2019年7月16日火曜日

大乗仏教でいくには?

先週末からタイに行っておりました。
これは富士ゼロックスさんの褒賞旅行で、毎年、取引額に応じての人数を、海外に連れて行って頂くのですが、うちの会社は今年も5名で参加させて頂きました。
ゼロックスさんからすると、本来は社長は必ず出席してほしいというもので、他の販売店は必ず出席されているのですが、私はわがままを言って、リゾート地の時は私の枠も社員に回し、都市部の時だけ参加させてもらう事にしており、今回はバンコクだったので、四年ぶりの参加となりました。
バンコクは20数年前に一度行っただけでしたが、当時は地下鉄は勿論、BTSという街中を走る電車も無く、移動手段は車しか無かったので、ピタリと止まって全く動かないという尋常じゃない渋滞でした。
そんな印象からすると、今回行って驚いたのは、電車も綺麗で分かりやすく、街が大変安全で、少なくとも大通りを歩いている限りでは、夜中でも危険な感じが全くなかったのと、車のクラクションは旅行中一度も聞かなかったですし、渋滞はありましたが、アジア諸国に見られるゴチャゴチャした喧騒感が無く、そういう面でも日本と同じ位の安全さに感じました。
こんな風に振り返る機会があるといつも感じるのは日本の停滞感であり、日本は大丈夫か?という事です。
20数年ぶりというのは、私はウエダ本社に入る前だったのですが、その後ウエダ本社に入って海外などは関係ない世界でもがいている間に、国レベルでこれだけの変化を見ると、この間何をやって来たのか?という焦燥感と共に、一方で、それはうちの会社だけか?と言えばそうではなく、国全体がもがいて停滞している現状を見ると、日本、大丈夫か?と思うのです。
更に、明らかに大丈夫ではないのに、既存価値でやって来た所がまだ各分野で力を持っているので、国全体として、本気で変えようとしていない所が、明らかにヤバイと思うのです。
やはり日本での当たり前と思っている考えや価値観を、幅広く俯瞰的に考えていく為にも、できれば社員皆で海外研修なども行ないたいと思いました。
出社した水曜からは、ほぼ席に着けてないスケジュールでしたが、その内容を大きく分けると、講演含めて我々の展開をお話させて頂くものと、相談を持ちかけて頂くもの、そして我々に合うのでは?との事で紹介を頂くものという三つのパターンでした。
仕事のパターンは違えど、共通軸になっているのは我々の価値観で、それを面白がって相談に来て頂いたり、繋げて頂いたりするのですが、それだけに色々な事が集まって来ていたり、新たな価値観が広がっているのを肌で感じます。
そして又、自分の能力不足で処理できなかったり、うまく展開できずに焦りも感じてしまうのですが、価値観を尖らせて来て、この先、戒律を厳格に守るタイの様な上座部仏教でいくのか、一般に広めていく大乗仏教の道を選ぶのか?我々の会社も、そんな岐路に来ているのかも知れません。
ただ、今年で12回目を迎える京都流議定書を考えてみると、ずっと集客の数を追わず、あくまで自ら呼び込んでいくスタイルを貫いている所だけで言えば、一見戒律を厳格に追求する上座部的に思われるかも知れませんが、実は逆で、既存価値に居る人達を一般と置き換えると、その一般の人達を呼び込んで広めていこうとして来た事から、大乗仏教の道を選んでいるのだと思います。
と考えると、ここからは、広める為にという事で、色々な解釈で宗派が分かれていく事が無い様に注意していかなくてはならないですが、我々の信仰するソーシャル教も、沢山の宗派が出だしている事が気になります。
皆が纏まる釈迦の存在が必要かも知れません。

2019年7月14日日曜日

タイの写真に免じて

今タイにいます。
毎週書いているブログは、社内で共有したい事を、どうせなら取引をして頂いていたり、お付き合いを考えて頂いている方にも公開して共有しようとしたもので、そして毎週月曜日は、ブログで書いた話を補足?深掘りして朝礼で話をしているのですが、明日月曜日は出社しませんので、スタッフ向けの話を行きの飛行機の中で書いていたものを消してしまって、新たに又書く気力も無く、今週はバンコクの写真でお茶を濁す事にします。
バンコクはかれこれ20年以上ぶりになるのですが、地下鉄も出来て変わってますね。
その頃はまだウエダ本社にも入っていなかったので、バンコクの変容ぶりとその間の自分やウエダ本社の進捗とを照らして、又色々考えてしまいます。
王宮や寺院は変わらないですが。
いつの時代も大事に守り続ける事と、ドンドン変えていかないといけない事がありますが、特にアジアに出ると、日本が大丈夫か?といつも感じます。
いや、明らかに大丈夫ではないので、皆で引き締めて、明日の朝礼はよろしくお願いします!




2019年7月2日火曜日

皆で進める働き方改革

今週は、こちらも大変有り難い事例となった浄土宗さんへ、ご挨拶と御礼にお邪魔しました。
宗務庁という言わば浄土宗さんの全てを取り仕切られるオフィスを、全面的に出掛けさせて頂いた事自体、大変な事例なのですが、それを我々の特徴である、ワークショップを導入して頂いて作らせて頂いた事や、既存の関わり、やり方を抜本的に見直しての展開であった為、実は内部では反対や問題もありながら、責任者の方が、ご自分が責任を負って担当の方に好きにやれ!と言って頂いたからこそ出来た改革であった事など、本当に有り難い事例となりました。
元々は、龍谷大学大学院で授業をさせて頂いた際に、我々の展開に興味を持って頂いた方が、今回のご担当に繋いで頂き、その方が又、我々の価値観などを気に入って頂いて強く推して頂き、それをその責任者の方が”好きにやれ!”と組織内で傘となって頂いたそうなのですが、そんな価値観の数珠繋ぎで、既存のやり方とは全く違う展開ができたのです。
ご担当の方からは、”ウエダ本社の皆さんは我々以上に、宗教心(理念)をしっかりお持ちですよ”と言って頂きましたが、それこそ宗教の”総本山”の方に、その様に言って頂けて、リップサービスにしてもお墨付きを頂いた様で大変嬉しく思いました。
こんな事例が出てくる様になって、最近特に、取引が無かったり、あまり積極的でなかった仕入先さんから次々に、ご提案や提携依頼を頂ける様になってきています。
又一方で、従来、我々が卸していた販売店さんを飛ばして直接取引できないか?というお話もよく頂きます。
これらのケースにおいてどう考えるか?ですが、私の考えは至ってシンプルで、仕入先さんにおいては、同等の物やサービスであれば、長年お付き合い頂いた仕入先さんでやるべきですが、そこに無かったり、他社の方が強いなら、強い所でやるべきという事ですし、卸先においては、その販売店さんが自社の商売と考えてしっかりと営業をされているのであれば、飛ばすなどという考えは毛頭なく、タイアップさせて頂いてやっていきますが、ほぼ役割も果たさず、こちらに全て押し付けて来られる様な販売店さんとは、やっていけません。
昔ながらの流通に携わられていない方からすれば、何を当たり前の事をクドクド言ってるの?って感じかと思いますが、今だにこんな感覚が残っているのです。
お陰様で、浄土宗さんの様な例も増えて来て、先々まで案件を頂いているのですが、まだまだ体質改善や仕組み化ができておらず、このままでは、折角良い展開になりながら、スタッフが疲弊してしまうという本末転倒な事になってしまいます。
本質的な働き方改革を進める為にもやるべき事は、メリハリを付けて、価値観を理解して頂ける先とトコトンやるという事です。
価値観が合わない所とやると、手間はかかるし、価値観が合わないから伝わらないし、意味が分からないから有り難くも思ってもらえず、結局はモノの値段だけという話にもなり、更に悪い事に、行き違いが起こりやすく揉め事も多くなりますから、そんな所で仕事していても、時間ばかりかかり、とてもイキイキと働く事にはつながらないのです。
労働人口も減る中、生産性を上げていくのは、AI化やロボット化だけではなく、こんな大いなる無駄を省いていくべきだと思うのです。
無用な相見積もりなど取らず、信頼に基づく取引を行えると、大幅な時間削減となり、何よりも精神的なストレスが全く違うものになります。
勿論、人の価値を見ず、徹底的に安値追求をする所、バイイングパワーで買い叩く所と、その量を求めて、それを受けたい企業は、その合った価値観でやれば良いと思います。
もう従来からの取引だからとか、業界の常識だからとか、そんな所からの呪縛を取り払っていく事が、難しい技術がなくともできる働き方改革(生産性向上)策だと思いますし、皆でそこに向けて進めていけば一気に働き方改革も進めていけると思います。
そんな事で、これから我々としっかり組んで頂ける仕入先さん、お取引先さん、沢山の好事例を作って、働き方改革を進めて参りましょう!

2019年6月24日月曜日

繋がりとタイミング

今週は月曜日の朝から、中国の視察ツアーで40数名もの方が会社見学に来られました。
中国の教育設備を扱っておられる会社が中心との事でしたので、うちの会社で何が参考になるのか?又、こちらもそれだけの中国の方に案内も難しいのと、ビジネスでも関係がないので、お断りしようとしたのですが、スタッフの提案もあって受ける事にしました。
ためらった理由の一つは、うちで中国語ができるのは台湾人スタッフの一名だけで、通訳の方が入ってもらっても、これだけの人数の対応ができないと思ったからですが、そこの所で、うちのスタッフが生田グローバルの喬さんという方に協力頂ける様にしてくれたので、受ける事にしました。
その喬さんと打ち合わせをすると、驚いた事に、彼が事業立ち上げて一番苦しい時に、私のところに来られて相談されたそうですが、その際に勇気づけられて転換できたから今が有ると、大変感謝していると言って頂いたのです。
彼と会ったのは覚えていましたが、どんな話、しかもアドバイスをしたのかを覚えておらず、そんな事を大変感謝してもらっているのは嬉しかったですが、私のアドバイスという問題ではなく、それだけの事を感謝できる彼自身の人間性が成功要因だと思いますし、だからこそ皆がサポートもし、その後素晴らしい展開に繋がったのだと感じました。
勿論、彼をずっと応援して来られた、生田産機工業さんの存在が有ってこそですが、話を聞いていると、全く同時期に私もウエダ本社に入り、全く同じ様な状況だった事を思い出しました。
会社再建の経験などないどころか、独立して会社をやっていたとは言え個人事務所レベルでやっていただけでしたが、当時ウエダ本社には、父親が預かっていた経営工学博士を持つ優秀な中国人が居て、その人に構想を練ってもらえば、やっていけるかも?と思って決意した面もあったのです。
ところが入って三カ月ほどした頃、その方の一人っ子のお嬢さんに、ピアノでニューヨークから引っ張りがあり、そちらに家族で移りたいとの事で、直ぐに退社する事になったのでした。
そのご家族には大変良い話なので、泣く泣く納得しましたが、頭脳を失って、そこから大変苦労したのでしたが、同じタイミングから生田産機さんと喬さんは見事に別法人化して展開されて来られたのですが、人との出会いとタイミングで、人生や企業の展開まで大きく変わるのだと、痛切に感じました。
そんな、仕事に直接繋がらない動きもあるかと思えば、今週には、それこそドンズバのタイミングで、凄い繋がりのご紹介も頂きました。
これも価値をご理解頂いている京都信用金庫さんだからこそ、生まれる偶然?(必然?)なのかと思いますが、いずれ又ブログでご紹介出来る様にうまく進めていきたいと思います。
週末には、20周年を迎えられた英治出版さんのお祝いパーティーがありましたが、「絶版のない出版社」という事も掲げ、本を出すというより、その人を応援するツールが本だという考えで、20年も前からこの特異な地位を築いて来られたというと綺麗な言い方で、ハッキリ言えば変な出版社なんですが、原田英治さんの創業からこれまでのお話を初めて聞き、どん底からの修羅場も、やはり出会いやタイミングで、乗り越えて来られたのを知って、やはりここでも色々な事が重なり合わさって感慨深かったです。
この英治出版さんの会員制コワーキングスペース”base”は、英治出版さんの本は持ち帰えり放題という有り得ないサービスなのですが、今週出たセミナーで、たまたま引用があって面白いと思った”異文化理解力”という本が英治出版さんの本だったので、来た際に持ち帰ろうとしたら、何とこれが又、このbaseの運営者である山下さんがプロデュースされた本だったのです。
多くの中国人視察から始まった今週、色々な繋がりとタイミングを考えさせられた今週の最後が、異文化理解力で繋がったのは、海外に行くことを求めて30歳の時に独立したのですが、回り回って今からでも改めて出て行け!という天の声なのかも知れませんね。

