2016年12月30日金曜日

働き方変革のイノベーター

今年最後のブログになりました。

今年一年も本当に早く、情けないほどバタバタした中で終わってしまいました。

普段は、FBやブログではあまり弱みというか弱音は吐かない様にしているのですが、今年最後という事で、ちょっと泣き言から始めたいと思います。

実は12月に入ってから、続けて二人の退職依頼がありました。

11月末に、伊那食品さんに社員研修に行って、皆、色々な事を感じてくれて、成長も感じていた矢先の事でありました。
そもそもこの研修旅行は、私がウエダ本社に来て16年が経過し、漸く足並みが揃ってスタートラインに立った感じであったので、まずはその最高峰の伊那食品工業さんへ行こう!という段階であっただけに、正直ガックリと来ました。

今までも、会社的には厳しい危機もありましたし、これまでの過程では、方向、価値観が合わないと辞めっていった人も結構いましたが、私自身は悪い事があっても、その状況でどうするか?を考える方なので、意外とプラス思考になるのですが、今回は一瞬、正直言えば、やってられないという気にもなってしまいました。

それには大きく三つの理由がありました。

まず、長年かけて一進一退を繰り返しながら漸く足並みが揃ったと思ったのが、一人、二人のピースが外れるだけで、バラバラっと危機に陥る可能性もあって、中小企業のはかなさを感じてしまった事。
今回の退職者は価値観が合ってないというよりも、転職への決定は奥さんの意向が働いたという事で、会社の魅力がまだまだ足りなかった事。
そしてその事自体、社員満足や幸せを追求するとしながら、できていないのを痛感させられた事です。

又、その内の一人は同業界で、それも上場企業の最大手からの誘いで引き抜かれたというのも、やり切れない気持ちになったところでした。

しかし、その落ち込みから、ポジティブな気持ちにさせてくれたのも社員達で、残るリーダーが、やるしかない!的な姿勢を見せてくれたり、他のリーダーも自分の足らない所を受け止め、行動を変えると言ってくれたり、新入社員も、不安だけど自分が役割を持てるチャンスと言ってくれたりして、かえって連携が図れて良くなるかも?といつもの様に転換できることができました。

私自身が弱っていることもありますが、確実に皆、成長してくれていると感じました。

そして考え様にによっては、同業最大手の上場企業に抜かれる社員を出すのだから、うちの会社も大したものかと思う様にしました(笑)

しかし一方で、中小企業の在職中の社員に、何の話も挨拶も無く手を突っ込んで来た同業界のO社は、絶対に許せないと思いますし、この自社さえ良ければ、という価値観自体には、徹底的に対抗していきたいと、闘志も湧いてきています(笑)

大企業の論理からすれば、引き抜きなんかも当たり前で、全く悪気すら無いと思いますが、抜かれていく中小企業側では、それだけで倒産に追い込まれたりすることだってあると思いますし、こんな感覚を許していてはいけないと思います。

私が、国が進める働き方変革について懸念するのは、何故、長時間労働になるのか?という所を政府も国民側もしっかり見ないと、多くの中小企業は余計に厳しくなり、そこで働く人たちも余計に厳しい環境になると思われるからです。

大手が、資本力やその力で仕掛けるサービス競争、そして、自社の利益のみを追求する事による、出入り業者や自社よりも力の弱い仕入先へのしわ寄せ(押しつけ)が進んでいくことになると思います。

そもそも明日(今日)になんて、着かなくて良い商品は沢山あります。

それを個々に、小口で、間違いなく一刻も早く届けるサービス、その過剰なサービスを実現する為の関係先は、果たして短時間労働で会社が成り立つでしょうか?

又、値段だけで業者を競わせたり、相手の立場を無視して力づくで取引する大手に納入している多くの中小零細企業では、短時間労働、働き方変革など起こり得るでしょうか?

勿論、努力してそれを成し得る中小企業はあるでしょうが、多くの中小のサービス業に勤める人達には、しわ寄せがいく事になるのです。

そんな事を考えていくと、働き方変革を実現していく為には、高付加価値、独自性を持つ会社を増やしていく事、行き過ぎたサービス競争を持て囃すのではなく、他人や他社のことを思いやれる企業を増やしていかないと実現していかないと思うのです。

来年は、私自身、まだまだいい会社にしきれていないウエダ本社での反省と、自社だけが良ければという価値観への反発心で、働き方変革のイノベーターに突き進んでいきたいと思います。

伊那食品さんでは、パートナーとして取引されている業者さんに相見積もりすら取られないそうです。

多少それで自社だけが安く買うよりも、パートナー企業も一緒に儲けて、その分一所懸命、伊那食品さんに対応してもらった方が、気持ち良く共栄できるからです。

その伊那食品さんにトヨタさんが学んでおられます。

来年は、そんな価値観が主流になっていく年にしていきたいですね。

私のブログを読んで頂いているモノ好きな方(笑)、来年はもっと行動していきますので、よろしくお願い致します。
そして蹴落とす競争ではなく、お互いが協力して共創していく世の中を目指していきましょう!

一年間ありがとうございました!










2016年12月25日日曜日

ミラツクからのXmasプレゼント

今週は毎年恒例となったミラツクフォーラムに参加していました。

12月23日の祝日、世間は勿論、東京などは特に派手にクリスマスで盛り上がっているこの日に、招待制と言っても実費で100名程が全国から集まるフォーラムの凄さ?は、毎年書いている気がしますが、趣向も変えバージョンアップしている今年も、よくこれだけのメンバーをこの日に集めたなという豪華キャストでした。

そのオープニングは、井上英之さんと大室先生の対談からスタートしました。

その中で大室先生は、米国は個人主義なのに孤立しておらず、逆に日本は集団主義なのに孤立感を持っている調査結果があると仰っていましたが、自立する為には、相対がないと自己認識が弱く、自分が支えられていると自覚すると自立できるという、個と集団のお話をされていました。

又良い組織のTOPは、意思決定をせず、理念を語り、コミュニケーションをするだけとの事でした。

最近、漸くというか初めて前に向かえる様になったと思っていた組織がしっかり作れておらず、力不足を痛感していた私にとっては、グサリと来る話でした。


又一方で、井上さんから、マインドフルネスについても、自分を理解する事が他者を理解するというお話、セルフコンパッションという自分への共感や、初めからWeではなく、I から始まるという、”個”が必要で、多様なものが違う強みを生かしていくコレクティブインパクトのお話など、こちらも”個”の重要性を話されていました。

少し救われたのは、自分の気持ちをコントロールするのではなく、マネージする事。

怒ってはいけないのではなく、怒っている自分を知っているという状態をつくる事。というお話でした。

ついつい、怒ってしまう自分を弁護しているのではありません(笑)

そうではなく、自分の感情を知る事により、感情、脳にスペースを与え、その事で、新しい対応ができる様になるという事なのです。

今や従来の環境ではなくなり、今までと同様の対応をしていてうまくいく筈がない中、何かが起こった際、自分の感情を知り、その感情をマネージする事により、新しい対応ができる様になるのであって、その為にマインドフルネスというものが重要なのだというお話でした。

と言うと難しい話の様ですが、その前に、年間のスケジュールをしっかり立てる、今やっている事とやりたい事、増やす事と止める事をしっかり見直して、決めていく事から改めて行っていきたいと思いました。

ミラツクフォーラムも毎年確実に、色々な立場の人を巻き込み、それぞれの分野で講演料が必要な方々を一般参加者としても集め、凄い方々のセッションをバッティングさせて行っている勿体ないイベントになっていますが、これもしっかりと自分の方向性に基づき、やりたい事、やるべき事をセッティングしているから着実に進化しているのだと改めて感じました。

十数年やって来ても、うまくいかないとガックリ来た事もあったのですが、全ては私自身のマインドセットがしっかりできていなかったと気づかされました。

毎年、クリスマスのこんな時期に!!と思わせながら、それ以上の気づきを与えてくれるミラツクフォーラムは、ミラツクからのクリスマスプレゼントだったのですね。

2016年12月18日日曜日

アクティビティーとティンカリング


今年もあと半月となった今週は、恒例となった大久保寛司さんセミナー、知恵の場の他、ワコールスタディーホールで開かれたミラツクのシンポジウムなどのイベントに加えて、忘年会も重なり、バッティングしまくりの慌ただしい一週間でした。

クリエイティブな学習空間をテーマとしたミラツクのシンポジウムは、新しく京都駅前にオープンしたワコールさんのビル内をまずは回って、好きと感じた空間と、残念と思った空間を探すツアーからという構成でした。

ゲストスピーカーのお一人、日建設計の塩浦さんは、都市を構成する要素にはハードとソフト以外にアクティビティーがあり、それをどうデザインするか?を考えていく事が今後は重要であると仰っていました。


ハロウィンの時の渋谷の盛り上がり。

イベント屋やソフト屋が作ったわけではないあの盛り上り方が今の流れであり、あのアクティビティーの構成要素から、ワクワク感をどう作っていけるか?が今後重要とのお話でした。

同じくゲストスピーカーであった同志社女子大の上田先生は、ティンカリング(Tinkering)というキーワードを上げておられました。

ティンカリングとは、”様々な素材や機械をいじくりまわすこと”という意味だそうですが、もの作りにおいては、この失敗を気にせず、ドンドン行っていく様な感覚が重要だとの事です。

大量生産時代は、しっかり計画を立てる事が重要で、無駄を省き、効率良く作るという事が求められたが、今や、計画立てて皆が欲しい物が作れる時代ではないという事で、失敗してもどんどん挑戦していく姿勢や、やはりワクワク感が必要である様に感じました。

日本は欧米を追いかけ、PDCAを回す事を学んで、プランをしっかり作って行動し、評価して改善するという体制で成長して来たのですが、計画を立てている間に状況は変わってしまう昨今では、頭にあるものもを形にしていける力が必要で、プロトタイプを作ってドンドン修正していくやり方でないと、対応できないとの事でした。


我々のオフィス領域でも、イノベーションを生みだす事が求められたり、国の方では働き方変革を中心の課題に据えたりと、従来の管理型を見直す流れは出てきているのですが、取り組みというよりは、そもそものワクワク感が一番足らない所で、それが重要だと感じました。


働き方変革においても、働く事が悪い事の様に特にマスコミなどが煽り立てているのが気になります。

労働をレイバーと捉える様な感覚だから、管理型の作業となり、そうなると生産性を求められ、人間性を無視した話になってしまうのです。

そうではなく、ティンカリングでプレイフルな働き方をしていく事が、働く人にとっても人生を豊かなものにすると思いますし、そんな気持ちで働くから付加価値の高い仕事もでき、イノベーションも生み出されていくのだと思います。

オフィスツアーからスタートしたこのシンポジウムも、いつもと違う構成が考えられてましたが、働く環境においても、渋谷のハロウィンを創り出す構成要素を参考に、アクティビティーを考えていきたいと思います。





2016年12月10日土曜日

働き方変革を実現する為に

今週はサイボウズさんの大阪10周年イベントに参加していました。

グランフロントに2500名程集めてのイベントは盛大でもあり、共に生きるがテーマであった様に、温かみのあるものでした。

昼一のセッションしか出られなかったのですが、”男性学”という耳慣れぬ話はなかなか面白く、考えさせられるものでした。

働き方変革、女性の活躍推進は、女性の立場ばかりにSPOTが当たっていますが、男性側の環境も変えていかないと、女性の立場の向上にも繋がりません。

結婚相手に求める条件で、男性に求める1位は経済力で、やはりまだまだ男性は、外で稼ぐものという社会的な位置づけがあります。

先進国の中で、日本は結婚相手の男性に求める条件が厳しい(多岐に渡る)と聞いた事があります。

それに加えて育児、家事への参加が求められ、効率化が進む会社では細かい業務に忙殺され、何だかんだ言っても、男性は強いものという概念から、弱みを吐露できないという現実もあります。

年間自殺者3万人の内、約2万人が中年男性という事も、日本の大きな特徴だそうですが、今の流れが進むと、より男性、特に家族を持ち、ローンを抱えるお父さん達は、追い詰められていく事も注意しておかなくてはなりません。

と進めてくると、日本人男性の家事、育児参加は、圧倒的に少ないじゃないか?今の流れを逆流させる気か?と、女性から怒られそうですが、そういう話ではなく、男性が家事、育児参加できる、女性が働きやすい環境を作る、という事において、この男性側の問題も考えないと、歪を増やすだけになると思うのです。

平日昼間問題という事もあげておられましたが、男性が平日昼間にウロついていると、あの人はどういう人なんだ?と思われ、肩身の狭い事になる様ですが、社会全体の、”あるべき論”を崩していかなくてはなりません。

100人いれば100通りの人事制度、と、サイボウズさんは掲げておられますが、男性がどう、女性がどうという事ではなく、全員が違う働き方で、それを自らが選択できる様にしていく事、それが抜本的な解決策だと思います。

企業と社員が共有すべき価値観や果たすべき社会的使命を明文化した、ミッションステートメントというものがありますが、個人や組織だけではなく、夫婦や家族のミッションステートメントを作り、各家庭内で稼ぐ人は誰か?その割合は?という事を考え、それから来るそれぞれの働き方を、会社と話をし、その働き方に対する評価を決めていく事にしていかなければ、本当の働き方変革に繋がっていかないと思います。

社員達にはミッションステートメントを作ってもらうと共に、各家庭でのミッションステートメントを考えてもらい、その上で、個々の生き方から考えた働き方のウエイトやスタイルと、会社での役割を擦り合わせていきたいと思います。

そんな会社が増えていけば、平日昼間の男性の姿も変わっていくのではないでしょうか?








2016年12月4日日曜日

出張ばかりでしたが、これが仕事です

今、福岡から帰りの新幹線で書いてます。

今週は、ずっと出張の1週間で、またまた内容有り過ぎて、書くのが難しい状態です。

しかし何と言っても、月曜、火曜に訪問させて頂いた伊那食品さんへの社員研修については1時間の講演をさせて頂きたいほど価値あるものでした(笑)


まず、ウエダ本社にとっての大きな一歩であったのですが、私がウエダ本社に来て、早16年が経過してしまいましたが、倒産寸前の会社に入り、いずれは毎年社員旅行できる会社にしたい!と思って会社の存在意義から考え、今の経営スタイルにした先の目指すべき星が伊那食品工業さんであり、漸く色々な意味で目指す方向に会社として立ったという段階になった今、まず第一回目は全員で伊那食品さんに!と思ってのものでした。


社員からすれば、折角の社員旅行なのだから、遊んで楽しいものの方が良かったと思います。

ただ、これにも思いがあって、我々の様な弱小の会社で、社員に給与や条件的なモノのでは大手と比べて、どこまで行っても勝ち目はないですが、社員達に、成長できる環境や、生き方を見つける環境という事であれば、我々でも大手には負けない価値を提供できると思うからです。

そして恵まれた事に、その方向においては、色々な方のご縁で、ウエダ本社は大きなアドバンテージ、繋がりという資産を持っているのですから、それを社員に還元していくのが一番の目的でした。

それでも正直、楽しい所の方か良いと思っていたと思いますが、伊那食品さんであれば、そんな考えを覆してもらえると思ってましたし、少し手前みそですが、今であれば、うちの社員もそれを感じてくれるレベルにはなっていると思っての事でした。


結果的には、色ーんな事があり、翌日の朝礼での振り返りのコメントを聞いて、その期待通りであったと思いました。

講演で良い話を聞いただけではなく、全員がそれぞれで動いて、体感、遭遇した話なので、私も知らない事だらけであり、又、それぞれが遭遇した際の伊那食品の社員さんの対応が、同様に素晴らしいのです。

大久保寛司さんがいつも、”本物は360度”いつでも、誰でも、何処でも です と仰いますが、正に、その通りの会社であり、その差を感じたコメントを話している社員を見て、成長を感じましたし、本当に皆で行って良かったと思いました。


よく私などでも、プロ野球などを観て、どうしてあれが打てない?などと偉そうな事を言ってますが、それなどは、ど素人でプロの技や差が分らないから言える話で、本当に分っておられる方は、その凄さが分るので何も言えないものですが、違いや差が分るという事は、レベルが上がっている証拠なのです。

喜んでFBでも書いていましたが、今回、家を空ける事が難しく参加できなかった内務の女性が、研修旅行で皆が行くので、自分も休まず一人で出勤します!と言って出てくれていたのですが、こういう気持ちに応える為にも、行った皆は、今回の学び、気づきを自分のものとして成長して欲しいと思います。

一日出社して又木曜日からはトップフォーラムの勉強会で鹿児島へ入り、桜島が綺麗に見える素晴らしい社屋の藤田ワークスさんで、藤田社長と、農業法人さかうえの坂上社長のお話しを伺いましたが、方や板金加工、方や農業という全く違う分野でありながら、人を大事にしながら、他人とは違う方向で挑戦する人は、共通する独特の哲学を感じます。


これからの時代は特に、我々中小企業や、凡人が、皆と一緒の方向や、同じ事を行っていては逆にうまくいく筈がありません。

本当に社員を守り、幸せにしたいと思っていれば、弱い立場の中小企業ほど、”従来通り”や”皆と一緒”という決断をしていられないと思いますし、社長は皆と違う所へでも挑戦していかなくてはならないと思いますが、お二人の社長からも正にその事を感じました。
しかし、そんな社長の話は又、塚越会長や伊那食品さんの話と重なる事ばかりで、やはりどんな業種の会社でも、どんな時代でも、自然の摂理に則って考えていく事が一番間違わない事なのだと思います。

土曜日は一人で福岡に向かいました。

福岡移住計画の須賀さんに会いに行ったのですが、そこで又、各地から面白い人が来られていて、一緒に糸島をご案内頂きました。

糸島の盛り上がりは聞いていましたが、おいしい塩作りを追求し、玄界灘の水の最も綺麗な所を選んで国定公園横の森林を切り拓き、工場も全てセルフビルドで作ったという製造所で売られる塩や、プリンを求めて、人が引っ切り無しに訪れていました。

およそ人が行く様な所ではなく、そこでおいしい塩を追求していった結果に、人は引き寄せられていき、そんな事例が糸島を魅力ある市に仕立てているのです。


夜には、いつもお世話になっているスペースRデザインの吉原さん主催のトークイベントにも参加しましたが、ここでも昔は遊郭があったエリアで、博多らしい人間関係をベースにした開発をしていこうとされている方々の思いが心地よく、夜中まで通称?”ロータリーピープル”に混ぜて頂いておりました。


地方を回ると、普段国で論議されている流れとは明らかに違う流れがある事が分かります。

出張が多かったので、その間にやらなければならない仕事もあったのですが、毎日が内容満載で、やる間がなく、今日は、佐賀を見に行く予定を止めて博多のカフェで籠もり、今帰りの新幹線でこれを書いてます。

佐賀は次回の楽しみに、それまでに、佐賀で皆と違う事を行っている変な人、店、会社、をご存知の方は、是非、教えて下さい!

2016年11月27日日曜日

満足ではなく仕事の幸せとは?

