2016年7月30日土曜日

塚越会長の野望と、堀場社長の本物観

例年は京都流議定書が終わった翌週は、少し気が抜けた感じがするのですが、今年はそんな間も無く、やる事満載、刺激も沢山あった週でした。

イベント明け翌日は、引き続き?のKYOCAで、京都府下の行政区の担当者が集まられる会議に出席し、KYOCAの取り組みをお話しさせて頂きました。

まだまだ理想には遠いですが、町づくりや地域活性という事で取り組まれる方々にとっては、面白く、かつ有意義だと捉えて頂く事が多く、2年を経過してまだこういう機会を頂けるのは、有り難い事です。

翌火曜日はクオリア朝食会で、堀場社長のお話しをお聞かせ頂きましたが、先日の塚越会長とは、展開も取り扱いも全く違いながら、やはり常に人財をベースにした経営スタイルのお話は、
精密機械の製造でグローバル企業の現役経営者という、一見、数字と効率化のみを追求する様な存在だけに、改めて人をベースにした経営と、それを目指す会社を増やしていく必要性に確信を持つ事ができました。

そのお話しの一端は、

・京都企業は、その分野での日本一、世界一を目指すので、他所の真似をしないが、東京中心の
 売上、利益を評価する経済では、規模が価値だから皆が真似をし、それが魅力を無くしている。

・商売は本物に拘らないといけない、そしてその本物は、商品ではなく人財である。
 商品は陳腐化するが、本物の人を育てて行く事は直ぐにできる事ではなく、それが人財となる。

・会社はマニュアル化できない事が8割で、それを伝承していくには人財を継続的に採用していかなくてはならない。

・原発後の福島に放射能測定器の寄付なども行ったが、そういう事をセールスプロモーションに使ってはいけない、企業としての本物は、格好いい企業、しかしそれには我慢が必要。

などなど他にも沢山ありますが、加えて他に具体的な人事の方針などもお聞かせ頂く事ができ、実践して来られ、実績も残して来られた堀場社長のお話を、直接聞かせて頂ける勉強会など他にはないと思いますし、それこそ、京都の会社で良かったと、京都の価値を感じました。

それぞれの企業、業種で適正サイズがあり、京都という土地は、規模ではなく、ベンチャーであっても本物であれば、それをサポートする風土があるという事で、堀場社長にしても、厳密に言えば、会長兼社長という存在であり、大変お忙しい中、この様な時間を取って頂くのも、本物を見る京都の感覚を残していかないといけないという想いからだと思います。

数値化、標準化というものは、ある意味、TOPや指導者からすれば便利なもので、こちらの見る目や引き出す能力がなくても、判断できたり、オペレーションができるものです。

今年の京都流議定書でも全体テーマを”生かす”としたのは、勿論、主な意味では”活かす”で、それぞれの力を活かす町、企業、オフィス、働き方というものですが、そういう事、感覚が、イカス=格好いい、というメッセージも込めていたので、あえて、常用漢字の”生かす”としていたのですが、堀場社長のお話は、正にそんなズバリのお話でした。

京都フォーラムでご登壇頂いた塚越会長は、講演時にも仰っていましたが、舞台裏や、その後の食事の席でも、トヨタさんのお話を嬉しそうに話されていました。

今、塚越会長の元にトヨタの役員、子会社社長の方々が代わる代わる教えを請う為に訪問されているのですが、それこそ、規模で最大、数字を追いかけて来たTOPの企業が、日本を代表する”本物”の企業に変貌を遂げて頂けると、日本にとってもこれからの世界に取っても明るい道筋が見えてくる様に思います。

それが塚越会長がここ数年口にされる様になった”野望”であり、堀場社長の言われる”本物”の追求なのだと思います。

まだ京都流議定書が終わった翌週という事でお許し頂き、それらの話に乗っからせて頂くと、京都流議定書は、京都が偉いという話ではなく、京都に残る、その本物観、それはそもそもは日本の強みであり、そこを再認識して、発信していこうというもので、全く同じ事だと思います。

堀場製作所さんというのは、排ガス計測器など、自動車業界では圧倒的シェアをお持ちの会社ですから、こちらからもトヨタさんに”本物”攻めをしてもらえると、日本も早く転換できるかもしれません。

大きな、そして明るい夢ですね。


2016年7月24日日曜日

京都流議定書での年輪経営

第9回の京都流議定書も無事終了しました!