2019年6月17日月曜日

女性の力の勿体ない

今週は utena worksで、気づきの多い一週間でした。

火曜日には月に一度開催している理念デイに、7名の方にお越し頂いて、ウエダ本社とutena worksが大事にしている理念、方向性の説明をして、参加頂いた方それぞれのキャリアや、課題などをお聞きしていました。

お世辞抜きで、素晴らしい方でスキルもお持ちの方々が、それを生かす場がなかったり、やっぱり子育て中なので、限られた時間しか働けなかったりで、埋もれてしまっているという事を、今回も強く感じました。

そして、この隙間?は、いくらネットでスキルマッチングする時代でも、データー化していく世界でも必ず残り、課題も存在していくと思います。

又、一方で、我々の理念や考えなどを、興味、関心を持って聞いて頂く様な人が、編集であれ、入力作業であれ、お客様の仕事を行なうと、処理するだけの人や機械とは、自ずと出来上がったものの差は出てくると思います。

ましてや、人、お客様と関わる仕事などでは、理念、価値観に興味を持ってもらっている方と、関心が無い方では、会社(商品)イメージをプラスとマイナス真逆にしてしまう程の差も生む可能性すらあると思います。
翌水曜日には、第一回の助産師座談会というものを開催しました。

こちらでも、看護資格を持った上で助産師資格も持っておられる方が、出産の前後でしかそのスキルを生かせていないというお話で、全国では11万人もの病院に勤めておられない無床助産師と言われる方がおられるそうです。

utena works では、特にこんな”女性の力のもったいない”を何とかしてきたいですし、大きな役割があると思っておりますので、この助産師座談会も定期的に開催していきます。

金曜日には、京都府の子育て環境日本一に向けての一環で採択された、ワークライフインターンの取り組みについて、それを受託されたスリールさんと共に、ワコールさんに説明に行っていました。

ワコールさんでは、子育て、両立支援というものは、もはや空気の様なもので、当たり前になっている、と言われていて、ポーズや、脅迫的にやらざるを得ないで行なっている所とは"別格"でしたが、先行しておられる所は学ばせて頂きながら、そんな先行しておられる所にはそれなりの、サポートメニューや使い方を提案していきたいと思います。

そのワコールさんで更に感心したのは、その後にご案内頂いたワコールミュージアムの説明で、創業者塚本幸一さんが、戦争で生き残って帰って来られての想いから、女性が美を意識できる世の中=平和な世の中の実現に向けて展開してこられたというお話を、その転換期の商品とエピソードを交えてお聞かせて頂いた事です。

これを役職者の方とは言え、創業者が亡くなっても引き継がれておられる所に、企業の在り方を見せて頂いた気がしましたが、こんな企業が増えれば、女性活躍や、そもそもの働き方においても国が管理して罰則を与える様な、本末転倒な話にはならないのですが。

そんな企業にしていく為にも、女性が活躍できる環境にしていく為にもどうしたらいいの?と思われる方は、今月28日には、仕事と育児の両立体験シンポジウムというのもありますから、まずはご参加下さい!

2019年6月9日日曜日

想いで創る場

今週は月曜日から仕入先メーカーの会があり、東京へ行っていました。
丁度その3日には、障がい者雇用においてアドバイス頂いている、リベラルk株式会社の上田さんが、親会社の命で横浜で展開される事になったコワーキングスペースSTAYUP横浜のオープン日でもあったので、オープニング前に立ち寄り、見学させて頂きました。

横浜駅界隈では多分一番広いであろうというスペースは、色々なケースに対応するスペースが設けられていましたが、様々な働き方を支援していくとの事で、これから楽しみです。
代理店会の懇親会を終えて、二次会には行かず、英治出版さんの会員制のコワーキングに行くと、海士町の阿部さんや厚真町で今度起業されたという成田さんがおられ、遅くまで熱く語り合い?ましたが、この二人とも、某大手自動車メーカーを投げうって過疎地域に入り込み、活動しておられる方々で、ふらっと寄ってもそんなメンバーに会えるのが、baseの魅力です。
出張から帰った翌日は、京都府立すばる高校の先生が、ウエダ本社でPBL(プロジェクトベースドラーニング)を実施したいとの事で来られました。
大学生のPBLはこれまで何度も受けてますが、公立高校でこんな授業を行なう事に驚きましたが、”働く”という事を分けて考えるのではない!と、普段から唱えている我々としては、積極的に受ける事にしました。
丁度、今週東京でも、ある連携先の方から、ウエダ本社やUtena worksで、高校生の息子さんをインターンさせて欲しいという依頼を受けたのですが、実際、Utena スタッフのお子さん達が、我々の会社に出入りする様になって、大きく変化されたとの事を聞いて、大変嬉しかったのと共に、我々の場や風土を生かしてお役に立つ事を模索していきたいと思っていたところでした。
金曜日には、うちのスタッフがオカムラさんのイベントで知った、岡山のワークスマイルラボという会社にスタッフと共に見学させて頂いたのですが、何と岡山で我々より古い100年企業で、今年まで石井事務機センターという社名であったコテコテ?の事務機屋さんが、見事に転換されているのですが、やはり同業で長い歴史のある会社さんなので、展開や動機、潜り抜けて来た壁が同じで、元の同業界にこんな会社があった事を嬉しく思いました。
しかも、我々よりも倒産の危機に直面された時期は遅く、今の展開にされたのも遅いのに、短期間で仕組み化もしっかりされて、成果にもつなげておられる点に感心しました。
今、オフィスが見直されたり、コワーキングスペースが乱立してきたりしてますが、やはり問題は、その器やハードではなく、そこで誰が、何をするのか?そしてそれは、どんな想いからなのか?で集まる人が代わり、場の雰囲気が全く違うものになり、そこに集まる人までも変えてしまうのです。
一週間を振り返ってみても、そんな”場”についての”価値”を感じる事ばかりだった様に思います。
ウエダ本社が何をするのか?に興味が集まり、それはどんな想いから行うのか?それをしっかり語っていける様にしていきたいものです。
そして、それを一番大きく発信する場が、毎年の京都流議定書です。
8月6日、7日の二日間は、我々がどんな想いを発信するのか?を見に来て頂きたいですし、それから感じられた事を、それぞれの方が、それぞれの想いで場を創っていって頂けたら、閉塞感漂う、会社や業界も、そして日本も変わり出すと思います。

2019年6月2日日曜日

次のフェーズに向けての京都流議定書

6月に入りました。
今年の京都流議定書は、8月6日、7日の二日間の開催ですが、これまでに比べてかなりキャスティング、内容が遅れています。
その理由は、一つには、一昨年で一区切りの10年を終え、昨年は会社の80周年を行いましたので、京都流議定書としては一日だけのセッションでしたが、第12回を迎える今年から形を変えようとしている事と、もう一つは関連する事でもあるのですが、企画、キャスティングからスタッフに考えてもらっているからです。
10年間は、目に見えない(数値化されない)価値が人口減少を迎える日本においては重要であり、それはまだ京都には残っていて、それを改めて見直し、発信していく事が日本にとっての真のグローバルではないのか?という想いを発信し、その市場?というのか、共感層を広げていこうとしたものでした。
それを今年からは、単に「良い話を聞いた」ではなく、行動に落とし込んでいく事や、少なくとも、考えが変わった、価値観が変わったという実のあるフェーズにしていきたいと思っています。
それだけに、昨年までは企画、キャスティングは、私と外部のご協力頂く方々とで全て決めていたのですが、今年は、ウエダ本社のスタッフ自体が、京都流議定書を自分達の価値や未来像を示していくものとする為に、二日目は、企画やキャスティングから考えてもらう様にしたのです。
今週は東京で、初日の8月6日に出演頂く事になった元鎌倉投信の新井さんと、新井さんが設立された株式会社eumoの方々とお会いして、打合せをさせて頂きました。
実は新井さんが社会課題や地域課題の解決を推進する為に、ソーシャルベンチャー活動支援者会議というものを立ち上げられ、そこで又ご一緒させて頂く事になるのですが、その新井さんと共通して持っているのは、折角良い芽が出てきているのに、ここで加速しないと間に合わないという危機意識です。
そして又、その危機意識を強烈に持ってプレーヤーとして動いておられる団体がボーダレスジャパンさんで、その代表の田口さんにも8月6日はご登壇頂き、流行りの様なソーシャルビジネスや、ポーズの様なSDGsではない本質的なものをあぶりだして行きたいという話になりました。
まだそこに関わってもらう、ミラツクの西村勇哉さんとの打ち合わせもできていませんので、登壇者の最終が決まるのはもう少し先になると思いますが、既にかなり濃い内容になる事は間違いないので、京都流議定書でしかできないものにしていきたいと思っています。
スタッフで考えてもらう二日目は、更に難航していましたが、今週漸く方向性が決まりました。
ウエダ本社の北ビル2階はTRAFFFICとしてリニューアルしましたが、この場自体は、コワーキングではなく、単なる貸し会場でもなく、”いい会社”をデザインしていこうとするウエダ本社として、”いい会社”を目指していく企業や団体の方々が持ち込まれる課題を解決に向けていったり、イノベーションを起こしていく場としていくのですが、そこに繋げていく為にもこの二日目は、我々が考える”いい会社”の要素を分解して、その分野で著名な先生に、”小さな大企業になる為の一日だけの経営大学院”(仮題)として、それぞれで講義して頂き、会場に来られた方々を交えてディスカッションしていくという設えとなりそうです。
こちらは、TRAFFFICを共同運営してもらっているリリースさんに全体コーディネートしてもらいますので、こちらもかなり面白いものになりますし、今名前の出ている先生方がお越し頂くと、これまた、こんな授業はどこにも無い!というものになると思いますので、ご期待下さい!

