEに参加している様な積極的な学生が、そのままの姿勢で働いていける様な会社(職場)を増やして行く事です。

そんな接点から、面白いアイデアが出てくる事を期待してます。
RELEASEのウエダ本社グループの皆さん、モヤモヤ感の中、悩み抜いて下さい(笑)

府立大学での話なども書けませんでしたが、全ては一つの想いからですので、又、何かの機会で書かせて頂きます。

2014年1月12日日曜日

京果会館で京都の為に

今週は新年会がいくつもありましたが、堀場最高顧問の下に集まるクオリア研究会も新年会でした。

その会の前に、メンバーの数名が招集されて、今年の運営について話がありました。

ずっと以前から最高顧問は、社長たる者、自分の会社の事だけ考えていれば良いという事ではなく、京都を如何によくするか、天下国家、世の中を如何に良くするかに心血を注がないといけないと仰っているのですが、今回はいつもにも増して、これからの日本を良くするには京都が頑張らないと駄目で、その為にも何とか、あなた方、4,50代の経営者が京都の為に行動を起こして欲しいと、コミットメントを迫られる程の勢いでした。

何故、京都なのか?については、海外から人を呼び込むというだけではなく、欧米でも和のテイストが分からないとイケてないと見なされるほど、注目されるコンテンツであること、又、"本物"を見極め、認める土壌がありますが、本物を追求する為にはオーナー系企業である事が重要だと仰っていました。
"本物"を追い続けていく為には、目先の利益、それこそ数値化された事だけの表面上の評価では限界があり、オーナーの想いや、使命感が無いと実現し得ないのです。

私も初めて知ったのですが、堀場製作所の放射能測定器は、他社とはレベルの違う"本物"で売れているそうですが、これは最高顧問が最初に開発され、60年間ずっと赤字の中、やり続けて来られていた商品で、それが今回、他社とはモノが違うという事で売れ、60年間の赤字を一掃したそうなのです。
勿論、原発事故という不幸な事があっての事なので、喜べる話ではないのですが、そういう論点ではなく、それだけの赤字の物を続けていけるのは、オーナー系しか絶対にできないし、そこに想いが無いとできない、そして"本物"は、そこまでの想いと継続があるから生まれていくものだという話で、それは京都でしかできないというお話でした。

最高顧問から直々にそこまで言われて断れる人は居ないでしょうから、この一年は、クオリアメンバーからも色々な動きが出てくるのではないか?と思います。

各云う私は、思いがけず、今年から思い切り京都の街に関わる事になると思います。

出席したいくつかの新年会でも、京都府、京都市のTOPの方々から京果会館http://www.kyoka-kaikan.jp/ 何とか成功させて欲しい"、"あそこがうまくいってくれると大変な活性化に繋がる"、"今後一番の注目エリアなので期待している"などなど、口々に言われていた様に、元々はビルの事しか考えていなかったのが、地域全体、京都駅西部エリアの活性化に関わっていかなくてはならなくなっています。

数年先には開発が進んで行くとは言え、現在はまだまだ集客が期待できる場所ではないですから、如何に、ここにわざわざ来る人を集めてくるのかがポイントであり、そんな役割を担う事になってしまったのです。

期待されているとは言え、現状、通常のやり方では失敗する可能性も高く、多くの方がお手並み拝見という中、私も正直、エラい事になったなあと思っていたところもありました。

元々、儲けというより、新たな挑戦という意味が強かったのですが、"食とデザイン"というコンセプトで展開するリノベーションプロジェクトこそ、全く次元の違う想いで、京都の為、食の安心、安全、そこに表れる、きめ細やかさや器用さを通して日本の良さを発信していく拠点にする!そんな決意を改めてさせて頂きました。

今回分かったのですが、京果会館のある場所は、平安時代初期、渤海使を迎賓する為に造られた東鴻臚館(ひがしこうろかん)が有った場所で、正に海外との、おもてなしのゲートだったのです。

そんな歴史的にも意味ある場所で、私の50代は、京果会館を通して、京都の為、日本の為に懸けていきたいと思います。

2014年1月1日水曜日

2014年 "会話"から"対話"の年へ

新年明けましておめでとうございます。

昨年後半から、所謂アベノミクス効果で、従来的な見方においては、景気は回復してきました。

今年も消費税増税があるとは言え、その反動も少なく、10%の増税までは計画通りに進んで行くと思われます。

アベノミクスについて、"新しい公共"的な展開を唱える人々からは、批判的な意見も聞かれますが、まずは、良かったのではないかと思います。

景気とは、"気"の有り様、ですから、まずは"気"をUPしないと始まりません。

その使い方や、支出を抑えるなどの問題はありますが、消費税増税は必要であり、誰かが行なっていかなくてはならず、今迄誰もその壁を越えられなかったのですから、皆の"気"をUPし、その壁を難無く突破するアベノミクスは、それだけでも大きな成果だと思います。

ただ、この流れの上に、2020年の東京オリンピックに向けて、バブル期と同じ様な建設を中心とした"好景気"が予想されますが、ここに向けて、皆の感覚、意識をどの様に変えていけるのか?が、本当に日本の行く末を決める事になる様に思います。

東京は開発中心に"好景気"に沸くのでしょうが、バブル期と違うのは、地方も同じ様に続いていく事はなく、東京と地方は全く違う動きになるでしょう。

その中で、より特殊化した東京で、日本全体、日本人全体の事を考えていって、大きく間違っていくのではないか心配です。

 "気"の有り様をUPした中で、人口減少社会の先進国の進むべき価値観に大転換を図らなくてはならないと思うのですが、表面上は良くなった景気で、従来型の消費型資本主義が通用するとういう幻想を持たない様に注意していかなければなりません。

社会変革を興そうとする若者が増えていますが、新しい価値観を持った若者達には、是非強さを供えて、変革に臨んで欲しいと思います。

ダイアローグは益々重要になっていくでしょうが、現状行われているダイアローグは、同じ価値観の仲間で話している様な感じで、まだ"会話"の域から脱していない様に感じます。

ダイアローグは"対話"であり、本来は、違う立場や価値観の人々が話し合うものです。

アベノミクスであれ、TPPであれ、物事を進めるにおいては、必ず是非が有り、一方から見れば正しい事も反対から見れば間違いであり、それをそれぞれがつつきあっていたり、同じ立場の人がいくら話しても、より、対峙する構図に向かうだけで解決にはつながりません。

今年は、そろそろ"会話"から、違う立場の人と"対話"していく年にして、新しい価値に皆が気付き、そして、築いていく年にしていきたいものです。