FBでも書いたのですが、土曜日はウエダ本社にとっても嬉しい日となりましたので、改めて触れたいと思います。

シライ電子工業さんという上場企業の、50周年事業の全てを当社で取り仕切らせて頂いていたのですが、その式典と懇親会が行われ、スタッフ達が見事にやり切ってくれたのです。

毎年、京都流議定書という三日間のイベントを社員だけで行い、いつも、これだけの事をやれるという強みを生かせられないのか?これだけの事ができるなら、こういう事を仕事にしたら?という投げかけを行っていたのですが、それを今回実現してくれたのでした。

京都ではどうしても”事務機のウエダ”というイメージが強いので、ここ数年のウエダ本社は一体何をやっているの? と、多くの経営者からもご理解頂けなかったり、逆に昔をご存知ない新しい層からは、CSR活動に熱心な会社ですね?などと言って頂けるのですが、あくまでこれら活動も、真っ当に仕事として追求しているものなのです。

スタッフも含めて、京都流議定書を始めとした一見収益を生まない活動や関わりと、皆が本業と思っている付加価値の低い”モノ”の販売が結びつかず、現場力や、対応力などの人的な価値を生かしていく領域を創っていく事が我々の課題でした。

というと難しいですが、単純に、もっと役に立つ会社、無くてはならない存在になりたい!という話で、スタッフにも、多くの人から”無くてはならないと思われている会社”のスタッフになって欲しいという事を目指してきたのです。

勿論、事務機器の販売も立派な仕事です。

ただ、どうせやるなら、他の会社で代替えが利く仕事より、他ではできない仕事、これがコケたらどうしようもないという仕事を、一緒に担わせて頂ける方が、存在する意味、生きている意味があるではないか?会社もスタッフもそういう存在にしたいと思ってきました。

よく、利他と利己の話がありますが、これらの活動も、利他的に見えて、私自身の、そういう存在にしたい!という利己なのかも知れません。

でもどこまでいっても利他と利己の問題は絡み合って出てくるものですし、利他的な事をしたい!という利己で、それもレベルを上げていきたいと思います。

今週行なわれた知恵の場のゲストは、ネッツトヨタ南国の横田相談役でした。

”教えないから人が育つ”という事を実践して来られ、実績を示しておられる横田さんのお話しは、今までは、”教えて”頂けるスタイルではなかったのですが、今回は大変分かり易く、目的と目標の違い、満足と幸せの違い、知識とできる(行動)の間の壁など、人を育てる事について、体系立ててお話し頂けて、私などでもよく分かりました。

中でも、満足と幸せの違いを体系化されたお話しは、こういう分析自体が今までなかったのではないか?と思いますが、大変分かり易く、しかも、条件に絡む”満足”項目ではなく、目的に紐づく”幸せ”項目を増やしていく事という、やるべき事も明確になりました。

ウエダ本社でも私だけが会社の目的を唱えてそこに進めたがっている事が、皆には目標しか見えず(見せられておらず)そのギャップに苦しんで来たのだと思います。

シライ電子さんの式典では、一代で上場までされた間の壮絶な浮き沈みの裏話もお聞かせ頂きましたが、そんな会社を創って来られた方々の様々な想いを凝縮した式典、記念事業を任せて頂いて仕事しているスタッフ達の姿を見て、格好よく見えましたし、そんな意味有る仕事をもっと増やして行きたいと思いました。

自分の成長を実感できるという働きがい=幸せを感じられる”いい会社”、それを目指して、明日、明後日(28日、29日)は、私がウエダ本社に来て初めて、社員研修旅行に行かせてもらいます。

その行先は、伊那食品工業。

目指す方向にある最高峰の会社に行って、働きがいを感じる風土と、それが作られる様々な差を感じてくれれば嬉しいですね。

勿論TOPの差が大きいですが、、それも含めて、皆で感じて来たいと思います。




2016年11月20日日曜日

信頼の仕組づくり

今週は安倍首相が、世界の首脳として初めてトランプ次期大統領に会うという事で注目されました。

大統領就任前に会うという事、それも自宅で、家族も同席し、日本側は同行者無しという異例ずくめでしたが、日本が真っ先にという動きの早さも異例だった気がします。

日本はどうやら、トランプ氏に決まったから慌ててという事ではなく、クリントンさんでも、この安倍首相が米国に行くタイミングでの会談を準備していたようですが、選挙直前になってクリントン一本被りではマズイと、トランプ氏の繋がりをありとあらゆる所から探した様で、最初にメッセージを届けた日本には印象が良かった様です。

こんな事を見ても、会談時間が延長された事からして友好的には進んだであろう事を見ても、やはり、人は繋がりを感じたり、面と向かって話する事が如何に大事かという事も感じました。

しかし、トランプさんというのは、改革者か暴君か、いずれにしても並外れた自信家ですね。

いくらビジネスで大成功を収めているからと言っても、全てを網羅した国家、しかも世界を動かす国家のTOPに就任するのに、今の所、側近に現状を理解したベテランや、気脈に通じた人を置こうという感じはなく、あまり意見を聞く感じに見えないのですが、その重圧に怖ろしくなるという事はないのでしょうか?

現状を踏襲した様な感覚では改革は起こせないですから、その姿勢から、”変える”という事には期待が持てますが、現状を徹底的に分析して、分かった上で知らないフリをして変えないと、ホントに知らないで変えるのは、一か八かのバクチになってしまいます。

トランプさんが安倍首相の言葉通り、”信頼できる指導者”であれば、学ぶ姿勢は持っておられる筈ですから、この”信頼”を切り口に、安倍首相や日本が、行き詰った資本主義の新たな形の先導役になっていかなくてはならないと思います。

昨日は、私も理事を務めさせて頂いている信頼資本財団の最大のイベント「信頼デイ」がありました。

信頼は資本となるのか?

人は信じられるのか?

人間は助けるものである筈なのに、その本能が封じ込められている世の中とは、人ではなく、仕組が誤作動をしてしまっているのではないか?

その誤作動を無くせば、人は豊かになるのではないか?

その基盤づくりに我々一人一人が参加していくこと。

そんなテーマと構成だった様に思います(内容、参加者、想いなどが濃すぎてなかなか整理できてないですが)。

来年は、世界(歴史)が大きく変わる起点になる事は間違いありません。

日本では、更に2020年に向けて行き詰った従来型資本主義と、世界の軍事、民族、宗教などが絡んでの潮流が入り混じってきて、濁流に飲み込まれる可能性もあります。

その中でやはり日本は、改めて信頼をベースにした仕組作りを積み重ねていく事が役割なのだと思います。



昨日は、信頼資本財団の熊野理事長と京都地域創造基金の深尾理事長の対談もありましたが、この二つの財団が連携するだけでもできる事は広がりますし、この動きに京都では、京都信用金庫さんも連動して頂いています。


金融庁も評価基準を抜本的に変えていっている様ですし、お金の流れがまず、信頼と連動した形になれば大きく変わっていくと思います。


昨日のイベントで、PaKT(パクト)というマナビノバで集まる学生や、アショカジャパンのユースメンバーなどが、会場準備から後片付けまでを行ってくれていたのですが、その動きや、そもそもの取り組み(参加)姿勢、それぞれの人間性が素晴らしくて感心しました。

悪い事ばかりではなく、希望を持てる変化も着実に広がっていっていると思います。

昨日の目を輝かせていた若者達が信頼をし、その信頼が裏切られず増幅していく様な仕組を、一つ一つそれぞれの立場から作っていく事、これから二、三年に課せられた命題です。



2016年11月13日日曜日

トランプ大統領を生み出す「長波」とは

米国大統領選の感想について、今までFBでも何も書いていなかったのですが、その事に気づかれて、『待ってます』と言って頂く、マニアックな方もおられました(笑)ので、今週は、思っていた事から書きたいと思います。

意図的なマスコミの報道があると言いつつも、私もやはりクリントンさんが勝つと思っていましたし、その方が”マシ”だと直前まで思っていました。

しかしギリギリになって、拮抗しそうになってからは、これはどちらにしても今回の溝や、内向きさ、人権に関した過激な発言などへの流れは止まらないので、クリントンさんが勝ったとしても、かなりマズイ状況だと思う様になり、トランプ氏が勝った頃には、かえって思い切り変わらざるを得ないので、劇薬とも言われる様に、長期的に見ればズルズルと変わり切れないよりは良かったのかも?と思う様になりました。

当選してから、暴言を控えているところを見て、あれは戦略だったとか、マスコミが助長していたとして、トランプ氏を擁護する様な人もおられますが、どう割り引いても、ある発言を一部だけ切り取ってマスコミが偏向報道したものとは全く違って、人格からストレートに出ているものだと思いますし、何せ米国の大統領ですから、やはりその頂に座る人の人格としては、物分りよく認めるべきものではないと思います。

しかし同時に、それでもそこに流れつかなくてはならない、従来型の仕組、力、そしてそれで選ばれるリーダーに対しての批判である状況と、そこまでの状況に気づかなかった、或は、気づきながらそれを又、従来型の力で覆ってしまおうとした勢力の、大きなギャップを目の当たりにした事の方が恐ろしく感じました。

そういう意味で、そのギャップ、亀裂を生んだまま、クリントンさんが従来型のモデルで展開するよりも、トランプさんが、そのギャップ感をあぶり出し、従来型のリーダーではできない新たな展開をした方が、長期的に見れば良かったのか?となる事を期待したいと思います。

ただ一点だけ期待を感じたのは、スピーチなどを聞いて、彼が”やる”と言った際の感じ方が、あれだけの実業家だけに、従来の頭だけのエリートが言った際とは違って、ホントにやるかも?という気になる所です。

勿論、それが悪い方向で行かれたら、どうしようもないのですが、何とかそれが、良い方向に向かわせてくれる事、それを願うばかりです。

「仕事に効く教養としての世界史Ⅱ」で著者の出口さんは、アメリカ大陸を舞台に交流が始まった16世紀を取り上げた二人の学者を紹介されています。

一人は歴史を、表層に登場する出来事を「短波」、王朝の興亡や宗教の発展や戦争などの「中波」、自然環境や、地理的条件、死生観や人情など、ゆっくりとした変化しか起こさない「長波」に分け、中波と短波が重なり合って、変化を生み出す様に見えているけれど、時代が大きく変化する時には、その深層にある長波を見なければならないとしたブローデルと、世界を中央、半周辺、周辺と区分し、それらの分業体制によって世界が成立しているとしたウォーラーステインが、共に16世紀を中心に自らの学説を展開したのは、16世紀が激動の時代であったからだと書かれています。

コロンブスがアメリカ大陸を発見(正確には到達)した事により、世界が繋がり、大きく世界システムが動いた16世紀から、その後世界の中央に君臨するアメリカが、今回の大統領選挙から21世紀をどの様に進んで行くのか?

トランプ大統領誕生という「短波」がアメリカの興亡や、紛争などの「中波」とどう重なっていくのか、
我々が生きている時代に、不名誉な戦争を起こさない為に、トランプ現象を生み出す自然環境や、気候、日常生活を支える死生観などの「長波」から見直さなければならないと思います。



2016年11月6日日曜日

微力だけれど無力ではない

韓国では現職大統領の疑惑で大変な状況となってます。

来週には米国の大統領選挙が行われますが、直前になっても、FBI捜査をされる候補と、下世話なワイドショーばりのネタを提供する候補の一騎打ちという状況で、世界の警察と公言していた国のTOPを決める選挙と思うと、背筋がゾッとします。

これら全て、権力、金、蹴落とす競争というものが共通していて、資本主義の最終形が世界を蝕んでいる様にも感じます。

国富論で有名なアダムスミスは、市場経済を提唱しながら、それより以前に、道徳感情論という著書を1759年に出していたそうです。

そこでは、利己心の追求を肯定しつつも、道徳的歯止めをかけていく為の方法を説いていて、それによって初めてこの競争社会をうまくいきぬいていけると説いていたそうです。

そんな事を見てみると、時代とか主義というものではなく、人間とは?を考えていかないといけない所に来ている様に感じます。

人間とは元々、利己心の強いものであるので、同時に道徳観や倫理というもの、更には生き物として、自然の摂理に則ったものから併せて考えていかないといけないのではないでしょうか。

正に、論語と算盤の両輪で展開しないといけないものを、人間として、生き物としての本来を見失い、利己心ばかりで蹴落として来た人達がTOPに立つ世の中になってしまっている状況を変えていかなくてはなりません。

先程まで、テラルネッサンスの15周年イベントに参加していました。

何故世界は平和にならないのか?
大学生であった鬼丸さんが、”自分達は微力だが無力ではない”と一人から始めた活動が、沢山の人を巻き込み、15年で世界6ヶ国にも及ぶ活動となっているのですが、金や権力にまみれてのし上がってきた世界のリーダー達とは反対に、世界的にもこんな若者達が沢山現れてきています。

小川理事長の奥さんでもあるトシャさんは、7歳の時に生まれたブルンジの紛争で家族全員を殺され、路上生活を経験しながらも英語を覚えて仕事に就き、自分と同じ様なストリートチルドレンを何人も自分の子供として育てられたのですが、アフリカに居た頃、豊かで皆が幸せに暮らしていると思っていた日本が、若者までが自殺をするという蝕まれた現実を知った時大きなショックを受けたそうです。

皮肉な事に、日本を蝕んだ原因も、アフリカなどで殺戮が繰り返されるのも、日本を含めた先進国が金や権力だけを追いかけて来た結果であり、問題の根元は同じなのです。

トシャさんは、肌の色、国籍など、何人(なにじん)など関係なく、人間自体が大事、”See humanbeing”と語りかけていました。

肩書き、資産、人種などに捉われず、人の存在自体を見ていけるリーダーを輩出していく事に向けて、”微力だけれど無力ではない”世界全体でそんな意識を持っていきたいものです。





2016年10月29日土曜日

May I help you? のスタンス

今週は、ユニバーサルマナー検定と、知恵の場で、色々学ばせて頂きました。


社員と共に受講したユニバーサルマナー検定は、今年の京都流議定書にも登壇頂いたミライロの垣内さんが作られたものですが、ユニバーサルマナーとは、”自分とは違う誰かの事を思いやり、適切な理解の下、行動する事”というもので、特に障がい者向けのものではなく、全ての人がその様に対応できれば、素晴らしい世界になるというものです。

聞いてはいたのですが、改めて受講すると、目から鱗の話も多く、当社でも是非、全員に受講させたいと思うものでした。

左利きの人は全体の約10%らしいですが、障がい者は6%と、それだけを見ても障がい者は特別な存在ではなく、障がいは人にあるのではなく、その環境にあるのだという話は、腑に落ちました。

それだけに、ハードも重要だがハートを変える事と、他を思いやる行動や環境を作っていこうとしておられるのです。

その中で日本は、”無関心か過剰か”の、おしい現状であるというお話も、うちの会社でも、あるなあ~という、現在の日本人の距離感を感じました。

あくまで善意で、喜々として”やってあげる”人も、よく見かけますが、そもそも”やってあげている”と思っている時点で、キツイ言い方をすれば、善い事を行っているという自分スタンスで、相手の立場には立てていないと思います。

仕事でも、どんな人間関係でも、うまくいかない原因の多くは、この、やってあげてるのに~という過剰なところと、やってくれない、もしくは、自分の領域以外は関係ない、という自分スタンスから生まれているのではないでしょうか?

今週から始まった知恵の場の一回目のゲストは、新幹線の伝説のカリスマ販売員茂木久美子さんでした。

売上平均14万と言われる中、53万もの売上を記録されていたそうですが、当初は全く何をやってもダメという人だったそうです。

自分が売る事しか考えていなく、自分の店(販売カート)を見てくれているお客様しか見ていなかったのが、声を掛けられる存在になろうとした所から変わったとの事でした。

その後は、標準語でのマニュアル接客を止め、山形弁(山形新幹線)で、雑談接客を心がけ、徹底的にお客様の様子に注目する様にされたのです。

又同時に、お客様に向き合う時間を捻出する為に、一番時間をロスする、つり銭を渡す作業を神業的に短縮し、お客様の様子を見逃さない為に、1300名の販売員の内、数名しかできなかった、後ろ向きにカートを引っ張る販売法で、これも通常は3往復程しかできない所、7往復をして、お客様との関係性を高めたとの事でした。

正に、うちの会社でも、営業にずっと言っているポイントばかりでしたが、カート一台の販売で、それだけの工夫と、努力ができるのですから、こちらも営業全員に聴いてほしいお話でした。

障がいのある方と会った際、無関心か過剰か、の対応ではなく、まずはお手伝いできる事ありますか?という姿勢が重要だという事でしたが、販売でも我々の営業でも同様で、自分の商品を売りつけるのではなく、やはり、お役立ちできる事はないでしょうか?というのが、全ての基本だと思います。

利己、利他という話もよくありますが、人間関係においても、May I help you?というスタンスが、一番良い距離感ではないかと思います。

2016年10月22日土曜日

本物の要諦


今週は、ネタが多すぎて却ってブログに書くのが難しい状況です。

毎日、講演などでも沢山の人を集める様な方々がお越し頂いたり、個別にお会いしたり、時には、期待して頼み事をして頂いたり、”濃密”さを感じる事ができる時間を過ごさせて頂きました。

色々話したい事はありますが、やはり、我々の考え(ビジネス)に直結した話として、堀場製作所さんの滋賀工場の話は書かないわけにはいきません。

ずっと噂に聞いていましたが、今回はいつも勉強させて頂いているクオリアの会での訪問でしたので、恵まれた事に堀場社長の説明付きでした。

琵琶湖に面した10階建ての通称 E-HARBORは、今まで7~8割の生産が外部にあったものを、協力会社さんにも入ってもらい、一貫の生産ラインとされた事や、実車が持ち込まれた自動車開発試験ができる実験ラボなど、”ものづくり”においての効率性、技術力、総合力を進化させる設計となっていました。

しかし、それよりも私が驚いたのは、オフィスについての考え方でした。

よくある日本の工場は、オフィスなどについては、本社などよりも更に付属的なもので、お金はかけない所が殆どですが、ここでは、元々京都で勤務していた社員の方が、こちらに移る事になるので、皆が行きたがる工場にしないといけないと、徹底的に社員さんの立場を考えてお金もかけておられました。



ただ一点、社員さん達に強いておられるのは、10階建てでありながら移動は全て階段という事で、これは、堀場社長自ら本社で感じておられた事を元に、コミュニケーション、情報伝達を重視しての大きな仕掛けでした。

それだけに驚きは、全くオフィスについて指導した会社があるのではなく、全て社員で考えたとの事なのですが、オフィスにおいての必要な肝が全て押さえられているのです。

生産ラインの所は、トヨタの渡辺元社長には、駄目だしをいくつもされたとの事でしたが、私の推測では、トヨタさんは、もの作りについて、効率化という事においては世界TOPでしょうから、そこは進んでいるにしても、オフィスの所で、この様に人の心理やモチベーションまでを考えたものにはなっていないと思います。

という事からしても、人をベースとしながらのグローバルにも通ずる製造という点において、トータル面ではTOPの工場と言っても良いのではと思うほどでした。


そこには、精密機械を作っておられながら、機械だけでは差がつけられない、商品はそれを作る人々、伝票を発行する、梱包をするなど、関わる人々のトータルが商品力であると言われる堀場社長のお話しと、その通りの実践の姿を見せて頂くと、どこからどこまでも本物だな~とつくづく感じます。



今週は、サイボウズさんにも訪問させて頂きました。


働き方変革において、やはり本物を感じていたのですが、考えている方向が同じで、オフィスのコンセプトも全く同じでした(残念ながら、お金の掛け方の桁数が違いますが)が、その展開も頷く事ばかりでした。





今週も関わっている幅は大きかったのですが、木曜日の朝には、京都で限界集落の話、お金に頼らない新たなモデルについてのミーティングをしながら、夜には六本木ヒルズの52階展望台での夜中までのパーティーに参加していました。

折しも横では映画「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」のイベント開催でレニーゼルヴィガーとパトリックデンプシーが登場していましたが、このどちらもが今の日本の姿なのです。

そして過疎地域も一見華やかな人が密集している東京でも、人の繋がりを求めているのを感じますし、最近東京も大きく変わり出している様に感じます。

どんな産業も、どんな時代も地域も、人をベースに考えるのが本物を外さない要諦なのだと思います。

そう信じて、中小企業の働き方の変革を本物で取り組んでいきたいと思います。

2016年10月15日土曜日

東京三日間で感じた使命感

今週は、ブロックスさんの第17回日本を元気にするセミナーに参加してきました。

毎年、京都流議定書もご協力頂き、京都での試写交流会や知恵の場関西も一緒に運営させて頂いているブロックスさんの一番のイベントですから、そりゃ参加しないと!と行ってきましたが、実は三年振りでした。。