2019年5月26日日曜日

日本人の忘れものから1000年紡ぐ企業

今週は京都新聞主催の「日本人の忘れもの知恵会議」というイベントに登壇させて頂きました。

基調講演が、大阪大学総長、京都市立芸術大学理事長も務められた、哲学者の鷲田清一さんという高尚なイベントで、その鷲田さんともパネルディスカッションでご一緒させて頂くという有難い機会でしたが、鷲田さんのお話と絡めると、近景(家族)中景(地域社会、学校、会社、組合など)遠景(国家)という中で、中景がやせ細ってしまったのが大きな問題という中で、私は会社という中景をどの様に強くしていくか?という事について、それに繋がる実践を行なっている者という役割だったのかと思います。
そもそもは共催者でもある、地域企業宣言というものを出した、”京都市地域企業未来力会議”の策定メンバーでもあるのですが、中小企業という規模の優劣ではなく、地域と共に継承発展する地域企業を目指していくべきというこの宣言の主旨は、正に中景を強めていく企業宣言と言えると思います。
鷲田さんは、繁華街でもない住宅街に、仕出し屋と和菓子屋さんがある京都の街並みが好きだと仰っていました。
私もそんな意識は持っていなかったのですが、これは寄合の名残で、昔は各町内で寄合がしょっちゅう有り、そのおもてなしをするのに、町内に仕出し屋さんと和菓子屋さんがあったという事だそうですが、町内や地域で、商売は持ちつもたれつお互い様という事で成り立っており、それゆえ、経済と文化、芸術もリンクしていたという事でした。
それが、効率追求や、それこそ規模の大きさの競争ばかりの経済一辺倒で推し進めて来て、地域が崩れ、文化、芸術も繋がりを無くして、危うい存在になって来たのでしょう。
昨年私自身、これが”THE京都のビジネス”なのか!と、初めて感じた出来事がありました。
それは、お香の老舗企業である松栄堂さんのオフィスを手掛けさせて頂いた時で、良かったと評価頂くと、本当に有難い事に、”オフィスはウエダ本社に頼んで良かった”という事を、全員に言って頂いていたのではないか?と思う程、言って頂いていて、京都の老舗企業というのか、街中(まちなか)では、こういう関係性で成り立っているのかと感じたのです。
ここでは、お互い様という関係や、地域での循環がベースにあり、値段だけで関係性を変えたりせず、それだけに信頼が大事で、他府県から来られた方が、京都は商売が難しいと言われる所はこういう所にあるのだと思います。
しかしその京都でも、残念ながら、殆どはモノの値段だけで競争させて一円でも安く買う、経済一辺倒の社会となってしまっています。
当然ビジネスですから、甘い事だけ言ってられない面があり、厳しい姿勢が素晴らしいとされているのですが、どういうスパンで見るか?によって、短期的に正しくても、長期的に見れば信頼を無くし、大きな損失になる事も多いと思いますが、日本人の忘れものというテーマを京都新聞さんが取り上げて来られていたのも、京都では忘れ去ってはいけないという事なのだと思います。
今週あったクオリア朝食会では、以前もご紹介した、衝撃的に幅広い見識をお持ちの能楽師安田登先生にお越し頂き、能とサステナビリティについてお話頂きました。
世阿弥は、能を未来に残す事を考えて、家元制度や、天才に依存しないシステムを作り上げた、とのお話でしたが、同様に、大きくしないという選択をし、それゆえ、お客さんに寄り過ぎないスタンスを取り、期待や欲求が高まり過ぎない様にしていたり、「陰陽の和するところの境を知るべし」と、昼は静かに、夜はアップさせるなど、色々なものをゼロの状態に向ける様にしていたそうですが、伝統というのも、今使われているニュアンスではなく、ある意味、誰でもが未来に継続させていくことができる仕組みの様なものという事でした。
この能でも、世阿弥から数えると”まだ”650年という中、土曜日には第四回となる京都市の”1000年”紡ぐ企業認定の授与式が開催されました。
こちらでは第一回から審査員を務めさせていますが、これまでは、何せ”1000年”と掲げてしまった為、当然それだけ、親しまれないと駄目でしょうし、継続という事からすると、事業性もしっかりしないといけない、そしてソーシャルというくくりなので、利益から入っている所は違うなど、毎回、どこを軸にしていくか?の審査の基準が難しかったのですが、漸く、纏まって来た感じがしました。
それこそ継続していって段々価値が紡がれていくのでしょうね。

今週だけでもこれだけのイベントがある京都は、やはり経済性を追求して来た中でも、その行き過ぎた違和感を何となく感じている様に思います。
大きくしない、そこで勝負しないという選択から、”中小企業”という意識を改め、肌感覚で中景を強めていく必要性も感じて”地域企業”という宣言を出し、そんな中から1000年紡いでいく、未来に残そうとする企業、プロジェクトを作っていこうとしている所は、数千年というスパンの中で、自己の利益一辺倒に行き過ぎたものをゼロに戻していこうとしているのかもしれません。
そういう意味ではやはり、日本の伝統を残していくエコシステムを持っているのは京都なのだと思いますし、揺り戻し役をしっかり果たしていかないといけないと思います。
そして、やはり同じ想いだと改めて感じた京都流議定書を今年も行います。
例年よりかなり遅れておりますが、これまではキャスティング、構成は、私の方で外部の協力者と全て決めていっていたのですが、今年は二日の内の一日を町衆ではないですが、スタッフに自分達のイベントとして企画してもらいます。
ウエダ本社が、大事な日本人の忘れものを考えていく”京都”という社会と繋がると、スタッフは町衆となり、自ら行動、運営する市民、国民となっていく事、そんな転換をしていく事が、日本人の忘れものをまだ感じる事ができる京都の役割ではないかと思います。

2019年5月19日日曜日

ウエダ本社してまんね。

今週は、今年で解散となる盛和塾で、京都塾としてはどうするのか?について、過去の代表世話人に説明する顧問会がありました。
京都は発祥塾だけに難しいですが、やはり稲盛塾長の意を汲んだ結論になればと思います。

先日ある方のSNSで、その稲盛さんのお話が投稿されていましたが、改めて感じた事と、この感覚がウエダ本社での展開なども説明しやすいので、纏めてみたいと思います。
ご覧になっておられない方はこちらをご覧下さい。

ここで一番のポイントは、関西以外の方は文字だけで果たして意味が伝わっているのか?とも思いますが、河合隼雄さんが書かれていた「あんた花してはりまんの?わて、河合してまんね」というくだりで、稲盛さんも、これで自分の役割と存在を理解でき、その後利己的なエゴを無くし、利他的な発想に転換できたと仰っている点です。

大変不遜に思われるでしょうし、全然できてないので、偉そうに言うな!と言われると思いますが、実は私もこれに近い感覚がベースになっていて、特に数年前から明確に、この感覚を意識して展開しています。

自然の摂理に則ってというのは、稲盛さんだけでなく、これまた尊敬する伊那食品工業の塚越会長もよく仰いますが、私も、この世に存在するものは、人間であれ、花であれ、そして会社であっても同じで、自然の摂理に従ってその存在を、命を使って全うしていくものだと思っています。

ですから、「あんた花してはりまんの?わて、河合してまんね。」
というニュアンスは、”めっちゃわかる〜”となるのですが、そもそも自分の意志で生まれて来た人などいないので、今の姿はたまたま花となったり、河合となっただけで、それはこの世の中での役割を果たす姿なのだと思うのです。

稲盛さんも、稲盛和夫の能力は個人のモノではなく、与えられたモノなので、それを世の中に対して使っていくのが役割と思われたという事ですが、これは稲盛さんだけの話ではなく、皆に共通した話だと思います。

数年前から明確になったというのは、それこそ盛和塾京都で代表をさせて頂いた際に改めて、自分自身の役割や強味を考えてみると、人を繋ぐ事、特に、NPOやソーシャルなど世の中を変えていこうとする人たちの能力と熱意を、最大化できる様に繋げていく事が岡村の役割であり、その強味を、ウエダ本社という存在を使って少しでも大きな事にしていくのが、命を使っていく使命なのではないか?そして、ウエダ本社としても、それが役割であり、それを行なっていく事で存在意義ができるのではないかと思ったのです。

そう考えると、稲盛さんの様な事はできないと思っていたものが、岡村でも、勿論、ウエダ本社の皆それぞれにも役割、出来る事はあり、ウエダ本社は、それを実現していく装置とも言うべき場であろうと思ったのです。

そんな話を、ウエダ本社でやって来た展開と照らし合わせて頂くと、何となくご理解頂けるのではないか?と思いますが、よく、本物とポーズでやっている所の違いという話もしますが、これも、この考えで見てもらうと、その違いを感じてもらえるのではないか?と思います。

そもそもの存在や社会に対しての役割から考えて展開している所と、自社からスタートして、CSRにしろ、SDGsにしろ考えていくのは似て非なるもので、多大な利益を上げ、多額の寄付したとしても、海外含めて取引先、環境などに対して多大な負荷をかけて自社だけが上げた利益だとしたら、それは賞賛されるべき企業とは言えないと思いますし、それでいて、又、SDGsをやらないといけないというのは、全く、滑稽に見える話で、存在から考えている本物とは全く違ってみえます。

稲盛さんの記事を見て、折角、この意味も理屈ではなく分かっていたのに、行動が中途半端で情けないなあと感じた今週でしたが、改めて、「岡村してまんね」、と言える様にそして岡村と共にそこに集う人がそれぞれ、「〜してまんね」と言えて、それぞれがその役割を増幅する装置としてウエダ本社を使い、その事が「ウエダ本社してまんね」とスタッフ皆が言える様にしていきたいと思います。

2019年5月12日日曜日

SDGsで嗅ぎ分けて

長い休みも明け、令和の仕事始めとなった今週ですが、いきなり米中貿易戦争は泥沼化していく様相を見せ、北朝鮮はミサイル発射するなど、不穏な幕開けとなりました。
日本では、ロシア、韓国との関係も悪化していくばかりですし、イラク問題、イスラエル問題も、これまでとは違う展開で、中東がより複雑化していきますが、それを進めている張本人の米国大統領と”蜜月関係”、と言っていて良いのか?も含めて、政治的にはどうしていけば良いのか?私自身も分からないのが正直なところです。
ただ、やるべき事は、自分の立場から世の中を良くする為に、次の世代に向けて少しでも良い環境を作っていく事しかないと言うか、それが自分自身の存在する意義だと思っていますし、会社もその役割を果たしていく事が、会社としての存在意義であり、だからこそ存在する価値があるのだと思っています。
そんな中、今週もウエダ本社とUtena worksには、素晴らしい想いと能力を持った方々が、面白い話を持ち込んで来て頂いていました。
これらに関わっているスタッフは、日々新しい事が入って来たり、加わったりするので、本当に大変かと思いますが、これを整理して、我々のリソースと関連付けて構築していく事が、この大変厳しい世界情勢の中で、日本がどうしていくのか?ウエダ本社グループがどうしていくのか?という所に繋がる事ですので、その役割を果たしていくという事を、意気に感じてもらいたいと思います。
これから二年間、京都経済同友会の例会部会長を担当する事になり、経済界において猫も杓子も状態ですが、SDGsをテーマに上げる事にしました。
これまでも色々な事でありましたが、本質的な事を全く理解もしていないのにポーズで行なうという事がありますが、SDGsもその様相を呈しており、それをやらないと儲からないから、相手にされないから、という様な感覚で、何を揃えればいいのか?というピンと外れな話が、立派な企業、経営者の中でも普通に話されていたりします。
CSRよりもタチが悪い事に、17項目のテーマでは、どんな企業でも解釈の仕方ではやれる事になりますから、そのマッピングだけで、形式的に評価を得る為だけに進めるという事になりかねないので、京都経済同友会では、形式的なポーズではなく、少しでも実質的な気づきを持ってもらえる様にしたいと思います。
本来は、自社が何の為に存在するのか?どんな価値を世の中に提供するのか?から考えている所ではあれば、自ずと展開する事ができ、その視点から立脚する所が、しっかり仕組みを回していけば、SDGsは効果あるものになると思いますし、うちのスタッフなどにもその視点で考えて欲しいと思います。
最近、プラスチックごみの問題が騒がれていますが、これも氷山の一角で、この問題でもまだまだ知られていない事だらけでしょうし、これ以外にも、限界に近づいていながら隠されているか知られていない問題だらけでしょう。
そこに世界情勢を重ねていくと、一番大変な事に陥る可能性があるのが、特にこれまでの価値観で安穏としている日本ではないか?とさえ思うのに対して、自分の圧倒的な能力不足を感じるので、最近、加速度的に色々な人や団体と連携していっている原因だと思います。
そんな理由からですので、決して自分自身や自社の地位や名声の為に行なっているのではないという事を、スタッフやステークホルダーの皆さんに共有と宣言をしたいと思いますし、共通課題を見ている方々には、ドンドン集まって来て頂いて、一緒に力を合わせていきたいと思います。
自社の儲けの為や、ポーズだけの所には騙されてる時間もないですから、嗅ぎ分けて、結集して参りましょう!

