2019年2月17日日曜日

テロワールの精神で

今週は、カルビー創業家で元社長でもあった松尾雅彦さんの一周忌の追悼会が京都で行われ、私も参加させて頂いているトップフォーラムという会を通じて所縁のある方、約60名が全国から集まっておられました。
元カルビー会長の松本さん、元LIXIL社長の藤森さん、伊那食品工業の塚越会長などなど、凄い面々が有志で集まられ、一部、二部、懇親会を通じて、20名程の方が、思い出話をお話されていく、ただそれだけの会だったのですが、そんな方々がされるお話と、それだけで長時間持つという事を見て改めて、松尾さんのお人柄と実績、その源泉となる想いの強さを感じました。
それだけのお歴々が異口同音に仰るのは、”松尾さんの話は難しくって殆ど分からない”という事ですが、それでも、これだけの人を引き付けるのですから、半端ないレベルの想いの強さが重要なのでしょうね。
カルビーの経営を松本さんに託されてからは、フランスで見て来られた事をベースに創られた”日本で最も美しい連合”の展開と、著書も出されたスマートテロワール構想を日本に広め、衰退していく農業と増えていく耕作放棄地で日本を大転換させるという想いで動いておられました。
スマートテロワールとは、”美しく強靭な農村自給圏”との事ですが、テロワールとは、”その地域独自の風土、景観、品種、栽培法などが育む特徴ある地域”という事らしく、そういう意味では、この会に入らせて頂いたお陰で、美しい村連合に訪問させて頂く事も多かったので、私自身、会社を展開していく上での思想にも、少なからず影響を受けた様に思います。
「目に見えない価値が重要」と掲げて、京都流議定書を行ったのは11年前ですが、外形的な数字だけの評価、またそれだけを求めた事による、行き過ぎた、効率性、均一性、地域で言えば東京一極集中や、東京が日本と考えた東京からのオペレーションへの疑問や反発を強めていったのは、テロワール構想にも影響を受けていたと思います。
カルビ―大躍進となる大ヒット商品”かっぱえびせん”は、まだお米が潤沢に食べられなかった頃、皆をお腹一杯にする為に小麦でお菓子を作る事を創業者が考えられた事と、当時広島でしか食べていなかった未利用のエビを使う事からできた商品だそうですが、その苦しい時代から、単に儲けるというだけではなく、国民の為や、未利用資源の利用など、テロワールに繋がる源があったのだと思います。
そのカルビーを、”良い会社だけれど経営は下手くそ”だったと切って捨てる松本さんを会長に招聘し、上場を託したのが雅彦さんで、以来、カルビーの経営は離れ、テロワール活動に没頭されていったのでした。
”経営は下手くそ”と松尾さんがおられる前でも、はばからず仰る松本さんですが、日本の数少ないプロ経営者と言われる通り、単なるコストカッターではなく、フィロソフィーは松尾さんしか語れないと、松塾という社内勉強会を全国で催して、松尾さんと一緒に回っておられました。
そんな話も含めて、凄い方々から大人な話を聞かせて頂いて、スキルや知識の勉強では得られない、ずっしりとお腹にくる気づきというのか、経営において大切なものを考えさせられる時間でした。
実は私自身、何の為に会社をやっているのか?を突き詰めていくと、変な話ですが死んだ後の事を考えていたりします。
それは深い話になるので、又いずれにしたいですが、私も死んだ後に、皆が語ってくれる様な生き方を、あと何年あるのか分かりませんが、していきたいと思いますし、松尾さんに少しでも近づける事になれば、又、松尾さんの想いが、世の中に貢献された事になると思いますので、少しでもそんな恩返しができればと思います。
湿っぽい話ではなく、それに向けて明るく楽しんで参ります!