経産省でも、おもてなし企業やホワイト企業などを表彰する他、ソーシャルビジネスというものには大手まで、こぞって参入している時代ですが、17年も前から良い企業、利益のみを追求するのではなく、人や地域を大切に考える会社を追いかけ続けておられるのですから、この世界の老舗と言っても過言ではないと思います。

三年振りに参加すると、午前中の大久保寛司さんのセミナーも、百数十名の参加者の中、半分以上が初めて話を聞くという方だった様に、参加メンバーも変わっているというか、広がっている様に感じましたが、これだけでもブロックスさんの功績は大変大きいと思います。

そんな今年のテーマは「使命感」 

”良い会社オタク”と私は評していますが、西川さんらしいディープなテーマで、

バグジーの久保さんは、時間を何の為に使うのか?を考えている人が使命感を持っている。
使命感は限られた時間の使い方だとして、”人の喜びで生きていこう”と決めた所から現在に至るお話をされていたり、西精工の西さんも、”社員を幸せにする使命感”で展開しておられる事例をいくつも話され、考えさせられました。

使命感と責任感の違いは?という問いかけから、セッションはスタートしましたが、私自身、ディープな話で言えば、使命感での仕事をする事が生きる目的でもあるのに、まだ、命を使うという仕事にする事ができず、責任感でのオペレーションレベルの仕事しかできていない様に感じました。

大手広告代理店での自殺問題から、長時間労働がより問題視されていくと思いますが、長時間労働が問題ではなく、そうせざるを得なかったり、組織、人、社会、の価値観の方向づけが違っていっている所が問題なのですが、昨今の日本の風潮では、労働が悪いものとして、若い世代に植え付けられていく事が大変恐ろしくも感じます。

日本の自殺の特徴は50代の男性が多い事が世界でも異例な様ですが、これから想像できる事も長時間労働自体が問題というよりは、教育費、住宅ローン、会社での責任か、もしくはその反対にレールから外れたかの境遇など、想像しただけでも息苦しくなる構図が浮かびます。

今週は久しぶりに三日間東京に滞在し、色々な方とも会いました。

ある大手設計事務所にも訪問しましたが、その受付では、正に大手企業のスーツを来た方々が千客万来で賑わっていました。

我々も、オフィスにおいてですが、工事などを行っている立場からすれば、こんな大手の設計事務所などに出入りできるものではないのですが、そんなヒエラルキーとは関係のないところで、ご案内をして頂いており、ここでも日本の大企業のカッチリとした息苦しさと、違う潮流の様なものを感じていました。

クラウドファンディングではTOPというより、実質日本でクラウドファンディングを広めた、READY FORの米良さんとも会っていました。

私と会う前日の夜は、ある大臣からヒアリングを受けていたそうですし、私とのミーティングが終わった後は広島に来日中のコトラー教授に会いに行かれました。

そんな彼女から相談したいとの事で会ったのですが、若干28歳、今や社員50名以上の会社になり、最近の悩みと今後の展開を聞かせてもらったのですが、昨今のソーシャルで持て囃される事にも浮かれず、会社の課題に対しての対策と仕組化など、経営者としても既に的を得ているのに驚いたと共に、それこそ、使命感からか、東奔西走している姿が美しく感じました。

業界であれ、政界であれ、ヒエラルキーの中で日参して順番で並ぶような世界ではなく、多様な価値観の中で、それぞれが、自分で働き方や時間の使い方を決めていければ、ストレスは全く違ったものになりますし、フロー状態で仕事も行なえば、楽しくってしょうがないという事になると思います。

国も色々考えている間に、本末転倒な事になっていかない様に、働き方の変革、働く事や、仕事に対しての閉塞感を無くしていく事に、私の命=時間を使っていきたいと思います。

2016年10月9日日曜日

多様性と働き方の変革

今週から10月がスタートし、月曜日には企業では内定式が行われました。

大企業では何千人、何百人の内定式が行われたという記事を見ると羨ましいですが、うちの会社では一人の新卒者が決定しており、細やかながら朝礼に参加してもらって内定書を渡しました。

と言っても、実は新卒採用で採った訳ではなく、来年、結婚して関東へ行く為に退社する事になるデザイナーの後任で紹介を受け、採用する事にした女性がたまたま新卒生だったという事であり、うちの会社はまだ新卒採用も継続中ですので、良い人が居ればドンドンご紹介下さい!

この一件、うちの会社の現状の良い面と課題とを表しています。

まず良い面で、採用についてはここ数年、殆ど新卒採用活動を行なわずに採用しています。

毎年、一人、二人しか採れないという事もあるからですが、会社説明会を開き、広告媒体などにもお金を使ってという様な事を一切せず、入りたければ自分で調べて来て下さい、という高飛車な姿勢を取っていたり、ここ数年、京産大、工繊大、造形大のそれぞれの分野で著名な先生方からご紹介頂いており、本当に苦労せず、価値観に合った人が入ってくれています。

色々とビジネスに関係ない様な事ばかりに関わっているので、何の為にやるのか?などと聞かれますが、一番分りやすい対価?としては、我々の様な中小企業が、毎年、学校の成績だけではない”優秀な”学生を採用しようと思うと、どの位の費用が要るのか?と考えると、これだけでも計り知れない価値が生まれています。

それこそ目に見えない資産が、この費用を補ってくれているのです。

しかも有り難い事に、数年前から留学生を採りたいと思っていたのですが、今回入社してくれる学生は台湾からの留学生で、これも労せず、実現するのです。

課題の方は、退職する事になるデザイナーは、”仕事も面白く、会社も辞めたくない”と、プロポーズの返事を待ってもらった程悩んだとの事ですが、折角、そこまで思って働いてくれている女性が、結婚相手が遠方である為だけで辞めなければいけないという勿体ない話で、働く環境の総合商社を標榜している我々としては、中小企業に共通する壁として崩していかなくてはなりません。

今週、働き方変革EXPOでは、元日本IBMで初の女性役員であった方の講演を聴きましたが、IBMが最大の赤字を出し、倒産の危機と言われた1993年にCEOとなったガースナー氏が、その危機を救う為に取った戦略がダイバーシティ―であり、ダイバーシティ―を進めようとすると働き方の変革が必要だと、多様性の第一歩として女性活用を推進したとの事でした。

女性が活躍する社会にしていく為には、どうしても、在宅勤務、遠隔勤務をできる体制を作っていかなくてはなりません。

それには単に仕組を作れば良いのではなく、周囲の人の考え方から変えていかなくてはなりません。

その為には、皆が同じ仕事をするという様な時間制の仕事ではなく、それぞれの人がそれぞれの役割を持ち、それぞれの価値を出していくという働き方に移行しなければなりませんが、まず会社のカルチャーを変えていかなくてはなりません。

多様性というのは、それを最も表していけるカルチャーなのですが、うちの会社も今年の高卒の新入社員、そして来年は留学生の新卒者と、少しづつ進めて参ります。

そして、直ぐできる仕組みから導入し、順次発表もしていきますので、働き方変革を目指しておられる企業の方は、ちょこちょこと、チェックしておいて下さい!


2016年10月2日日曜日

『経営力』

先月の吉野家ホールディングス安部会長の「私の履歴書」は、毎日楽しませて頂きました。

高卒でミュージシャンを目指し、アルバイトから入られて昇進していかれた吉野家はある日倒産、その処理役として皆から推されて社長になられた後も、BSE問題、親会社都合の中での経営のお話は、ドラマの連続であり、机上の経営学にはない”実学”がありました。

波乱万丈が良いとは限りませんが、勝負して来られた方のお話は、話だけ、文字だけでも、その情景がビジュアルで浮かび上がってくる深みがあります。

個人的な感覚かもしれませんが、私が魅力を感じたり、尊敬できる方のお話にはこのビジュアルで浮かび上がってくるという共通項がある様に思います。

又一方、難しい事をシンプルにできて、実績を示せる人にも憧れを持ちますが、今週聞いたカルビーの松本会長の経営論と、それをコミットして実践されているお話しは、何度か聞いているのですが、改めて経営の”プロ”というものを痛感させられました。

経営とは、全てのステークホルダーを喜ばせる事である。

その為には、  1、世の為、人の為にならなくてはならない

そして、         2、儲けろ!

それだけだと仰います。

これを実現する為には、結果に対して厳しい、しかし温かくなくてはいけないので、社員一人一人が成果を出す為に、環境と制度を整える事、それがマネジメントの仕事だと。

そんな感覚で全てを展開される説明は至ってシンプルで、

・メーカーは儲ける為には、工場の稼働率を良くする事だけ。

・投資は使え、経費は使うな。

・仕事を、①やらなくてはいけない仕事、②やった方が良い仕事、③やらなくても良い仕事に分け、
 ②と③はやるな。

・ダイバーシティ―は長期の投資であり、成長へのエンジンである。

などなど、厳しさと人間尊重の優しさが見事にバランスされているのです。

そして我々に関係する、オフィスについても、

人間は環境に影響される動物である。
オフィスは考える場所であり作業する場所ではないとの事で、実際、それまでコミュニケーションも取りづらかった縦長ビルから、80m×50mの1フロアに移した、と、カルビーの改革時には、オフィスを改革したとの事でした。

ソーシャルビジネスと、もてはやされ過ぎている昨今、新たな視点を持った優秀なイノベーター達が、結局は形は違えど、お金や力に群がって行ってるいる様に見えるのですが、折角の思いや能力で、自らの力で切り拓いて、”儲ける”という、『経営力』を目指して欲しいと願います。

私自身も、ソーシャルビジネスと関わってきましたが、これからはその『経営』力を意識して、実績を出し、自分の役割を果たしていきたいと思っています。

安部会長が親父と慕われた、吉野家の創業者は、”人生55歳からが勝負だ、その為に20代、30代、40代の生き方で花が咲く”と、言っておられたそうですが、私自身、40代までの生き方は変える事ができませんが、55歳から花咲ける生き方を意識していきたいと思います。

まだその蕾は固そうですが^^;

2016年9月25日日曜日

いいオフィスをつくりましょう

今週は、8月末に完成していたオフィスリニューアルのお披露目を行いました。

5階、6階の2フロアーだけのリニューアルで、工事としては仮設営業期間を含めて2か月程のものでしたので、大きなものではないのですが、ウエダ本社としての取り組みとしては、大きな意味あるものでした。

工事は2か月とは言え、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同で行なったプロジェクトとしては1年がかりで、ワークショップ、動線調査、社員アンケートなどを重ねて出て来た課題、要望を形にしたもので、設計、コンセプト、オリジナル商品企画、サイン、コンセプトブックなど、全て社員のみで作り上げました。

そこにもいくつか意味があり、”事務機のウエダ”という卸で物売りの会社から、人にSPOTを当て、”働く環境の総合商社”と銘打って発信してきた事が、理念だけではなく、従来の本業と繋がって形として表す事ができた事、それを落とし込む為にも、コンセプトから全て社員だけで作り上げた事、又、同様に、従来であればイベントにお越し頂く方と、実際のお客様が別々で、単なるアドバルーンを上げただけの様なものであったのが、今回は、営業が自分のお客様を呼び込んできた事など、うちの会社においては「激変」でした。

その為通常はFBなどでイベント案内や、お誘いを行うのですが、このオフィスリニューアル、特に、京都流議定書に引き続きご登壇頂いた仲先生の講演は殆ど告知できず、営業だけの集客で、お断りしなくてはならないという嬉しい悲鳴でした。

これは勿論、営業が頑張ったという事はありますが、仲先生の講演を聴きたいという方も多いのと、そもそも、オフィスに対しての考えが漸く変わって来た事も大きいと思います。

いい会社を作る為には、まずは組織風土を変えていく事、その為のコミュニケーション、場づくり、ファシリテーションなどが必要となります。

と同時に、それに向き合う社員、スタッフのモチベーションや人間力を向上させる研修、教育も必要で、ウエダ本社で、イベントばかり行っている様に見えて来た(うちの社員自体もその様に感じていたと思います)のは、この点からでした。

ただ折角、研修や人間力を高める教育なども行い、良かったなあ~とか、こんな風に取り組もうという気持ちになって戻ったオフィスが、詰め込まれた、管理型のものであれば、そこでイノベーションは生まれるでしょうか?というのが我々の問題提起で、その最後の、オフィスに対する考え方の壁を取り壊して頂くのが仲先生のご講演で、今年の京都流議定書でも肝であった所です。

そしてその京都流議定書も含めた仕掛け?の後に、1年かけて皆で取り組んで来たオフィスリニューアルが完成し、それを発表するのが今回でした。

という事なので、私が決めたオフィスだと全く意味がなく、皆で考えてもらったという事ですが、それを見事に完成し、来場して頂いた方から、著名なデザイナーに入ってもらっているのか?どれだけのデザイナー、企画の人を抱えているのか?などの質問もあったそうで、その様に評価を頂くオフィスに仕上げてくれた事は、スタッフの総合力を我々自身が感じる事もできて、本当に大きなプロジェクトとなりました。

ここからは、この体感を持って、日本のオフィス、働く環境を変えていきたい、組織風土、人間教育と共に、働く人が活き活きとする環境を広めていきたいと思います。

何の為に会社は存在するのでしょう?

それは本来、社会に役立つものであるからだと思います。

では何の為のオフィス(職場)なのでしょう?

それはその会社が儲かる事も含めて、働く人も含めて良くなる為のものである筈です。

”いい会社をつくりましょう” 

そしてその為にも、”いいオフィスをつくりましょう”

2016年9月18日日曜日

”伝わる”技巧派投手へ

今週も一週間振り返ると、沢山の方とお話ししました。

沢山というのは数ではなく、色々な軸において反対語にもなる様な、本当に幅広い方々とお目にかかっているという感じです。

そんな中、自社での出来事も含めて、キーワードは”伝える”という事でしょうか。

月曜日に行われた、大久保寛司さんのセミナー

ゲストは、ローカルキャリアカフェの川人ゆかりさん。

この方も私が紹介した事から、大久保さんに紹介しているのは、若いチャーミングな女性ばかり?という疑いもありますが、たまたまです(笑)

川人さん自身、今ドキ無い背景の持ち主で、キューバ、コロンビアと、危険地域を渡り歩きながら、日本の方が深刻な状況にあるのでは?という気づきから、日本の過疎地域に入り込んで活動する事になったのですが、それだけに、浮ついて目立とうという気が一切なく、むしろ、淡々とプレゼンを行うのですが、プロジェクトや事業などの組み立てや、進め方などは、しっかりと構成を考え、地道に進めていけるので、目立つ必要もないという事なのだと思います。

そんな川人さんですから、ちょっと感動的な話も期待している?大久保さんのセミナー受講者には、ちょっと伝わっていないかな?という感じもありました。

そんな感じも受けられてでしょう、大久保さんが、彼女にいくつか質問をしていかれると、それに見事に、その背景やそれに対する考えとその取り組みを、一つ一つ完璧に答えていく彼女の話に、皆さん惹き込まれ、最後には、皆さんが口々に、”凄い”と大称賛されて終わる光景に、大久保さんの”伝える”力を改めて見せつけられた感じでした。

”伝わっていないのは伝えていないのと同じ”   

”伝えると伝わるは違う”

伝える側は、相手が受け取れる技術によって変える、という意識が必要であり、受け取る側になった場合は、どんな球でも受け止める技術を持つ事が必要との事でした。


水曜日にKYOCAで開催された京信さんの女性起業家サロンは、黒岩さんの講演でした。

フレンチレストランとしてのル・クロも有名ですが、もっと有名というのか、特異な存在であるのは、
独立が当たり前、競争が当たり前の世界で、”またあの人と働きたい”という黒岩さんを評しての本がある様に、その人づくりというのか、人に対する考えと仕組みが素晴らしいのですが、その展開などをたっぷり二時間話され、女性起業家の皆さんには、伝わるだけでなく魅了してました。

金曜日にはクオリア朝食会がありましたが、毎回楽しみにしている堀場社長のお話しでも、

”直球の話は伝わらない、分りやすい例え話をする”

というお話しや、目標をしっかり定める事、研修という基礎をしっかり行い、その上の応用としての判断をさせる為の仕掛けづくりなど、社員にどの様に伝えるか、その為の取り組みなどの一端をお聞かせ頂きました。

そんな、”伝える”、”伝わる”がキーワードなった一週間、私の方は、まだまだ社内では伝わっていないなあと思います。

以前に比べて、少ない滞在時間でも、それを見計らって、色々と相談、報告をしてくれる様になってきた事は、それぞれの役割や、意識を高めてくれている証拠だと思いますが、まだ、自分の領域以外は知りません的な感覚や、やれていない事への責任回避的な発言などもあって、ついつい、二、三球目には直球を投げてしまいます(笑)

投げる私も、臨機応変に球を投げ分けられる技術、皆の方が、直球でも受け取ってくれる気になる仕組や、私自身が人間力を身に着ける事、色々な事を並行して進めていかなくてはならないですね。

ただ救われるのは、堀場社長も仰る様に、そんな組織は一日ではできなく、10年、20年とかけて、そうなっていくのだという事です。

もう50代、そろそろ技巧派投手に転じなくては。。



2016年9月11日日曜日

イノベーションの芽

今日は9・11、あの事件から既に15年が経ってしまいました。

この間世界は、どんどん危うい状況に向かっていますが、そのベースにある、民族、宗教、イデオロギーというものだけでは理解できない、何か大きな力が絡んで、複雑化していっている様に思います。

そんな中で、我々は企業運営をしていかなくてはならないのですが、世界が混沌としているからと言って何もしないわけにはいかないし、だからと言って、ただただ現状の事をしっかりやるだけというのも、不確定要素が大き過ぎて、全く意味を成さない事にもなるか、何も起こらなければラッキーという様な当てモノ的なものになってしまいます。

複雑化し、不確実な時代だからこそ、イノベーションが必要であり、どんな状況になってもそれに順応していける様なイノベーティブな組織にしていかなくてはならないというのが、昨今の流れであり、各所でイノベーションが叫ばれている所以だと思います。

イノベーションを定義づけたシュンペーターは、経済発展は、人口増加などの外的要因よりも、イノベーションの様な内的要因が主たる役割を果たすとして、その必要を説いていますが、外的要因が複雑過ぎて想定もできないので、内的要因から、世界の概念や価値観までをも変えていく為にもイノベーションが必要であり、イノベーションを起こせる人材、組織を生み出していかなくてはならないのではないかと思います。


今週私は、所謂、”ソーシャル”という様な人達と、色々と話をしておりました。

と言うといつもの事の様ですが、以前から知っていて色々と付き合って来た人達と、ビジネス連携での話がいくつも持ち上がり、しかもそれが又、面白い様につながって来ました。

この話が無ければ、この話も受けていないだろうな、と思う話があったり、丁度話をしていた事が、他での話に使えるとか、タイミングなのか、色々な事が繋がり出しそうな気配です。

ウエダ本社もイノベーションを生みだす為にも、こんな広範囲な繋がりから、その芽と既存モデルなどとを掛け合わせていかなくてはなりませんが、今後は、この繋がり出しそうなものを深化させていかなくてはなりません。

そんな中、土曜日にKYOCAで行なわれていたミラツクフォーラムでは、オムロンの竹林氏と、日建設計の塩浦氏のお話が私にとってもドンズバで、これまたこのタイミングで!というお話でした。

日本最大の日建設計で活躍される塩浦氏が、「建築家は、空間を通じて社会問題を解決する人」という考えから、ワークプレイスにおいても、その”場”を変える事が経営を変える事になり、そこから大きな革命が生まれるというお話をされ、オムロンで数々の立ち上げ、立て直しを行ってこられた竹林氏は、「コミュニケーションの無い所で、モチベーションは生まれない、モチベーションが無い所でイノベーションは生まれない。 コミュニケーションとモチベーション、そしてイノベーションをどの様に設計するかがポイントだ」と仰っていました。

正に我々は、日本の企業がイノベーションを生んでいける様に、企業、職場環境の内的要因を整備していきたいと思います。

少しづつ繋がり出した新たな芽を既存ビジネスに埋め込み、それを日本の企業や、職場環境に増殖させていく事、そして、それぞれの企業や、組織でイノベーションの芽を生みだしていく事、そんな世界に転じさせていきたいものです。

今月23日には、ウエダ本社では、ワークプレイスにおいての一つの芽のお披露目会を行います。

混沌とした時代、イノベーションの芽を各社で育てていきませんか?