2019年5月7日火曜日

令和元日から

令和という時代が始まりました。
今週は、世間では10連休、ウエダ本社は9連休という事で、活動からの話ではありませんが、何故9連休にしたか?から始めると、令和元旦となる5月1日は、ウエダ本社の創業記念日であり、元々は出勤日としていたのですが、日が近づいてくるにつれて、休まないといけない感じになってきた為、4月27日の土曜日を出勤とし9連休としました。
天皇の生前退位による皇位継承というのは202年ぶりとの事であったり、令和という元号が、確認される限りでは初めて日本の古典から選定された事など、日本の歴史を感じ、起源を考えるにおいて素晴らしい機会であった様に思います。
宮内庁によると第126代の天皇との事ですので、実在性が確定していない神武天皇から繋がるとされている事になりますが、そうであれば2600年以上、古事記や日本書紀での神武天皇の存在がどうか?を疑ったとして、現在の皇室の源流とされる継体天皇から数えても1500年以上も続く、世界最長の王室となる日本は、今後も、天皇との関係性から国の有り方を考えていく事になるのでしょう。
今回の生前退位の問題や、女性天皇の問題は、現在の国民の象徴という存在においては、直接どの様に関係するのか?私も正直これまでピンと来ていなかったですが、これだけ長い歴史の中で、長いスパンで見た時には、日本という国をどの様に位置付けて、どの様に先々の時代に繋いでいくのか?を、天皇や王室との関係から、大局的な見地に立って考えないといけないのだと思いました。
バブルがはじけて、大量生産、大量消費モデルからの転換を求められながら、脱却できずもがき苦しんでいる所に、いくつもの大災害に見舞われた平成期に、国民に寄り添うというお言葉の通り、災害地にも必ず訪問され、毎回、被災された方々と膝を突き合わせて声をかけておられた前天皇は、象徴という何も手を下せない中で、もがいている日本に対して、その姿勢で、強烈なメッセージを送っておられたのではないでしょうか?
今回、教科書の世界でしかなかった、生前退位による継承と、上皇という立場をライブで見せて頂く事によって、これだけの繋がりの中に今在る事を改めて感じましたが、そんな事も国民に考えさせる、感じさせる機会を作られたのではないか?とも感じました。
ふとそんな事も考えながら、令和元日はウエダ本社にとっても81周年でしたが、創業を振り返り、その源流を見ながら、大きな存在ではないながらも、歴史で振り返った際には、ウエダ本社が、日本の企業環境において、何某かの役割を果たしたと残る様な存在となる様、想いを馳せて82年目に臨んでいきたいと思います。

2019年4月27日土曜日

beautiful harmony

今週は、あちこちで平成最後の~という言葉も聞かれましたし、ブログを書いている人でも多くの方が、このフレーズを使われると思いますが、私もこれが平成最後のブログとなります。
そして5月1日はウエダ本社の創業記念日で、令和元年の5月1日~82年目を迎える事になります。
そしてそんな時期を一緒に迎えていくべく、今週は来年度の採用の面接を行なっていました。
今年は特に、”起業する人限定採用”と掲げていましたので、多くの人が、うちの会社を目掛けて来てくれていて、本当に他社を考えていない様な人もいて、選考するのに悩ましいですが、令和の時代にまたがって擦り合わせをしていって、お互いにとって良いマッチングとなる様にしていきたいと思います。
今年入社した三名も、新卒の二人は、既に即戦力!と思わせてくれたり、最初から一番ウエダ本社の価値観が身についていますし、中途採用の女性も、飛ばし過ぎ?と心配するほど、吸収しようとする姿勢が素晴らしく、頼もしい限りですが、これもやはり価値観、方向性を合わせている事が、大きな力となっていると思います。
一方、既存のメンバーもそんな新メンバーに煽られたわけではないでしょうが、今週から、自分達で作り上げてくれたスキルズインベントリーというものに基づいて、各リーダーと共に、役割と目標との擦り合わせを行なってくれており、それぞれが大変前向きに自分の役割について考えてくれいています。
官邸で発表された令和の意味は、「見事に咲き誇る梅の花の様に、一人一人が明日への希望と共に、それぞれの花を大きく咲かせる事ができる日本でありたい」との願いを込めて、とありましたが、真にそれを求めていく様な国、人づくりを願いたいと思います。
決して”令”という字が”命令”の意味から来る様な、これまでの時代と同様の流れにならない様にしなければならないですし、我々の会社も、今芽生えて来ている、それぞれの役割意識とそれぞれの良さを生かして、令和の時代を海外に説明した意味である”beautiful harmony”と捉えて、それぞれの良さを結集して、奏でていきたいと思います。

2019年4月25日木曜日

使命感と自然体

今週は社内でも、出張で行く先々でも話題だらけの一週間でしたので、ハッキリ言って、詳細書けませんので、興味持って頂いている方は、FBも併せて見て頂けると、行動くらいは分かって頂けるかと思います。
今週は出張が長く、その話をベースに書く事にしますが、共通する気づきを考えるとすると、使命感と自然体というところでしょうか。
元々は、以前から参加させて頂いているトップフォーラムという勉強会が福島県で行われるので、木曜日朝から入る予定が、仕入先の代理店会が東京であった為、前日から東京入りして、木曜夜に福島に入る事にしました。
今回のトップフォーラムのゲストは、創業が1790年という大和川酒造店の佐藤彌右衛門会長というより、その会長が3.11の経験から、地域での自立したエネルギー供給を目指して作られた会津電力代表としての、会津、福島から挑戦しておられるお話でした。

折角福島に行くので、福島ひまわり里親プロジェクトの半田さんには連絡はしていたのですが、事務局長を務めておられる方が会津電力の役員でもあったので、半田さんもトップフォーラムのメンバーにも紹介できればと企んでいましたが、主宰の加藤さんのご配慮も頂き、皆さんにご紹介する事ができました。
佐藤さんのお話では、会津の消費電力は、会津の水力だけでも賄えて、それをKw10円で売ると3100億円となり、その金額は、会津のGDPの半分となるそうで、会津電力を成功させる事によって、消費から循環への流れに転換していくという事に強烈な使命感を持っておられるのが分かりました。
半田さんには、以前からずっと一度見て欲しいと言われていたクラロンさんにお連れ頂いたり、勉強会翌日は、予定して頂いていた会津ではなく泊りが郡山だった為、急遽にも関わらずその郡山で、丁度先日カンブリア宮殿に出ておられた柏屋さんや、その技法はもうお一人だけと言われる漆芸技法の折笠兆春さんの工房にもお連れ頂きましたが、この三社(者)から感じたのは、本物の方が持つ透明感というのか、自然体でした。
障がい者雇用、定年延長、女性活躍に向けての育休、産休など、そんな制度からの話でもなく、弱い立場の人も気持ちよく、安心して働ける為にはどうするか?という発想から、延長どころか死ぬまで働けるクラロンさん、当時は一店舗しかなく一か所しかないショーウインドウに、子供の言葉や感性が大事と、子供の詩を飾る事を決められ、以来45年間、子供の詩集を発行し続けておられる柏屋さん、それぞれから聞かれるのは、”だって当たり前でしょ?”という言葉です。

それは、社員に対して、地域に対して、関わる人に対して、皆の幸せを願うのは当たり前ですよね?ってことなのですが、それをそのまま実行され、続けていかれているのですから、ご本人達にとってはシンプルなのでしょうね。
個々についてもっと書きたいですが、又、ことある毎にお話できればと思います。
今週、うちの会社では、レゴシリアスプレイ、キミノテ講演、試写交流会、仲研プロジェクト、発酵食堂カモシカさんとのワークショップと、毎日、イベント、ワークショップが行われていて、スタッフも業務以外に大変だったかと思います。
ただ一方で、これだけ幅広く、色々な事を行なっている会社はそうないと思いますし、こんな状況が面白い!と思えれば、仕事が面白くなってくると思います。
そして、その様に思えるには、働くをデザインする、いい会社をデザインするという事において、その使命感から思えるか、働く人を幸せにしていく為には、こんな事は自然体でやっていけるのか、そんな風に思っていければ、これらに関わったり、参加したりする姿も変わり、上記の様な本物の会社さんに近づいていけるのだと思います。
でも私が90代まで代表でいたら、嫌がられているでしょうし、そこまでに、崩壊してるかもしれません。
私自身が、自然体で居られる様にするには、かなりの人間修行が必要そうです。

2019年4月14日日曜日

起業する人、福祉を通しての働き方

今週は、来年度採用の会社説明会を行いましたが、FBでもUPしていた通り、"起業する人限定採用”というものでした。
これについては、”よくあんな事をやりますね?” ”辞められる前提でいいんですか?”など、結構、聞かれましたので、ここで”タネ明かし”と言うと大げさですが、本人は至って普通というか、気持ちのまま出しただけ、という話から始めたいと思います。
そもそもの背景は、まず私自身の、”働く”や”仕事”に対する考えに基づいているのですが、今、社長だから言うのではなく、サラリーマン時代から、会社に従属して働くのではなく、自分のスタンスで、自分の仕事として”働く”という事が当たり前だと思っているので、”人”は意志を持った素晴らしい価値のあるものなのだから、そうすべきだろうと思っている事にあります。
又、サラリーマンから、独立創業、そしてウエダ本社に来てマイナスの処理と、一通り経験して、リスクや自由度などを考えると、トータル的に一番良いのは、社内ベンチャーではないか?と体験上思っているので、以前からスタッフにも社長になって、自分の好きな事をやって欲しいと言っていました。
そしてウエダ本社としては、ここ最近、色々な所とコラボし、事業が生まれかけているので、それを専門的に関わり、事業を立ち上げていってくれる人が必要になって来ており、ピッチを上げていく為にも、起業家精神を持っていて、ネタを自分のモノとして事業化していってくれる人が急募となってきていました。
というそれぞれの見地から、ウエダ本社に入社し、自分のやりたいネタを見つけて、経験を積んで、それを事業化してくれる人が、理想形ではあるのですが、とは言え、”起業する人”と掲げている以上、「経験積んでウエダ本社とは関係なく独立します!」という人でもOKで、そうなると、この人達をどうするの?というのが、多くの方の疑問なのだと思います。
この点については、”働くを彩る”というのが現在のウエダ本社のコンセプトですが、我々は日本のサラリーマンの働き方が、大きな社会課題であると思っており、皆がイキイキと働く社会を目指しているので、想いもなく、イヤイヤ働く人よりも、目的を持って自分の仕事として働く人が、例え短期間であっても集まってくれる方が、ウエダ本社の目指している方向には近づいていくので、その方がいいのです。
イキイキ働くと言うと、何となく、優秀な人が成果もバリバリ出して、というイメージもあるかも知れませんが、決してそうではなく、そもそもの背景で言う様に、それぞれが自分のスタンスで”能動的”に働いている状態を言っています。
自分のスタンスというと、イヤイヤでもそれぞれのスタンスではないか?という反論もありそうですが、言っているのは、想いの表し方や、結果の出し方で判断するのではなく、”人間”にしかできない”働く”について、それぞれの”生き方”の中で前向きに考えていくという事です。
今週は、16日にTRAFFFICで開催するキミノテプロジェクトイベントの打合せで、ルクロマリアージュに行きました。
キミノテプロジェクトについては、是非こちらをご覧頂きたいですが、そのベースキャンプともいうべき、障がいを持った子供達の放課後デイとして展開されているル・クッカーの様子を初めて見学させて頂きました。
そこでは、障がい児を持つお母さんから、「うちの子は無理ですよね?」という質問もよくあるそうですが、学校に行けなかった子供達が、”全て受け入れる”としたサナ共育を共通理念に、プロのシェフに教えてもらいながら、本当に楽しそうにお菓子作りをしている姿がありました。

ル・クッカーを運営するル・クロの黒岩さんは、一般の企業でも、人づくり、チームビルディングを行うにおいては、福祉を導入するのが一番効果的だと、自らの体験を持って言われますが、色々な障がい者の問題に関わる団体の様子を見ていても、それはよく感じます。
働く事で、人は成長し、人の役に立ち、人から求められる存在を作る事ができ、最も高度に、生きる喜びを感じる事ができるのだと思います。
どうしてそれを、多くの人は無駄に考え、一番多くの時間を費やす仕事をイヤイヤ、しょうがないからという感覚で浪費するのか? それが私自身の問題意識であり、それを世に問うていくのがウエダ本社としての活動だと思っています。
いみじくも、その日打合せを一緒にさせて頂いたGIVE&GIFT代表の中川さんから、「岡村さんは、どうして福祉に関わってるのですか?」と質問を受けたのですが、私にとってはベンチャーを立ち上げる人も、障がいを持って働きたいと思っている人もある意味同じで、働くという事でキラキラしている人が好きで応援もしたくなるのと、逆に、その人達や、その事業を応援し、広めていく事によって、日本の多くの”働く事”に意味を見い出せない人達に気づきを持ってもらう事が、自分の仕事だと思っているのと、自分自身の生きる意味だと思っているのだと思います。
という事で、16日にはキミノテプロジェクトイベントをTRAFFFICで開催しますが、今後このイベントも継続していきたいと思いますので、一度、話を聴きに来て頂きたいと思います。

