2018年4月7日土曜日

今年度の採用活動は?

毎年、4月の第一週の金曜日は、某企業さんの素晴らしい本社のお庭や、ゲストルームなどを使ってのお花見会と、某上場企業さんのゲストハウスでのお花見会が二件重なり、はしごさせて頂くという大変贅沢な日なのですが、かれこれ10年近くになると思いますが、葉桜となった状態というのは初めてでした。

そんな新年度の第一週、今年は残念ながら新入社員はいませんでしたので、入社式はなかったのですが、某国立大卒で4年間上場企業に勤めていた人が中途入社してくれ、この4月からの勤務となりました。

大手企業では、狭い範囲で決められた業務の中での仕事の繰り返しで、もっと自分の可能性や、色々な事をやってみたいという事から、うちに入って来てくれたのですが、本当にそれが望みであれば、うちの会社で、特に私の下で働いてもらうと、まず、大手企業では絶対に経験できない様な、広範囲で、刺激的な経験をしてもらえると思います(笑)

ここ最近、採用については、経済界と教育界の、それぞれの都合での採用活動や、就職支援の在り方などへの反発と、本当にやりたい人がやりたい事に向かい、人物本位で選ばれるのが、理想の採用(就職)活動や働き方であるとの思いから、殆ど一般的な採用活動は取らず、厚かましくも、募集もしていないのに希望して来た人や、信頼する先生からご紹介頂いた人だけで採用をして来ました。

しかし、更なる売り手市場で今年は採れませんでしたので、来年に向けては、少しは一般に合わせて、採用活動を行っていこうと思っています。

普段は、人や不動産も沢山抱える大企業は、今後より一層大変だと言っているのですが、この時期だけは、フレッシュな人が沢山入社する大企業が羨ましく思えます。

やはり、多くの人が集まるというのは、沢山のエネルギーも集まり、より大きな可能性や、実際にできる事も広がるので、ウエダ本社という本体を大きくするつもりはないですが、グループとしてや、パートナーとして、人だけは沢山集まって欲しいと思っていますし、今後は、その様な連携をドンドン行っていくつもりです。

そんな事もあって、今年は今月24日から、毎月会社説明会(参照)も行っていきますが、有難いことにSNSだけの告知で、数は少ないながらも、明らかに以前のウエダ本社では、来てもらえていなかった層の学生さんからも申し込みが来ています。

自分で起業したい!、成長したい!、ワクワク、イキイキと仕事をしていきたい!という方は、来てみて下さい。

BtoBのビジネスから、企業の内部に入り込んで閉塞感一杯の日本の会社を変えていきましょう!

と言っても、何やってる会社?という方は、こちらをご覧ください。

新年度初めの今週は、ほぼ採用に関しての宣伝でしたが、今年一般的な採用活動も行っていこうとする意志表示として、ご容赦下さい。

2018年4月1日日曜日

清水の舞台から

今週は、ウエダ本社北ビルに入って頂いている、KMユナイテッドさんとその親会社である竹延さんの入社式が、弊社ビル5階で行われました。

正確に言うと、入社式は1200年の歴史で初めてという清水寺で行われ、その前の挨拶などがうちのビルで行われたということなのですが、有難いことにその歴史的な入社式に、来賓として参加させて頂きました。

KMユナイテッドさんは、塗装業である(株)竹延さんが、独自の人材育成プログラムで、従来の“職人”の世界の仕事ではなく、未経験の女性などが活躍できる様に、仕組み化された子会社で、伝統技術継承という問題に対して、大変注目されている会社ですが、実際その入社式でも15名の内の過半数が女性でした。


うちのビルで行われた挨拶、自己紹介の席でも、竹延社長から、細かい指示というより、しつけ的な注意も行われ、ピリッとした雰囲気もありましたが、決して管理締め付け型の厳しさではなく、そこは職人の世界に入って来た若い人たちと、その人生に責任を負った社長や、ベテラン職人さんの関係からか、“育てる”という思いのこもった愛情ある厳しさの様に感じました。




