高卒でミュージシャンを目指し、アルバイトから入られて昇進していかれた吉野家はある日倒産、その処理役として皆から推されて社長になられた後も、BSE問題、親会社都合の中での経営のお話は、ドラマの連続であり、机上の経営学にはない”実学”がありました。
波乱万丈が良いとは限りませんが、勝負して来られた方のお話は、話だけ、文字だけでも、その情景がビジュアルで浮かび上がってくる深みがあります。
個人的な感覚かもしれませんが、私が魅力を感じたり、尊敬できる方のお話にはこのビジュアルで浮かび上がってくるという共通項がある様に思います。
又一方、難しい事をシンプルにできて、実績を示せる人にも憧れを持ちますが、今週聞いたカルビーの松本会長の経営論と、それをコミットして実践されているお話しは、何度か聞いているのですが、改めて経営の”プロ”というものを痛感させられました。
経営とは、全てのステークホルダーを喜ばせる事である。
その為には、 1、世の為、人の為にならなくてはならない
そして、 2、儲けろ!
それだけだと仰います。
これを実現する為には、結果に対して厳しい、しかし温かくなくてはいけないので、社員一人一人が成果を出す為に、環境と制度を整える事、それがマネジメントの仕事だと。
そんな感覚で全てを展開される説明は至ってシンプルで、
・メーカーは儲ける為には、工場の稼働率を良くする事だけ。
・投資は使え、経費は使うな。
・仕事を、①やらなくてはいけない仕事、②やった方が良い仕事、③やらなくても良い仕事に分け、
②と③はやるな。
・ダイバーシティ―は長期の投資であり、成長へのエンジンである。
などなど、厳しさと人間尊重の優しさが見事にバランスされているのです。
そして我々に関係する、オフィスについても、
人間は環境に影響される動物である。
オフィスは考える場所であり作業する場所ではないとの事で、実際、それまでコミュニケーションも取りづらかった縦長ビルから、80m×50mの1フロアに移した、と、カルビーの改革時には、オフィスを改革したとの事でした。
ソーシャルビジネスと、もてはやされ過ぎている昨今、新たな視点を持った優秀なイノベーター達が、結局は形は違えど、お金や力に群がって行ってるいる様に見えるのですが、折角の思いや能力で、自らの力で切り拓いて、”儲ける”という、『経営力』を目指して欲しいと願います。
私自身も、ソーシャルビジネスと関わってきましたが、これからはその『経営』力を意識して、実績を出し、自分の役割を果たしていきたいと思っています。
安部会長が親父と慕われた、吉野家の創業者は、”人生55歳からが勝負だ、その為に20代、30代、40代の生き方で花が咲く”と、言っておられたそうですが、私自身、40代までの生き方は変える事ができませんが、55歳から花咲ける生き方を意識していきたいと思います。
まだその蕾は固そうですが^^;
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