2019年4月7日日曜日

ウエダ本社のスキルズインベントリー

今週は入社式から始まり、新入社員と先月末に入った中途社員含めて、3名を迎え入れる事ができました。

毎年最初の一週間は、新入社員に向けて、それぞれの部署で手作りの研修を行うのですが、その最初は私から、理念、ミッションの話として、全社員に配る”ウエダの指針”の背景から、基本理念〜経営理念〜経営指針〜行動指針の繋がり、そこから落とし込んだウエダベーシック10もその前文からの繋がりを、社長の約束を混じえて話するのですが、今年のメンバーには、自然に入っている感じで、今から先々が楽しみです。
又今週は、富士ゼロックスさんにご協力頂きながら、半年以上に渡ってリーダー中心に、今後、先輩が教えていくブラザー制度として整えていく為にも、スキルズイベントリーを行ってくれていたのですが、それに使用するシートの第一版?が完成し、まずはリーダーと全員の評価のすり合わせと、各自への役割についてのコメント記入を行っていました。
スキルズインベントリーとは言え、我々の作るものですから、ズバリの能力、スキルというものではなく、あくまでウエダ本社で求める人間像というもので、キャラクターインベントリーと言った方が良いかも知れません。
又同時に、ある企業と組織診断の開発も進めており、そちらで自社を診断してみると、このインベントリーを行なって来た成果か、リーダーは理念や働く事の意味に対しての意識が高い傾向にあるのですが、内務とコピー機販売などを行うチームが、低い傾向にあると出ており、私の課題意識とも合ったものでした。
ここ最近、オフィスを創る仕事では、我々の価値観に共鳴して頂いて、又価値を認めて頂いて仕事をさせて頂くケースが増えており、我々の価値観と仕事(働く事)が繋がって来ているのに対して、コピー機販売や、内務の仕事は、そこが繋がらず、まだまだ作業の域を越えられていないのだと思います。
最近特に、私がピッチを早めているからか、色々な連携のお話が一気に進んでいる感じで、なかなか説明できないのですが、とんでもない事になっていくワクワク感があります。
ただこの、凄い事になっていくかも?というワクワク感も、やっぱり価値観に関係するので、価値と思わない人には余計な事が増えていくだけかもしれません。
しかし長い人生、そして殆どの時間を費やす仕事を、”いい会社”でしないと、それこそ、嫌々働いたり、休日の趣味の為に我慢して淡々とこなすだけで行なっていては、本当に勿体ないと思うのです。
では”いい会社”って何でしょう?
確かに、沢山の人を雇って、沢山の利益を上げ、沢山の税金を納めている会社はそれだけで大きな貢献をしているのかも知れません。
ただそれが、環境なども含めて、世の中に負荷をかけての事であったとしたら、そのプラスマイナスは分からないか、実はマイナスの影響を与えている事もあると思います。
我々の思う”いい会社”は、世の中にトータル的にプラスの価値を提供する会社であり、それに向けてその会社で、自分の役割である仕事をしっかり行えば、それだけで世の中に価値を提供できるという仕組みになっている会社です。
そこを埋めていくのがウエダ本社のスキルズインベントリーであり、それぞれの行なってくれている仕事が、ウエダ本社の価値に増幅され、それがお客様や我々のステークホルダーズにしっかりと向いていく様にしていきたいと思います。
今週入って来てくれたメンバーは、そういう価値観を訴えて、何度も面接をした中で入って来てくれたので、我々の価値観のネイティブとも言え、その力を発揮してくれるのが楽しみです。
そして来週には、起業を目指す人限定採用の会社説明会を行いますが、予想をはるかに超える人が応募して来てくれています。
新たな人がドンドン加わっていって、スキルズインベントリーと組織診断がドンドン進化していくのも、又楽しみです。

貧しさを求めて優秀な学生は集まる

ある京大の先生から衝撃的な話を聞きました。
その先生は、韓国、朝鮮半島を中心に東アジアが専門の先生で、京大では大学院から、大学での一般教養も受け持っておられるので、一般大学生~院生と、全部の学部に渡って見ておられるそうですが、その上で、大変な危機感を持っておられるとのお話でした。
それは、何と言っても日本の最高レベルの大学でありながら、合格した時は喜んでいた受験生が、晴れて京大生となった4月には既に目の輝きを無くしていて、燃え尽きた感があるという事ですが、驚きなのは、それに対して、韓国の留学生に何故、京大に来たのか?を尋ねると、口々に、”貧しい環境を求めて来た”と答えるのだそうです。
韓国のエリートが行く様な大学は、三星や現代などが多額の寄付をしていて、校舎や設備は最新鋭、食堂は高級レストランの様相という環境らしく、そんな所では自分が磨かれないからと、校舎はボロボロ、使い古した木製の机や椅子で勉強するという、貧しい環境に身を置くために京大に来たという事なのだそうです。
日本での報道を見ていると、韓国も経済は厳しく、国内問題から目をそらすために、日本を標的にして、、、という様な論調で、日本の方が経済的にも、国力的にも、断然上だという様な印象を与えられますが、韓国エリートが日本に貧しさを求めて来ている現実に、いくつもの深刻な日本の問題を感じます。
京大に入った事で、既に燃え尽きてしまった、日本の最高レベルの学生たちは、どこに行くのでしょうか?
腐っても鯛というと語弊があるかもしれませんが、殆どの学生は、所謂、一流企業や、官僚になる人、政治家になる人もいるでしょう。
又、日本の重要な技術や、そのイノベーションを生み出そうとする研究者になっていく人など、多くの京大生は、日本の中核になる所に入って行かれるのだと思います。
間違えない様に補足をすると、京大の先生から聞いたから京大の話として書いているだけで、間違いなく京大だけの話ではなく、他の最高レベルの大学でも同じような状況だと思います。
ここ最近、焦りの様な話ばかりをしていますが、こんな状況で、チンタラとやっていては、間に合わない!という想いが強まるばかりなのと、一方では、素晴らしい能力を持った若者が沢山出て来ているのを知っているだけに、何とか、この力に乗って反転しないと!という想いが強まるばかりですので、ご容赦下さい(笑)
今週、中途採用で総合職の女性社員が入って来ました。
4月1日からの新入社員と一緒でも良かったのですが、基本的に募集もしていない時期に応募をして来てくれて、入社まで漕ぎ着けた人なので、一日でも先輩の方が良いだろうと、今週の入社にしました。
そして4月1日には、ウエダ本社を目指して、昨年の5月には入社する事を決めてくれていた二名の新入社員も入って来てくれます。
日本も一部では、能力ある若い人は、ピカピカの大企業ではなく、”貧しい”環境を求めて我々の様な会社にも集まって来てくれているのでしょうか?
残念ながら?うちは仕事柄オフィスは綺麗でボロボロの環境ではありませんが、そんな想いのある新しいメンバーも増強して、新たな元号の時代に向かって、ピッチを上げていきたいと思います。

2019年3月24日日曜日

一人の想いから

FBでもUPしていましたが、今週は日曜日から、ボーダレスジャパンさんに衝撃を受けてスタートしました。

1年間にソーシャルビジネスに向かう起業家を100人作る、それでないと間に合わない!という強烈な想い、そんな無謀とも言える話を、できるかも?と思わせる能力、そしてその能力がありながらも自然体の絶妙なバランスを持つ代表の田口さんと、ご自身が代表となっても成功されるであろう能力を持ちながら、支える側で副社長としての役割に徹しておられる鈴木さんと二人の関係性、それに引き寄せられた能力ある若者が、利益の恩送りというシステムで結ばれた信頼のグループなど、ワクワクする夢を感じさせてくれる人、集団でした。
私なども想いがあって、11年前から京都流議定書も行ってきて、この間、”ソーシャル”というものの色々なイベントやアワード、それを仕掛ける人、参入する企業も沢山登場してきていますが、いっその事ボーダレスさんの活動に全部連動できないか?と思うほどの魅力を感じました。
月曜日は朝から、”経営実践研究会”の方25名がベンチマークに来られ、我々の取り組みもお話させて頂きましたが、本業を通じた社会貢献を実践する企業を目指しておられる経営者ばかりなので、初めてでも同じ方向を目指している事が分かり、気持ちよく話させて頂きました。
夜には、理事を務めているリブオン代表尾角光美さんのお母さんの17回忌法要に参加しました。
リブオンとは、この尾角さんがお母さんを自殺で亡くされた体験から、死別などによる喪失感などに対するグリーフサポートを行っている団体ですが、ここに集まって来られた方々から、尾角さんが大変な体験を通して、この団体を立ち上げてくれたお陰で今がある、”生きててくれてありがとう”と口々にお話されていました。
もし尾角さんが、そんな苦労をした人でなければ、この団体も生まれておらず、この方々は、救われていなかったかもしれないですし、救われた方が又同じく、苦しむ人のサポートをされていくのですから、ここでも、たった一人の命、それを使っての役割が、どれだけ多くの人を救えるのだろうと感じました。
こんな事もありながら今週も、合間をぬって仕事していると(笑)、我々の存在価値を認めて頂けてワクワクする話と、従来型?の人の価値を見ていない、ギスギスした話が混在していましたが、突き詰めて考えていくと、一人一人の存在や価値を認めているか、単に、作業や歯車として扱っているかの違いだと思います。
下請け、業者、発注する側が偉い(強い)という中で動いている所は、業界の特性や長年の仕組みで、当然と思ってやっているのでしょうが、人としての可能性、一人の命を使った仕事だという事は全く考えられていないと思います。
潮目は確実に変わってきているので、従来のビジネスモデルで大きな力を持っていた所ほど、ヤバイんじゃない?と思うのですが、そんな所ほど全く気付いてないですね。
今週には、ある野党議員とも話す機会があり、政治の世界でよくある従来型発想での話をされていたので、何故、野党なのに従来型で与党とも同じ戦略で考えるのか?確実に、潮目が変わり出している事などを、ボーダレスジャパンさんの例なども交えてお話させて頂きました。
私は本来、その人の立場でないと分からない事は批判しない主義ですが、ビジネスの世界でも上意下達的な運営での限界が来ており、人がやっている事なので、その流れは政治でも同じで、増してや政治って本来は、市民、国民の声を拾い上げて行なうべきところを、数は力的な常識で押し通しているのですから、完全に戦略として間違っていると言えるのです。
有能なこの方は、全く無かった価値観ながら理解しようとされていましたが、他人にばかり求めず、まずは我々民間から、流れを転換していきたいと思います。
実はたまたまで、ボーダレスジャパンさんに触発されたわけではないのですが、我々もこの潮目の変化の中、ピッチを上げていきたい事から、来年の採用は、起業を目指す人限定の採用としています。
そんな想いを持った方は、4月9日の説明会でお待ちしております!