そして、清水寺で初めて行われた入社式では、通常は入ることができない本堂内で、森貫主がご祈祷されるという特別待遇でしたが、これなども、竹延さんの伝統の技術継承への理念、活動に、清水寺さんが呼応されたからこそ、実現できたものだと思います。


聞くところによれば、竹延さんが同時に設立される技術訓練校では、10名の募集の所30名の応募があったとのことで、一般的には人手不足で、大手、安定志向、打たれ弱いと言われる若い世代ですが、反面で、この様に、意義ある仕事や、生き方に共鳴する層は、我々の世代よりも多いのでは?と思いますし、確実に言えることは、能力ある人がそこに向かっています。


先日、ある大学に呼ばれて、現在の大学教育に向けて意見を求められた際にも言っていましたが、戦後これまでの、教育界と経済界の求める人材評価や教育方法などについての分断から、働く人、企業、双方にとって役に立たないものになってきています。

少なくとも物が行き渡り、右肩上がりの成長が終わって以降は、明らかに求める人材や、企業側の評価も変わらないといけない筈なのに、何かまだ、物が売れた時代の呪縛から、企業も学校も、そして個人までもが抜けられていない様に思います。

これまでの価値や評価基準で勝ることができなかった中小企業や、個人こそ、思い切って振り切って展開すれば、世の中変わっていくと思うのですが。

それこそ、清水の舞台から飛び降りたつもりで、変化に向かっていきませんか?

んーちょっと締めが見えてましたね。。
精進します!(笑)

2018年3月25日日曜日

確かな光


今週は、ある会で仙台に行く機会が有り、それを利用して、沿岸地域にも足を延ばしていました。

人口比最大の被害を出したとも言われる女川町に行きましたが、その復興の様子に驚きました。
復興と言っても、まだまだ山を切り崩し、平地になった土地にトラックが行き交っており、この後、何年も工事がかかることがうかがえます。

ただそれは、今回と同じ高さの津波が来ても浸からない場所に住宅を作り、その下に商業施設、そして一番下の沿岸部には公園を作るというもので、山を切り崩した土で、沿岸部の高さを盛っている光景で、一目でこのエリアの住民の方々が結束されたのか、話し合いがうまく行っていることが分かりました。

七年とは言え、これだけのことが纏まって進んでいること、そしてそれも将来を考えての計画で、余程、住民の方々のコミュニティーがしっかりしていたのと、リーダーシップがしっかりし、皆さんが同じ将来像に向かわれているのだと感じました。

町の方に、“何故こんなに、計画立てて進めることができているのか?”と聞くと、震災直後から、町の復興には数十年もかかるだろうから、その将来の町に住む、二十代、三十代の人たちが中心に進め、五十代、六十代の人たちは、そのサポートに回ろうということが、年配者の方からあり、その様になったことと、殆どが流され、場所もなかったので、狭い場所に、商工会と漁業協同組合が入り、そこで町の決定において、密なコミュニケーションが取れたことが大きいと仰っていました。

女川町では防波堤は作らないと決められたそうですが、既に防波堤で囲まれた内側に家を建てている町もありました。

それぞれの町の事情、住民の方の考え、リーダーシップを含めた関係性などで、将来像を描けるのか、描く将来像も全く違うものになるのでしょうし、何が正解か?軽々しく言えるものではないと思います。

ただ、少なくとも女川町の、合意形成、リーダーシップの在り方、官民一体となった運営など、2040年には896もの市町村が消滅するとも言われる日本において、大きなヒントがあると思いますし、自治体に限らず企業においても、大変学ぶべきモデルだと感じました。

私も、二十代、三十代が中心となって、将来のウエダ本社を構想し、ベテランがそれをサポートしていく様な組織を創っていきたいと思いますし、実はそんなことに向けての、ネタ作り、地ならし的なことで、何かに紐づけては、あちらこちらに出かけているのです。

とは言え、年度末の忙しい時期に、この様な時間を持てるのも、スタッフ達が日々の業務をこなしてくれているからですし、そのことに感謝すると共に、それに報いていく為にも、グランドデザインをしっかり描いていきたいと思います。

我々も、何の強みもなかったからこその弱者の論理で、大手や、所謂これまでの勝ち組とされている所では気づかないことをこれまで追いかけて来ましたが、課題先進国と言われながら、まだまだ平和ボケ、贅沢病が慢性疾患の様に進行しているこの国において、変えていけるのは、大きな痛みを経験した人や、弱者の論理で考えられる人ではないでしょうか?

