日銀が2%の物価目標を決めましたが、なかなか難しい数字の様です。
しかし、デフレ脱却が大きなテーマですが、抜本的に企業の考え方、価値観を変えていく事ができれば、まだまだ幾らでもやれる事はあると思いますし、それを援護する、少なくとも邪魔をしない施策であって欲しいと思います。
殆どの企業が、お客様スタンスを掲げ、安さ追求を行っていますが、お客様側は、その安さを実現する為に行なわれている事や、原材料の実態などを知った上でも、値段だけを求めているとは思えません。
という事は、安さ追求は、そういう事を知らしめずに、値段で勝負し、市場を席巻し、シェアを拡大するという、企業の為である様に思います。
私も経営者の端くれですから、そういう事が全くないのか?と言えば、0とは言えませんし、企業も生きていかないと、雇用を含めた役割を実現できないのですから、全てが悪だと言っているのではありません。
ただ、必要以上に、望まれている以上の安さ競争、それを実現する為に値段だけでの調達などを行なっていれば、当たり前でデフレスパイラルが起こり、しかもその自分達の争いの理由を、消費者の為、お客様の為と言っている様な人は、幾ら凄い業績をあげていよう
と、凄く優秀であろうと、影響を考えても、賞賛すべきではないと思います。
安さを志向していけば、当たり前ですが、量を売らなければ成り立ちません。
一社がそれを実現していれば、他は負けていくわけで、そこで働く人々の生活は脅かさ
れ、その厳しい状況になった人々が消費者に回れば又、安い方が良いという循環になるのです。
しかも、勝者となる一社が勝つために行なっている安さの背景には、途上国の人々を酷
使した様な事や、紛争に繋がる原因となっていたり、効率的に大量生産する為に、危険な
農薬や化学物質を使っていたりする事もあるのです。
その様な状況、スパイラルは一体誰の為になっているのでしょう?
そんな事をトータルで考えても、多くの人が、値段だけの安さを求めているでしょうか?
私は少なくとも今の日本ではそうではないと思います。
フェアトレードとまでいかないまでも、皆がその値段の背景についての情報も得られ、ト
ータルで選ぶ状況になれば、少なくともそういう選択肢を持てるだけで、賢い消費者は違
う行動をすると思いますし、それで選ばれた企業は、調達するにおいても、仕入先を泣か
しまくって調達する事も無くなり、何よりも、その様な付加価値を認められる世界では、
間違いなく日本の企業は得意で、それこそ勝負していけるところだと思うのです。
しかも、そこの勝負というのは、規模の大小、同じ方向性での優劣ではなく、それぞれが
自分の特長を生かす、個性を発揮する勝負なのです。
その様に日本の企業が向かっていく事が、目先のデフレ脱却だけでなく、今後の日本を夢
のある方向に転じられる唯一の方法だと思うのです。
至ってシンプルな話だと思うのですが、何故、賢い政治家、官僚、学者の先生などが気づ
いてくれないのでしょうか?
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