2018年10月21日日曜日

”良い会社”を考えさせられた一週間

今週はいつもにも増して、様々な角度から、”良い会社”を考えさせられた週でした。

火曜日には、京都信用金庫さんの青年役員会議という研修の場で、”良い会社”について、お話させて頂きました。
と言うよりも、大室先生に質問頂いた事に答えて、それを解説頂いていたという方が近いかもしれませんが、組織での課題に対して、伊那食品さん、ネッツトヨタ南国さん、西精工さん、ヨリタ歯科クリニックさんなどの事例を上げて、我々が考える”良い会社”についてお話させて頂きました。

勿論、こういう会社を目指して取り組んでいる我々の取り組みも話させて頂きましたが、まだまだ我々では信ぴょう性も無いので、他人のふんどしをお借りしていました(笑)

この青年役員会議というものは、京信さんの20代で、京信さんの未来を考えていく事に手を挙げ、所属の支店長が認めた方の集まりですが、京信さんにおいての課題も出ていましたが、金融機関で数字ノルマも廃止され、「平日の大事な営業時間に、こんな取り組みをされている事自体が金融機関ではあり得ないですし、”良い会社”の表れだと思いますよ」と、話していました。

木曜と金曜の二日に渡っては、10月からメガミの代表も兼務することとなり、体制も変わることから、”理念デー”と称して、既存会員さんや新たに考えておられる方へ向けての説明会を行っていました。

この中身全て、新体制でやってくれる事になったメガミのスタッフ二人が考えてくれたものだったのですが、嬉しいのは、そもそもメガミはウエダ本社の100%子会社なのだから、まずウエダ本社の事を知ろうと、私が話する朝礼や、ウエダ本社で行うセミナーなどにも積極的に参加し、全く知らない間に、ウエダ本社の考えからメガミの今後の展開までの繋がりを纏めた見事な資料も作ってくれていたのです。

これぞ、”自律した働き方”だと思いますし、こういう所が本質的な働き方改革のポイントだと思います。

自律した働き方を皆がしていく様になると、管理などする必要もなく、時間で計る働き方をしなくてよくなり、働き方に関する様々な問題は一発で解決できるのです。

そして、今話題で今後の理想の様にも言われるTeal組織も、男性社会で作り上げられた既存の組織を転換するのは大変ですが、女性チーム、特にママさんを中心にしたチームには適した組織であると思いますし、マイナスからのスタートで、今何も無い状態の新生メガミは、これからの良い会社になっていく可能性を秘めている様に感じます。



又、今週には、二つの凄いお祝いの会に参加させて頂き、良い会社を見せつけられました。

一つは、マールブランシュ、茶の菓で有名なロマインライフの河内社長の還暦のお祝いパーティーですが、全日空ホテルに350名のお客さんを招いて、京都の有名店を屋台に出し、祇園さゝ木の佐々木さんやイルギオットーネの笹島さんなども自らサーブされていて、笹島さんなどは、忙しくパスタを作っておられたので、分からなかったほどでした。




5時から始まった会は6時までに食事を取り、その後は9時半までライブ演奏で、河内社長と社員の方で構成するバンドを中心に、そこに社長と親しい凄い方々が登場されるのですが、そこに、宇崎竜童、Char、佐藤竹善、寺岡呼人、K、というアーティストも参加され、それぞれ素晴らしいライブを見せた頂きました。


中でも河内社長がバンドを始めたのは、ダウンタウンブギウギバンドの大ファンになったからだとの事でしたが、その憧れていた宇崎竜童さんと、ビジネスで成功されて交友される様になり、ご自分の還暦パーティーで、一緒に演奏しながら歌えるなんて、大変失礼ながら、ビジネスマンとして、男として、もうこの場で死んでも本望だろうなと思って見ていました(笑)


そして何よりも、河内社長の凄さは、あくまで個人の還暦のお祝いでありながら各界の凄い方々を集め、ご自分のライブ演奏を3時間以上見せて、文句が全く出ないという所だと思いますし、まずこんな方は、他にはおられないと思うところです。

これだけの成功は、正に社長のこの人格、そしてその社長を羽ばたかせていかれた奥様と、二人三脚で作って来られた会社風土、チームの賜物だという事を見せつけられた気がしました。

金曜の夜には、片岡製作所さんの50周年式典がでしたが、こちらは会場が何と、世界遺産二条城で、こちらも400名の方々を集めておられましたが、京都府の西脇知事、山下副知事、京都市の門川市長、村上副市長、岡田副市長という行政のTOPが、これだけ揃って出席されるというのは、民間レベルではまず無いと思いますし、この会社も如何に特別な会社かという事がよく分かります。