先日行った福島もそうですが、大変ながらも、確かな光は見えています。




2018年3月18日日曜日

奪い合う大人と、分け合う大人

福島から帰りの3.11の日曜日、新幹線の停電というトラブルで、危うく帰れなくなりそうでしたが、何とか夜中には家に着き、今週も無事過ごすことができました。

災害や事故というものは、どうしても時間の経過と共に意識も薄らいでいきます。

辛いことや苦しいことも、それが薄れていかないと消化できないので、人間にとっては必要な作用なのだと思いますが、それだけに振り返ってみることは重要だと思いますし、今回、福島に訪問させて頂いて、改めて被害を受けず、通常の生活を送ることができている我々は、自分の使命、やれることを考えていかなくてはならないと思いました。

ただ一方で、被害を受けられた方からすれば、他の人から忘れ去られるのが最も辛いことですので、当初、放射能を吸着するという効果を期待して始められた“福島ひまわりプロジェクト”ですが、その効果が無いと分かって以降も、全国の方に、ひまわりを育ててもらって、その種を福島に送ってもらうことで、いつまでも忘れられない様にすること、絆を残し、広げていくことに目的を変え、福島ひまわり”里親“プロジェクトとして継続して来られたのです。

そんなこれまでの経緯がコミックにもなって発刊され、来年度福島県全ての小中学校に、道徳教材、風化対策の教材として配布されることになったそうですので、この普及や設置などでご協力頂ける方がおられましたら、是非ご連絡下さい。

今週は、毎回五回シリーズで行っている知恵の場の最終回があり、ゲストは、「お菓子のデパートよしや」創業者の、神吉相談役でした。

お菓子の卸という、業種的には決して粗利が取れて儲かるというものではない中、創業以来50数年間、一度の赤字もないという経営をされているので、どんな経営者も、反論の余地がありませんが、お話を聞けば、一切言い訳の余地がなくなります。

創業したときに、大手にも勝つためには、誰にでもできることで、しかし他ができないことをやろうと、三つのことをやることを決めた。
それは、①他より早く店を開ける ②年中無休 ③決済を早くする ということで、それを守って来たとのことや、社長が早起きをする会社は倒産しない、早起きする人は成績が良い、30人までの会社は
代表者が普通の1.5倍働かないと駄目、などなど、やろうと思えば誰でもできることを徹底継続され、それで結果が出ることを証明されているのですから、逃れようがありません。

しかしそれだけの厳しさと同時に、人を徹底的に大事にされていて、35番でビリの人を辞めさせても34番の人がビリになるだけで、そんなことをやっても無駄、マイナスの人も役割があり、会社にはプラスを与えているとのことでした。

私が最もやられたのは、”人に尽くした場合、その時点で忘れる”ということでした。

見返りは求めていないものの、どうしても、あの人は報告もして来ないとか、こちらがやったことを全部自分のものにしている、、などと思ってしまいますが、「その人がどうするかは、その人の勝手」という言葉に、撃ち抜かれました(笑)

又、「奪い合ったら足らなくなるんですよ、でもね、不思議と分け合うと余ってくるんですな。」
「この世からはあの世は見えないけれど、あの世からこの世は見えると思うんですよ。だから、良いことをやっていると守られるんです」
「どんな親でも、一番喜ぶのは、自分の子供が幸せになることです。だから一番の親孝行は、自分が幸せになることです」などなど、凡事徹底で成功を収めてこられた相談役が仰ると、全て正しく聞こえて、自分が情けなくなるのと同時に、温かい希望というのか勇気も沸いてくるのです。