今年は例年のハイアットリージェンシーさんが取れず、それならと、鉄道博物館オープン後の近隣の様子もご覧頂いておこうという事もあり、KYOCAで開催を致しました。

9回目という事や、会場もKYOCAで、収容できる人数も少ないので、私自身、油断?もあって、準備がしっかりできていなかったのですが、結果としては、素晴らしい出演者の方々と、年々成長しているスタッフの現場力のお蔭で、無事に終了する事ができました。

三日間の中で、唯一有料であった京都フォーラムでは、30分の間に、一旦、皆さんにご退出頂き、お金の授受も含めた受付を行い、並んで頂くスペース、お待ち頂くスペースも無い中、会場の机、椅子を入れ替えながら対応しなければならないという、難しい対応が求められました。

しかもこの枠が、県外での講演はこれが最後と言われる、伊那食品の塚越会長でしたので、定員を大幅オーバした参加者が一気に集まり、動線がどうなるか?という状況でしたが、結果的にはクレームも無く、本当にスタッフが頼もしく思えました。
(来場者の皆様のご理解で、クレームになっていないという面はあると思いますが)

塚越会長からも、”社員さんが素晴らしいね~、社員さんの様子を見て、岡村さんを見直したよ”と言って頂いたのですが、塚越会長から社員を褒めて頂くなど、我々にとっては勲章を頂いた様なものでした。

その塚越会長のご講演と、その後、又、会長と社員さんの信頼関係の様子を、画が浮かぶ様に話される大久保さんのコーディネートで、会場全体が、やられた〜という空気感となっていました。

初日は他に、ミライロの垣内さん、こどもみらい探求社の小笠原さん、ルクロの黒岩さんに、門川京都市長と、ある社長さん曰く”半日でこれだけの方が並ぶセミナーなどあり得ない”贅沢な半日でした。

二日目は、午前中は恒例のブロックス西川社長によるワールドカフェを、理念浸透について、100名程で盛り上がった後、午後は、今年の特長でもあった、工繊大の仲先生による、イノベーションを生みだす為のオフィスデザインの考え方、クラウドワークスの吉田社長の、スキルをクラウド化する事による働き方の変革、最後には、女性みらい対談と、実際、働く環境の課題をテーマにした展開でした。

三日目は午前、ソーシャルイノベーション研究所、午後はミラツクのセッションでしたが、例年はソーシャルセクターが集まる日であるのが、今年は、経済同友会を中心に混じり合い、これも今までに無いものでした。

今回は、私自身の油断もありながら、見事に皆がカバーしてくれ、今までで一番見事なパフォーマンスで、心地良い疲労感で終える事ができました。

改めて、京都流議定書というのは、毎日が全く違うノリ、雰囲気で作られ、それぞれが素晴らしく、しかし一本の理念で横串が刺さっており、しかもそれを全て社員だけで手作りで運営しているという、他には絶対にできないイベントだと思いました。

残念なのは、まだまだ私含めて、それを訴求できず、単発での参加が多いところです。

今回も沢山の気づきがありましたが、塚越会長の仰っていた、会社の成長は、一人一人の人間的成長の総和という事を肝に銘じ、また来年に向けて、総和を上げていきたいと思います。

明らかに総和としては成長してくれている皆にも報いられる様に、社員の為にどうあるべきかはブレる事なく、年輪を重ねて、来年は、京都流議定書も10年の年輪を刻みたいと思います。


2016年7月16日土曜日

反省しきりの一週間

今週も東京、横浜へ、様々な目的の混ざった出張でした。

毎年恒例の盛和塾世界大会が横浜で二日間に渡って開催され、本来はそれにべったりと行く予定だったのですが、ビックサイトでオフィス関連の展示会が行われており、働き方変革EXPOと題したものもあると、どうしても行かないわけにはいかず、世界大会初日は欠席してビックサイトに行きました。

働き方変革の主なものは、文書の電子化とWEB会議、それを行う事によっての在宅を含めたオフィスに縛られない働き方、福利厚生を充実させる為のオフィス内設置のカフェや食関係のサービスという所でしたが、サービスについては、クラウド、シェアという感覚で、面白いアイデアのものもあり、ビジネスアイデアについては柔軟な発想をしているつもりが、全然硬直化している自分に気づきました。

二日目だけの参加となった盛和塾では、毎年ながら凄い経営者の発表を聞いて反省しきりで、中でも創業7年、30代半ばで、既に上場スキームに入っているという社長の話を聞いては、小さくなるしかありませんでした。

その年代や創業年数で上場という成果の話ではなく、創業メンバーと袂を二つに分けた際、自分には、社員の4分の1程しか付いて来てくれなかった事から、それまで社員の事を考えていなかった事を反省し、社員とその家族の物心両面の幸福を追求するという事において、それこそ愚直に仕組化し、”社員さんはいつ自分の仕事をしているのだろう?”と思う程、たくさんのコミュニケーション、イベント、勉強(研修)がプログラム化され、社長の仕事は社内の関係性構築のみとも言ってもよい程の取り組みで、自分が一番になる事ばかり考えていた時には上らなかった業績が、本気で社員を家族と思って取り組んで以降、見る見る業績をUPしていかれている事を、数字と共に発表されたのでした。