2016年9月3日土曜日

私自身とウエダ本社の理想の姿

今週は、当社の年度末であり、9月からの新年スタートでもありました。

まだまだ低~いレベルではありながら、昨年度からは、売上、利益ともUPし、決算賞与も大盤振る舞い!とはいきませんが、出す事ができました。

経営者としては一瞬ですが、ホッとできるひと時でした。

しかし、うちの会社でも、私などは何もできず、やるのは社員ですから、皆が良くやってくれたから結果が残せるのですが、その何もできないながら、皆に動いてもらって結果を出さないといけないという事に、ジレンマを抱えるのです。

しかも中小企業は、足らないリソースだらけで、そこから脱却していくには、一人の人が色々な事をやらなけばならないのですから、中小企業の方が自分事で動く社員を増やしていかなくてはなりません。

そんな中、今週も女性社員が産休に入り、その後、育休と長い休みに入ったり、折角、自分の役割を見つけ、イキイキと仕事してくれていた女性デザイナーも結婚で関東に行かなくてはならないと、年内で退職する事になり、又考えさせられる事になりました。

当たり前ですが、女性にとっては勿論、その家族にとっても大きなライフイベントですから、喜ばしい事です。
しかし、人数が少ない中小企業では、なかなか長期間勤続とならない女性の雇用というのは大変難しい問題で、働き方の変革を唱えて、一人一人が豊かな働き方をする社会を目指している我々でも、頭を痛める問題です。

その様な中、’女性活躍’という制度だけ導入しても、有効なのは一部の大企業だけで、殆どの中小企業では、却って変な軋轢を生む事になり、結果的にそのしわ寄せは女性に行ってしまうのです。

会社に行かないとできない働き方や、仕事、それで作られた仕組の中では、他地域に移るだけで勤められなくなるし、育児や、介護で長く働けないとなった途端、仕事を辞めなくてはならなくなってしまいます。

その働き方を変えていく事、中小企業に勤めていても、ライフイベントに合わせて、働き場所を変えていける様な社会全体での仕組を作っていかなくてはなりません。

今期から、そんな構築、仕掛けを目指して動いて行こうと思っていますが、まずは私自身が何処に居ても良い状態を作る事、それには、インフラ的な仕組だけでなく、同時に、私が居なくても、自主的に経営感覚を持って運営する社員の成長が必要です。

今期はそんな狙いも含めて、あちこちに出掛けていきたいと思います。

私自身が毎週、何処に居るかも分からない、でも何処に居ても仕事をしている。

そんな状態が、私自身の理想の姿と、ウエダ本社で目指すべき社会の重なったところです。












2016年8月28日日曜日

最も美しい村(過疎)を巡って想うこと


先週から行なってきた社員との面談を水曜日で終え、木曜からは北海道に行っておりました。

と言っても休暇ではなく、勉強会に絡めてのものでしたが、私にとっては気分転換も含めて有意義な時間でした。

勉強会のメンバーでもあるカルビー元会長が、”日本で最も美しい村連合”の日本での提唱者である為、その登録地で開催される事が多く、今回も北海道の鶴居村という所で行われたのですが、どうせ道東に行くなら、と、8年前に御世話になった清里町に、レンタカーで一人で行ってきました。

全国に広がる移住計画ですが、その走りとも言える、”ちょっと暮らし”というプロジェクトや、住んでみたい北海道推進会議というものが以前からあり、そこからのお声掛けで8年前に家族で2週間、モデルとして清里町に滞在した事があったのです。

その頃には全く考えていなかったのですが、この清里町での経験は、現在の展開、考え方に大きく関わっているのです。

テレワークを絡めて、お父さんさえ仕事ができれば、北海道の自然豊かな環境は子供達にとって良いでしょう?という総務省×テレワーク協会のモデルは、その頃ADSL回線しかなかったそのエリアでは早すぎましたが、今正に、のコンセプトでした。

”行きたいけど、流石に二週間も会社空けられないので、一週間になりませんか?”と交渉しましたが、”一週間では旅行で、”ちょっと暮らし”というからには最低二週間は来てもらわないと、という担当者との話で、結局、お盆を絡めて二週間行くという事になったのですが、二週間となると生活をする感覚になり、その土地の素材や、当時の町長が、”無名な事が清里町の魅力だ”と言われる通り、観光で踏み荒らされていない自然の贅沢さを体感させて頂きました。


その経験があったので、この勉強会で美しい村(過疎)に行くと、”無いものは無い”という海士町を始め、それぞれの前向きな過疎地域の取り組みが、しっくり理解できましたし、実はそれが、今のリノベーションにも繋がっており、オフィスに向けての考え方にも影響しているのです。

誤解を招くかも知れませんが、障がい者雇用や女性活躍支援と騒いでいますが、それは特別なものではないと思います。

地方、過疎地域、中小企業、斜陽産業、一流大学卒以外の学歴、これらも基本的に同じで、弱者の論理で考えていかなくてはなりません。

しかし世の中は、強者の論理で動いていたり、分かる筈が無い弱者の事を強者の頭で考えているのです。
そして弱者も、強者の論理の教育を受け、身の程を考えず強者と同じ価値観で行いたがるのです。

前向きな過疎地域や、何故こんな所で営業できているの?という店は、弱者の論理を通しており、物も技術も持たない我々の様な中小企業も、そこを参考にすべきであり、ウエダ本社としてはそんな展開を図っているのです。

勉強会の翌日は朝一の飛行機で千歳に移動し、そこで又レンタカーを借りて、札幌と洞爺湖に行きました。

洞爺湖は、以前から話には聞いていて、”大地の花咲き”というドキュメンタリー映画にもなった佐々木ファームさんにお邪魔するのが目的でした。

14町(東京ドーム3個分)にも及ぶ広大な畑で、80種にも及ぶ多品種で完全無農薬農業を行なっておられる成功例などまず無いと思いますが、その想い、夢、今の展開などをお聞かせ頂き、思わず、協力させて下さい!と言ってしまう方に、又、会っちゃいました。

ホント何処へ行くんだろう?と思われそうですが、一人の時間も沢山取れて、今回は、自分では結構、考え纏められたと思っています(笑)

ここの所、ずっと停滞気味でしたが、再度、弱者の論理で貫いて、改めて挑戦していきたいと思います!


2016年8月21日日曜日

社員面談の位置づけ

盆明けの今週は、社員面談でした。

当社は8月が決算の為、今期の振り返りと、来期の目標、役割の摺り合わせを行うのですが、この間にも、外部の会議や、夜の会合などもあり、朝から夜までスケジュールがビッシリとなるのですが、私にとっては最も重要な仕事の一つであり、今回はそれがより重要なものになっています。

と言うのも今週には、一昨年まで専務を務めて頂き、今期は顧問として残って頂いていた方が勇退されるという大きな出来事もありました。

「事務機のウエダ」 京都では法人関係の方には、その様に認知して頂いて来た当社も、現在では、オフィスの移転、新築などでの空間設計、工事などの数字の方が大きくなっているのですが、元々はゼネコン、工務店さんの下請けで、オフィス内の工事を行っていた子会社と一緒にし、レイアウトから工事までを行うという特徴を一般企業(我々の業界で言う、直ユーザー)に向けて転換してきたのも、この方のノウハウと現場力があったからでした。

今でも、当社の代表例とも言える、ISFネットさんの青山一丁目のオフィスビルを全面的に行わせて頂く事になったのも、別件で来られた渡邉代表が、当社の考え方を気に入って頂き、帰り道に電話で、今、この様な計画があり、業者も決めかけているが、値段も含めて、その電話口でできるかどうかの即答を求められ、3分の1はハッタリで答えて、結果、当社がその仕事を受注させてもらえたのも、この方の存在があったからでした。

又、組織体制面でも、平均が30代のリーダー達で、特に厳しさという面において、しっかりやっていけるのか?最後まで心配して頂いていました。


ただ、これは急に起こった話でもなく、数年前から分っていた事でもあり、もっと言えば、この問題は、団塊の世代を中心に、今の日本の姿を作り上げて来られた方々が抜けてどうする?という、日本全体に共通した課題であると思います。

それだけにそれぞれが、目的、意志を持って、会社やチームと摺り合わせていく事が、より重要であり、そういう意味においても今回の社員面談は、私にとって、いつもにも増しての優先事項でした。

折しも、日本勢の活躍が続く、リオオリンピックでは、100メートルリレーで、日本がアメリカに勝つというとんでもない事が起こりました。

体力的に劣勢な日本人にとって、最も困難と言っても過言ではない100メートル走という競技でも、チームで団結すれば、能力が圧倒的上のチームにも勝てるのだという事を、まざまざと見せて頂いたのです。

個人では四人ともが決勝に進んでいないチームが、バトンを渡すという繋ぎの部分と、それぞれの役割を最大限に発揮すると、個人で素晴らしい能力を持った人を集めたチームにすら勝てるという事を見せて頂いたのは、日本人の特性と、特に、強いリーダーや、スキルを持った人が少なくなっていく日本において、大きな視座を与えてもらったのではないかと思います。

我々ウエダ本社でも、スキル、ノウハウを持ったベテランが抜けていかれた中、皆が自分の役割をしっかり認識し、周りの人と繋いでメダルを目指していきたいと思います。

その為にも、まだ面談は続きます。

2016年8月13日土曜日

”道”を極める

連日、日本人選手の活躍もあって、オリンピックも大変盛り上がっています。

そんな中、体操で金メダルを取った内村選手への質問に対しての、2位のオレグベルニャエフ選手、3位マックスウィットロック選手のコメントには沢山の方が取り上げておられると思いますが、感動もしましたし、色々学びがありました。

それまでの5種目で大きくリードしていたオレグベルニャエフ選手に対して、内村選手は最終種目の鉄棒で完璧な演技をし、終わってみれば0.1ポイント差の逆転となったのですから、オレグベルニャエフ選手の立場であれば、あの採点はおかしいと言っていても良さそうな所、そこに水を向けた記者に対して、内村選手の凄さを説明し、無駄な質問と切って捨てたのです。

そして3位のマックスウィットロック選手までもが同様に称えたのですから、三人のそれぞれの人間力に一流を感じました。

プロゴルファーのタイガーウッズ選手が、優勝を争っている相手のパットを”入れ!”と願うという有名な話もありますが、これも相手のミスを期待するのではなく、相手がどうであろうと、自分が入れて勝つという強いメンタルを維持する為のもので、この感覚が一流の証だとも思いますが、オレグ選手のコメントにも同様のものを感じました。

又、内村選手は、ライバル選手が尊敬する程、常に素晴らしいパフォーマンスを見せているので、この微妙な判定がどうだとかというレベルを超えた存在となっているのだと思いますし、こちらも先日メジャーリーグで3000本安打を達成した際の、大物選手達から称賛されていたイチロー選手の姿と重なりました。

とかく我々は、負けた理由や、失敗した理由を見つけて正当化したくなるものですし、”あいつはいいよな~、えこ贔屓してもらって、などと言って、自分を慰めてしまいます。

又、なかなか自分の実績を分かってくれない周りに対して、自分がやった!と誇示したくなったり、言う事を聞いてくれない部下などに対して、力で言う事を聞いてもらおうとしてしまいがちです。

でも、あいつはいいよな~などと思っている間は、とても一流にはなれないし、ひょっとすれば勝っていたかも知れない相手が、負けを認めてしまうくらい、圧倒的な差や、人間的にも尊敬を得られる様になりたいなあと感じました。

スポーツだけでなく職人技など、一つの事を突き詰めていくと人間も磨かれ、何故これだけ立派になるのだろうと感心させられる人がいますが、道を極めると精神修行されていき、人格も磨き上げられていくのだと思いますし、それが、”〜道”というものなのだと思います。

経営を行っていくのが一番の修行になると、稲盛さんはよく仰いますが、そこまで極めているか、研ぎ澄ましているかと言われると、全然できてないですね。

他人を利用してうまくやっている人を見ると、ずるい方が得する世の中なのか?と思ってしまったり、あの業界や、あの規模や、あの位置があれば、自分も色々できるのになあと妬ましく思ってしまう事も、正直言えばまだあります。

超一流のアスリート達の人間的な格好良さに少しでも近づいていける様、社長業で修行を重ねて、”道''を極めていきたいと思います。





2016年8月7日日曜日

お・も・て・な・しの語源

リオオリンピックが始まりました。

絶対間に合わないと懸念されていましたが、表面上はトラブルも無く、見事な開会式も行われていました。

悲観的なのか、減点主義的なのか、良い面では、きっちりしている、細部まで拘る、という性質からか、日本人の感覚ではあり得ない、出来っこない話が、実際はできてしまう光景を見ると、色々と考えさせられてしまいます。

細かな問題はあれど、それ以上のパフォーマンスを上げれば隠れてしまう、やりゃいいじゃない?という南米的なのか、大陸的なのか、そんな感覚があるではないか?と思います。

次回のホスト側の知事として、土壇場でバタバタとした都知事選も終わり、結果的には初の女性都知事が誕生しました。

その都知事にも相変わらず、ファーストクラスで行くのか?スイートルームに泊まるのか?と下らない質問や、それを取り上げ議論するテレビなど、全体を見る事や、論理的に整理して考えるという事が、日本人はいつからこんなに苦手になったのかと思います。

私個人は、貧乏性にできているのと、社長だからという特別扱いが嫌いなので、基本的には新幹線でも普通車、海外出張もエコノミーで行っていますし、会社に来る社長宛ての贈り物も、それらはウエダ本社の社長に贈られる物で岡村個人の物ではないからと、社員に全て分けています。

しかし、一般的には、TOPは成果を上げる事が仕事なので、ファーストクラスやスイートルームでも、その環境だからそできる仕事であるなら、堂々と取ればいいいと思います。

その問題と、前知事の様に、家族の食事や旅行に当てていたという問題は全く別で、それをごっちゃに論議する事が馬鹿馬鹿しく、見識のある方でも平気で、あんな少額で問題にするのはおかしいと言っている人もいたりします。

又、片側で揚げ足取りの様な感覚があるかと思いきや、当初7000億強の東京オリンピックの予算が、2兆とも3兆ともに膨れ上がっているとの話ですから、きっちり細部に拘りながら、全体は結果次第という、バランス感覚のはちゃめちゃさに呆れるばかりです。

これはグランドデザインが描けず、強いリーダーシップも無いまま、問題に蓋をしながら、細かく真面目に仕事を行なっていった結果で、日本人の典型的な悪い例だと思います。

我々の会社でも、似たような話はよくありますので偉そうには言えませんが、日本人の真面目さを生かす為にも、しっかりとしたグランドデザインが必要で、それに基づいた論議をしていかなくてはなりません。

お・も・て・な・しは、東京開催が決定した際、海外でも有名になりましたが、おもてなしとホスピタリティーの違いも考えてみると日本や、我々自身もやるべき事が見えて来ます。

おもてなしは、来られる客人を想定して、その人に喜んで頂く、最大限に満足を感じて頂こうとするものであり、しかもそれを主張せず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないというものです。

それに対してホスピタリティーの語源は、病院やホテルにも繋がるホスピスであるという事は知られていますが、ホスピスの語源には、見知らぬ者という事もあり、文化人類学では、部落の外からやって来た見知らぬ者を最大限に歓待する事であり、それは気前の良さで客人を恐縮させるという力の誇示なのだそうです。

そういう意味では、今回の開会式もホスピタリティーが高かったのかも知れません。

東京では、今の状況からでも、SELFLESS HOSPITALITY(無私のホスピタリティー)と訳された、”お・も・て・な・し”のオリンピック、パラリンピックを開催していかなくてはならないと思いますし、マスコミ、国民側も、下らない事を突いていくのではなく、”何をもって何を成すのか?”という、おもてなしの語源を考えていきたいものです。

そして、うちの会社も、見知らぬ人に向かうホスピタリティーではなく、想定したお客様に、SELFLESSに対応する、お・も・て・な・しを習得していきたいと思います。

2016年7月30日土曜日

塚越会長の野望と、堀場社長の本物観

例年は京都流議定書が終わった翌週は、少し気が抜けた感じがするのですが、今年はそんな間も無く、やる事満載、刺激も沢山あった週でした。

イベント明け翌日は、引き続き?のKYOCAで、京都府下の行政区の担当者が集まられる会議に出席し、KYOCAの取り組みをお話しさせて頂きました。

まだまだ理想には遠いですが、町づくりや地域活性という事で取り組まれる方々にとっては、面白く、かつ有意義だと捉えて頂く事が多く、2年を経過してまだこういう機会を頂けるのは、有り難い事です。

翌火曜日はクオリア朝食会で、堀場社長のお話しをお聞かせ頂きましたが、先日の塚越会長とは、展開も取り扱いも全く違いながら、やはり常に人財をベースにした経営スタイルのお話は、
精密機械の製造でグローバル企業の現役経営者という、一見、数字と効率化のみを追求する様な存在だけに、改めて人をベースにした経営と、それを目指す会社を増やしていく必要性に確信を持つ事ができました。

そのお話しの一端は、

・京都企業は、その分野での日本一、世界一を目指すので、他所の真似をしないが、東京中心の
 売上、利益を評価する経済では、規模が価値だから皆が真似をし、それが魅力を無くしている。

・商売は本物に拘らないといけない、そしてその本物は、商品ではなく人財である。
 商品は陳腐化するが、本物の人を育てて行く事は直ぐにできる事ではなく、それが人財となる。

・会社はマニュアル化できない事が8割で、それを伝承していくには人財を継続的に採用していかなくてはならない。

・原発後の福島に放射能測定器の寄付なども行ったが、そういう事をセールスプロモーションに使ってはいけない、企業としての本物は、格好いい企業、しかしそれには我慢が必要。

などなど他にも沢山ありますが、加えて他に具体的な人事の方針などもお聞かせ頂く事ができ、実践して来られ、実績も残して来られた堀場社長のお話を、直接聞かせて頂ける勉強会など他にはないと思いますし、それこそ、京都の会社で良かったと、京都の価値を感じました。

それぞれの企業、業種で適正サイズがあり、京都という土地は、規模ではなく、ベンチャーであっても本物であれば、それをサポートする風土があるという事で、堀場社長にしても、厳密に言えば、会長兼社長という存在であり、大変お忙しい中、この様な時間を取って頂くのも、本物を見る京都の感覚を残していかないといけないという想いからだと思います。

数値化、標準化というものは、ある意味、TOPや指導者からすれば便利なもので、こちらの見る目や引き出す能力がなくても、判断できたり、オペレーションができるものです。

今年の京都流議定書でも全体テーマを”生かす”としたのは、勿論、主な意味では”活かす”で、それぞれの力を活かす町、企業、オフィス、働き方というものですが、そういう事、感覚が、イカス=格好いい、というメッセージも込めていたので、あえて、常用漢字の”生かす”としていたのですが、堀場社長のお話は、正にそんなズバリのお話でした。

京都フォーラムでご登壇頂いた塚越会長は、講演時にも仰っていましたが、舞台裏や、その後の食事の席でも、トヨタさんのお話を嬉しそうに話されていました。

今、塚越会長の元にトヨタの役員、子会社社長の方々が代わる代わる教えを請う為に訪問されているのですが、それこそ、規模で最大、数字を追いかけて来たTOPの企業が、日本を代表する”本物”の企業に変貌を遂げて頂けると、日本にとってもこれからの世界に取っても明るい道筋が見えてくる様に思います。

それが塚越会長がここ数年口にされる様になった”野望”であり、堀場社長の言われる”本物”の追求なのだと思います。

まだ京都流議定書が終わった翌週という事でお許し頂き、それらの話に乗っからせて頂くと、京都流議定書は、京都が偉いという話ではなく、京都に残る、その本物観、それはそもそもは日本の強みであり、そこを再認識して、発信していこうというもので、全く同じ事だと思います。

堀場製作所さんというのは、排ガス計測器など、自動車業界では圧倒的シェアをお持ちの会社ですから、こちらからもトヨタさんに”本物”攻めをしてもらえると、日本も早く転換できるかもしれません。

大きな、そして明るい夢ですね。


2016年7月24日日曜日

京都流議定書での年輪経営

第9回の京都流議定書も無事終了しました!

