2019年1月27日日曜日

問いの立て方

今週も振り返ってみると、魅力的な方に沢山会い、勉強になる事も多く、刺激的な一週間でしたが、考えさせられたのは、”問いの立て方”でした。
何年ぶりかに、フューチャーセッションズの野村さんがお越し頂き、その後、龍谷大学で、野村さんの行なわれた、”渋谷をつなげる30人”というプロジェクトの研究報告会にお誘い頂き、参加させて頂きました。
そこでは、渋谷30の参加者の会話の様子を鮮明に記録し、文字おこしした言葉から、気持ちの変遷などを分析したものが発表されていましたが、初日は、”私は~”という表現が多かったのが、日にちが経ち距離感が縮まると、”私たちは~”や、”この町は~”という様に、他人事での批判的な所から、同じ課題に対して、どうするのか?という自分事に見事に変わっていく様子が記録されていました。
これだけ短期間に参加された方が見事に変わるのは、チーム間の雰囲気が形成され、何を言っても大丈夫だという、所謂、心理的安全性が確認できた事と、そこには出てませんでしたが、ファシリテーターのポイントでの”問い”が効いていったのだと思います。
何故そう思うか?と言えば、私自身、”良い問い”を出す事ができないと感じていて、そこが問題だと仮説を持っていたからですが、今週、参加させてもらった女性起業家応援プロジェクト”LED関西”のファイナリストのビジネスプラン発表会で確信したのです。
実は新生utena worksがサポーター企業とならせて頂いた関係から、二カ月程前、中間発表会をウエダ本社2階のTRAFFFICで行いました。
その際のプレゼンが、ビジネスプランとして面白いものはなく、熱意だけのものだったので、今回の最終プレゼン会も、お付き合いで行ったのが本音でした。
10件のプレゼンへも、サポーター賞を選ぶのも難しいだろうなと臨んだのですが、最初から、あまりの激変ぶりに驚き、10件のプレゼンがアッという間で、しかも魅力的なものばかりになっていたのです。
この二カ月の間に、どの様にしてここまでの変貌ぶりを遂げたのか?プロデューサーの井本さんに前のめりで聞くと、しばらく考えて、返ってきた答えが、”問い”ですかねえというものでした。
やっぱりそうか!
両者ともがここまで短期間で成果を出されているのを見て、確信しました。
”こうあるべき”というべき論は、逆に言えば”無いもの”に焦点を当てていますが、”有るもの”から考えると、発想が変わっていくので、その力を引き出すには、問いの立て方が重要だと思うのです。
ただ、渋谷30にしても、LED関西にしても、選ばれたり、推薦された人で、元々の想いは持っている人なので、問題は、この想いの薄い人、持ってない?人、こんな場に行こうとしない人、をどうするのか?掘り下げていけるのか?という事です。
やっぱり、有るものから問いを立てて、粘り強く、掘り下げていくしかないのでしょうね。
問いの立て方を学んでいきたいと思います。

2019年1月20日日曜日

「自信がない」からこそ

ウテナワークス(旧メガミ)の代表となってから、最も多くお話を聞いている方と言えば、お子さんをお持ちの主婦だと思います。

そしてその主婦の方たちから、仕事について出て来る言葉と言えば、「自信が無い」という事です。
キャリを持っておられた方も、育児で何年も社会から離れてしまっているので、そのキャリアやスキルは使えない、と殆どの方が思われていますし、増してや専業主婦でやって来られた方などは、”私などには何も無い”と思っておられたりして、異口同音に「自信が無い」となるのです。
その社会と”隔絶された”と思っておられる方からすれば、企業に入っていくという事が巨大な壁で、そこを崩してまでと思えるには、それこそ”自信が無い”と、そもそもそんな所に向かっていこうとならないのです。
そして、多くの先輩女性、先輩お母さん達の、その様な姿を見ると、これから働いていく女性、結婚、出産をしていこうとする女性は、必然的に”働く”という事に対して、男性とは違ってストレートに向かって行けず、分けて考えなければならない局面が沢山出て来るのだと思います。
いつも言いますが、そんな所を崩せずに、いくら産休、育休などの制度を整えても、抜本的な問題解決はできないと思うのです。
ウテナワークスのオフィスにお越し頂いて、少しお話させて頂いたり、その後、ウエダ本社のオフィスの見学などもして頂くだけで、社会と隔絶を生んでしまった”企業”という巨大な壁が少し崩れ、大感激されたという感想を聞いたり、実際にその感激される姿を見ていると、我々の向かっている方向が間違っていないという手応えは強く感じます。
”自信が無い”という事で言えば、私自身の事をカミングアウトすると、50歳を過ぎて以降、ドンドン自信を無くしていっています。