ニュースでは、毎日、国政のTOPや、超エリート官僚が、責任のなすり付け合いや、責任逃れ、力づくでの隠蔽など、醜態をさらけ出しています。

こんな人達が、被災地の人の痛みを分かって、有効な手立てを打てる筈がありませんし、こんな大人達が、子供の教育を考えていても、素晴らしい大人にはならないでしょう。

自分の利益や、立場ばかり考えている大人、力づくでねじ伏せようとする姿は格好悪いものです。

「奪い合ったら足らなくなるんです。分け合うと余ってくるので、それを皆に分配するのです」

そんなことが言える格好いい大人を増やしていかなくてはならないと思います。

2018年3月11日日曜日

マインドセットを見直して


今、東京から福島のホテルに入っています。

明日311日に開催される、ひまわり甲子園全国大会に参加する為ですが、これについては、又、改めて書く事になると思いますので、今週は東京での話にしたいと思います。

と言っても、東京での話が内容有り過ぎで、うまく纏められないですが、大変良かったのは、自分のマインドセットを見直せたことと、又、新たな沢山の人間関係資本が増幅できたことです。

まずは38日の国際女性デーにHeForShe 「マインドセットは自分で決める」~あなたはどんな生き方・働き方を選びますか~と題して開催されたセミナーに、ユニリーバの島田さんにお招き頂いて参加しましたが、そこでは、19歳で七大陸最高峰を制覇された南谷真鈴さんを始め、登壇されていた方々が、“できない”側の言葉を使わないというより、ポジティブに考えられるマインドセットが身についていて、だからこその成果と、キラキラ感を感じました。
1200人の申し込みがあったという会場には、あちこちで活躍されている方がズラリで、それぞれの方とゆっくりお話ししたかったのですが、この日は夜に、ホームズビーの嘉村さんが解説をしてブレークしている「Teal」の出版記念イベントがあって、そちらにハシゴしました。

こちらも、早稲田大学の入山章栄さん、ビオトープの佐宗邦威さんというキャストで、嘉村さんの実例の説明を入山さんが質問しながら形に描いて頂く様な、それこそ、入山さんの著書ではないですが、ビジネススクールでも学べない様な贅沢なセッションでした。

Teal組織で印象的であったのは、中長期計画すら持っておらず、その時々に、自分達は何の為に存在するのか?を考え、その都度形を変えていくという事でした。

確かに、そこでも言われていた話ですが、自然界は予定通りにならないのに、企業は予定通りにしようとする矛盾があります。

不確定な中、全員が世の中のセンサーとして動く様な組織が“Teal”という事ですが、この日の二つのセッションで、私自身の言葉の発し方や、リーダーシップの取り方を反省し、改めて、一番下でサポートしていく様なアプローチにしていこうと思いました。

9日、10日は、東京ミッドタウンのデザインハブで開催されている「地域×デザイン2018」というイベント内で、“selfTURN×Work Design Awardという賞があり、受賞企業の紹介プレゼンと、表彰式に参加させて頂きました。

こちらでも受賞者や、selfTURNを提唱された主催者の日本人材機構の小城社長など、皆さん素晴らしい活動もさる事ながら、やはり言葉が力強く、こちらでもマインドセットの重要性を感じました。

そして今まで、表彰などの場面では、私自身“若手”であったのが、今回の受賞者の中では“最年長”の立場となっており、それだけに、いつの間にやら形作られてしまった自分のアンコンシャスバイアスに気づき、改めて“若手”に負けない様、マインドセットを自分自身に問いかけ決めていきたいと思います。

明日も早いので、今日はこの辺で。。


2018年3月4日日曜日

日本の病巣を取り除くこと

今週月曜日にはウエダ本社で、リヴオン代表の尾角光美さんが”日英の自死遺族支援の発展と課題〜社会政策の視点から”という講演とリヴオンの活動報告会を行なっていました。

日英の…というのも、代表の尾角さんが日本財団の国際フェローシップで英国留学しており、その報告という事もありながら、一方で、代表であり全ての収入源とも言える尾角さんが留学してしまって、どうなってしまうの?という不安の中、講演やワークショップを見事にこなして乗り切って頂いた水口さんから、支援者に向けてのご報告という会でした。

