昨日も紹介した飯尾醸造さん。
ちょっと衝撃を受けてしまいました。
今まで感動経営を行っている会社のDVDを見たり、研修を受けたりして、その都度打ちひしがれて来ましたが、ある意味それ以上のダメージを受けたかもしれません。
まず、商品名が富士酢なのは、日本一のお酢を造ろうとされたから。
一番おいしい酢を造る為には、おいしいお酒を造らないといけない、おいしいお酒を造る為には、おいしいお米を作らないといけない、その為には無農薬であるべきだと、三代目が48年前、世間では全く逆に大量生産に向い、農薬を使っていこうとした時代に、農家を説得して廻られたとの事。
そして又そこで驚きですが、自分達があるのは、良いお米を作る農家があってこそとのことで、農協の買取価格の2.5倍で買取られたとの事でした。
しかも、農家が高い機械を購入できなく、買ったところで常時使うわけではないのが分かると、自分の所で機械を買ってそれを農家に貸し出したり、農家に負担がかかる事は自社でそれを担って無農薬のお米を調達して来られたとの事でした。
現在でもお米とお酢の醸造設備を両方持っているお酢屋さんは飯尾醸造さんのみと言われていましたが、40gがJAS規定で米酢と言えるにも関わらず、その5倍や8倍のお米を使用し、お酒の杜氏さんが良いお酒を造り、通常は発酵させるのに1日でできるところを自然発酵で100日かけてお酢を造り出されるという、とてつもない拘りを、”そうあるべきだ”という感覚で行っておられるのです。
農家が高齢化で継続できないと見ると、自社でお米作りを、それも社長も事務の人も全員総出で行われる様になり、現在では地域の人も、協力業者の人達もがお米造りを手伝われる上、全国からツアーで来られる様になっているという話で、そこまで徹底して、人の為、地域の為、仕入先さんの為を考えて来られると、皆が助けてくれる様になるという構図も見せつけられた思いでした。
そしてそれを5代目予定の若旦那さんが淡々と15分位の話で、ごく当たり前の様に説明されるのですが、多分、この会社は、経営品質だとか、良い会社にする為に、とか、その為の社員教育だとか、挨拶がどうだとか、そんなことから入られているのではないだけに、経営者の思い、考えが重要なのだと思い知らされ、いつもより更に落ち込まされたのでした。
良い会社にしたい、という思いを持ち、どうすれば社員が・・、お客様が・・、地域が・・と考えていると思っていましたが、私の考えていた事なんて、手法や勉強の域を越えていないのです。
それを又、淡々とした15分程の話で思い知らされたのが、余計に利きました。
帰りには、皆電車の時間を気にしながらも、思い切り日本一の酢を買い込んでいたのですから、商売の本質も勉強させて頂きました。
買う気になれば、勝手に買ってくれるもんなんですよね。参りました。
こんな会社がまだまだあるのですね。
こんな会社を見つけた時のH社長の驚きと共に、やってやった感の表情が想像できました(笑)
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