2019年2月10日日曜日

縁とミラクルを起こす運

今週は、二日連続で講演させて頂く機会がありましたが、こちらが勉強させて頂けた事ばかりで、またまた有難い一週間でした。
まずは、WORK MILL EXHIBITION~どうなる?これからの「はたらく」というセッションでしたが、ここで出させて頂いたのは色々な意味で嬉しい事でした。    
このセッション、オフィス家具メーカーのオカムラさんが大阪で創られた共創空間”Bee"での開催だったのですが、このBeeのこけら落としイベントで、ゲストで呼んで頂きながらスケジュールが合わず、その後も何度か登壇のお誘いも都合が合わず、漸く実現したのでした。
実はこのお誘いを受けた事自体が、狭い考えでいけば大変な事なのです。
うちの会社はオフィス家具という分野でいけば、内田洋行さんがメインの会社で、最初にお誘いを受けた際にも、「それでもいいのですか?」と聞いたところ、この”Bee”という展開は、そんな狭い了見の場ではないとの事であり、そうであれば、我々にとっても、固い頭の人や会社に対して新たな展開や価値を示していくのに、大変有難い機会だったのです。
又このプロジェクトを担当された岡本さんが、どう始めて良いか分からないとの事で、今回もご登壇されていた女子来大学を主宰されている猪熊真理子さんに相談された際、それだったらと、私をご紹介頂いたという経緯でしたので、その後数々のイベントを展開され、見事な場の運営をされている姿を見て、大変嬉しく思っていたのです。
この担当の岡本さん、この日も様々な奇跡を起こしていて”ミラクルエリー”と呼ばれていましたが、好きな人の事をトコトン好きになって、その人の良さを皆に知って欲しいという気持ちがとんでもなく強い方で、その事が、沢山の人、会社、参加者を”巻き込む”のではなく、皆が”積極的に協力する”形になり、結果的に良い結果を出すことになり、奇跡も起こすことになるのだということを見せて頂き、大変勉強になりました。
翌日は、ワコールスタディーホールで、関西NGO協議会さん主催の”企業とNPO/NGOこれからの協働のかたち~SDGsでつなげる京都と世界”というフォーラムでの講演でしたが、ここでも私の話よりも、その前に講話された法然院の梶田貫主のお話は、宗教、仏教というもの、日本の仏教の特徴などについても分かり易くお話頂き、ずっと聴いていたかったです。
愛することや、執着することから苦しむことになる。
執着を無くしなさいというのが仏教の教えで、自分の事をお願いするのは”まじない”である。
因縁とは、その人にはその人がそうなった理由があるとするもので、縁とは、そうなる繋がりや関わりがあるというもので、運とは違う。
良いこと、悪いことがあった時、縁と思いたいか?運と思いたいか?その為には?
といったお話でした。
この日は同じ会場で、夜に、ブロックスさんと共催させて頂いている知恵の場があり、ゲストは大久保寛司さんという、”縁”でしたが、大久保さんがいつも仰る話で、相手を変えようとしたり、言うことを聞かせようとしても無駄である、それは、相手には相手の、そうしない理由があるから、という事がありますが、梶田貫主のお話と全く一緒で、いい会社を作る話から、いいイベントや場、そして町づくりの話から宗教の話まで全部繋がる話で、当たり前なのですが、全て人がやることなので何でも一緒だなあ~と、この二日間の”縁”の中でも痛感しました。
大久さんが仰る”いい会社”の定義は、”皆がイキイキと働いていて、成果が出続ける会社”というもので、その為に、リーダーがやる仕事は、それを実現する為に、職場の雰囲気を良くすること、と仰っていましたが、冒頭の岡本さんにしても、関わった好きな人のことを徹底的に良くしようと思われることが、その人達をやる気にさせて、良い成果が出ることになっていて、その良い”縁”を繋いで強いものにされていくことで、ミラクルとも言われる”運”をも運んで来られるのでしょうね。
講演に行って勉強させて頂いたことばかりですが、来週から又、皆がイキイキと働いていく環境づくりを追求していきたいと思います。
ただ、甘いだけの話ではありませんが(笑)

2019年2月3日日曜日

非認知能力での組織(仕組み)づくり

今年になってから特に、新生utena works(ウテナワークス)についての話ばかりになっていますが、今週はそのお披露目イベントを開催しました。

ゲストに誰を呼ぶか?という事においては、やはり、我々の考えに近く、それを既に実践、成果も挙げておられるポラリスさんから市川さんと野澤さんにお越し頂いたのと、自らもバリバリ働いていたキャリアから一転、出産と共に就労困難者になったという経験から、お母さんの力(ハハ力)を研究しておられるミラツクの鎮目さんにお越し頂き、主婦=”時短”や”在宅”というキーワードではなく、”こんな力がある!”という可能性を探っていこうとするものでした。
私自身のイベント構成というのか、ウエダ本社のメンバーの関わりを明確にしていなかったので、段取りなどがグダグダでしたが、ゲストの皆さんの中身ある話と、リカバリーしてくれたウエダ本社スタッフのお陰で、何とか形作る事ができ、概ね参加して頂いた方の満足度も高かった様に思います。

そこでは、女性の力、何も無いと思われている主婦の力が、立派に仕事に繋がるという事例なども紹介されていましたが、私自身は本音で、今後の日本において、女性の力を生かせる会社や組織が生き残っていく事になると思っています。
これは、”女性活躍”などという意味や、人手不足からなど消極的な意味で言っているわけでもありませんし、勿論、女性に、いい恰好してとか、企業イメージを狙ってなどというレベルの低い話でもありません。
ポラリスさんでも、”別に女性に向けたサービスを狙って立ち上げたわけではない”と仰っていますが、企業価値に社会的価値を加えていく事において、地域や生活に寄り添った情報を女性の方が持っているから、女性と企業を結び付けるサービスになっているという事で、我々も常々、時間を軸にした”働く”についての考え方と、それに関連して、ワークとライフを分けた考え方を抜本的に変えていかないと、日本の働き方改革の根本原因の解決には繋がらないと思っているので、その突破口というのか、それぞれの立場の女性が満足に働けない様では、そこに繋がっていくなど程遠いので、表面的な言い方で言えば、”女性活躍に特化した”utena worksを設立したという事なのです。

そもそも、”女性活躍”、”女性活用”などと言っている時点で、これまでの男性社会の枠組みの中で、女性がどう活躍できるか?活用できるか?とのニュアンスがあると思いますが、そうではなく、女性がその力を、その立場で出していける環境にしていく事が、これまでの仕組みを変える事となって、それこそが、少子高齢化問題の先進国である日本が、イノベーションを生み出していく環境に繋げていけるのだと思います。
最近、世界的に教育で注目される様になった、意欲、協調性、忍耐力、計画性などの”非認知能力”は、IQやスキル的な”認知能力”に対するものですが、組織の感覚で言えば、上下関係で教えていくのが”認知能力”で、横の関係で教える(というより伴走するイメージでしょうか?)のは”非認知能力”となりますが、この事を見ても、”認知能力”で作られたこれまでの男性社会ではなく、”非認知能力”が発揮される組織や仕組みの作り方が重要で、その為には、女性がどの様な環境になれば活躍できるのか?という所から考えていく必要があるのだと思っています。
そんな事で、最近女性の働き方や、utena works関連の話ばかりになっていのは、ウエダ本社で追いかけけている事と同じで、それを進めていく為にも一番優先度が高いという事からであって、決して女性に好かれたいからではありませんので、念のため。