「乗り切って頂いた」と私が言うのも妙な表現ですが、私はこの財団の理事でもあり、又、そう言うと、ボランティア?社会貢献?という尺度でも思われると思いますが、そうではなく、年間3万人もの自殺者を出すという事は、経済的発展を遂げて来た日本の病巣であり、”働く”を考えていく我々にとっても、本質的に考えていくには”生きる”について考えていかなくてはなりません。
そして、”生きる”を考える為には、必ずある”死”というものも意識して、だからこそ、自分の人生をどう生きるのか?又、先祖から脈々と受け継がれて来た自分の命をどの様に捉え、その受け継いだ自分の時間をどの様に使っていくのか?から考えていかなくてはならないと思っています。

ましてや日本の自殺のもう一つの特徴である、中高年男性が多いという問題は、働き方、企業環境が大きく関わった話ですので、ウエダ本社としてもど真ん中の領域であり、これを本質的に改善していこうと思えば、企業を取り巻く社会環境、消費者(国民)意識から変えていかなくてはなりません。

そこには、哲学的思考や宗教心なども大きく関わる話で、そんな所から見直していかなくてはならないと思います。

今週は、発達障害や働きづらさを抱えた方の就職支援をされているエンカレッジさんの授業で、生徒さん達が職場見学に来られていましたが、そこでも我々の展開というよりは、まずは”働く”という事について、”仕事をやらなくてはならない“という感覚ではなく、少しでも自分の適正、やりたい事をイメージしてもらえる様に話させて頂きました。

三ヶ月に一度行なっている社員面談も今週で終わりましたが、今回の面談で一番嬉しかったのは、二年前に高校からの新卒で”二十歳“で入社した社員の圧倒的な成長でした。

その前からもあるにしろ、三ヶ月前の面談からの成長度合いに驚きましたが、高卒で二十歳という通り、彼は中学では荒れ、高校では約一年半引きこもっていました。

以前これはブログでも書きましたが、高卒採用で大きな問題だと思うのが、基本的に一回で決めないといけないという事と、これは大卒でも同じですが、今の時代、プライベートに関する事を何も聞いてはいけないという事です。

大事な人生が掛かってるのに、そんな馬鹿な!と言って、学校にも本人にも、私はトコトン聞くという事、可能な限り何度か来てもらうと言って、結果、彼が引きこもりを克服して二つ年下と一緒に卒業して来た事、じっくり話すと、恩返しという言葉が出てくる事に賭けて、採用枠を増やして採ったのですが、今回の面談で、彼が目的さえ決めれば、先輩達と比べてもしっかりやる事や、現場など、特に若い人がやりたがらない様な事を全く厭わず向かう事について、何故、そうできるのか?を聞くと、この二つ下の人達と混じって卒業を目指すと決めた時に、負けたくないという意識や、遅れていた事を取り戻したいという目標に対してやる事の癖づけができたのでは?との事でした。
又、彼は現場で年配の職人さんからも評判が良いので、その事も聞くと、現場というのは、所謂、3K的に、キツイ、厳しい所で、何も作れない我々は、その職人さん達にやってもらうしかないので、少しでも気持ち良くやってもらえる事を意識しているとの事でした。

一回の、殆どプライベートの事が聞けない面接では、うちの会社でも採用はできなかっただろう人物が、二年の間でこれだけ成長してくれているという事、そしてそんな成長ができるのも”働く”という事の素晴らしい所です。

一回の面接で、根掘り葉掘りも聞けない中で、どんな人かどうやって分かるのでしょう?