今年は例年のハイアットリージェンシーさんが取れず、それならと、鉄道博物館オープン後の近隣の様子もご覧頂いておこうという事もあり、KYOCAで開催を致しました。

9回目という事や、会場もKYOCAで、収容できる人数も少ないので、私自身、油断?もあって、準備がしっかりできていなかったのですが、結果としては、素晴らしい出演者の方々と、年々成長しているスタッフの現場力のお蔭で、無事に終了する事ができました。

三日間の中で、唯一有料であった京都フォーラムでは、30分の間に、一旦、皆さんにご退出頂き、お金の授受も含めた受付を行い、並んで頂くスペース、お待ち頂くスペースも無い中、会場の机、椅子を入れ替えながら対応しなければならないという、難しい対応が求められました。

しかもこの枠が、県外での講演はこれが最後と言われる、伊那食品の塚越会長でしたので、定員を大幅オーバした参加者が一気に集まり、動線がどうなるか?という状況でしたが、結果的にはクレームも無く、本当にスタッフが頼もしく思えました。
(来場者の皆様のご理解で、クレームになっていないという面はあると思いますが)

塚越会長からも、”社員さんが素晴らしいね~、社員さんの様子を見て、岡村さんを見直したよ”と言って頂いたのですが、塚越会長から社員を褒めて頂くなど、我々にとっては勲章を頂いた様なものでした。

その塚越会長のご講演と、その後、又、会長と社員さんの信頼関係の様子を、画が浮かぶ様に話される大久保さんのコーディネートで、会場全体が、やられた〜という空気感となっていました。

初日は他に、ミライロの垣内さん、こどもみらい探求社の小笠原さん、ルクロの黒岩さんに、門川京都市長と、ある社長さん曰く”半日でこれだけの方が並ぶセミナーなどあり得ない”贅沢な半日でした。

二日目は、午前中は恒例のブロックス西川社長によるワールドカフェを、理念浸透について、100名程で盛り上がった後、午後は、今年の特長でもあった、工繊大の仲先生による、イノベーションを生みだす為のオフィスデザインの考え方、クラウドワークスの吉田社長の、スキルをクラウド化する事による働き方の変革、最後には、女性みらい対談と、実際、働く環境の課題をテーマにした展開でした。

三日目は午前、ソーシャルイノベーション研究所、午後はミラツクのセッションでしたが、例年はソーシャルセクターが集まる日であるのが、今年は、経済同友会を中心に混じり合い、これも今までに無いものでした。

今回は、私自身の油断もありながら、見事に皆がカバーしてくれ、今までで一番見事なパフォーマンスで、心地良い疲労感で終える事ができました。

改めて、京都流議定書というのは、毎日が全く違うノリ、雰囲気で作られ、それぞれが素晴らしく、しかし一本の理念で横串が刺さっており、しかもそれを全て社員だけで手作りで運営しているという、他には絶対にできないイベントだと思いました。

残念なのは、まだまだ私含めて、それを訴求できず、単発での参加が多いところです。

今回も沢山の気づきがありましたが、塚越会長の仰っていた、会社の成長は、一人一人の人間的成長の総和という事を肝に銘じ、また来年に向けて、総和を上げていきたいと思います。

明らかに総和としては成長してくれている皆にも報いられる様に、社員の為にどうあるべきかはブレる事なく、年輪を重ねて、来年は、京都流議定書も10年の年輪を刻みたいと思います。


2016年7月16日土曜日

反省しきりの一週間

今週も東京、横浜へ、様々な目的の混ざった出張でした。

毎年恒例の盛和塾世界大会が横浜で二日間に渡って開催され、本来はそれにべったりと行く予定だったのですが、ビックサイトでオフィス関連の展示会が行われており、働き方変革EXPOと題したものもあると、どうしても行かないわけにはいかず、世界大会初日は欠席してビックサイトに行きました。

働き方変革の主なものは、文書の電子化とWEB会議、それを行う事によっての在宅を含めたオフィスに縛られない働き方、福利厚生を充実させる為のオフィス内設置のカフェや食関係のサービスという所でしたが、サービスについては、クラウド、シェアという感覚で、面白いアイデアのものもあり、ビジネスアイデアについては柔軟な発想をしているつもりが、全然硬直化している自分に気づきました。

二日目だけの参加となった盛和塾では、毎年ながら凄い経営者の発表を聞いて反省しきりで、中でも創業7年、30代半ばで、既に上場スキームに入っているという社長の話を聞いては、小さくなるしかありませんでした。

その年代や創業年数で上場という成果の話ではなく、創業メンバーと袂を二つに分けた際、自分には、社員の4分の1程しか付いて来てくれなかった事から、それまで社員の事を考えていなかった事を反省し、社員とその家族の物心両面の幸福を追求するという事において、それこそ愚直に仕組化し、”社員さんはいつ自分の仕事をしているのだろう?”と思う程、たくさんのコミュニケーション、イベント、勉強(研修)がプログラム化され、社長の仕事は社内の関係性構築のみとも言ってもよい程の取り組みで、自分が一番になる事ばかり考えていた時には上らなかった業績が、本気で社員を家族と思って取り組んで以降、見る見る業績をUPしていかれている事を、数字と共に発表されたのでした。

塾長講話では、昨今、コンサルタントなどが、リーダーは口を出さず任せることが大事などと指導する事も多いが、それは、実際の経営をやった事が無い人が言う事で、特に中小零細という企業の場合には、社長は皆を何としても守るいう事が第一使命であり、社長が引っ張るしかないのだから、惑わされずに率先垂範で臨んでほしいというお話で、最近又、会合などで会社を空ける事が多くなっている自分を反省しておりました。

説明がつかないながら、会社価値向上の為に関わっていると胸を張って言える取り組みと、抜けられない、断れないという事で参加しているものもあり、まだまだそんなレベルの企業でもないのに、緩んでいたと感じました。

金曜日は東京で、公園遊具のメーカーの代理店会に出席しました。

今年100周年を迎えるこのメーカーの代理店会も、建築、土木という枠組みから変わっていこうとされている感じでしたが、考えてみれば、公園というのは、町や村や、その地域に住む人々にとって、一番のハブになるべきオープンなスペースですから、そこの発想を変えていく事は、地方創生にとっても、大変重要なポイントだと思います。

この会にも京都府では唯一の代理店として参加していながら、その存在を生かしきれておらず、ここでも又、発想が硬直化していた事に気づきました。

今週は、その他にお会いした方からも、自分のできていない事を気付かされる事ばかりで、何処に行っても反省ばかりの一週間でした。

もっともっと、自分や自社の役割を発揮して、日本の一般的なサラリーマンの働き方の変革とそれに向かう為の企業の考え方の変革と、人の繋がりが価値を生む場作りに、精魂を傾けたいと思います。

その為にも、様々な活動、付き合いの時間を、”動機善なりや私心なかりしか”、の目で、改めて見直したいと思います。

2016年7月10日日曜日

オフィスリニューアルの意味合い

今週は、ウエダ本社の強みが発揮された週でした。

現在、オフィスのリニューアルを行っておりますが、1週間だけの為にオフィスを作り変え、又元に戻すという作業を行なっておりました。

5、6階のリニューアルを行うに当たり、まず6階の営業フロアを空いている4階に仮設で移し、そこで月~金曜日まで営業し、その間、6階の床の張替、備品入れ替えなどを行い、4階から再び戻すのと共に5階メンバーも全て移り、月曜日からは6階で通常営業するという、離れ業?でした。

自社の自慢に聞こえるかも知れませんが、私自身は、至って不器用で何もできないので、いつもこの様な移設や、作業的な場面での、うちのメンバーの現場力を見ると、凄いなあ~と感心します。

今回のレイアウト変更は、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同研究してきたもので、数か月に渡り、ワークショップや、アンケート、動線調査などを行ない、オフィスや、働き方についての皆の意見、動向を吸い上げたものを形に表すというもので、今後、この様な展開を特に中小企業に広めていきたいと考えており、言わばそのモデルケースともするものですので、全て完了する8月末以降は、ドンドンご覧頂いたり、お越し頂く機会も作っていきますので、是非、ご活用頂きたいと思います。

そして、そんなオフィスに対しての考え方については、京都流議定書二日目の仲先生のご講演を是非お聴きください!http://kyotostyle.jp/

今後の企業がどうあるべきか?をオフィスというファシリティーを通して考えて頂けると思います。

又、我々が、何故、色々な事、それも一見、本業に関わりの無い様な事に関わっているのか?という事も何となく繋がってイメージして頂けると思いますので。

と言いつつも、うちのメンバー自身もまだまだ繋がっていない事が課題ですが。。


今週、皆が毎日の様に、移動作業などを行ってくれている間、私の方は、あるメーカーさんの感謝の集いと、その企業さんの周年記念を兼ねた会に出席の為、出張しておりました。

社長のお話、工場見学、懇親会と宿泊しての翌日は、全国から施工の職人さん達のコンテストの観戦と、二日間に渡っての会を全て、社員さんが手作りで作られた立派なものでした。

私はコンテストは見ずに別行動したのですが、コンテストを見た、うちのメンバーに感想を聞くと、結構ミスも多く、実際の現場でも、我々がカバーしていたり、そのフォローに相当な時間を取られていたりするとの事でした。

実はこの会社さんは、上場もされていて我々が偉そうに言えるレベルではないのですが、実際、私も腹に据えかねて、責任者に来てもらい、厳しく改善を求めた事があるほど、ミスが多かったのは事実で、私などは、今回の社長のお話や、工場の仕組と様子、会の運営と社員さんの姿勢を見て、改めていい会社だったのだ、と思ったほどでした。

そんな事を見ても、企業経営って本当に難しいものだと改めて感じます。

社長の考えや理念があり、それが落とし込まれる仕組み、それを行うスタッフの質(人間力)とベースになる技術力(現場力)それらがしっかり噛み合わないと、インプットとアウトプットが繋がらず、アウトカムが出ないのです。

又、難しいのは、賢い経営者であれば、短期的なアウトカムだけを作る事は可能なのですが、長期的に半ば永続的にとなると、この流れがビシッと繋がってないと無理だと思います。

という事を俯瞰して考えると、うちの会社は、唱えている事は、それなりに意味を持っていると思いますし、一部の現場力は有るとすると、それを形にしていく事、仕組化していく事が足らない所で、
現状は、それを構成できていない私(社長)の能力が足りていないのだと改めて思います。

という事で実は、今回のオフィスリニューアルは、その繋がっていない、唱えている想いと、現場力の間を繋いでいく為のものであり、唱えている事を見える化するものです。

現業もやりながら、これだけ短期間に移設も行い、その間に京都流議定書の準備もと、皆には大変負担がかかると思いますが、想いからのラインがしっかり、綺麗に並べば、インプットからアウトカムまで繋がる様になると思いますので、皆には頑張ってもらいたいと思います。

私は、自分の足らない能力を補填していく事に努めますが、それと同時に、能力補填して頂ける方は、是非ともリニューアルされたウエダ本社にもご参集下さい!






2016年7月2日土曜日

人の価値は?

今週は、又、親バカな話となります。

と言っても、私の息子ではなく、同年代の新入社員の話ですが、一応、新入社員でも試用期間というものが設けられていて、今週で晴れて正社員となりました。

皆それぞれのキャラクターを発揮し、新鮮な刺激を与えてくれています。

高卒で入社し、まだ未成年のU君は、初めの印象はコミュニケーションが不得意な様に見えるのですが、話し出すと大変しっかりしています。
まず状況をしっかり説明し、どの様に感じたかを説明するのですが、素晴らしいのは、だからこの様にしようと思う、と、対策まで必ず話します。

周りの先輩たちも口を揃えて、U君は真っ白で何を言っても直ぐに吸収してくれるというのですが、ご両親からも怒られた事が無いというのに、会社で怒られたりしたら嫌にならないのか?と聞いても、”怒ってもらうのは、自分の事を思っての事だと分るので有り難いし、少しでもできる様にしようと思う”と、泣かせるセリフを言うのです。
そんな姿勢で吸収して来た彼は、悪気無くやっていた覇気なく見える姿も、他人からそう見えるのは良くないからと、積極的に声も出す様にしていたり、最初は関係ない仕事も面倒臭かったが、まだ仕事ができない間は、そういう事で役に立つ様にとのアドバイスから、率先してやる様になったとの事で、質問を続けて行っても全てに見事な答えが返ってくるので、思わず、笑ってしまいます。

もう一名の高卒新入社員のK君は、施工や納品等の現場が楽しいと、一日作業で体がクタクタでも、”楽しかった”とニコニコして帰って来るので、これ又、その感覚は希少価値で大きな資産だと本人にも言っています。

又、これだけ高卒が素晴らしいと、普通の大卒だと逆に埋もれてしまうとも思いますが、N君は、新卒募集してない中、うちの会社を志望して来てくれただけに、それらも良い刺激として捉え、自分の方向付けに役立てています。

内務の女性社員も、本来は苦手な電話も、失敗が許される間に克服しようと積極的に出てくれていましたが、そんな姿勢なので、他の仕事の吸収も早いそうです。

以前から私は、それも何の為に?と思われるのですが、教育問題にも色々と関わって来ました。
それは、一言で言えば偏差値教育とその評価への反発ですが、ウエダ本社で向かう、人を活かして運営していく企業、組織を増やす事にも合致するからで、今年の採用と、現在の姿は、ずっと思って来た事を、皆が証明してくれてる様で、大変嬉しく思います。

今年の京都流議定書二日目は、そんな組織風土、理念、オフィス、仕事、働き方、等についてのヒント満載です。

この日の午前中は、素晴らしい会社を長年、映像で追いかけて来られたブロックスさんですが、うちの新入社員のこの三カ月の成長ぶりを、ドキュメントで追いかけて欲しかったものです。

当たり前で、人の価値は、偏差値や、知識、だけでは決まりません。

能力は未来進行形で考える」

考え方、取り組み方が、その後を変えていく一番重要な資産だと思います。















2016年6月25日土曜日

ウエダ本社も離脱します。

イギリスがEU離脱という衝撃的なニュースが入ってきました。

詳しい事は私などが論じれる話ではないですが、一方方向に進んで来た流れにSTOPがかかり、逆流するのか、ここから出た傍流に新たな流れが加わり、違う流れを形成していくのか、いずれにしても、大きな転換を迎える事は間違いないでしょう。

同時に問題は、撤退と言っても、来月から即というわけではなく、実際別々で稼働するには5年はかかるとの話もある様ですから、その間の停滞、混乱というものが、ヨーロッパ内外に向けて、どの様に効いてくるのか、全く想像ができない所です。


丁度このニュースが飛び込んでくる前日、スケールは全く違う話ですが、私自身、会社での展開を転換しようと思い、社内ネットに配信していました。

ずっと行ってきた月曜日の朝礼の在りかた、会議の持ち方についてですが、変える所は、それ自体のやり方というより、やはり流れの転換、我々として重要としていく事を鮮明にしていくつもりでした。

今週、クオリア朝食会で、堀場社長のお話しを伺い、改めて感心すると共に、痛切に反省していました。

前回時も、お父様の堀場雅夫氏から、あれだけ見事に継承そして、発展がなされている会社も珍しいという話を書いていましたが、厚氏からは、今までお父様から聞いていた話の否定でもないですが、実際は違ったというお話しも出てきます。
しかしその様子は、他で演じられる親子間の対立という感じではなく、あくまで”おもしろおかしく”の精神は同じで、その表し方が違って、そして、それそれがオリジナルで素晴らしいという感じで、違いを話されても”対立”とは感じず、絶妙なバランスを感じるのです。

お父様の時代には営業利益率が4~5%であったものが、現在では毎年10%開発費には投資しながら、営業利益率は10%を確保し、海外への展開も積極的に行っておられるのですが、相手が米国人、フランス人、インド人など関係なく、HORIBAのフィロソフィーで”統治”ではなく”信頼”で繋がっている関係を築いておられる様でした。
事業の拡大についても、”人を育てるつもりがなければ手を広げてはいけない”、”任せる人を信頼できなければ広げてはいけない”と仰る通り、そのポイントを”人”においておられるので、グローバル企業でありながら、中小企業の家族的な良さもあるのです。

組織風土、人事、業績、それらマネジメントは、やはりTOPが全てで、その器次第で決まるというお話でしたから、隣に座りながら、グサリと突き刺されていました(笑)

そして、ここ最近ずっと感じていた事や、モヤモヤしていた事が、すっきりとしたというか背中を押された感じでした。

”人の繋がりが価値”と言いつつ、その浸透も中途半端で、結果も中途半端なのも、私自身の構想力と現場への落とし込みが足りていなかったのだと感じました。

EU、イギリスは何処に向かうのか分りませんが、世界は混沌としていく事は間違いありませんし、日本にとっても、厳しい環境になっていくでしょう。

その中でウエダ本社は、以前からそのつもりであった、従来型の資本主義から離脱し、独自モデルで従来とは違う流れを作っていきたいと思います。

2016年6月19日日曜日

業界の常識と女性脳

漸く、舛添都知事が辞任という形になり、この話題も収束しそうです。

と、言うのは本来おかしい話で、問題はTOPとしての資質という事だけではなく、本質的には政治資金の使い道が、ほぼ、”何でも有り”に近い形であったという事で、そこにおいては国会議員もどこまで糾弾できるのか?と思います。
初め静観していたものが、途中から参院選への影響を考え、逆に一人を潰して収束を図ったという所で、今回問題となった”せこさ”は別として、どこまで他の国政、地方含めた議員さんが、この本質を糾弾できるのでしょうか?