2019年3月19日火曜日

本物のソーシャルについて

先週は京都府の京の公共人材大賞でしたが、今週は京都市の1000年紡ぐ企業認定の審査でした。
審査と言っても、その賞それぞれに趣旨が違って、評価の仕方も違うので、選ばれなかったり、評価が高くなかったとしても、決してその企業や人がダメなのではありませんし、この賞でなければ、こちらの方が良かったとか、何の問題もないけど、この賞ではないですよね、という事がよくあります。
そもそも私などが審査を務めさせて頂いているわけですから、バリバリのビジネスプランコンテストではありませんから、世間一般の企業(人物)評価ではない事も明白です。
ただ、こと”ソーシャル”と言われるものについては、私自身は、嗅覚は持っていると思いますし、その観点が入る部分においては自信を持って審査させて頂いています。
私自身、何故その嗅覚には自信を持っているかと言えば、事業展開も死生観から考えている所があり、それも、説明していくとちょっと引かれるかも?(笑)と思いますので、深くは話ませんが、簡単に言えば、死後の世界というものがあって、この世の事は全て修行ではないか?という様な発想で、事業も自分の役割を全うする為、その存在意義を最大化する為から考えていたりするので、流行りや狙いで、ソーシャルと取ってつけたり、掲げていたりする所に対しては、論理ではなく、違和感を感じてしまうのです。
話のついでに、一つ自分の悩みを吐露すると、自分自身面白みが無い人間だと思うのですが、それは、資産を持つのも楽しむのも、死んだら終わり、と思っている所があるので、役割に繋がらない楽しみにも興味が持てないのです。
そろそろヤバくなって来て、これ以上は引かれるので止めますが(笑)、いつの世も流行りには、上辺だけ脚色してうまくやる所が入って来て、旨味を刈り取り荒らしてしまいますが、このソーシャルという世界では、それだけは止めて欲しいと思いますし、そうならない様にしていかないといけないと思います。
そうでないと、自分や自社が儲けたいと思う所が、ソーシャルを語っていくと、結局は世の中が良い方向に向いて行かないという事になるのですから。
今、朝一の新幹線で東京に向かっています。
ソーシャルビジネスサミットに参加する為ですが、この主催のボーダレスジャパンさんには、以前から大変興味を持っています。
実は以前から、NPOなどのホールディングができないか?と考えていたのですが、それを既に、もっと強固なビジネスで、しかも熱意ある若者を育てて起業家集団を作られているのが、ボーダレスジャパンさんなのです。
という事で今日は一日、ソーシャルシャワーを浴びると思いますので、又、言いたくなると思いますが、今日はこの辺で。

2019年3月11日月曜日

"ムダ”の定義と良い会社デザイナー

今週金曜日には、三週間インターンで受け入れていた京都芸術デザイン専門学校の学生さんのプレゼンがありました。
今やインターンというのを、ほぼ採用活動の一環として利用している企業も多いですが、我々は一切関係なく、ハッキリ言えば学生さんや送り先の学校や企業への協力で受けているケースが殆どですが、今回は、デザイナー志望の学生4名という事で、これは我々も仕事的に助かるかも?と受け入れました。
ところがそんな下心?を持ったのが甘かったのですが、デザイナー志望と言っても、コミックイラストコースの学生さんで、うちの業務とはほぼ関連性がなく、しかもコミュニケーションが苦手で、このメンバーも同じクラスなのに、殆ど話した事が無いと本人達も言っている様な状態で、主に関わったこちらの担当者が、当初かなり負荷がかかり、精神的にも落ち込む状態になっていました。
それでも一所懸命にやってくれていたのと、気にかけて関わってくれているメンバーもいたので、私は全く関わっていなかったのですが、最終日のプレゼンを見て、というより彼らの発言内容を聞いて、あまりの成長ぶりに感激しました。
コミュニケーションが苦手だと言う彼らが、この三週間で学んだ事として口々に言っていたのは、”挨拶が大事”という事と、”報・連・相の重要性や意味”についてであり、”デザインをやるにしても、一緒に仕事をする人や、お客さんの意図をくみ取ってそれをデザインしないといけないので、ヒアリング能力が大事と気づいた”という事を、ハッキリ言えばプレゼンとしては決してうまくはないながら、それだけに自分で感じた事を自分の言葉で言ってくれているのがよく分かり、感激したのでした。
彼らは毎朝、フロアで挨拶するだけでなく、一人ひとりの所に言って挨拶してくれていたのですが、うちのスタッフがその指導をしてくれていたのが、それをたった三週間で、その意味までを自ら気づいたのですから凄いのと共に、彼らにそんな気付きを与えてくれたスタッフ達には、完全に負けました。

ウエダ本社が一見、”ムダ”な事を何故行っているのか?はよく話をする所ですが、そもそも我々はこの”ムダ”への反発で展開している面があります。
自社の採用に繋げるわけでもないのにインターンを受け入れ、しかも、2月~3月と言えば、年間で最も忙しい時期に、業務外の負荷がかかるという、効率性を追求する企業からすれば、全く”ムダ”としか言えない様な事だと思いますが、考えないといけないのは″ムダ”の定義です。
”ムダ”を定義づけるには、”目的”をハッキリしないと、それによって”ムダ”は変わります。
別にトヨタさんが決めた”ムダ”がどの企業にとってもの”ムダ”とは限らないし、少なくとも我々の考える”ムダ”とは違います。
勿論、”ムリ””ムラ”だらけの会社ですから、改善すべき”ムダ”は沢山ありますが、我々の目的が、オフィスの設計やコピー機などの販売であれば、こんな事は”ムダ”以外の何物でもないし、こんな事に、業務を放ったらかしにして取り組むなど、意味分からないどころかやってはいけない事でしょう。
ただ、ウエダ本社の目的は、オフィスや備品というハードを提供するのではなく、働き方をデザインし、良い会社をデザインする事であり、それらは全て”人を活かす”事をベースにして行っていくので、今回のインターンでも”ムダ”ではなく、良い経験をさせて頂いているのです。
と言っても、私は言っているだけなので、スタッフからは”気楽でいいよな”と思われてると思いますが、ウエダ本社としての目的のすり合わせを、まだまだやっていきたいと思いますし、オフィスやインテリアデザイナーではなく、皆が”良い会社デザイナー”となってもらう事を目指していきたいと思います。
とは言え、時間も限りがありますので、これを見られた学校関係者や某金庫の方(笑)、いつも受け入れられるわけではありませんので、その点はどうぞご了承下さい。

2019年3月3日日曜日

ウエダ本社のbeの肩書

昨日は、京都府の京の公共人材大賞の最終プレゼンがあり、その審査として参加させて頂いていましたが、同じ審査員として参加されていた元greenz.jp 編集長の兼松氏から、著書「beの肩書」を頂きました。

以前から彼が”勉強家”と名乗っているのも、最近は「beの肩書」のワークショップを行っているのも知りながら、その意図や内容までは詳しく知らなかったのですが、この本を読んで、正にドンズバで、我々が取り組みたい本質的な働き方改革、社内で常々話している事と全く符号する話だったので、紹介したいと思います。
単純に言えば、ウエダ本社の社長というのは、”こんな事をしている人”という”doの肩書”であって、”私はこんな人”という”beの肩書”が大事だという事ですが、beの肩書を見つけていくにおいて兼松氏は、アリストテレスが提唱したユーダイモニアを取り上げています。
ユーダイモニアとは、自己実現や生きがいを感じる事で得られる幸せの事だそうですが、私たちが秘めている可能性を最大限に発揮している時に感じられるもので、”これが本物の私だ”という感覚を生み出すとされているそうです。
この個人的充足感のユーダイモニアに対して、快楽的な幸福感がヘドニアというもので、一時的に楽しく感じられるが、必ずしも自分の可能性を発揮する必要はなく、どちらかと言えば受け身のまま消費するだけだったりもするそうです。
よく、金銭的なインセンティブは一過性にものである事が言われていたり、ノーベル経済学賞も受賞されているダニエルカーネマン教授は、感情的幸福は年収7万5千ドルまでは収入に比例するが、それを超えると比例しないという研究発表をされていた様に、これらは自己実現や、生きがいを感じる幸せには結びついていかないのです。
そして、働き方文脈では、”働きがいのある会社”と”働きやすい会社”は違って、我々は”働きがい”のある会社を目指し、”働きがい”のある会社を増やしていこうとしているのですが、この”働きがい”と”働きやすさ”の違いは、このユーダイモニアとヘドニアとの関係と同じで、条件や制度を整えていくだけでは”働きやすい会社”はできても”働きがいのある会社”は創る事ができず、働きやすさだけを求めて突き詰めていく事は、ヘドニアだけを求めていく事になるので、人間として、もっと言えば、生き物としての本質的な働き方改革にはならない!というのが、私の想いであり、そこから出ているウエダ本社としての展開そのものなのです。
それだけに改めて、まずは各自の”beの肩書”を考えてもらって、それぞれが”beの肩書”を持つスタッフが集う、ウエダ本社としての”beの肩書”を考えて、設定していきたいと思います。

2019年2月25日月曜日

二つの世界の間で

今週はより一層、活動内容といい、会った方々といい、またまた訳分からん!と言われる様なバラエティーに富んだ一週間でした。
月曜日の朝は、うちの会社の社外清掃の様子を見たいと、ベルリンで活躍するドイツ人とフランス人アーティストの訪問を受け、午後からは、仕入れ先である金剛さんの新工場お披露目と、操業記念パーティー出席の為熊本に入り、被災から新工場立ち上げに至る経緯もお聞かせ頂きました。
翌日は、以前水俣市で講演させて頂いた関係から、その際に参加して頂いた社長など6名が熊本市にお集まり頂いて、その後の進捗や今後のTRAFFFICとの連携などについてディスカッションさせて頂き、夜にはそのTRAFFFICで開催されていたデザインウィーク京都のイベントに顔出しの為、京都に戻りました。
ここではNIKEのデザインチームとも仕事をされているポートランドのクリエイティブチームが、企画、開発、デザインの進め方について、なるほど!という内容と、流石の盛り上げ方で、一味違うワークショップが行われていました。
水曜日は早朝から東京へ向かい、at will work さんの「働き方を考えるカンファレンス2019」に出演させて頂き、他の出演者のお話などもお聞かせ頂いて有難い時間を過ごさせて頂きましたが、翌日は逆に東京からの来客と、ロータリークラブで担当している委員会でのイベントがある為、日帰りで京都に戻りました。
その木曜日は今週唯一京都に居る日でしたが、ホントはこちらも参加したかった京都市ソーシャルイノベーションサミットに、ロータリーイベント後、少しだけ顔出しして、夜は又、試写交流会が行われていた会社に戻り、終了後、ブロックス西川社長と食事しながら、終電ギリギリまで熱いミーティングと、この日も又殆ど会社にいませんでした。
そして翌朝からは又、富士XEROXさんの年間表彰式に出席の為東京に向かい、その表彰式の前にはVITRAさん、ポラリスさんとのミーティング、表彰式とパーティーの後は、銀座で行われていたリリースフォーラムに参加し、その後はOMOYAの猪熊さんと打合せで、この日も終わってみれば日が変わっているという、充実の一日でした。
土曜日は、一緒に表彰式に参加していたスタッフと、ホテルで朝食を取りながらミーティング?という、普段ではなかなか取れないゆったりとした時間を持つことができました。
大まかな予定だけを羅列するだけでもこの様な一週間でしたが、本業では全く海外など関係の無いウエダ本社に、ベルリン、ポートランドからの訪問があるなど、いつもにも増して訳わからん事が起こっていたのと共に、珍しく?既存ビジネスでの仕事も多く(笑)、より一層、振れ幅が大きい週となりました。
それだけに、数字や物質的な豊かさだけを追いかけて、規模や保有資産などの大小で上下を決める世界と、価値や意義の尊さを軸に、その実現に向けて伴走、連携していこうとする世界との間を行き来して、価値観、感覚の違いを鮮明に感じました。
これからも、私個人もウエダ本社も、この二つの世界を行ったり来たりしながら、自分達の存在価値をその間の所で見出していく事になるのでしょうね。
段々とその的は見えては来ていますが、着地するには、まだ少し行ったり来たりを繰り返していくと思いますので、まだまだ訳わからん活動も続けると思いますし、色々な所に顔出ししていくと思います(笑)