そしてそんな人を、表面だけ、成績だけで見ていて、業績だけ追いかけてやっていけば、おかしくなるのは当たり前だと思います。

いつも帰結は同じで恐縮ですが、今大変な問題だと思うので言い続けますが、働き方改革は時間だけの問題ではありません。

それらは働く事は悪い事の様なイメージを与えかねない、人も含めて、様々な事に対して、表面だけでしか判断できない、社会全体の問題であり、そんな病巣を取り除いていかなくてはならないと思います。

2018年2月25日日曜日

二つの東京

今週は久しぶりに、東京に三日間おりました。

メインの用事は”本業”で、富士XEROX社の年間表彰式出席でしたが、その前後で色々な方と会い、又沢山の刺激を頂いていました。

短期的な目的や、やるべき事で詰まったスケジュールではなく過ごせるのは大変有意義ですが、ネットで情報格差が無くなったとは言え、良くも悪くも時代の流れを生み出す東京で、直接肌で感じたり、実際やっている人と話をする事など、今の”仕事”以外の時間を取る事の重要性を色々と感じました。

今朝も、一緒に表彰式に参加していたスタッフに、この間の私の動きと、何故そんな事を
やっているのか?訳分からないであろう私の動きも、ちゃんと考えて”仕事”しているという正当性を主張していた(笑)のですが、そんな時間も、普段の会社ではなかなか取れていませんでした。

今年の富士XEROXさんの表彰式では大変嬉しい事がありました。

今から10年前、うちの会社が三年連続日本一になった際、この表彰式での私のスピーチに刺激を受けたと言って頂いた方が、その後、元の会社と同じ商圏内で独立された為、XEROXさんとは取引できず、他のメーカーで販売して来られたのですが、その販売力が認められ、昨年XEROXさんの方から取引の申し入れがあり、その翌年の今年、表彰式に参加できる実績を上げて、出席されていたのです。

“あの時のスピーチを聞いてなければ、自分は道を間違ってました”とも言って頂きましたが、実際ずっと、うちの展開や、このブログなども見て研究して頂いた方が、見事な成績を上げて来られた事は、私自身感慨深い事でした。

実はその時のスピーチというのは全く業界感覚からすれば非常識な話で、その時おられた500名程の業界関係者の殆どの方は意味が分からなかったと思うのですが、ビビッと来たと言われて、ここまでやって来られたのですから、その方が凄いのであって、実際スピーチしていた私は、そこから一進一退の状況で、お恥ずかしい限りです。

“道間違っていたかも?”というのは、”成果主義で売れば良い”という経営者になっていたかも?という意味だと思いますが、短期的にはその方が儲かったかも知れません。

ただ、社員さんを人材=販売する材料でコストと見なす経営ではなく、人を資産と考える経営に転換されて、着実に伸ばして来られたスタイルは、この先長い目で見れば必ずや、人的、地域の共感などの資産を蓄積していかれるものと思いますし、我々自身も、この会社さんの成功を見て、自信を持って進んでいきたいと思います。

土曜日には、六本木ミッドタウンのデザインハブで開催されている地域×デザイン2018というセッションに参加して来ました。

基調講演では数々の企業再生に関わって来られた冨山和彦さんが、”日本の伸び代は経団連企業ではない” “世界に対して地方の方が先端的”であるなどと仰っていましたが、正に、働き方を考えるにおいても、地方の方が本質的な事を考えていけると思います。

又、日本人材機構の小城社長は、SELF TURN プロジェクトについてお話しされていましたが、SELF TURNとはIターンやUターンという場所の話ではなく、働き方=生き方と捉え、本来の自分に帰って、”自分らしく働く”を見つめることだと仰っていました。

これが、六本木のミッドタウンで話されている所が面白いのですが、あの馬鹿馬鹿しい、多大な時間をかけて、それこそ長時間労働の権化となる様な付加価値の低い永田町での働き方の論議をしているのも東京、地方が最先端と論議しているのもやはり東京です。