それだけに、やはり金額の大小ではなく、駄目なものは駄目という線引きが必要なのだと思いますし、政治の特殊な世界だけの当たり前を抜本的に見直してもらいたいと思います。

その世界だけの常識というのは、政治の世界だけではなく、どの業界にもあると思います。

以前からずっとこの様にやってきた、

皆がこの様にやっている、

という話は、それが一般の概念や新たな潮流が出てきた際に、その業界内で凝り固まった人から出る話です。

ところが、ネット、SNS社会では、白日の下に晒されるので、所謂、業界の常識でも世間の非常識は通用しなくなっていきますし、増してやAI、ビックデーターという世界では、業界の素人でも、どんどん参入していく事になるので、今まででは有りえなかった、どんでん返しが、一瞬にして起きてしまう事もあると思います。

それぞれの所謂、勝ち組と言われる所ほど、新たな潮流に対して、否定的で、あんなものは・・という話になります。
そして、そういう話は、現状で裏打ちされたものであるので、論理的に説明され、反論の余地もない事が多いのですが、新たな潮流は、何となくそんな感じがするというもので、しっかりとしたロジックもないところから始まるものですから、我々の様な弱小の会社ほど、業界の常識を疑い、あくまで一般常識に照らして、そんな現状や、勝ち組論理への違和感を大事にしていきたいと思います。

今週もソーシャルビジネスを展開している人や、本業としての稼ぎをベースに、大きな問題意識で社会課題に向かっている方々と沢山、お会いしました。

それらはロジックで考えると、割に合わない話ばかりですし、それで流れが変えられるのか?と問われると、ロジックでは説明がつきません。

ただ、言えるのは、どの話もワクワク感があり、何となく光を感じます。

そして、面白いなあ~、真似できないなあ~と感じる展開をされているのは、殆ど女性である事に気づきます。

そういう面でも、女性の活躍支援というものも、単に、育休や早帰りできる制度を整えるとか、管理職の女性比率を高めるという話ではなく、これも本質的に、男性がロジックで作った社会フレームの中で考えるのはなく、女性が感性で突っ走り、それをサポートできる様なフレーム作りが必要なのではないかと思います。

そしてこの問題も、ウエダ本社で男性脳で考えるのではなく、女性脳で考えないと本質が変えられないという事で設立したのがMegami http://www.ueda-h.co.jp/megami/という会社です。

その代表の小島も出演しますが、京都流議定書二日目には、「女性が活き活きと活躍できる組織とイノベーションを生みだすダイバーシティ経営」というパネルディスカッションも行いますので、そのフレーム(土壌)作りから考えておられる企業関係者は是非、ご参加下さい。

舛添さんも、ここを研究してもらえば、女性を味方にできる対応ができて、結果が違ったかも知れないですね。


2016年6月11日土曜日

”使命”に向かう

今、東京からの帰りです。

今日は朝から増上寺で行われたリヴオンの理事会と、7周年記念イベントに出ていました。

グリーフケアという、深い悲しみを負った人に寄り添い、自立に向けてのプログラムや場を作っている団体ですが、参加者や支援者の話からでも、これまでどれだけ、厳しい状況の人達に役立ってきたのかがよく分かります。

彼女自身はお母さんの自殺やそれに関わる大変な状況を経験し、生命の尊さや重さを感じ、いくつもの生命を救う側に立っているのですから、自分の命を使っての”使命”としているとしか思えません。

昨日はこちらも理事を務めているミラツクのギャザリングがあり、ゲストスピーカーで来られたロート製薬の河崎さんから、みちのく未来基金のお話しを聞いていました。

震災で親を亡くした子供達が高校卒業後に夢を諦めない様に、大学や大学院、専門学校の費用をその卒業まで面倒をみるというもので、しかも震災時に0歳児であった人までが対象なのですから、震災から25年間は支援を覚悟してのもので、ロート製薬の会長が呼びかけられ、カルビー、カゴメの三社で基金を設立されたという事でした。

この基金で学んだ学生は100パーセント地元復興の為に尽力するという使命感を持つそうで、こちらも、どれだけの可能性と夢、そして命を繋いでいるのかと思うと、本当に血の通った本物の活動だと思います。

私は相変わらず、いろーんな事に関わったり、活動にも参加してますが、命を賭けた様な人を見るとワクワクするのと同時に最近は特に焦燥感を強く持つ様になりました。

50代もかなりオーバーして、もういい加減、自分の命を使うにふさわしい”使命”と呼べるものに、時間を割いていきたいと思います。

ちょっと今日はまとまってないですが、思ったまま吐露しました(^^)








2016年6月5日日曜日

危機が人や組織を強くする

今週は、新築ビルに備品を納めさせて頂いた会社さんに、ご挨拶に行っておりました。

と言っても堅苦しい表敬ではなく、盛和塾でご一緒させて頂いている社長さんで、むしろその展開に興味を持っての事でした。

お互い、元々のビジネスとその見え方が変わっているので、周りからは現状が分りづらいと思うのですが、今回の商売も、その社長さんからある時に”岡村さんの所からオフィス家具など買えるんでよね?”というお電話を頂き、”いや、それがまだ本業です!(笑)”と返答した所からでした。

お話しを聞いていくと、社歴や置かれてきた背景、そしてそこからの展開の考えが驚くほど似ているのですが、こちらの会社は、創業から70年、元は酒造メーカーの瓶を製造し、それを引き上げて洗って又納入するという、昔の日本酒販売に基づくビジネスモデルであったのが、今や紙パックや店頭での売り切りという形になり、ビジネスモデル自体が消滅するという中、現在では見事に、デザイン、マーケティング、そして小売店の売上アップにまで責任を負う、コンサルという所に大変身を遂げられていたのでした。

ゼロになってしまう程の危機から、全国の食品メーカーさんに瓶のデザインなどの飛び込みセールスを掛け、その後着実に新たな展開で転換し、今回、ビルを新築で建てられる所にまで業績も上げておられるのを目の当たりにし、良い意味で大きな刺激を頂きました。

今回のオフィスも、こちらから売りに行くプッシュ型から、お客さんに来てもらうプル型営業への転換を目指されてのもので、最近、ようやく広がり始めて来た、オフィスはブランドや会社の考え方(価値観)を表す最大の広告ツールと捉えてのものでした。

そしてそれは、我々にとっても、約10年かけて取り組んで来た事であり、最近ポツポツとお声掛け頂く様になって来た事で、ちょっとした成功例が出て来て、多少緩んでいた様に感じました。

やはり危機が人も組織も強くする貴重な壁であり、それが無くなった時の油断が、又、おかしくする原因にもなるのでしょうね。

今週、ロータリークラブの例会では、元阪神タイガースの桧山さんの講演を聴きました。

その中で印象的だったのは、現役時代、8人の監督に仕えて、それぞれに意味があったのだが、考え方を徹底的に変えられたのが、やはり野村監督時代で、新人の時からレギュラーで出ていた桧山さんは補欠となり、腐って辞める寸前までいっていたそうです。
ところがある時、今までは野球の事しか考えずに生きて来たのが、辞めた後の人生を考える様になり、初めて人生の中においての野球と捉えられる様になると、今の補欠は人生において貴重な経験ではないか?と思えて、そこからガラッと野球への向き合い方も変わったとの事でした。
そして、野村監督時代の最初の二年間は補欠だったのが、考え方が変わった三年目には、四番も打ち、初めての三割、そして当時は球団新記録となる28試合連続安打も達成したというお話しでした。

野球一筋でやって来られた桧山さんが、人生の中での野球と捉えて、最大の危機から脱し、その後の活躍をしていかれたケースは、決してプロスポーツ選手の特殊な話ではないと思います。

学生であれば受験や、どこの大学に入るか、又、名の有る企業に就職できるかが目的となっており、それで入社した人は、仕事や、働く事自体に、意味を見つけられなくなったり、ただただ毎日の作業を目的としてしまったりしています。

そしてその集合体が組織であり、企業であり、それで構成された集合体が、”人”に対して優しい、寄り添える”場”になる筈がありません。

その蔓延した考え方から崩していきたいと思って取り組んで来たのが、今のウエダ本社の展開であり、それを表す最大のイベントが、今年9回目を迎える京都流議定書です。

それぞれのセッションについては、FBでも発信して参りますが、オフィスの在り方、風土、働き方の、そもそもの考え方を変えたい!という企業関係者の方々は、7月22日~24日KYOCAにご参集下さい!(特に風土も含めたオフィス環境については二日目の7月23日です)

最後は、京都流議定書の告知になりましたが、私自身、ちょっと緩んでいたな~という反省から、改めて、俯瞰して見る位置と、目指していく位置の見直しをしていきたいと思った一週間でした。

2016年5月28日土曜日

”人として”選ぶリーダー

今週は、伊勢志摩サミットがあり、オバマ大統領が広島訪問をされた事が話題となりました。

謝罪は無かった事や、ノーベル平和賞に関連してのポーズと言われたりもする様ですが、米国の現職大統領ですから、我々では想像もできない抵抗や、障壁があったでしょうし、それを押し切り、又、周到な準備を積み重ねてわざわざ行かれたという事には、”人として”、魅力を感じました。


一方、4年後には、オリンピックの開催地のホストとして、世界の人々をお迎えするかも知れないTOPの方は、法的にどうか?という問題ではなく、”人として”どうか?という話であり、早くに責任を取って辞めてもらいたいと思います。

よく大臣などの不祥事が出て、辞めて責任を取った事にするというケースがあり、それと同様に、辞めさせて又選挙でお金をかけるべきではないという人もいますが、選挙で団扇を配ったとか、選挙資金を貰ったという話とは全く違う、そもそもの”人として”の問題ですから、そんな”人”が職務を全されてもも都民は困る話だと思います。

カルビーの松本会長は、1ダラーアウトという事で、1ドルであっても不正使用があれば即刻クビと明確にしておられますが、私もよく社内では、1円でも駄目なものは駄目という話をします。

金額の大小ではなく、1ドルであっても駄目なものは駄目なのですが、特に最近の日本では、問題を混雑させて論議していたり、質と量(数)も分けて考えられなくなってしまっている様に感じます。
これも全てを数値化して数の大小で評価する様になって、質を見れなくなってしまったからではないでしょうか?

自戒を込めてTOPは、”人として”どうか?が重要だと思いますし、働く人や、市民、国民は、やはりTOPの理念、価値観で選んでいくべきだと思います。

”人として”の魅力を見せたオバマ大統領の後、アメリカ国民には、自分達のTOPは世界に影響を及ぼすTOPだという事を意識して、冷静に選んでもらいたいと切に願います。



2016年5月22日日曜日

人的資本バブル

今週はバブルでした。

と言っても金融のバブルではなく、凄い人達とお目にかかったり、お越し頂いたりという人的なバブルでした。

まず、何と、木曜日には田坂広志さんがウエダ本社にお越し下さいました !

ダボス会議を始め、世界のTOPリーダー達とも議論され、多くの経営者達が講演や塾などに押し寄せているという方が、わざわざ訪問をして頂けるという有り難い事だったのですが、昨年京都流議定書の基調講演をお願いした際から、我々の様な中小企業が、こんなイベントを継続して行っている事に関心を持って頂いての事でした。

マンツーマンで二時間以上もお話しさせて頂いただけでなく、今後の我々の取り組みも応援してやろうという有り難いお話しでした。

その日の夜は、高野登さんがルクロ本店に来られるというのを黒岩さんから聞いていたので、私も混ぜて頂いたのですが、寄田先生もお越しになられて、元リッツカールトン、ヨリタ歯科、ルクロという豪華なメンバーでのディナーでした。

翌日は、伊那食品の塚越会長や、沖縄教育出版の川畑会長もメンバーのトップフォーラムという勉強会が小倉であり参加していたのですが、同じ日にウエダ本社では、大久保寛司さんが来られるセミナーも有ったのに参加できないという勿体ない話で、この二日間は、経営品質、ホスピタリティー、人的資本という事において日本でTOPという方々と交差するバブル期でした。

今回の勉強会でも、九州を地場にするハローデイというスーパーの加治社長と、元はこのメンバーでもあったシャボン玉石鹸の森田社長のお話しでしたが、人的資本、理念経営について改めて勉強させて頂きました。

地場で活躍するスーパーという事でしたので、小規模なイメージと、ローカルに拘ったビジネスモデルでの成功のお話しかと思いきや、従業員数約5000名(内パート3700名)、50店舗で売上約700億という規模でありながら、徹底的にスタッフの人間教育を行ない、パート社員中心でも如何にお客様に喜んで頂くかを追求して、日本一視察が多いスーパーを作り上げておられるお話しで、人的資本を形成していくと、実際、会社も良くなり、業績も良くなるんですよ!と見せつけられた感じでした。

又、倒産寸前から引き継がれた私と同い年の加治社長の経緯は、規模は違えど似ている所が多く、うまくいかなかった間は自分が一人で責任を負っていたつもりで、皆がついて来なったが、そんな中でも残ってくれた仕入れ先、社員さんなどに感謝し、その感謝が伝わっていく様に、感謝をする、される経験を皆に積ませていくと、会社の空気が変わったというお話しは、ドキッとさせられたと共に、途中まで同じ感じでありながら、現在の差の原因が明確になりました。

無添加石鹸で有名なシャボン玉石鹸さんは、1974年頃、月商8000万あったものを全て無添加に切り替え、売上は一気に78万、社員は100人から5人となったそうです。
その後17年連続赤字でも、世の中に必要な物を追求されて18年目でようやく黒字化、今やウイルス対策や、水の有効利用など、思わぬ方向にまで研究が進んでいるという、時代の方が漸く追いついてきたという会社ですが、如何に理念、使命が大事かという強烈な例を見せて頂きました。

勉強会の翌日は、前回福岡で講演した際のご縁から、消滅する町と言われる大牟田で、やはり人の繋がりで町づくりをされている冨山さんにご案内頂きました。

ゆっくりもしたかったのですが、一度熊本にも入りたかったので、わがままを言って慌ただしく案内して頂き、これも数時間しか居れないので、何人かの方に見るべき所を教えて頂き、熊本を回って帰って来ました。

いつもいつも、人の繋がり、縁の話をしていますが、今週は本当にそのバブルの様な週でした。

金融資産は、バブルと言われる通り、泡と消えましたが、これら人的資本は消えるどころか蓄積されていくものです。

何故、田坂広志さんがわざわざお越し頂けたのか?

面白いと言って頂く京都流議定書というイベントも2、3年やっていただけでは、そんな事にはなっていないと思います。

9年も継続して来たからですが、それも継続してご協力頂く皆さんがあっての事ですし、それを作り上げてくれているスタッフのお蔭だという事、又、業績は恥かしいレベルではありながら、実質無借金状態で、イベントを継続できるレベルでやれている事に改めて感謝して、これからも人的資本を増強していき、その人的資本を使って、色々な領域、地域で価値を創り出していきたいと思います。

シャボン玉石鹸さん、今度は改心した気持ちが続く、心を洗える石鹸を開発して頂けないでしょうか?




2016年5月14日土曜日

信頼資本のタックスヘイブン

今週は久しぶりに東京出張もあり、ISLの野田社長、クラウドワークスの吉田社長、JINSの田中社長など、素晴らしい方々の所に、それぞれ別の用件で訪問させて頂きましたが、それぞれの皆さんの能力、構想力、そして、それを具体的な形にしていく実行力を感じ、大変刺激を受けて帰っての翌朝は、クオリア朝食会でした。

堀場最高顧問にご指導頂いてきたクオリアですが、お亡くなりになられた後、大変有り難い事に、息子さんである堀場製作所会長兼社長の堀場厚氏に引き継いで頂く事となり、初めての朝食会でした。

以前ブログにも書いた事がありますが、私は日本の企業において、親子間でこれだけ見事に、そのフィロソフィーを引き継ぎながら、別々の卓越したキャラクターを生かして発展されたという点で、最も見事な成功例だと思っています。

堀場雅夫氏、ワコールの塚本幸一氏、オムロンの立石一真氏、京セラの稲盛和夫氏など、京都には強烈な創業者がおられ、それこそ、堀場雅夫氏には、”自分達は会社の経営もさることながら、天下国家を考え、その為に協力して行動してきた。経営者たる者、そうあらなくてはならない”と、ご指導頂いて来ましたが、その一世代下の経営者の方で、私塾の様に下の経営者を指導されるケースはあまりなく、堀場厚氏も初めてだと仰っていました。

今や社員約7000人の内、4200人が外国人というグローバル企業にされたのは厚氏ですが、管理できる日本人に対して、狩猟型である欧米人を管理という意味ではなくマネージするには、”この人について行く”と本能的に思われないといけないと仰っていました。

そして、そんな風土を作るにも、その中で活躍できる日本人も育てるにも、一朝一夕にできるわけではなく、そう考えると、やはり会社の資産は人財しかなく、企業の強さはお金で買えないものをどれだけ持っているか?だというお話でした。


グローバルで大企業なのに、良い意味で中小企業的な風土、おもしろおかしくの社是の通り、自由闊達な雰囲気と団結力、様々なものが何とも言えないバランスがある様に感じるのは、厚氏曰く、マニュアル化されない事にどれだけ投資できているか?という事で、継続して行って来られたからだと思います。

稀代の親子名経営者にこんな形で勉強させて頂ける事、様々な方の繋がりから東京でも、素晴らしい方にお会いできる事、私にとってはこれらも、本当にお金で買えない資産だと思います。

こんな帳簿に載らない簿外の資産を集める、そんなタックスヘイブンを作っていきたいものです。


2016年5月8日日曜日

79年目からの足跡

今週はGWの合間の出勤でしたが、5月1日は78回目の創業記念日でした。

日曜日でもあり、79年目という事で、特段何もしていなかったのですが、FBで上げていると、色々とお声掛け頂く事も多く、積み重ねの重みを改めて感じていました。

自社の事であり、特に100年企業が1000社以上存在する京都では、79年目というのも目立つもの
ではないので、あまり意識していなかったのですが、先人達から継承された一日一日の積み重ね
の結果であるのですから、今居る我々もその重みを感じて、自分達の足跡をそこに積み重ねていかなくてはなりません。


新入社員も1か月が経ち、それぞれのキャラクターを出してくれていますが、今の所、働ける事が楽しい!この会社に入れて良かった!と言ってくれていたり、まだミスが許される間に克服したい!と積極的に電話に出てくれていたりで、皆に入ってもらって本当に良かったと思います。

誤解をされると困るのですが、我々の会社が素晴らしいと言っているのではありませんし、当たり前ですが、これから彼らも嫌になる事も沢山出てくるでしょう。

ただ我々は、でき得る限り、自社の大事にする事、価値観を発信し、それが良いと思う人に入って
もらいたいと思って、そこに一番時間と労力を掛けており、その事で少しでもミスマッチを無くしたいと思っているだけなのです。

又、ミスマッチを無くしたいというのも、決して会社側の都合だけで言っているのではありません。

大卒の新卒者が1年以内に10%強、3年以内では30%強、高卒者ではそれぞれ20%と40%の割合で退職するそうですが、人生において大変ウエイトの高い、働く事についてもっとしっかり考える事、勤める企業の価値観を見極める事は、それぞれの人にとっても大変重要な事だと思います。

ミスマッチを感じて、3年以内に辞めるのも、大変なロスですが、違う所で嫌々、やらされ感の中で
働いていくのも、両者にとっても大変大きなマイナスだと思います。

しかしその考え方も、あくまで私の考えであり、私が展開するウエダ本社として大事にしていきたいというものであって、企業によっては、大量に採用して、ふるいにかけて残る人だけが残れば良いという考えもありますし、それが間違いとも言えないと思います。

ただ、その考え方が主流を占めている中では、一人一人の違いを尊重して、その能力を伸ばして
いく世の中には向かいません。

ミスマッチを無くす為にも、自社の価値観をしっかり発信して、それに合う様な人を採用するという
姿勢の企業を増やしていく事だけでも、働くという事に対する考えや、まだまだその力が生かせていない女性、現在の枠組みで言うと障がい者と言われる人達の能力を生かせる社会になっていくと思います。

79年目から創業80年を目指していく我々が、そんな社会を広げていく為に
一日一日を積み重ねていき、100周年を迎える事ができれば、企業の価値観や日本人の働き方が少し変わったと言われる世の中になっていると思います。

79年目からも、一つ一つそんな足跡を残していきたいと思います。

2016年4月30日土曜日

人工知能で理想的な組織、町を作る

今週も色々な会が有りましたが、その中で、経済同友会で聴いた日立製作所の矢野和男氏の”人工知能はビジネスをどう変えるか”というお話は、内容、構成、皆さんの満足度という面で、私が出た今までの例会の中でも屈指のものだった様に思います。

