2011年3月21日月曜日

本物の凄み

山口さんに驚かされた事はたくさんありますが、日々人の問題、もっと言えばどうすれば社員がやる気になってくれるか?仕事をイキイキとやってくれるか?という点について、悩んでいる私としましては、元々 社長業も、海外生産もやるつもりではなかった山口さんが、数年のうちに全くゼロから、お世辞にも労働意欲や、規律的にレベルが高くないバングラデシュでこれだけの成功を収められているお話を聞くと、原因はリーダーであるという事を宣告された様なもので、大反省しました。

驚く事にマザーハウスの工場では、始業が9時からにも関わらず、7時半頃から皆出勤し、夜も自分の仕事が終わった後でも縫製の練習を行ったりするそうなのです。

何故、そんな風になるのか?大変疑問に思いましたが、答えはお話の中にあった様に思います。

山口さんは、これだけ思いが強い人だけに、かなりせっかちで、他人とのギャップは激しい筈なのですが、途上国に出て、その点が我慢できる様になったとの事でした。

そして、必ず自分で考えさせ、答えは絶対に出さず、ずっと待つとの事でした。
せっかちであれば、人は育たないとまで仰っていましたが、何でもできない事はないとばかりに、自分で全て解決して来られて、人を育てる段階になると、ただ我慢して待つという事を、若干30歳にして、さらっと言われるのですから、同じ経営者としては打ちのめされるのは、分かって頂けると思います。

売上や利益を追いかけるのは、社員を道具に考えているのではないか?
人を大事にする事とは、人の能力を伸ばす事です。

こんな力強い言葉を一切高圧的なところはなく、どちらかと言えばおっとりとした感じさえ受ける印象でお話されるのですから、正に本物の凄みを感じました。

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