塾長講話では、昨今、コンサルタントなどが、リーダーは口を出さず任せることが大事などと指導する事も多いが、それは、実際の経営をやった事が無い人が言う事で、特に中小零細という企業の場合には、社長は皆を何としても守るいう事が第一使命であり、社長が引っ張るしかないのだから、惑わされずに率先垂範で臨んでほしいというお話で、最近又、会合などで会社を空ける事が多くなっている自分を反省しておりました。

説明がつかないながら、会社価値向上の為に関わっていると胸を張って言える取り組みと、抜けられない、断れないという事で参加しているものもあり、まだまだそんなレベルの企業でもないのに、緩んでいたと感じました。

金曜日は東京で、公園遊具のメーカーの代理店会に出席しました。

今年100周年を迎えるこのメーカーの代理店会も、建築、土木という枠組みから変わっていこうとされている感じでしたが、考えてみれば、公園というのは、町や村や、その地域に住む人々にとって、一番のハブになるべきオープンなスペースですから、そこの発想を変えていく事は、地方創生にとっても、大変重要なポイントだと思います。

この会にも京都府では唯一の代理店として参加していながら、その存在を生かしきれておらず、ここでも又、発想が硬直化していた事に気づきました。

今週は、その他にお会いした方からも、自分のできていない事を気付かされる事ばかりで、何処に行っても反省ばかりの一週間でした。

もっともっと、自分や自社の役割を発揮して、日本の一般的なサラリーマンの働き方の変革とそれに向かう為の企業の考え方の変革と、人の繋がりが価値を生む場作りに、精魂を傾けたいと思います。

その為にも、様々な活動、付き合いの時間を、”動機善なりや私心なかりしか”、の目で、改めて見直したいと思います。

2016年7月10日日曜日

オフィスリニューアルの意味合い

今週は、ウエダ本社の強みが発揮された週でした。

現在、オフィスのリニューアルを行っておりますが、1週間だけの為にオフィスを作り変え、又元に戻すという作業を行なっておりました。

5、6階のリニューアルを行うに当たり、まず6階の営業フロアを空いている4階に仮設で移し、そこで月~金曜日まで営業し、その間、6階の床の張替、備品入れ替えなどを行い、4階から再び戻すのと共に5階メンバーも全て移り、月曜日からは6階で通常営業するという、離れ業?でした。

自社の自慢に聞こえるかも知れませんが、私自身は、至って不器用で何もできないので、いつもこの様な移設や、作業的な場面での、うちのメンバーの現場力を見ると、凄いなあ~と感心します。

今回のレイアウト変更は、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同研究してきたもので、数か月に渡り、ワークショップや、アンケート、動線調査などを行ない、オフィスや、働き方についての皆の意見、動向を吸い上げたものを形に表すというもので、今後、この様な展開を特に中小企業に広めていきたいと考えており、言わばそのモデルケースともするものですので、全て完了する8月末以降は、ドンドンご覧頂いたり、お越し頂く機会も作っていきますので、是非、ご活用頂きたいと思います。

そして、そんなオフィスに対しての考え方については、京都流議定書二日目の仲先生のご講演を是非お聴きください!http://kyotostyle.jp/

今後の企業がどうあるべきか?をオフィスというファシリティーを通して考えて頂けると思います。

又、我々が、何故、色々な事、それも一見、本業に関わりの無い様な事に関わっているのか?という事も何となく繋がってイメージして頂けると思いますので。

と言いつつも、うちのメンバー自身もまだまだ繋がっていない事が課題ですが。。


今週、皆が毎日の様に、移動作業などを行ってくれている間、私の方は、あるメーカーさんの感謝の集いと、その企業さんの周年記念を兼ねた会に出席の為、出張しておりました。

社長のお話、工場見学、懇親会と宿泊しての翌日は、全国から施工の職人さん達のコンテストの観戦と、二日間に渡っての会を全て、社員さんが手作りで作られた立派なものでした。

私はコンテストは見ずに別行動したのですが、コンテストを見た、うちのメンバーに感想を聞くと、結構ミスも多く、実際の現場でも、我々がカバーしていたり、そのフォローに相当な時間を取られていたりするとの事でした。

実はこの会社さんは、上場もされていて我々が偉そうに言えるレベルではないのですが、実際、私も腹に据えかねて、責任者に来てもらい、厳しく改善を求めた事があるほど、ミスが多かったのは事実で、私などは、今回の社長のお話や、工場の仕組と様子、会の運営と社員さんの姿勢を見て、改めていい会社だったのだ、と思ったほどでした。