人工知能とビッグデーターの関係性、そこから生まれるビジネスとその変化、又、人間としての幸福観など、幅広いお話を、感性とロジックという事のみならず、膨大なデーターと実験研究を合わせてのお話でした。

最近話題になった囲碁対決は、人工知能が人間を破ったという話ではなく、AIを活用した素人集団が、経験豊かな専門家を破る時代が来たという様に読み取るべきであるというお話で、ビジネスやシステムは全てAI化していくという事でした。

更に私がもっと興味を持ったのは、サービスや知的労働の革新が起こるという事で、AIが人の幸福感や生産性を測り最大化できるというお話でした。

後者のお話はオフィスや職場環境において、人をモチベートする事、交差する場や動線、コミュニケーションなどを研究し、価値を生み出す事を目指しているウエダ本社としても追いかけてきたテーマであり、それを証明して頂いたかの様なお話しで、大変勇気づけられました。

膨大なビックデーターを瞬時に処理し、それを学んでいく人工知能は凄い!ですが、考えてみれば、人間の体はもっと凄く、脳は何も命令していないのに、毎日同じ体を作っています。
生物学者の福岡伸一氏の表現を借りれば、”細胞同士が折り合いを成す”という様に、人工脳どころか、脳の指示無しに折り合いを成して勝手に毎日生成されているのです。

私が理想とする組織や、働き方のイメージはズバリそういう事なのですが、本来、人間というか生物はその様なものなのだから、企業であれ、組織であれ、或は町であれ、そんな摂理にのっとったものが一番自然なのではないかと思います。

先週行っていたポートランドという町も、何故、心地よいのかというと、誰かが利益誘導の為に、お金を投じて作ったのではなく、細胞同士が折り合いを成した様な出来上がり方の町だからかもしれません。

そう考えると、全ての物が、分子や細胞が折り合いを成しながら体系立てている中で、一部の人間という生物だけが強欲に動いて歪めていっているのではないかと思います。

そんな中、人工知能というものは、一旦強欲さを取り去り、再度元の脳に戻す様な役割を果たしているのかもしれません。

矢野氏が講演の冒頭で、人工知能の紹介で使われた映像は、ロボットが鉄棒を行うのですが、初めは動きがバラバラで全く回れないのが、失敗のデーターを分析して、動きを修正し、1分もすれば見事に回り出すというものでしたが、いずれは、強欲に駆られてバランスを失った人間の心も分析して、自動的に修正する人工知能も生んで行って欲しいものです。

2016年4月24日日曜日

ポートランド レポート



今週は日曜日から米国のポートランドに行っておりました。

 
 数年前から、ソーシャルや町づくりなどで活動して  いる人達の間では最も注目されていた都市だけ  に、ずっと行きたかったのですが、今回、副委員長  を務めている京都経済同友会のイノベーションと  大学を考える委員会での視察があり、その役割と  いうよりは、是非行きたい!の一心で参加して来  ました。

 今や全米で最も住みたい町、しかも30代を中心に  若者が住みたい町と言われるポートランドも、以前  はかなり荒んでいて、危ない町だったそうです。

 何故そこから今の様な注目の町になったのか?を  聞いていると、切欠は食、それも地元の食材であ  ったそうです。

ニューヨークやロサンゼルスなどの地価が高騰して、都心では店を出せないシェフ達が、豊富な食材に目をつけ、それを生かしたレストランを作り出した事から、クラフトマンやアーティストなど同様の価値観を持つ人が集まり、魅力的な町へと変貌していったのだそうです。


ホールフーズマーケットという全米中心に展開すオーガニック中心のスーパーにも行って感激していると、何とポートランドではその先を行っており、ホールフーズでさえ、地元のニューシーズンズというスーパーに駆逐されていっているとの事でした。




ニューシーズンズでは、オーガ ニック、無添加に加えて、 半径何マイル以内かの地元から仕 入れるという事も徹底しているそうで、そんな店が支持されるという民度というのも素晴らしいと感じました。



独立系としては世界最大と言われるパウエルという本屋さんは日本のTサイトのレベルを遥かに凌ぐ規模でした。

こんな一つ一つが、多大な投資をしてハコモノを作ったというのではなく、むしろ逆で、中身から作っていったものが、ジワジワと広がり大きくなったというイメージで、この感覚こそ日本が吸収すべきものなのですが、まだ時間かかるでしょうかね。










                                            泊まりは、そんな流れの中心でもあるエースホテルでしたが、そこでは、ホテル利用者ではない人達が、電源を使用して、仕事やネットサーフを行っていました。

そんな場が価値を生むのですが、杓子定規に決まりや皆と同じを重んじる日本で、どこまで許せるか?がポイントでしょうね。


2016年4月16日土曜日

当事者意識を持つこと

一昨日熊本で大地震が発生し、これを書いている土曜日でも余震レベルではない大きな地震が続いており、予断を許さない状況です。

とても他人事にはなれない理由が二点あるのですが、それは、以前からブログもご覧頂いている方は知って頂いている通り、阪神淡路の大震災を、やはり震度7の神戸市でまともに被災した経験がある事と、今回前日まで福岡におり、新たに九州で活動されている沢山の方と繋がった事からです。

東日本大震災から5年、まだまだ問題山積である東北の方々と共に、また熊本で被災された方々にも、長期的な視点での支援が必要だと思います。

今週は、そのお呼び頂いた、福岡県中小企業家同友会ソーシャルビジネス委員会での事を書こうと思っていたのですが、少し内容を変えてみたいと思います。

今回のお話は元々、私が良いと思うリノベの方向、在り方で最も成功されているスペースRデザインhttp://www.space-r.net/ 𠮷原住宅代表の𠮷原さんからお誘い頂いたのですが、まだまだ本業とソーシャルビジネスを別物として捉える会社が多く、その辺りの関係性というか、ソーシャルビジネスに取り組む事が、自社に役立つ事なのだと思える切欠を作って欲しいとの、ハードルの高いリクエストでした(笑)

又、2週間程前に京都で、𠮷原さんと共に、イクボス推進事業などを手掛けられている委員長の小津さん、消滅都市と言われる大牟田市の町づくりを使命とされている冨山さんと打合せさせて頂いたのですが、皆さんの活動が素晴らしい中、それこそ、私自身が、気持ちの動きのまま行って来た展開しか話できないという事での講演でした。

愛知県の中小企業家同友会さんからも30代の経営者13名が来られており、前日の町歩きから、熱心に参加しておられました。

講演後の質問でも、その30代経営者のメンバーで、初対面でも好感度が持て、話しぶりからも、素晴らしい人物像と能力が伺える方でしたが、ソーシャルビジネスという事はやりたいが、何をやればいいか?率直に言って分らないというお話でした。

聞くとその方は四代目との事でしたので、”それだけ続くという事は、とても世間(社会)に背を向けてやって来られたとは思えないので、まずは自社の中に、それだけ続いて来られた強みがあり、そこには社会に対して役に立つ要素がある筈なので、そういう目で見直してみては?とお答えしたのですが、何となく、変な話ですが、この勉強会では、却って大きな可能性を感じました。

よく話題にしていますが、昨今のソーシャル~というものには、かなり表面的、トレンド的なものが多く、何か違和感を持っていたのですが、真面目にしっかりと事業を続けて来られた会社が、そこにある社会に向けての価値を見出す事が、地に足ついた形で、実際、今後の日本を良くしていく可能性があると感じたからです。

ソーシャルビジネスというと、本業は本業として、それ以外に、わざわざ新規で、社会にとって良い事を作っていかなくてはいけない様に思われるのですが、そうではなく、そもそも社会に役立つ為に事業があり、それを永続させていこうとすると、自社だけが良いという選択肢は出てこないので、社会(世間)にとって良い存在が生まれる筈なのです。

𠮷原さんのリノベーションが好きなのは、決して、作り手の自己満足や押しつけではなく、そこに在る小さい種が自然増殖的に広がっていく感じであり、その土壌作りを行っておられるという事で、これからの日本においては、これしかないという価値創造の有りかただからです。

東京⇔地方、中央集権⇔地方自治、指示命令⇔自主・自立、大企業⇔中小企業、
標準化・均一性⇔多様性、作り手(メーカー)⇔利用者(消費者)などなど、全て同じ構図です。

私は左側が悪いと言っているのではありません。
以前の様に左側で通用する事が限られているのに、その頭で考えるのが間違いだと思うのです。

これからは右側の価値観で動かしていかないと立ち行かなくなりますし、その為には自分事と捉えていく人を増やしていかなくてはなりません。

我々は、地震や災害なんて自分には降りかからないと勝手に思っています。
何の確証もないのに。

そして悲しいかな、遠くの災難は他人事になってしまいます。

今回の地震も日本だから大騒ぎしますが、遠くの外国だと、一瞬のニュースで終わります。

その国内でも、距離が近かったり、関係性が近い人は心配しますが、その距離が遠いと、他人事になってしまいます。

私も偉そうな事は言えません。

たまたま、被災経験があり、今回も前日に九州に居たから、距離が近いだけなのですが、こんな困った事、大変な人が居るという社会課題に対して、少しでも自分事と思える様にする事、それを事業でも意識する事、それこそが、本質的なソーシャルビジネスだと思います。

一日も早い復興をお祈りしますという締めは綺麗ですが、それをよりも、多くの人が当事者意識を持って長期的に意識を持っていく事、そんなソーシャルキャピタルを増やしていきたいものです。


2016年4月9日土曜日

ソーシャルビジネスって何でしょう?

今週は色々と嬉しい事がありました。

ウエダ本社で開催して頂いている、大久保寛司さんの連続講座「いい会社実践塾」で、元タカラジェンヌの妃乃あんじさんがゲストで来られ、再会も嬉しかったのですが、約8か月の間の進化ぶりと、私も知らなかった彼女の強い思いが伝わる様に構成されていて、大きな広がりを感じて感激しました。

あんじさんは昨年の6月頃、ある方から紹介されたのですが、少しのお話の中でも、宝塚を退団し、東北の子供たちの支援を、自分の貯金を崩してまで継続して行なわれている話を聞き、何とかできないものか?と考えていました。

とは言え、この活動を助けるには、まず構成をしっかりして広める事が重要だと思い、大久保さんに紹介する為にも、京都流議定書で司会として来て頂いたのですが、その後はいつものごとく大久保さんが日本郵政を始め、糸井重里さんにまで紹介され、みるみる活躍をしていかれたのでした。

今回、そんな話を初めて直接聞かせてもらう事ができ、そこまでやっていたのかあ、と感心させられる反面、浅くしか見れてなかった事に、反省もさせられました。

大久保さんからも、最近ではイノベーター達の紹介屋の様な存在と言われるのですが、いい活動をしていれば誰彼となく紹介しているわけではなく、思いがピュアで、腹を据えて取り掛かっている人で、伝え方を分り易くできれば、多くの人を巻き込んでいく魅力のある人というフィルターにはかけていて、京都流議定書がそんな人達の飛躍の場となっている事は一番嬉しい事です。

今週は、門川市長の所に、今年の京都流議定書のご説明に伺ってきました。

第一回からずっとご出演頂いているだけでなく、ゲストなども一緒に考え、時には自らお誘い頂いた事もある程、思い入れも持って頂いているのですが、今年で九年継続している事で、これも有難い事に、今の京都市のソーシャルビジネスへの流れを作ったとまでご評価頂いています。

金曜日には、副委員長を務めている経済同友会のイノベーションと大学を考える委員会が、龍谷大学で行なわれるのも素晴らしいですが、NPOセンターや、地域創造基金を立ち上げて来られた深尾さんに経済同友会で話してもらうのも、なかなか良い交差感だと思いました。
日本においてのNPO活動の発展を支えて来られた深尾さんからは、地域でお金を回していくローカルファイナンスについて伺いましたが、ソーシャルビジネスと言わずとも、地域で根付く会社、長く継続する会社をしっかりさせていく事の重要性を再認識しました。

先週入社した新人たちは今週は研修でした。
うちの研修は、社員達で作り社員達が講師となるものですが、それ以外に、これまた今週京都で開催されていた鬼澤さんの講演にも参加させました。

何故、独自性が必要か? 

変えるべき事と変えない事 

経営理念、戦略、成果の繋がりなど、

対話を交えて分り易くお話頂きました。

ここ数年、マイケルポーターがCSV(共通価値の創造)として、本業に即した形で社会的課題を解決する取り組みを行っていくべきと提唱した事が新しい指針の様にも言われていますが、今週もこれだけ周りで、色々な事が起こり、ありがたい評価も頂く中で、ウエダ本社としてもわざわざCSV、ソーシャルビジネスなどという学問の様な話ではなく、ローカル(地域)と人に役立つ存在になりたいと感じましたし、あとはパーツを繋いでいくだけなのですが。

そう言いつつも来週は福岡で、ソーシャルビジネスのテーマで講演させて頂くのですが、偉そうに講演というより、皆さんともお話し、考えを整理してきたいと思います。

2016年4月2日土曜日

フィロソフィーを分解すると

今週は一般的には年度末と新年度という週で最盛期でしたが、スタッフはフル回転でやってくれ、現場も内務も大きな事故、問題もなく年度末を終える事ができました。

長年の課題である、個々の動きを組織力にするという事においては、初めてと言っても過言ではなく、絡み合う気配が出てきました。

現場も仕事を割り振り、チームでカバーしていたのと、内務では一番のベテランが長期に休む中、まだ不慣れな業務も、残りのメンバーで見事に乗り切ってくれました。

皆が忙しく、相手してもらえない私は、かえって来客の時間や、会合に参加する事ができ、今週も又、有り難い出会いもありました。

そんな中でも、今までに何度かしかお目に掛かっていない方が、ブログやFBをしっかり見て頂いていたり、共感するからとわざわざお越し頂く事もありました。

4月1日には4人の新入社員が入社しました。

高卒の新入社員の話は何度か書いてもいましたが、大卒の新入社員も有り難い存在で、彼は募集もしていない中、ウエダ本社に入りたいと、リリースなどを手掛けられた大室先生(京都ソーシャルビジネス研究所長)に数か月に渡って相談に行き、入社してきてくれたのです。

この数年、うちの会社では採用できる人数も少ないので、全く募集はせず、価値観を知って頂いている先生からの紹介や、希望してくれる学生を採用しているのですが、この大手志向で、中小企業が採用に苦労する時代に、大変有り難い話ですが、これも共感、信頼が、大きな価値になっているのだと思います。

企業風土を変えたい、オフィスを変えたい、というお客様が逆指名でお声掛け頂くケースも出てきていますが、これも我々の考え方に賛同してもらっている事がビジネスにも繋がってきている現れです。

ある意味、中小企業は数を追いかける必要がないので、周りに左右されず、自分の所の価値を発信していく事こそが、実は一番の攻めでもあり防御になると思います。

という事で、入社式後から始まる新入社員の研修の最初は私が担当して、ウエダ本社の理念からスタートします。

それもお題目の様な理念ではなく、何の為に生きるのでしょう?という所から、ウエダ本社としての基本理念~経営理念~経営指針~行動指針、そして、ウエダの指針から前文のついたウエダベーシック10の構成を説明するのです。

また、そんな哲学、理念という事ばかり言っていると、重い話ばかりと言われるかもしれませんが、やっぱり強い会社は、それがどれだけ継承されるかだと思います。

今週、昨年亡くなられた堀場最高顧問にご指導頂いていたクオリアの会があり、今後どうするかにおいて、ご子息である堀場厚社長にお越し頂きました。

以前から私は、これだけ見事に、親子間で事業継承、それも、それぞれのキャラクターを生かし、息子さんが新たな展開で発展をされながら、社是の”おもしろおかしく”という独特の風土が継承されているケースは日本全国でも稀有な存在だと思っていますが、創業者が亡くなり、規模もドンドン大きくなる中で、理念がどこまで継承され、良い意味で、家族的、中小企業的風土で展開できるのかは、興味ある所です。


哲学=フィロソフィーとは、phiro=”愛する” sophia=”知識” というギリシャ語から来ているらしいのですが、堀場社長のお話を聞いていても、素晴らしいと思う会社は、人(ステークホルダー全て)を”愛し”、人の可能性を信じる事に”知識”を向けている様に感じます。

おかしくなっていっている大企業は、数字を”愛して”、それを最大化する”知識”にばかり目を向けていたのではないでしょうか?

我々としても、今週入ってくれた新入社員も含めて、本来の意味のphilosophyを皆で共有していきたいと思います。


2016年3月27日日曜日

人間関係資本を増やす生き方

今週もありがたい事に、人間関係資本を強く感じる事ばかりでした。

来月、福岡中小企業家同友会のソーシャルビジネス研究会にお呼び頂いているのですが、その講演内容などの打合せで、冷泉荘、山王マンションという、リノベーションでは有名な物件のオーナでもある吉原さんと委員会の方々にお越し頂いていました。

𠮷原さんのリノベーションは、単に、設計で形を作ったというものではなく、ビルの味を生かして、そのビルに意味を持たせ、それに合う人やテナントをじっくりと作っていったというもので、正に、人や繋がりを価値にしたリノベーションの代表だと思います。

その𠮷原さんが所属されるソーシャルビジネスの委員会での講演という光栄なお話なのですが、まずこの事自体が、繋がりや、そこに至る想いが価値を生んでくれたと思います。

同行して来られた方々も、お話を聞くとそれぞれの活動が、やはり人の繋がりを生かしたもので大変素晴らしく、その方々の前でお話をするのは、相当ハードルが高く感じました。

今週には、ガイアの夜明け放送直後のDariKhttp://www.dari-k.com/の吉野さんと、食事にも行きました。

以前から、何度か顔を合わせて、プレゼンなども聞いた事はありましたが、じっくり、しかも二人で話をするというのは初めてで、最近のイノベーターでもピカ一とは思っていましたが、これまでの経緯やそれに対する考えをお聞ききし、卓越した知力、胆力、行動力、加えて、そんな能力がありながら、人を惹きつける謙虚さまでを持つ彼に感服しきりでした。

又、チョコレート製造も、インドネシアで知ったカカオ農家がその価値に気づかず、ただただ食べる為だけに、人生を半ば諦めた感じで顔を曇らせて作業をする姿に憤りすら感じ、彼らの働き方や生き方を変えて欲しいと思ったからだとの事でした。

他にも沢山いるイノベーター達とも少し違う感じを受けていたのですが、まだまだ30代半ばなのに、生きるという事や、生命、人とは?という所から湧き出て来る感覚を持っている所に、ホンモノを感じるからだと思いました。


土曜日には、やはりその生き方から尊敬するアミタホールディングスの熊野会長の、サプライズの還暦お祝いパーティーに出席させて頂きました。

まだ環境などという概念が全く無かった時代から、リサイクル、循環型社会を作るという事を目指されたのですが、それは、お婆さんに育てられ苦労をして来られた会長が、自分には捨てられたという想いがあり、捨てられる物に対する、執着というのか、捨てられる様な不必要な物など無いという強烈な反発心からでした。

それだけに、人を信用したいが信用しきれないという葛藤を抜け、環境という分野で上場までさせ、様々な体感、確証から、特に3.11以降は自然資本と人間関係資本の増加に資する事業のみを行うと宣言されるに至っていました。

そんな会長の経緯も、何度も食事などを共にさせて頂きながら直接お聞かせ頂いていたので、還暦の祝いは要らないと仰っていたにも関わらず、社員さんが数か月前から用意もされ、サプライズパーティーまで用意されていたという事に、私も、本当に嬉しかったのと共に、会長の様に、生き方が恰好いい男になりたいと思いました。

これ以外にも今週も色々な素晴らしい方々と会い、話しもして、私も本当に恵まれていると思います。

そんな人間関係資本が蓄積してきているので、それを私自身が、企業会計で言えば、回転率を上げてパフォーマンスを高めていかなくてはならないですし、その為には、私自身も、格好いい生き方をしていきたいと思います。





2016年3月20日日曜日

扇動されない個人

ここ最近、保育園落ちた・・の話題や野球界のお金の問題などが、話題となってますが、それこそ、日本は、どうかしてないでしょうか?