前者の価値観での東京は、残念ながらアメリカには勝てないどころか中国にも負け、この先インドなどにも負けていくでしょう。

しかし後者の価値観の東京は、大きな可能性がありますし、この感覚が今後の日本が進んでいく道だと思います。

10年前の私のスピーチを聞いて頂いて、道を間違えないで良かったと思ってもらえるのも、後者の価値観と共通するものがあると思います。

この地域×デザイン2018は3月11日まで開催されますが、3月9日には私も登壇させて頂きます。

お時間許せば、後者の価値観の東京を感じに来て下さい。

2018年2月18日日曜日

スマートテロワール構想の一助に

今週、カルビー創業家で元社長の松尾さんが急逝されました。

晩年というか、亡くなる瞬間まで、美しく強靭な農村自給圏を作るとしたスマートテロワール構想をぶち上げ、過疎地域と言われる様な農村でも奔走しておられました。

私はある勉強会でご一緒させて頂いており、仰っておられる構想は哲学的でなかなか理解するのが難しかったのですが、やはり一方で、そのお話が難しい?ながらも、尊敬するアミタホールディングスの熊野会長が仰っておられる循環型社会と同じ様にも感じて、年代も一世代違うお二人が繋がれば、この大構想も現実味を帯びるのではないか?と、誠に僭越ながら、四年程前だったか、お引き合わせする場も設けさせて頂いていました。

昨年松尾さんが、熊野会長が作って循環型モデルとして展開しておられる南三陸に訪問されたというお話も聞いていて、これからとも思っておりましたので、誠に残念でなりません。

この勉強会というのは、伊那食品の塚越会長や、カルビーの松本会長もメンバーという凄い会なのですが、実はジョンソンアンドジョンソン日本支社長を務められた松本さんを、上場を託してカルビーに迎えられたのは松尾さんであり、何とこの会の繋がりからそんな
凄い人事が生まれていたのでした。

昨年の京都流議定書の基調講演に松本会長にお越し頂けたのも、実はこの会のご縁だった
のですが、数少ない本物のプロ経営者と思える松本会長と、オーナー家としての松尾さんの関係は、成熟した大人の資本主義というのか、日本ではなかなか少ない、経営とオーナーの見事な関係を垣間見る事もできました。

”カルビーはいい会社だったが、経営がなっていなかった”と松尾さんの前で、松本会長は平然と仰います。
しかし、そんな事を皆の前で言われても、松尾さんもまた平然としておられたのですが、それには、カルビーは経営が下手だったと平然と言い放たれる松本会長も、理念や会社の価値観は、創業家である松尾さんにしか語れないという、オーナー側に対してのリスペクトがあって、企業のフィロソフィーを語っていく人と、その上でリソースを使い、その価値を最大化する経営者とは役割が違い、それぞれのプロがその役割を果たすべきだという事をお互いが認識されていたのだと思いますし、そんなカッコイイ関係から、資本主義や株式会社とは?というものを勉強させて頂けた様に思います。

そしてその勉強会が、今週京都で開かれていて、マイファームの西辻さんがゲストでした。

実はこの西辻さんの事も、数年前に松尾さんに、”こんな若者がいますよ”と話をすると、是非、紹介してくれと仰っていたのですが、こちらはなかなか実現できておらず、この日のゲストで漸くそれが実現できると思っていました。

そんな事などから訃報を聞いた際には、色々な意味で”間に合わなかった”と言うのが、率直な想いでしたが、今回のマイファーム西辻さんの話は、以前から知っていた私自身も、改めて感服する、構想力と展開力で、大げさでもなく日本の農業を救う存在になるのではないか?と感じましたし、松尾さんも近くで聴いておられて喜んで頂けたのではないか?と思います。

農村には資源が豊富にあり、15兆円産業が創出できると唱えられていた松尾さん。

そのご冥福をお祈りするのと共に、その方向に向けていく人たちと連携しながら、私なりにスマートテロワール構想の一助となっていきたいと思います。

2018年2月11日日曜日

愛され必要とされる企業に向けて

今週末は、何年来の寝不足を解消したんじゃないか?と思うほど、寝ていました。

というのも、実は先週末はインフルエンザにかかり、出勤可能となった今週火曜日から東京で講演二件、翌水曜は朝から二件のミーティングを行った後、京都に戻ってウエダ本社で開催するセミナーに出席、その後ゲストに出て頂いた方々と懇親会後、翌朝からは水俣市へ向かってこちらでも講演と、ビジネスプランに対してのコメンテーターという役割で、二次会終わって、その日は夜の12時にチェックイン。
翌日は、ビジネスプランに参加されていた企業さんや、水俣をご案内頂いて金曜日の夜に戻り、そこから土曜日一日、ほぼ寝ていたという状態でした。