2019年2月17日日曜日

テロワールの精神で

今週は、カルビー創業家で元社長でもあった松尾雅彦さんの一周忌の追悼会が京都で行われ、私も参加させて頂いているトップフォーラムという会を通じて所縁のある方、約60名が全国から集まっておられました。
元カルビー会長の松本さん、元LIXIL社長の藤森さん、伊那食品工業の塚越会長などなど、凄い面々が有志で集まられ、一部、二部、懇親会を通じて、20名程の方が、思い出話をお話されていく、ただそれだけの会だったのですが、そんな方々がされるお話と、それだけで長時間持つという事を見て改めて、松尾さんのお人柄と実績、その源泉となる想いの強さを感じました。
それだけのお歴々が異口同音に仰るのは、”松尾さんの話は難しくって殆ど分からない”という事ですが、それでも、これだけの人を引き付けるのですから、半端ないレベルの想いの強さが重要なのでしょうね。
カルビーの経営を松本さんに託されてからは、フランスで見て来られた事をベースに創られた”日本で最も美しい連合”の展開と、著書も出されたスマートテロワール構想を日本に広め、衰退していく農業と増えていく耕作放棄地で日本を大転換させるという想いで動いておられました。
スマートテロワールとは、”美しく強靭な農村自給圏”との事ですが、テロワールとは、”その地域独自の風土、景観、品種、栽培法などが育む特徴ある地域”という事らしく、そういう意味では、この会に入らせて頂いたお陰で、美しい村連合に訪問させて頂く事も多かったので、私自身、会社を展開していく上での思想にも、少なからず影響を受けた様に思います。
「目に見えない価値が重要」と掲げて、京都流議定書を行ったのは11年前ですが、外形的な数字だけの評価、またそれだけを求めた事による、行き過ぎた、効率性、均一性、地域で言えば東京一極集中や、東京が日本と考えた東京からのオペレーションへの疑問や反発を強めていったのは、テロワール構想にも影響を受けていたと思います。
カルビ―大躍進となる大ヒット商品”かっぱえびせん”は、まだお米が潤沢に食べられなかった頃、皆をお腹一杯にする為に小麦でお菓子を作る事を創業者が考えられた事と、当時広島でしか食べていなかった未利用のエビを使う事からできた商品だそうですが、その苦しい時代から、単に儲けるというだけではなく、国民の為や、未利用資源の利用など、テロワールに繋がる源があったのだと思います。
そのカルビーを、”良い会社だけれど経営は下手くそ”だったと切って捨てる松本さんを会長に招聘し、上場を託したのが雅彦さんで、以来、カルビーの経営は離れ、テロワール活動に没頭されていったのでした。
”経営は下手くそ”と松尾さんがおられる前でも、はばからず仰る松本さんですが、日本の数少ないプロ経営者と言われる通り、単なるコストカッターではなく、フィロソフィーは松尾さんしか語れないと、松塾という社内勉強会を全国で催して、松尾さんと一緒に回っておられました。
そんな話も含めて、凄い方々から大人な話を聞かせて頂いて、スキルや知識の勉強では得られない、ずっしりとお腹にくる気づきというのか、経営において大切なものを考えさせられる時間でした。
実は私自身、何の為に会社をやっているのか?を突き詰めていくと、変な話ですが死んだ後の事を考えていたりします。
それは深い話になるので、又いずれにしたいですが、私も死んだ後に、皆が語ってくれる様な生き方を、あと何年あるのか分かりませんが、していきたいと思いますし、松尾さんに少しでも近づける事になれば、又、松尾さんの想いが、世の中に貢献された事になると思いますので、少しでもそんな恩返しができればと思います。
湿っぽい話ではなく、それに向けて明るく楽しんで参ります!

2019年2月10日日曜日

縁とミラクルを起こす運

今週は、二日連続で講演させて頂く機会がありましたが、こちらが勉強させて頂けた事ばかりで、またまた有難い一週間でした。
まずは、WORK MILL EXHIBITION~どうなる?これからの「はたらく」というセッションでしたが、ここで出させて頂いたのは色々な意味で嬉しい事でした。    
このセッション、オフィス家具メーカーのオカムラさんが大阪で創られた共創空間”Bee"での開催だったのですが、このBeeのこけら落としイベントで、ゲストで呼んで頂きながらスケジュールが合わず、その後も何度か登壇のお誘いも都合が合わず、漸く実現したのでした。
実はこのお誘いを受けた事自体が、狭い考えでいけば大変な事なのです。
うちの会社はオフィス家具という分野でいけば、内田洋行さんがメインの会社で、最初にお誘いを受けた際にも、「それでもいいのですか?」と聞いたところ、この”Bee”という展開は、そんな狭い了見の場ではないとの事であり、そうであれば、我々にとっても、固い頭の人や会社に対して新たな展開や価値を示していくのに、大変有難い機会だったのです。
又このプロジェクトを担当された岡本さんが、どう始めて良いか分からないとの事で、今回もご登壇されていた女子来大学を主宰されている猪熊真理子さんに相談された際、それだったらと、私をご紹介頂いたという経緯でしたので、その後数々のイベントを展開され、見事な場の運営をされている姿を見て、大変嬉しく思っていたのです。
この担当の岡本さん、この日も様々な奇跡を起こしていて”ミラクルエリー”と呼ばれていましたが、好きな人の事をトコトン好きになって、その人の良さを皆に知って欲しいという気持ちがとんでもなく強い方で、その事が、沢山の人、会社、参加者を”巻き込む”のではなく、皆が”積極的に協力する”形になり、結果的に良い結果を出すことになり、奇跡も起こすことになるのだということを見せて頂き、大変勉強になりました。
翌日は、ワコールスタディーホールで、関西NGO協議会さん主催の”企業とNPO/NGOこれからの協働のかたち~SDGsでつなげる京都と世界”というフォーラムでの講演でしたが、ここでも私の話よりも、その前に講話された法然院の梶田貫主のお話は、宗教、仏教というもの、日本の仏教の特徴などについても分かり易くお話頂き、ずっと聴いていたかったです。
愛することや、執着することから苦しむことになる。
執着を無くしなさいというのが仏教の教えで、自分の事をお願いするのは”まじない”である。
因縁とは、その人にはその人がそうなった理由があるとするもので、縁とは、そうなる繋がりや関わりがあるというもので、運とは違う。
良いこと、悪いことがあった時、縁と思いたいか?運と思いたいか?その為には?
といったお話でした。
この日は同じ会場で、夜に、ブロックスさんと共催させて頂いている知恵の場があり、ゲストは大久保寛司さんという、”縁”でしたが、大久保さんがいつも仰る話で、相手を変えようとしたり、言うことを聞かせようとしても無駄である、それは、相手には相手の、そうしない理由があるから、という事がありますが、梶田貫主のお話と全く一緒で、いい会社を作る話から、いいイベントや場、そして町づくりの話から宗教の話まで全部繋がる話で、当たり前なのですが、全て人がやることなので何でも一緒だなあ~と、この二日間の”縁”の中でも痛感しました。
大久さんが仰る”いい会社”の定義は、”皆がイキイキと働いていて、成果が出続ける会社”というもので、その為に、リーダーがやる仕事は、それを実現する為に、職場の雰囲気を良くすること、と仰っていましたが、冒頭の岡本さんにしても、関わった好きな人のことを徹底的に良くしようと思われることが、その人達をやる気にさせて、良い成果が出ることになっていて、その良い”縁”を繋いで強いものにされていくことで、ミラクルとも言われる”運”をも運んで来られるのでしょうね。
講演に行って勉強させて頂いたことばかりですが、来週から又、皆がイキイキと働いていく環境づくりを追求していきたいと思います。
ただ、甘いだけの話ではありませんが(笑)

2019年2月3日日曜日

非認知能力での組織(仕組み)づくり

今年になってから特に、新生utena works(ウテナワークス)についての話ばかりになっていますが、今週はそのお披露目イベントを開催しました。

ゲストに誰を呼ぶか?という事においては、やはり、我々の考えに近く、それを既に実践、成果も挙げておられるポラリスさんから市川さんと野澤さんにお越し頂いたのと、自らもバリバリ働いていたキャリアから一転、出産と共に就労困難者になったという経験から、お母さんの力(ハハ力)を研究しておられるミラツクの鎮目さんにお越し頂き、主婦=”時短”や”在宅”というキーワードではなく、”こんな力がある!”という可能性を探っていこうとするものでした。
私自身のイベント構成というのか、ウエダ本社のメンバーの関わりを明確にしていなかったので、段取りなどがグダグダでしたが、ゲストの皆さんの中身ある話と、リカバリーしてくれたウエダ本社スタッフのお陰で、何とか形作る事ができ、概ね参加して頂いた方の満足度も高かった様に思います。

そこでは、女性の力、何も無いと思われている主婦の力が、立派に仕事に繋がるという事例なども紹介されていましたが、私自身は本音で、今後の日本において、女性の力を生かせる会社や組織が生き残っていく事になると思っています。
これは、”女性活躍”などという意味や、人手不足からなど消極的な意味で言っているわけでもありませんし、勿論、女性に、いい恰好してとか、企業イメージを狙ってなどというレベルの低い話でもありません。
ポラリスさんでも、”別に女性に向けたサービスを狙って立ち上げたわけではない”と仰っていますが、企業価値に社会的価値を加えていく事において、地域や生活に寄り添った情報を女性の方が持っているから、女性と企業を結び付けるサービスになっているという事で、我々も常々、時間を軸にした”働く”についての考え方と、それに関連して、ワークとライフを分けた考え方を抜本的に変えていかないと、日本の働き方改革の根本原因の解決には繋がらないと思っているので、その突破口というのか、それぞれの立場の女性が満足に働けない様では、そこに繋がっていくなど程遠いので、表面的な言い方で言えば、”女性活躍に特化した”utena worksを設立したという事なのです。

そもそも、”女性活躍”、”女性活用”などと言っている時点で、これまでの男性社会の枠組みの中で、女性がどう活躍できるか?活用できるか?とのニュアンスがあると思いますが、そうではなく、女性がその力を、その立場で出していける環境にしていく事が、これまでの仕組みを変える事となって、それこそが、少子高齢化問題の先進国である日本が、イノベーションを生み出していく環境に繋げていけるのだと思います。
最近、世界的に教育で注目される様になった、意欲、協調性、忍耐力、計画性などの”非認知能力”は、IQやスキル的な”認知能力”に対するものですが、組織の感覚で言えば、上下関係で教えていくのが”認知能力”で、横の関係で教える(というより伴走するイメージでしょうか?)のは”非認知能力”となりますが、この事を見ても、”認知能力”で作られたこれまでの男性社会ではなく、”非認知能力”が発揮される組織や仕組みの作り方が重要で、その為には、女性がどの様な環境になれば活躍できるのか?という所から考えていく必要があるのだと思っています。
そんな事で、最近女性の働き方や、utena works関連の話ばかりになっていのは、ウエダ本社で追いかけけている事と同じで、それを進めていく為にも一番優先度が高いという事からであって、決して女性に好かれたいからではありませんので、念のため。

2019年1月27日日曜日

問いの立て方

今週も振り返ってみると、魅力的な方に沢山会い、勉強になる事も多く、刺激的な一週間でしたが、考えさせられたのは、”問いの立て方”でした。
何年ぶりかに、フューチャーセッションズの野村さんがお越し頂き、その後、龍谷大学で、野村さんの行なわれた、”渋谷をつなげる30人”というプロジェクトの研究報告会にお誘い頂き、参加させて頂きました。
そこでは、渋谷30の参加者の会話の様子を鮮明に記録し、文字おこしした言葉から、気持ちの変遷などを分析したものが発表されていましたが、初日は、”私は~”という表現が多かったのが、日にちが経ち距離感が縮まると、”私たちは~”や、”この町は~”という様に、他人事での批判的な所から、同じ課題に対して、どうするのか?という自分事に見事に変わっていく様子が記録されていました。
これだけ短期間に参加された方が見事に変わるのは、チーム間の雰囲気が形成され、何を言っても大丈夫だという、所謂、心理的安全性が確認できた事と、そこには出てませんでしたが、ファシリテーターのポイントでの”問い”が効いていったのだと思います。
何故そう思うか?と言えば、私自身、”良い問い”を出す事ができないと感じていて、そこが問題だと仮説を持っていたからですが、今週、参加させてもらった女性起業家応援プロジェクト”LED関西”のファイナリストのビジネスプラン発表会で確信したのです。
実は新生utena worksがサポーター企業とならせて頂いた関係から、二カ月程前、中間発表会をウエダ本社2階のTRAFFFICで行いました。
その際のプレゼンが、ビジネスプランとして面白いものはなく、熱意だけのものだったので、今回の最終プレゼン会も、お付き合いで行ったのが本音でした。
10件のプレゼンへも、サポーター賞を選ぶのも難しいだろうなと臨んだのですが、最初から、あまりの激変ぶりに驚き、10件のプレゼンがアッという間で、しかも魅力的なものばかりになっていたのです。
この二カ月の間に、どの様にしてここまでの変貌ぶりを遂げたのか?プロデューサーの井本さんに前のめりで聞くと、しばらく考えて、返ってきた答えが、”問い”ですかねえというものでした。
やっぱりそうか!
両者ともがここまで短期間で成果を出されているのを見て、確信しました。
”こうあるべき”というべき論は、逆に言えば”無いもの”に焦点を当てていますが、”有るもの”から考えると、発想が変わっていくので、その力を引き出すには、問いの立て方が重要だと思うのです。
ただ、渋谷30にしても、LED関西にしても、選ばれたり、推薦された人で、元々の想いは持っている人なので、問題は、この想いの薄い人、持ってない?人、こんな場に行こうとしない人、をどうするのか?掘り下げていけるのか?という事です。
やっぱり、有るものから問いを立てて、粘り強く、掘り下げていくしかないのでしょうね。
問いの立て方を学んでいきたいと思います。