短絡的、表面的な話で、違う問題を混ぜこぜに議論?し、一方方向に扇動する方も問題ですが、扇動される側も憂うべき問題だと思います。

反対であれ、議論というレベルであれば健全なのですが、問題は、一言の印象だけで一挙に悪者に仕立てられる、追いつめて行く風潮であり、それに多くの人が乗っているという状況で、マスコミが又、知ってか知らずか(知らずであれば、それはそれで、深刻なレベルですが)、こぞって助長させるというレベルが深刻であり、もっと冷静に、問題の本質は何かを考える様にしなくてはいけないと思います。

保育園の話は、個人のネット上の愚痴であり、それを何か意図を持った人が拾い上げ流れを作ると、後は、その方向に扇動されてしまう、ネット(SNS)社会の負の恐ろしさを感じます。

巨人選手の野球での賭けという問題から、チーム内で賞金や罰金を出して半ば盛り上げる為に行なっている事を同じ問題の様に取り上げ、阪神でも・・ソフトバンクでも・・という見出しで書くマスコミの短絡的な報道を見て情けなく思っていると、”お金を掛ける”というその言葉だけで混在し、その流れに乗ってしまうという問題、又、そうなっていくとそこに異を唱えられない様な風潮にまでなるという事を、もっと憂慮すべきです。

リーダーシップを勉強すると、リーダーは誰にでも分るシンプルな言葉で伝えなければならないとなりますが、米国の大統領選を見ていても、どこの国の人も、ちょっとした話法で扇動されるのだと感じます。

それだけに、扇動型リーダーを選ぶ際は、よりその人の器を見極め、理念、哲学をしっかり見極めないと、取り返しのつかない方向に進んでしまいます。

しかし、おしなべて、どの世界でも、度量を持った人が少なくなって来ている中で、扇動型、扇動する手法というものは危険も大きく、それだけに余計に受信側もレベルを高めないといけないと思います。

土曜日には、KYOCAで京都移住計画さんのイベントがありました。
そこには、移住を希望する人、移住した人が集っていましたが、今や全国に広がりを見せる移住計画は、各地にある魅力に目を向ける視点、機会を与えていっています。

同じ日に開催されていた京都市100人委員会のNEXTフォーラムは、5期に渡った100人委員会の市民メンバーが集まり、今後を話し合うものでしたが、自分事とする京都市民の広がり、活動が確実に根を張り、ジワジワと広がっているのを感じました。

扇動型リーダーに委ねられない時代、我々自身が受信者としても、表面上の短絡的な言葉に囚われるのではなく、深く捉えて自分事として考えていく事が重要ですし、マスコミなども、そんなジワジワとした気配も含めて、しっかりとした文脈を伝えて、育てる役割を担って欲しいと思います。

その為には、又、我々が、売りたいが為の下世話な週刊誌の様な記事や風潮に短絡的に乗らず、馬鹿にするくらいの姿勢になるだけでも、流れは変わり出すと思います。

国民、市民、消費者、従業員、という個人も、一人一人の考え、行動の重要性に気づいていきたいものです。

2016年3月12日土曜日

残りの命の使い方

今週はやはり東日本大震災が起きて5年という事で、やはりそれに触れないわけにはいきません。

よく言われる話で、何年というのは周り、特にマスコミなどが言う話で、当事者にとっては、使い方は間違いでないにしろ、イベント的なニュアンスをも感じる、5周年という感覚などは無いと思います。

マスコミの功罪はありますが、ともすれば、被災していない地域や人の中では風化してしまいがちな中、何年目で思い出すこと、少しでも問題意識を持ち心を寄せること、そしてできる行動を起こすことに繋げる為にも、やはり報道は必要だと思います。

阪神大震災で被災した際、翌日10時間程かけて京都の実家に戻り、自分が正に抜け出して来た地域が大変な状況になっている光景を、そこから逃げて来て炬燵に入ってテレビで見ている事に、内面がえぐられる様な罪悪感を感じましたが、震災の特集番組を見ると、同様の想いに駆られます。

全てを投げ出し、一人でそういう地に身を投じたいという想いも何処かに有りながら、自分の立場や、自分がそのポジションでできる使命を全うすべきという想いで抑え込んでいるものが、腹の底でボコボコ湧き出す感じなど、色々な想いが錯綜し、苦しくなります。

最近もこんな暗いというか、深い話をする機会が何度かありました。

私なり、ウエダ本社としての展開が、何をやってるんだかよく分からないと言われる事は多いですが、説明しなくとも、分かってもらえる事も結構あります。

それを分析すると、死生観がベースにあって、何の為に生きるのか?からの発想で展開をしておられる人とは、簡単に説明できるというより、むしろ説明は要らずに済むのです。


ソーシャルビジネスというものに、好感が持てる場合と、逆に、嫌ーな感じを受ける両面があるのもそんな所から来ているのかも知れませんが、そもそも、何の為に存在して、どういう使命を果たすのか?それをできるだけ大きな力に仕立てる為に、事業でそれに向かうというのがソーシャルビジネスだと思います。

ソーシャルビジネスが儲かるからと参入して行ったり、そうでないと評価されないからとCSRとして取り組んだり、今は、ちょっと格好いいからと流行りになっていて、又、それを持てはやす傾向もありますが、上辺が同じ様に見えても、この死生観でフィルターに掛けると、そもそもかツール(手段)として利用しているのかがよく分ります。

必要悪ならぬ必要善?として、ツールや手段でも広がっていく事は世の中にとっては良いのですが、そもそもの想いを持った人が、ツールとしてソーシャルビジネスに向かう人達に使い捨てにされない様に、しっかりした意識を持って欲しいと切に願います。

震災の特集などを見て、悶々とする想いを持ちながら、それを払しょくしてく為にも、死生観をベースに行動していく人と共に、残りの命の使い方を探していきたいと思います。

2016年3月6日日曜日

サーバントリーダーシップで

米国の大統領選において、当初トランプ氏が旋風を巻き起こしているという程度の認識から、一気に主役となり、今では、このままではマズイのでは?という動きが共和党からも出てきている状況です。

元々約1年にも渡って全米を転々として各党で予備選挙を行うというスタイルは、独裁者を生まない仕組みとも言われていますが、今回は、それが利いていないというより、それに乗る国民が多数を占めてきているという事に恐ろしさを感じます。

それも、発展途上国ではなく、一強とも言われてきた米国の大統領ですから、注目しなければならいですし、トランプ氏が大統領にはならなかったとしても、それだけの米国民が、あの暴言に、強いアメリカを期待したという事実は、選挙が終わっても、注視していかなくてはなりません。

貧困やそれをベースとした世界中の諸問題などへの不安や、不満が充満してきており、偏向した強いリーダーシップ、愛国心に向かっている様に感じます。

リーダーシップの形には正解がなく、その状況に応じて全て違うと思いますが、世界の警察とまで名乗って全世界にも多大な影響を与える国のリーダーは、まずもって、人類全てに想いを馳せられる様な人格を一番重視した選び方ができないものか?と思います。

日本では3.11から5年を迎え、今の様子も報道されますが、原発の対処などを見ていると、逆に強烈なリーダーシップと同時に、こちらも人類全てに想いを馳せられる様な人格を持ったリーダーが切望されます。

しかし一方で、政治の世界だけでなく全ての領域で、大人物と言われる様な強烈なリーダーシップで皆をリードする支配型のリーダー自体が居なくなってきた事と、価値観が多様化する中で、その様なリーダーシップは通用しなくなってきています、

サーバントリーダーシップというものが注目されていますが、サーバントという様にリーダーが召使の様に言う事を聞くという意味ではなく、支配型に対して支援型のリーダーシップとも言われる様に、部下たちを使命、目標にしっかりと向かわせる為に、支えて援助していくものです。

実は、なかなかその様に見えないでしょうが、ウエダ本社内でも私自身は、サーバントリーダーシップ型を目指しています(笑)

そして、その様なオペレーションで回る組織や、風土、を作っていく事が、前回のブログでも書いた様に、女性が働きやすい環境となっていくと思っています。

又、このサーバントリーダーシップというものは、本来、女性の方が向いていると思いますし、支配型で優秀なリーダーが少なくなってきた今や、本来サーバントリーダーに向いている女性が、そのリーダーシップを発揮できる社会のフレームを作っていく事が、世の中を大きく変えていく事に繋がると思います。

そんな事も、新たに株式会社Megami http://www.ueda-h.co.jp/megami/service.htmlの設立に繋がった理由です!、と、最後はMegamiの広報となりましたが、米国の大統領選でも、クリントンさんは、男性社会の中で戦う強い女性という打ち出しではなく、サーバントリーダーシップを発揮した新たなリーダー像を出した方がいいのではないでしょうか?


2016年2月28日日曜日

働く女性の環境を整える 株式会社Megami 誕生!

3月1日女性が働きやすい職場を創るという事を目的とした会社(株式会社Megami http://www.ueda-h.co.jp/megami/index.html)が発足します。

働く環境の総合商社と銘打って、人にSPOTを当て、人を生かした経営をする会社を増やす事を目指すウエダ本社としても、新たな展開で楽しみです。

日本のオフィス、職場環境、働き方を変革していくこと、それがウエダ本社として、創業からの背景をなぞらえながら、今後の使命としていくべき方向として取り組んでおり、その際たる課題が、女性の活躍であり、政府も力を入れているところです。

ただ、先日も京都市の目玉でもある”真のワークライフバランス”の推進委員の皆さんを前に、”制度だけでは駄目で・・”と果敢にも(笑)お話させて頂いた様に、そもそもの企業(組織)文化、考え方、組織風土を変えていかないとなかなか進んでいかないと思っています。

男性社会で構成された企業(組織)のフレームのまま、女性を入れていくだけでは、その中で対応できるごく一部の人だけが活躍できるだけで、抜本的な解決にはなりません。

社会ネットワーク分析でホモフィリー(同質結合原理)という考え方があるそうです。
それは、同じ様な属性を持った人と繋がるということですが、難しい話でもなく、保育園などで観察すれば、よく分るそうです。

初めは年齢で集まり、その後は性別で分かれて、意識がハッキリしてくると外見や雰囲気が影響していくのですが、その観点で考えると、日本の企業(組織)は、完全に男性のホモフィリーが形成されており、その中で女性が入り込んでいくという事は、上司の理解、というレベルの話ではないのです。

ウエダ本社としてもその問題を、男性のホモフィリーの中で考え、女性スタッフに担当してもらっていたのですが、やはり無理があり、その概念を使って言えば、女性のホモフィリーを形成し、それを広げていく事、そして男性のホモフィリーの中に入るのではなく、形成された女性のホモフィリーで
崩していき融合していく事を狙って、この問題に取り組んでいた団体に出資し、ウエダ本社グループとして展開をしてもらう事となったのです。

男性か女性か、日本人か外国人か、外国人でもアジア人か西欧人か、健常者か障がい者か、などなど、意識できないほど違うホモフィリーが入り混じる事が、組織風土の閉塞感を打破し、組織をイノベーティブに向かわせる方法だと思います。

そんな企業(組織)を増やす事、そんな社会を創る一助を担う事を目指して、ウエダ本社としても弾みをつけていきたいと思いますので、まずは、このMegamiをよろしくお願い致します。

そんな難しい話はさておいても、男性のホモフィリーである当社の7階建てオフィスビルの真ん中(3階)のフロアは、既に沢山の乳幼児とママ達が出入りされていて、その光景だけでも一度覗きにお越し下さい!

不確実な時代、まずは企業・組織(オフィス)の硬直性を打破しませんか?




2016年2月21日日曜日

戦略とは?本物とは?

今週はトップフォーラムという勉強会が京都であり、お招き側ではありながら、個人的に大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。

2年1クールの勉強会の間で、1度は必ず京都で開催され、それが必ず2月であり、うちの会社にとっては年に一度のXEROXの年間表彰式と重なるので、地元開催でありながら毎回欠席しておりました。

それが今年は、講演をお願いするゲストスピーカーのお二人ともが私の紹介という事もあり、XEROXさんにお話をし、勉強会を優先させて頂く事にしました。

そのお二人というのは、反原発や環境など様々なNGO活動などを行われている田中優さんと、いつも大変お世話になっており、尊敬する経営者であるアミタホールディングス会長兼社長の熊野さんでした。

実は、ゲストが私の紹介だからというのは表向きの理由で、裏目的は、環境面ではそれぞれに独自の組み立てられた理論をお持ちの二人の意見に、会員側もカルビーの創業家である松尾さんや伊那食品工業の塚越会長など論客ばかりですので、どの様なコメント、反応をされるのかを見たくて、という事がありました。

特に、3.11以降、自然資本と人間関係資本の増加に繋がる事しかしないと定款変更をし、本社を京都に移転されたという熊野会長は、環境や勿論リサイクルなどという概念自体が無い頃から、
無駄な物は無いという信念でリサイクル、循環をし、廃棄物を資源に変えるというビジネスを作り上げて来られ、しかも、それを上場までされて来られたという稀有な方ですから、その方と、やはり理念経営という点においては最高峰であると思う塚越会長の絡みは、ワクワクするほど楽しみでした。

断片的にはしょっちゅうお話を聞いている私も、これまでの展開を体系立てて時系列で聞いた事がなく、大変良く分りましたし、あまりの完璧さに、結果的には、皆さんも質問のしようがなかったという感じでした。

企業は、その存在意義から、哲学、理念を実践に落としていくのですが、あくまでも事業ですから、しっかり利益も出していかなければならず、そのどちらが欠けても長期的には難しいですが、その両輪を動かし、幾度の苦境も乗り越え実績を上げておられるのですから、メンバーの皆さんも、何も言い様がありません、という感じでした。

講演からの議論白熱を期待していた私は、ちょっと残念な感もありましたが、少し領域が違う中で、それぞれで尊敬する人が出会う事、その存在、凄さを知って頂く事が何よりも嬉しいので、本当に気持ちの良い勉強会でした。

今までどれだけ言われたか分からない”何の為にやってるの?”という質問やお褒め頂く事に、人を繋げるという事があるのですが、改めて、単純に自分が素晴らしいと思う人同士が繋がってもらうと嬉しいだけで、言わば趣味なのだという事も改めて分りました。

熊野会長は、捨てられるものを資源化するという事に挑戦され、無から有というより、マイナスからプラスを生むという事を実現して来られたのですが、「有る物を奪い合うより、無い物を作る」という事を仰っておられました。

世の中の戦争の原因の一番根深いものは、資源の取り合いから生まれるものです。

その資源の問題を解決できれば、多くの戦争が防げると思いますが、企業においても正にこの、”有る物を奪い合うのではなく無い物を作る”という事が、戦略なのです。

戦略とは、戦う策(略)の事ではなく、戦う事を略する為の策です。

有る物を奪い合うのではなく、無いものを作っていく、気概を持った経営を改めてしていきたいと思いました。

翌日の京都観光も同行しましたが、案内というより、行った事のなかった石清水八幡宮を同じ京都メンバーの人見さんのお蔭で、堪能させて頂きました。

今回は改めて本物を体感させて頂いた勉強会でしたが、来年は、もうちょっと本物の力を供えて、XEROXさんの表彰式に向かいたいと思います。

2016年2月13日土曜日

真のワークライフバランスから考えるリーダーの仕事

今週末は、関わり方、内容共、バラエティーに富んだセミナーがありました。

まずは、京都市の職員の方に向けて講演させて頂く機会を頂いたのですが、これは京都市が力を入れる「真のワークライフバランス」というプロジェクトで、全局からその役を任命された方々約120名を前に、ウエダ本社の考え方をお話させて頂くという、大変光栄なものでした。

様々な人を交差して生まれる価値や、制度ではなく風土や土壌作りが大事と唱えて行なっている我々の活動を、縦割りで、制度を作り執行するという役割の行政の方に話するのですから、伝えるのはなかなか難かしいものでした。





同じ日の夜には、大久保寛司さんのセミナーがウエダ本社で開かれました。
これは我々の主催ではなく、京都の若手税理士の中田さんが主催されたものだったのですが、しっかりした価格設定のセミナーでありながら満席の集客力、しかも、来場者の多くの方が、大久保さんの事はご存知ないながら、中田さんの薦めで参加したという方ばかりで、人を呼ぶ、巻き込んでいくポイントを見せて頂きました。

ほぼ初めてという中ですから、大久保さんも、いつも以上に丁寧にお話されていた様に思います。
何度も聞いているお話が、ビシビシというより、グサグサっと刺さりました。

改めて書いてみれば

・大久保さんの見る良い会社の定義は、社員の目が輝き続けている会社である。
・その良い会社の共通項は、挨拶がしっかりしている事と、会社が綺麗な事である。
・本物は360度 いつでも、どこでも、誰と(誰に対しても)でも、同様に素晴らしい
・職場の雰囲気を良くすれば必ず業績は良くなる 雰囲気は仕事力
・職場の雰囲気を良くするには、TOPは率先して皆の雰囲気を良くする
・相手が思った姿が貴方自身(人は見た目が全て)
・正しい事を言うのが仕事ではない。言った通りに動いてもらうのが幹部の仕事
・何故やらない!! -相手にはそうする理由がそれなりにある。
・聞ききる、言わせ切る、・・言ってもらえる自分であるか?
・言葉の奥にある心を見る
・正しい内容を教えるのではなく、正しい内容を実現する事をリードする。

まだまだありますが、言わている事は当たり前の事ばかりです。

ただそれが、丁度その直前に自分がしていた講演との対比から、伝え方、伝わり方の差というものを痛切に感じ、素晴らしいリーダーというものは、”誰でもが同じ様に分る言葉を放つ”というお話に、撃沈されました。

言う事は誰でも言えます。
問題はやれるかどうかで、リーダーは、それをやってもらわないといけないので、如何に伝えられるか?気づかせるか?自ら動いてくれる様にできるか?が仕事なのです。

と今更!でもないのですが、分かっていましたが、改めて、行動を変えようと反省しました。


土曜日には、ウエダ本社で、こども未来探求社さんとのコラボセミナー”親子保育園”を開催しました。

この日は、月に一度ある土曜出勤の日でしたので、通常営業をしている中、0歳~2歳の子供たちがビルに出入りしている光景は、微笑ましいものでした。

一億総活躍、女性活用、育休、イクメン、国も企業も色々な策を講じていきますが、こういう場を設けていると、当たり前ですが、皆、事情、状況は違うので、育休を与えれば良い、お父さんが休めれば良いというだけの問題ではない事がよく分ります。

「真のワークライフバランス」 この問題を掘り下げていくだけで、様々な日本の課題の共通項に行きつく様に思います。

その”雰囲気”を京都から作っていければと思いますし、京都市の方にお話させて頂いた中で、一人でも何かを感じ、行動に移してもらう事ができれば、私の”仕事”ができた事になるのですが、どこまで伝わったでしょうか?

親子保育園を主催する小笠原さん曰く、最も言う事を聞かない、思い通りにならないのが子育てなので、企業TOPや幹部の方も親子保育園を通して子育てを学べはいいのではないか?との事でした。

”何故分かってくれない”、”何度言えば分るのだ”、そんな感情に陥る事は多々ありますが、子育て、人育てというものはそういうものなんですね。

やはり社長は、社員を家族と思って、人育てする事、それが一番の仕事なのかも知れません。