それは事業や会社ではなく、自分自身の能力についてという意味ですが、厳しい状況で、虚勢を張ってやって来なければならなかった時期もありますが、40代までは自信を持ってやって来ていたのが、50を越えた当たりから、何も出来ていない自分に気づき、52、3の頃は一番迷っていました。
今55となり、能力無いのだから、能力ある人にやってもらおう、助けてもらおうという感じで、その自信の無さも決して悪いものではない気がしています。
「自信が無い」と仰る女性の方も、話を聞いていけば、決してそんな事はなく、その振り向け先を変えたり定めていけば、大変喜ばれるキャリアや素養をお持ちで、それをしっかりしていけば、その「自信が無い」という裏側の、やる気や、だからこそ共創していく力を生み出していける様に感じます。
ウエダ本社も幸いな事?に、私自身が、教育などの制度を作る能力がないので、そういう意味でも外部の色々な団体や起業家などとコラボして、優秀な人達と仕事をする事によってスタッフに成長してもらおうという企みもあったのですが、色々な有能な人達とのプロジェクトによって、スタッフも少しづつ成長してくれています。
そんな事も考えると、”競争”ではなく”共創”していかなくてはならない今後は、やはり女性の時代で、「自信が無い」の裏側か、根底にある力が、重要になってくると思います。

2019年1月13日日曜日

中小企業での村づくり

7日が月曜日という事もあり、今週が実質の仕事始めで、ウエダ本社と新生”ウテナワークス”も今週からのスタートでした。
その前日、1月6日の京都新聞朝刊TOPの一面で、ウエダ本社の子連れ出勤の様子をご紹介頂き、我々にとっては幸先の良い新年スタートとなりました。
記事内でも紹介されていましたが、保育園でお子さんを預かってもらえなかったスタッフが了解を取り、子連れで出社するのですが、スタッフの判断でそういう事をするという事が、家業的な事業所は別として、一般的な”企業”では、なかなか出来ない事だと思います。
又、それは企業と言っても中小企業だからできるので、大企業はできる筈がないと思われるのではないでしょうか?
確かに色々課題はありますし、そのズバリをやるかどうか?という話ではなく、問題は、そんな事ができる風土かどうか?と、何故、そういう事が大事かが分かっているかどうか?で、日本の”一般企業”ではそこが理解されていない事が、日本の企業の閉塞感を生んでいるのです。
その壁をどう崩していくか?が大きなポイントになっているのですが、これまた残念な事に、既存ビジネスで成功を納めて来た所ほどそれが分からず、そういう大企業や既存勢力に合わせた目先の”対策”だけの施策を国や行政は打つので、根本原因を崩せず、いつまで経ってもモヤモヤ感一杯なのです。
そんな大企業が、イノベーションを生む為に、GOOGLEの働き方やオフィスをベンチマークしたりしていますが、世界の一、二の時価総額を常に争う大企業を見て、どういう理屈をこねるのでしょう?
そんなモヤモヤ感一杯の中、ゴーン事件を見ていると、何とも言えない憂鬱な気持ちになってしまいます。
ここまで来ると全く私的流用は無かったとは言えないのだろうと思いますが、何がモヤモヤするかと言えば、まず一つは、多くの国民が、その”額”でごまかされてないか?という事です。
額は巨額ではありますが、その容疑内容と緊急逮捕、その後の拘留の様子が、あまりにもかけ離れているので、まるで独裁国家で逮捕されたかの様な怖さを感じるのですが、それに大多数の国民が平気である様に感じるのです。
勿論、我々などには分からない、国の問題が大きく絡んでいるので、何としても、という事はあるのだと思うのですが、一方では、又、出てきましたが、役人の様々な書類やデータ改ざんの問題は、そもそもの話とすれば、こちらの方が基本を揺るがす大問題なのに、こちらは、チンタラしながら、うやむやにしてしまうというアンバランスさ、そしてこれまた、国民がそれを何とも感じていない所が、大変、気持ち悪いのです。
いつからか、自分の事は棚に上げて、他人の事はトコトン追い詰めるという事がまかり通る国民性になってしまった気がしますし、そのアンバランスさも感じなくなってしまっている様に思うのです。
又一方、世界的にも、自分の事は棚に上げて、自己都合ばかりで他人を責めるリーダーばかりになってますが、逆にそこでは、日本はそこまでできない(そこまで傍若無人にしろと言っているのではありません)のですから、日本の国民が、そういう方向に向いていっているのは、自分や自国を落とし込んで行っている様にしか思えず、モヤモヤ感一杯となるのです。
近くに保育園か幼稚園かが出来る事に、うるさいから反対されたという事がありましたが、反対していた方は、身内にお子さんはおられなかったのでしょうか?
というより、その方も子供時代はあり、騒がしくしていた筈ですが、正に自分の事は棚に上げて、他人は許さないという典型的な話だと思います。
近所に保育園もできては困るという時代ですから、オフィス内に子供が居るなど意味が分からないと思いますが、色々な事を分けすぎた事の弊害が大きくなり過ぎて来た様に感じます。
仕事と家庭や趣味の時間も分けて考え、仕事の時間を減らす事しか考えられていませんが、これからは逆に分けない考え方に向かっていかないといけないと思っています。
そうなっていくと、仕事と家庭ではなく、各家庭や個人毎に違う、それをその所属している所で許容して、サポートするという事に向かっていかないといけないと思いますし、冒頭の新聞に取り上げて頂いた話は、日本の企業をそちらに向けていこうとしている我々の第一歩です。
そんな流れに反転させていく事ができれば、お互いをサポートする村が形成され、やがて町になっていくと思います。
もう、この二、三年で世の中の様相は一変すると思います。
改めて日本から、新たな村を形成していかなければならないと思いますし、その風土作りをウエダ本社で、実際の女性が働く環境づくりをウテナワークスで進めて、中小企業での村づくりを進めていきたいと思います。





2019年1月6日日曜日

平成最後の年頭所感〜次の30年に向けて!