2019年1月20日日曜日

「自信がない」からこそ

ウテナワークス(旧メガミ)の代表となってから、最も多くお話を聞いている方と言えば、お子さんをお持ちの主婦だと思います。

そしてその主婦の方たちから、仕事について出て来る言葉と言えば、「自信が無い」という事です。
キャリを持っておられた方も、育児で何年も社会から離れてしまっているので、そのキャリアやスキルは使えない、と殆どの方が思われていますし、増してや専業主婦でやって来られた方などは、”私などには何も無い”と思っておられたりして、異口同音に「自信が無い」となるのです。
その社会と”隔絶された”と思っておられる方からすれば、企業に入っていくという事が巨大な壁で、そこを崩してまでと思えるには、それこそ”自信が無い”と、そもそもそんな所に向かっていこうとならないのです。
そして、多くの先輩女性、先輩お母さん達の、その様な姿を見ると、これから働いていく女性、結婚、出産をしていこうとする女性は、必然的に”働く”という事に対して、男性とは違ってストレートに向かって行けず、分けて考えなければならない局面が沢山出て来るのだと思います。
いつも言いますが、そんな所を崩せずに、いくら産休、育休などの制度を整えても、抜本的な問題解決はできないと思うのです。
ウテナワークスのオフィスにお越し頂いて、少しお話させて頂いたり、その後、ウエダ本社のオフィスの見学などもして頂くだけで、社会と隔絶を生んでしまった”企業”という巨大な壁が少し崩れ、大感激されたという感想を聞いたり、実際にその感激される姿を見ていると、我々の向かっている方向が間違っていないという手応えは強く感じます。
”自信が無い”という事で言えば、私自身の事をカミングアウトすると、50歳を過ぎて以降、ドンドン自信を無くしていっています。

それは事業や会社ではなく、自分自身の能力についてという意味ですが、厳しい状況で、虚勢を張ってやって来なければならなかった時期もありますが、40代までは自信を持ってやって来ていたのが、50を越えた当たりから、何も出来ていない自分に気づき、52、3の頃は一番迷っていました。
今55となり、能力無いのだから、能力ある人にやってもらおう、助けてもらおうという感じで、その自信の無さも決して悪いものではない気がしています。
「自信が無い」と仰る女性の方も、話を聞いていけば、決してそんな事はなく、その振り向け先を変えたり定めていけば、大変喜ばれるキャリアや素養をお持ちで、それをしっかりしていけば、その「自信が無い」という裏側の、やる気や、だからこそ共創していく力を生み出していける様に感じます。
ウエダ本社も幸いな事?に、私自身が、教育などの制度を作る能力がないので、そういう意味でも外部の色々な団体や起業家などとコラボして、優秀な人達と仕事をする事によってスタッフに成長してもらおうという企みもあったのですが、色々な有能な人達とのプロジェクトによって、スタッフも少しづつ成長してくれています。
そんな事も考えると、”競争”ではなく”共創”していかなくてはならない今後は、やはり女性の時代で、「自信が無い」の裏側か、根底にある力が、重要になってくると思います。

2019年1月13日日曜日

中小企業での村づくり

7日が月曜日という事もあり、今週が実質の仕事始めで、ウエダ本社と新生”ウテナワークス”も今週からのスタートでした。
その前日、1月6日の京都新聞朝刊TOPの一面で、ウエダ本社の子連れ出勤の様子をご紹介頂き、我々にとっては幸先の良い新年スタートとなりました。
記事内でも紹介されていましたが、保育園でお子さんを預かってもらえなかったスタッフが了解を取り、子連れで出社するのですが、スタッフの判断でそういう事をするという事が、家業的な事業所は別として、一般的な”企業”では、なかなか出来ない事だと思います。
又、それは企業と言っても中小企業だからできるので、大企業はできる筈がないと思われるのではないでしょうか?
確かに色々課題はありますし、そのズバリをやるかどうか?という話ではなく、問題は、そんな事ができる風土かどうか?と、何故、そういう事が大事かが分かっているかどうか?で、日本の”一般企業”ではそこが理解されていない事が、日本の企業の閉塞感を生んでいるのです。
その壁をどう崩していくか?が大きなポイントになっているのですが、これまた残念な事に、既存ビジネスで成功を納めて来た所ほどそれが分からず、そういう大企業や既存勢力に合わせた目先の”対策”だけの施策を国や行政は打つので、根本原因を崩せず、いつまで経ってもモヤモヤ感一杯なのです。
そんな大企業が、イノベーションを生む為に、GOOGLEの働き方やオフィスをベンチマークしたりしていますが、世界の一、二の時価総額を常に争う大企業を見て、どういう理屈をこねるのでしょう?
そんなモヤモヤ感一杯の中、ゴーン事件を見ていると、何とも言えない憂鬱な気持ちになってしまいます。
ここまで来ると全く私的流用は無かったとは言えないのだろうと思いますが、何がモヤモヤするかと言えば、まず一つは、多くの国民が、その”額”でごまかされてないか?という事です。
額は巨額ではありますが、その容疑内容と緊急逮捕、その後の拘留の様子が、あまりにもかけ離れているので、まるで独裁国家で逮捕されたかの様な怖さを感じるのですが、それに大多数の国民が平気である様に感じるのです。
勿論、我々などには分からない、国の問題が大きく絡んでいるので、何としても、という事はあるのだと思うのですが、一方では、又、出てきましたが、役人の様々な書類やデータ改ざんの問題は、そもそもの話とすれば、こちらの方が基本を揺るがす大問題なのに、こちらは、チンタラしながら、うやむやにしてしまうというアンバランスさ、そしてこれまた、国民がそれを何とも感じていない所が、大変、気持ち悪いのです。
いつからか、自分の事は棚に上げて、他人の事はトコトン追い詰めるという事がまかり通る国民性になってしまった気がしますし、そのアンバランスさも感じなくなってしまっている様に思うのです。
又一方、世界的にも、自分の事は棚に上げて、自己都合ばかりで他人を責めるリーダーばかりになってますが、逆にそこでは、日本はそこまでできない(そこまで傍若無人にしろと言っているのではありません)のですから、日本の国民が、そういう方向に向いていっているのは、自分や自国を落とし込んで行っている様にしか思えず、モヤモヤ感一杯となるのです。
近くに保育園か幼稚園かが出来る事に、うるさいから反対されたという事がありましたが、反対していた方は、身内にお子さんはおられなかったのでしょうか?
というより、その方も子供時代はあり、騒がしくしていた筈ですが、正に自分の事は棚に上げて、他人は許さないという典型的な話だと思います。
近所に保育園もできては困るという時代ですから、オフィス内に子供が居るなど意味が分からないと思いますが、色々な事を分けすぎた事の弊害が大きくなり過ぎて来た様に感じます。
仕事と家庭や趣味の時間も分けて考え、仕事の時間を減らす事しか考えられていませんが、これからは逆に分けない考え方に向かっていかないといけないと思っています。
そうなっていくと、仕事と家庭ではなく、各家庭や個人毎に違う、それをその所属している所で許容して、サポートするという事に向かっていかないといけないと思いますし、冒頭の新聞に取り上げて頂いた話は、日本の企業をそちらに向けていこうとしている我々の第一歩です。
そんな流れに反転させていく事ができれば、お互いをサポートする村が形成され、やがて町になっていくと思います。
もう、この二、三年で世の中の様相は一変すると思います。
改めて日本から、新たな村を形成していかなければならないと思いますし、その風土作りをウエダ本社で、実際の女性が働く環境づくりをウテナワークスで進めて、中小企業での村づくりを進めていきたいと思います。





2019年1月6日日曜日

平成最後の年頭所感〜次の30年に向けて!

平成最後の年、明けましておめでとうございます。
30年前の1989年は、r三菱地所がアメリカのロックフェラーセンターを買収した年でしたが、日本が血迷って暴走した象徴的であり、最終形がこの出来事だった様に思います。
この直後にバブルは崩壊し、その後、失われた20年と言われる時代に入るのですから、平成という時代は、米国の資本主義に憧れ追い求めて、一時的にしろ、その米国を追い抜き、目標を失った時には自分をも見失っていて、次の目標を探して彷徨って来た30年だったと言えるのではないでしょうか?
最後の5年程は、安倍政権の下、戦後二番目の長さとなる好景気と言われ、昨年10月には株価が27年ぶりの高値をつけましたが、2018年が終わってみれば、このアベノミクス相場と言われた中では初の下落での幕切れとなり、対策だけで言わばカンフル剤を打って”作っている”だけという不安定さを表している様に思います。
そんなところから2019年を見ると、5月1日の新天皇陛下の即位、6月末のG20の大阪開催から10月の消費税UP、そして2020年の東京オリンピックへと進むのですから、何としてもここまでは景気を死守して”作っていく”と思います。
景気というのは正に”気”ですから、天皇の即位などで”気”は好転するでしょうから、本来は、消費税UPで消費が落ち込んだとしても次年度のオリンピック開催で補える様にも思うのですが、その落ち込みもさせない様に、ポイント還元など、訳の分からない対策で、増税分も全部吐き出す意気込みで、無理やりにでも好景気を”作っていく”構えです。
米国も2020年には大統領選挙がありますので、トランプ大統領も選挙向けの対策を今年から講じていくでしょうから、普通にいけばこちらも、2020年までは”作られた”好景気は続いていく様に思います。
ただし、これらは米中の貿易戦争がどうなっていくか?など、世界の不安定要素で、吹っ飛んでしまうリスクは大いにあります。
特に読めないのは、トランプ大統領とそれを支える米国民の心理で、本来は中国との貿易戦争は米国の景気にも大きなマイナスになる筈が、中国をやっつけろ!という米国第一の意識が高ければ、このまま突き進む事となり、日本では消費増税もどうなるか分からない状況もあり得ると思いますし、下手をすれば、オリンピックなどと言ってられない一触即発なリスクすら感じます。
そんな全く読めない状況の中、我々はどの様にしていけばいいのでしょうか?
他力本願という言葉は、よく間違って使われる例で出されますが、あえて間違った意味の、他人任せにする、他人に委ねるという”他力本願”をできるだけ少なくする事しかないのではないでしょうか?
と言っても日本という国自体が、米国に委ね、中国、ロシア、エネルギーや食料などを考えると、世界中の国とのバランスの中で動いており、”自立”できていないのですから、本来は、より他国に委ねていては、この不安定な世界情勢の中では、やってられない筈なのです。
そして、不安定な世界の中で、バランスを取りながら、利用もされながら進んでいる様な国で、景気に左右される様な仕事や会社というのは、他力本願の又他力本願で、とても恐ろしくてやっていられないと思うのです。
できるだけ他人に委ねない”自立”した生き方やビジネス展開をしていく事がこの先特に重要になってくると思いますし、新たな元号の時代は、人も企業も自立して自律したものだけが、生きていける時代となっていく様に感じます。
ウエダ本社は今年より更に、子会社となるutena worksや他社ともグループ化を進め、景気に大きく左右される”オフィス”という領域ではなく、いつの時代でも中心となるべき”人”にフォーカスしたビジネス展開を図っていきたいと思います。
一事業30年などと言われる様に、30年という年月は、一事業が生まれて無くなってしまう程の変化があるわけですが、30年前は日本が米国から貿易不公正国としてやり玉に挙げられていた事を考えると、世界を企業と見立てると、日本というこれまでの事業に代わって、中国という新規事業に入れ替わってしまったと考えられます。
しかし一方で、100年を超える老舗企業が日本には10万社以上もあり、これは世界で見ても群を抜いている事を見ても、不安定な世界の中で日本の方向性は、示されているのではないでしょうか?
次の30年、元々の技術を生かして大転換を遂げている老舗企業の様に、企業と見立てた世界の中で、日本という元々の技術が大転換を遂げて、全く違う価値観、新たな事業を生み出す役割を、世界の中で果たすべきではないかと思います。