そんな事を見ても、企業経営って本当に難しいものだと改めて感じます。

社長の考えや理念があり、それが落とし込まれる仕組み、それを行うスタッフの質(人間力)とベースになる技術力(現場力)それらがしっかり噛み合わないと、インプットとアウトプットが繋がらず、アウトカムが出ないのです。

又、難しいのは、賢い経営者であれば、短期的なアウトカムだけを作る事は可能なのですが、長期的に半ば永続的にとなると、この流れがビシッと繋がってないと無理だと思います。

という事を俯瞰して考えると、うちの会社は、唱えている事は、それなりに意味を持っていると思いますし、一部の現場力は有るとすると、それを形にしていく事、仕組化していく事が足らない所で、
現状は、それを構成できていない私(社長)の能力が足りていないのだと改めて思います。

という事で実は、今回のオフィスリニューアルは、その繋がっていない、唱えている想いと、現場力の間を繋いでいく為のものであり、唱えている事を見える化するものです。

現業もやりながら、これだけ短期間に移設も行い、その間に京都流議定書の準備もと、皆には大変負担がかかると思いますが、想いからのラインがしっかり、綺麗に並べば、インプットからアウトカムまで繋がる様になると思いますので、皆には頑張ってもらいたいと思います。

私は、自分の足らない能力を補填していく事に努めますが、それと同時に、能力補填して頂ける方は、是非ともリニューアルされたウエダ本社にもご参集下さい!






2016年7月2日土曜日

人の価値は?

今週は、又、親バカな話となります。

と言っても、私の息子ではなく、同年代の新入社員の話ですが、一応、新入社員でも試用期間というものが設けられていて、今週で晴れて正社員となりました。

皆それぞれのキャラクターを発揮し、新鮮な刺激を与えてくれています。

高卒で入社し、まだ未成年のU君は、初めの印象はコミュニケーションが不得意な様に見えるのですが、話し出すと大変しっかりしています。
まず状況をしっかり説明し、どの様に感じたかを説明するのですが、素晴らしいのは、だからこの様にしようと思う、と、対策まで必ず話します。

周りの先輩たちも口を揃えて、U君は真っ白で何を言っても直ぐに吸収してくれるというのですが、ご両親からも怒られた事が無いというのに、会社で怒られたりしたら嫌にならないのか?と聞いても、”怒ってもらうのは、自分の事を思っての事だと分るので有り難いし、少しでもできる様にしようと思う”と、泣かせるセリフを言うのです。
そんな姿勢で吸収して来た彼は、悪気無くやっていた覇気なく見える姿も、他人からそう見えるのは良くないからと、積極的に声も出す様にしていたり、最初は関係ない仕事も面倒臭かったが、まだ仕事ができない間は、そういう事で役に立つ様にとのアドバイスから、率先してやる様になったとの事で、質問を続けて行っても全てに見事な答えが返ってくるので、思わず、笑ってしまいます。

もう一名の高卒新入社員のK君は、施工や納品等の現場が楽しいと、一日作業で体がクタクタでも、”楽しかった”とニコニコして帰って来るので、これ又、その感覚は希少価値で大きな資産だと本人にも言っています。

又、これだけ高卒が素晴らしいと、普通の大卒だと逆に埋もれてしまうとも思いますが、N君は、新卒募集してない中、うちの会社を志望して来てくれただけに、それらも良い刺激として捉え、自分の方向付けに役立てています。

内務の女性社員も、本来は苦手な電話も、失敗が許される間に克服しようと積極的に出てくれていましたが、そんな姿勢なので、他の仕事の吸収も早いそうです。

以前から私は、それも何の為に?と思われるのですが、教育問題にも色々と関わって来ました。
それは、一言で言えば偏差値教育とその評価への反発ですが、ウエダ本社で向かう、人を活かして運営していく企業、組織を増やす事にも合致するからで、今年の採用と、現在の姿は、ずっと思って来た事を、皆が証明してくれてる様で、大変嬉しく思います。

今年の京都流議定書二日目は、そんな組織風土、理念、オフィス、仕事、働き方、等についてのヒント満載です。

この日の午前中は、素晴らしい会社を長年、映像で追いかけて来られたブロックスさんですが、うちの新入社員のこの三カ月の成長ぶりを、ドキュメントで追いかけて欲しかったものです。

当たり前で、人の価値は、偏差値や、知識、だけでは決まりません。

能力は未来進行形で考える」

考え方、取り組み方が、その後を変えていく一番重要な資産だと思います。