見落としていた京都新聞の記事を、ある方のFBで知りました。
釜石の小中学生3000人の命を救ったとも言える、防災教育の三つのポイントについての話しですが、そこには災害に限らず通じる、たくさんの教えがありましたので、社内で共有し、ここでも上げさせて頂きました。
まず、”想定を信じるな”という事ですが、
本当にこの通りだと思います。
今回の震災を知るにつれ、私の神戸での被災など、取るに足らない程の経験だと思いますが、それでも実際の体験として、信じられない事、説明のつかない事、瞬時に判断しないといけない事、そしてその選択が天地の差を生み、極端でもなく生死を分けるという事がありました。
そこでは、机上で考えたマニュアルなど役に立たないのです。
これは会社経営を行なっていると同じ事が言え、立て直しで入って来たウエダ本社において、あの時の判断を間違っていれば倒産していたという局面が二度ありましたが、その判断というものも、机上論、セオリーでいけば、そんな結論は出せていなかったと思います。
それらの体験からも、私はビジネスは真剣勝負という話しをよくします。
木刀で戦っている時では、そりゃ、こうすべきでしょう、と冷静に言っていられる事が、真剣で向き合えば、全く反対の結論を出さなくてはいけない事がよくあるのです。
教育制度がないから・・、見える様にしてくれていないから・・、マニュアルがないから・・という感覚を私が最も嫌がるのは、そんな理由からでもあるのですが、個人の生命力を考えると、この”想定を信じるな”という事で動ける人間が強いと思いますし、それを育てる、植えつける事が個人の事を本当に考えた指導だと思うのです。
そして、”その状況下で最善の避難行動を取る事”
これも同じく、マニュアルで勉強したシュチュエーションなど、出てこないですから、その与えられた状況で、それも瞬時にどうするか?という判断ができる事が重要なのです。
そして三番目の"率先避難者たれ”
これはそれこそ、真剣勝負でない場合や評論的であれば、ギョッとしてしまう話しだと思います。
人の事は放っておいても、まず自分の命を全力で守る事というのですから、美談を求めている人からすると、”それはヒドイ!”となるでしょう。
しかし、それも緊急時でなかったり、トンでもない状況まで行っていない災害レベルでの話しだと思いますし、そういう体験をしていない人には、まず分からないと思います。
そこで、もたもたしていては、全滅してしまうのです。
会社においても、綺麗ごとを言っていては潰れてしまうのです。
そしてそうなれば元も子もなく、誰も救えなくなるのです。
今回の震災においてのボランティアや、支援についての意見で、辛口な事をよく言うのも、この辺りの考えからなのですが、これらは被災の経験があるから許される?いや、その経験が無い人では、思ったとしても言いにくいと思うので、ある種の役割だとも思って、敢えて言っている面もあります。
そして、この話しが深いのは、次のお話に現れています。
何度も津波に襲われてきた岩手には、”津軽てんでんこ”という、津波が来たら家族バラバラでも良いからとにかく逃げろという言い伝えがあるが、家族一人一人がきちんと避難できる能力を持つ事と、それぞれが避難できる能力があると信じあえる家族だけが、”てんでんこ”を実行できるとの事です。
これなどは、各個人それぞれが生きていける能力を持ち、いざという時にマニュアルではなく、その状況に合わせて独自で判断でき、そしてお互いはそれぞれでやっている筈とお互いの能力を信じるという、組織においても理想の姿だと思います。
自立するという事と勝手に行なう事は違います。
素晴らしく強い組織は、皆が勝手に動いている様に見えて、お互いがお互いの動きを理解し、信用し、その信用の下で又自主的に動いていくのです。
そんな組織や人は、どんな状況においても、柔軟に対応して動いていけると思います。
うちの組織、そしてスタッフは、どうあるべきだと思いますか?
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