2011年6月24日金曜日

日本には本当の営業はいない?

うちの会社の課題の一つは営業改革です。

卸営業やルート営業というものの最大の問題は、本来の市場価格という感覚がなく商売するので、値段を決めるという、ビジネスの一番基本的な事が分かっていない事です。

私は、独立して色々な商社に出入りして、企画を持ち込むという事も行っていましたが、そういう事を行っている内に、日本の営業って、ただ商品説明をしていたり、手配などをしているだけで、日本には本当の営業がないと気づいて、”営業代行”と名刺に入れて動いていました。

その頃、ソフトブレーン創業者の宋さんが、”やっぱり変だよ日本の営業”という本で、”日本には本当の営業がない”と全く同じ言葉で書かれていて驚いた事がありました。

よく話しますが、有難い事に大変厳しい会社で、営業のスタートを切った私は、まだ、商品の事も何も分からない中、これは幾らで売ってくれば良いのですか?と当時の課長代理に聞くと、即座に
”売れる値段の一番高い目”という答えが返ってきました。

優しいでしょ?全く何も分からない新人に、それだけで終わりなんですから。
あとは考えろという事ですから。

でも私は、未だにこの言葉は、深い言葉だと思っています。

先日も営業はアートと書いていましたが、売れる値段の一番高い目とは、暴利を取るという事ではありません。
お客さんが納得して買って頂く、最大値で売るのだという事であり、営業の能力としては、その最大値をいかに高められるか?という事なのです。

という事はそれを実現する為には、色々な要素があるので、アートだという話になるのですが、まず
その為にも、お客さんの反応や、状況など、全てはお客さんから始まらないと分からないのです。

ところが、卸やルートというのは、こういう経験がなく、原価が幾らで、自社の規定マージンが幾らだから幾らで売らないと・・という様に、全くお客さんや、市場原理は関係なく、自社のスタンスのみで考えるのです。

私はやった事がないのですが、先日女子社員に聞いていると、ネットオークションでは、意外と中古品でもよく売れて、それだけに気軽に買い替えなどを行えると言っていましたが、これがビジネスの原則です。

要は、中古であれ、汚れていたとして、それでも良い、それが良いという人が居て、買い手と売り手の思いが合致した所が販売価格になるわけで、株や相場物の全てがそうですが、それで値段は決まるのです。

という事は、相手が欲しいのか欲しくないのか?他に買う道はあるのか?などなどの状況と、こちらの背景で値段は初めて決められるのですが、うちの場合、この辺りのお客さんの事を聞いても、殆ど把握できていないのが現状です。

おかしいですよね?高等技術でも何でもありません。
だって、皆、個人の物をネットで売る際には、そういう行為をしっかり行っているのですから。

今日聞いたセミナーの中に、同じことを100回言って漸く変わるという話がありましたが、皆に100回言うつもりで続けていきます。

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