平成最後の年、明けましておめでとうございます。
30年前の1989年は、r三菱地所がアメリカのロックフェラーセンターを買収した年でしたが、日本が血迷って暴走した象徴的であり、最終形がこの出来事だった様に思います。
この直後にバブルは崩壊し、その後、失われた20年と言われる時代に入るのですから、平成という時代は、米国の資本主義に憧れ追い求めて、一時的にしろ、その米国を追い抜き、目標を失った時には自分をも見失っていて、次の目標を探して彷徨って来た30年だったと言えるのではないでしょうか?
最後の5年程は、安倍政権の下、戦後二番目の長さとなる好景気と言われ、昨年10月には株価が27年ぶりの高値をつけましたが、2018年が終わってみれば、このアベノミクス相場と言われた中では初の下落での幕切れとなり、対策だけで言わばカンフル剤を打って”作っている”だけという不安定さを表している様に思います。
そんなところから2019年を見ると、5月1日の新天皇陛下の即位、6月末のG20の大阪開催から10月の消費税UP、そして2020年の東京オリンピックへと進むのですから、何としてもここまでは景気を死守して”作っていく”と思います。
景気というのは正に”気”ですから、天皇の即位などで”気”は好転するでしょうから、本来は、消費税UPで消費が落ち込んだとしても次年度のオリンピック開催で補える様にも思うのですが、その落ち込みもさせない様に、ポイント還元など、訳の分からない対策で、増税分も全部吐き出す意気込みで、無理やりにでも好景気を”作っていく”構えです。
米国も2020年には大統領選挙がありますので、トランプ大統領も選挙向けの対策を今年から講じていくでしょうから、普通にいけばこちらも、2020年までは”作られた”好景気は続いていく様に思います。
ただし、これらは米中の貿易戦争がどうなっていくか?など、世界の不安定要素で、吹っ飛んでしまうリスクは大いにあります。
特に読めないのは、トランプ大統領とそれを支える米国民の心理で、本来は中国との貿易戦争は米国の景気にも大きなマイナスになる筈が、中国をやっつけろ!という米国第一の意識が高ければ、このまま突き進む事となり、日本では消費増税もどうなるか分からない状況もあり得ると思いますし、下手をすれば、オリンピックなどと言ってられない一触即発なリスクすら感じます。
そんな全く読めない状況の中、我々はどの様にしていけばいいのでしょうか?
他力本願という言葉は、よく間違って使われる例で出されますが、あえて間違った意味の、他人任せにする、他人に委ねるという”他力本願”をできるだけ少なくする事しかないのではないでしょうか?
と言っても日本という国自体が、米国に委ね、中国、ロシア、エネルギーや食料などを考えると、世界中の国とのバランスの中で動いており、”自立”できていないのですから、本来は、より他国に委ねていては、この不安定な世界情勢の中では、やってられない筈なのです。
そして、不安定な世界の中で、バランスを取りながら、利用もされながら進んでいる様な国で、景気に左右される様な仕事や会社というのは、他力本願の又他力本願で、とても恐ろしくてやっていられないと思うのです。
できるだけ他人に委ねない”自立”した生き方やビジネス展開をしていく事がこの先特に重要になってくると思いますし、新たな元号の時代は、人も企業も自立して自律したものだけが、生きていける時代となっていく様に感じます。
ウエダ本社は今年より更に、子会社となるutena worksや他社ともグループ化を進め、景気に大きく左右される”オフィス”という領域ではなく、いつの時代でも中心となるべき”人”にフォーカスしたビジネス展開を図っていきたいと思います。
一事業30年などと言われる様に、30年という年月は、一事業が生まれて無くなってしまう程の変化があるわけですが、30年前は日本が米国から貿易不公正国としてやり玉に挙げられていた事を考えると、世界を企業と見立てると、日本というこれまでの事業に代わって、中国という新規事業に入れ替わってしまったと考えられます。
しかし一方で、100年を超える老舗企業が日本には10万社以上もあり、これは世界で見ても群を抜いている事を見ても、不安定な世界の中で日本の方向性は、示されているのではないでしょうか?
次の30年、元々の技術を生かして大転換を遂げている老舗企業の様に、企業と見立てた世界の中で、日本という元々の技術が大転換を遂げて、全く違う価値観、新たな事業を生み出す役割を、世界の中で果たすべきではないかと思います。