こちらも片岡社長が、折々に二条城に来られる機会があり、この場で50周年式典を行える会社になりたいと思ってやって来たと仰っていましたが、3人で創業されて一代でそれを成し遂げられたのですから、さぞ感慨深いものだっただろうと思います。

ロマンライフさんも片岡製作所さんも、売り上げ、規模的には、もっと大きい所は幾らでもありますが、数字だけでは表せない、簡単に真似できない風土やそれを生み出すフィロソフィーと、それに共鳴された社員さんやパートナーさんとの関係など、そんな資産が豊かな会社だと思いますし、我々は、そんな会社を”良い会社”と設定し、我々自身も目指しながら、それが一般的に”良い会社”だと認知される世の中にしていきたいと思います。

こんなお目出たい光景を見ながら、その源泉は社長にあるという事もまざまざと感じて、辛い気持ちにもなりましたが、改めてウエダ本社の80年の資産と、ママ達の力を生かして、”良い会社”を作りたいと強く思えた週でした。


2018年10月13日土曜日

”TRAFFFIC”お披露目会

ウエダ本社北ビル2階が、新たに”TRAFFFIC”というコンセプトでリニューアルし、今週はそのお披露目会を開催しました。

”TRAFFFIC”のFが3つになっているのは、space, time, mindset というものからの Freedom(自由)な働き方を意味しており、この場は、国内はもとより、世界の多種多様な地域文化を背景とした新しい働き手、働き方の実践者達の拠点となるINTER-LOCAL STATIONとなっていくものですが、「はたらくを彩る」を展開していくウエダ本社では、地方とネットワーク化し、我々の様なITでもない中小企業で働く人達が、海外含めて様々な地域で時期と場所を選択して働く環境を作っていく事を目指しています。


そして、従来発想ではなく未来思考で町おこしを行う人や地域は、東京で発信するのではなく、京都で、同じ価値観の人が集まる”TRAFFFIC"から発信していく、そんな場にしていきたいと思っています。

そのお披露目会のゲストで、オープニングの講演をお願いしたのは、ユニリーバ取締役で、人事総務本部長の島田由香さんでしたが、島田さんはWAAという活動をユニリーバさんのプロジェクトに仕立て、全国に広げていかれているのですが、このWAAという頭文字は、Work from Anywhere and Anytimeで、その考えは全く同じで、そのままお話頂くだけで、”TRAFFFIC”のコンセプトになりますから、という事でのお願いでした。





実際お話頂くと、ビジネスとサステナビリティの両立を掲げて世界190か国というグローバル企業の日本法人で取締役、人事総務本部長を務めておられる島田さんのお話は、感性にも訴えかけながら、かつ明快でもあり、会場に居たうちのスタッフも、今までで一番よく分かったのではないか?と思うほどでした。


私的には、WAAもそうであった様に、発想の源が同じじゃないのか?と思うほど、出てくるキーワードも同じで驚きましたが、その奥行き、幅など、厚みもありながら、それらの紡ぎ方が繊細で、私自身スッキリしたくらい、伝わり方や、人の動機付けの差を見せつけられました。

人のマインドセットを変える事はできないが、人のマインドセットは変わる。
その人が変わるまで、全包囲で刺激を与える。

自律と自立の違いは、決まっていない事を自分でできるのが自律で、決まった事を自分でやるのが自立、自立の前には、自信、自発とあり、それを生み出していくにはまず自覚が必要だが、自覚を持つには、その人の興味ある事しか生まれない、などなど。
 難しい問題に対しても、どうすれば良いかの示唆を頂きました。

パネルディスカッションに登壇頂いたサイボウズの玉田さんも、ほぼ何の情報も入れずにお越し頂きましたが、リリース桜井さんの深い、何処から飛んで来るか分からない切り口の質問にも、サラリとお答え頂き、これも良いバランスとなったと思います。

WAAにしろ、TRAFFFICにしろ、この働き方を実現する為には、ITツールやドキュメント管理が外せませんが、しかしただ単に技術やツールを並べれば良いのではなく、方向性、価値観が同じでないと、そういう働き方も本質的にならないと思いますので、そういう意味ではサイボウズさんしかないと思ってのお願いでした。

このお披露目に向けては、このコンセプトからリニューアル工事全て、若手中心で委員会を作り、いつもの如く?私は要望だけを伝えて一切タッチしませんでしたので、それも含めてプロデュースしてもらったリリースさんには、大変お手間もお掛けし、お世話になりましたが、リリースさんにとっても、”TRAFFFIC”で価値を蓄積し、増幅して発信していく場としてもらえれば、京都から新たな流れを作っていけると思います。

