2010年10月24日日曜日

新たな中国との取り組み方

今回の中国視察で私が一番衝撃を受けたのは、寧波で訪れた杉杉集団(シャンシャングループ)でした。



20年程前、小さな縫製工場でスタートしたのが、今や91社からなる複合集団であり、レノマは全世界の生産と中国での販売を行なって
いるそうですが、ブランド売上高は中国で1位となり、連結売上高1000億円のグループです。



衝撃を受けたのは、その急成長ぶりは勿論ですが、その事よりも、展開と戦略と現状についてでした。
縫製工場からスタートし、今では各国のブランドと提携し、その生産と販売を行なうスタイルを行なっているのですが、あるイタリアメンズブランドの話を聞くと、そのブランドは現状ヨーロッパと中国でしか販売していないとの事でした。

衝撃のまず一つは、高級なブランドが日本ではなく、中国で先行販売されているという事実です。
又、元々繊維商社出身の私ですので、その縫製工場にも驚きました。



高級だからできると言えばそうなのですが、私が知っている縫製工場のスタイルではなく、半製品状態のものもハンガーに掛けて
作業するラインとなっており、これには驚きました。

そして何よりも衝撃的な話は、今年日本との取引は残念ながら、セロになるだろうとの事でした。
大手紳士服チェーンや、若い女性に人気のブランドを多数保有する会社と行なってきた取引も無くなってしまうと。
なぜか、それは日本とは値段が合わないからというのです。

日本の様に、安く作れという相手とは商売できない、ビジネスとして合わないという事なのです。

そんな話を、創業者であり、NO2の鄭氏(右端)が熱っぽく語って頂きました。



この様な視察などでの会談にも何度も出席させて頂いていますが、だいたいは形式的な感じですが、TOP自らが現況を説明して頂き、
まさにTOPセールスという感じでした。

その後、最上階につくられた常設の懇親会場で、これも自社で用意している寧波料理を頂きました。



もはや、安い労働力を求めて中国に来ていた時代は完全に終った、いや既に終っている、それをまざまざと感じた今回の視察であり、日本は値段が合わないと中国から言われる時代に入った中で、中国との取組方を考えていかないといけないと思いました。

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