最後に、実はパネルディスカッションでは、新たに作り変えていく子会社のメガミについても触れようと思っていたのですが、コーディネーターの桜井さんの問いが深すぎて、考えるのに必死で、言うのを忘れてしまいました。

時間と場所を選択できるというコンセプトは、地域の話ではなく、これまでの働き方で不自由であった人、活躍しきれていない全ての人が対象となり、女性活躍という問題においても、これが一番のキーとなります。

”TRAFFFIC”という場を進めていきながら、メガミの方では、女性に特化して進めて参りますので、そちらも是非ご注目下さい!






2018年10月6日土曜日

カイゼンと免疫

今週は連日大きなニュースがありました。

まず、トヨタ自動車とソフトバンクが、自動運転技術など新しいモビリティサービスで提携すると発表し、驚かされました。

またこの前日には、ホンダとGMが自動運転技術で提携と発表されており、これだけの規模の企業提携が連日発表される様な同時期に起こるという事で、時代の大きな転換を感じます。

時価総額1位のトヨタと2位のソフトバンクですが、企業体質や考え方では、水と油と言われる程、正反対の企業が、共同出資で新会社を作るというのは、単に自動運転技術を進めるという事だけでは、時代の転換を見誤ると思います。

豊田章男社長が、海外のライドシェアサービスを手掛ける企業を探すと、そこに必ず孫さんがいた、と言われる様に、ウーバー始め世界のライドシェアサービス企業の全てにソフトバンクは筆頭株主となっており、又、前日のホンダとGMの出資提携する先にも第二位の株主となっている様に、もう、TOYOTA、HONDAの自動車という”モノ”の勝負ではないという事や、Softbank、KDDI、NTTdocomo、という通信ですら、回線という”モノ”の勝負の時代は終わったという事だと思いますし、孫さんは、そんな枠での競争など考えていないから、常に、先に座席に座っておられたのだと思います。

所有からシェアという流れは明白で、今回の提携も、そこにも目が行きがちですが、そんな単純な話ではないと思います。

所有をしないという事は、家や会社という概念が変わるわけですから、持たない人にとっての、移動というものも、役割というのか目的が変わります。

賃貸かどうかという話ではなく、自分の”家”から所属している”会社”への移動の手段であった車は、決まった拠点を持たず、働き方も変わる中で、生活シーン全てが変わり、移動手段では無くなるので、そこで求められるものは何か?という話となり、そう考えると、誰と組むか?というのは、従来の枠組みで考える人や企業ではない事は明白です。

そんな風な事をイメージすると、今回の提携が意味する事、しかも連日大きな提携が発表された事は、大変大きな意味があると思いますが、更に今週には、京大の本庶特別教授がノーベル賞医学生理学賞を受賞されたというお目出たいニュースも飛び込んできました。

数十年間の研究を行って来られた事がたまたま今週に受賞となったという事なのでしょうが、AI、IOT時代のプラットフォーマーを目指してのグローバル企業の提携が発表される中、人間本来の免疫システムの可能性を突き詰めて来られた方が認められたというのも、希望の沸く話だと感じました。

ニュースでたまたま見た本庶教授のコメントが大変印象的でした。

”医者さえ余計な事をしなければ、人間本来の持っている免疫で全て治せるんですよ”

科学療法に偏重し、薬漬けにする現代医療、直ぐに薬に頼り、安全に、怪我をしない様に、失敗しない様にする教育にも、実は、以前から反発を持っているのですが、これは医療や教育だけの話ではなく、対処ばかり、改善ばかりで、モノの技術競争、スキル競争ばかりして来た産業界、経済界にも同じ構図があり、その発想でいけば、AI、IOT時代になれば、人間はやる事がドンドン無くなり、ロボットに追い抜かれるシンギュラリティ―を迎えてしまうのです。

人間が本来持っている免疫で全て治せる、などという”モノ”は、ロボットでもなかなか生み出せないのではないか?と思いますし、人間本来の持っている力を引き出していく事に向けていくと、全ての流れが変わっていく様に思います。

所有ではなくシェアになると、モノではなくサービスになり、目的や、その為に必要な手段が変わります。

そこへの大転換が望まれる中、”カイゼン”の権化であるトヨタが、変革者の孫さんと提携するという事に、未来の希望を託したいと思います。

勿論、人に託すだけではなく、その大転換の中で、我々は”働く”を追求していきたいと思います。
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