普段、これだけ講演が重なる事などないですし、そもそも、東京や水俣に出向いてで、一体、何の関係?何の為に?といういつもながらの???だらけだと思います。

東京での一つは、北海道田舎活性化協議会という所でのテレワークなど、田舎での働き方の可能性についての話でしたが、後は、”愛され必要とされる企業” ”四方よし経営”というテーマでのもので、いずれもウエダ本社としての考えをお話させて頂くものでした。

それにしても、主たる生業を”京都”で行っているので、全く関係無いと思う方が殆どでしょうが、事業を行うにおいて、我々の考え方が受け入れられるのかどうか?が生命線であって、そもそも受け入れられなければ、何処の地区であろうと存在価値はなく、逆に言えば、世の中に受け入れられる考えで展開していく事ができれば、何処の地区でも、どんなビジネスでもやる事は可能で、言ってみれば我々の考えを広める機会、披露する機会を頂いているのだと思っています。

いみじくも、一旦京都に戻っての自社セミナーは、我々のオフィスについての考えをサポートして頂いている方々や、それを丸ごとご導入頂いたご担当者さんにお越し頂いてのもので、お陰様で大盛況でしたが、それとて、まずはウエダ本社としての考え方をベースにしっかり持たないと、単に、インテリアコーディネートしただけとなってしまいます。

東京では、WE WORKが進出し、大手企業も、遊休資産をコワーキングスペースに展開するという方向に向かっています。

これからどんどん働くスペースは過剰になっていくでしょう。

又、人手不足と言っている状況も、近いタイミングで転換し、人も余り出すでしょう。

そんな時代に向けて、ウエダ本社では、”愛され必要とされる企業”、”四方よし経営”を行う企業を増やし、そんな企業の働く環境周りを、常に構成していける存在で在りたいと思います。

長らくの睡眠不足を解消して、クリアな頭で又新たに考えて参ります!







2018年2月4日日曜日

巻き込み力、共感、コミュニケーション

今週も月曜日から千客万来でしたが、やっぱり、人の繋がり、コミュニケーション、巻き込み力、共感などを考えさせれた一週間でした。

月曜日には、プチ京都流議定書?とも言っていましたが、南ビルでテラルネッサンスさんの主催イベントがあり、鬼丸さんの講演と、変な感じでしたが、私がゲストでの対談を行っていました。

北ビルでは大久保寛司さんの人が輝く経営セミナーがあり、両側とも、普段は有料でお話されておられる様な方も沢山一般参加でお越し頂いていました。
こちらのゲストは、カンボジアで活躍するナチュラルバリューの加藤南美さんでしたが、寛司さんの職人ファシリテーションもあっての事でしょうが、皆さんに衝撃を与えられていた様です。

私は、それこそ予定が重なっていましたので、殆ど聴けなかったのですが、翌日改めて、加藤さんが訪問してくれた際に話を聞くと、元々、カンボジアの孤児の支援に乗り出した彼女が、幼児からの教育が大事だと2500坪の土地を借金して買い、そこに幼稚園とフリースクール、農園などを併設した施設を作るそうなのですが、その式典に、フンセン首相の側近や妹さんまで駆け付けられたそうで、警備の軍関係者、黒塗りの車で埋め尽くされたそうです。

寛司さんの言い方を借りれば(笑)中学から全く勉強もしてなかったギャルが、20代で単身乗り込み、三か月足らずで英語を習得し、それをステップにクメール語も三か月程で覚え、現地の人に入り込んで、本気で喧嘩もしながら、活動をする姿を見て、地元の行政が、この団体は真面目にカンボジアの事を思って活動してくれていると中央に報告を上げて、首相側近までが駆け付けるという事になったそうです。

それこそ、金ない、コネない、言葉もできない無い無い尽くしで単身乗り込み、数年で国まで動かす様な事ができるのですから、その巻き込み力にはただただ感服させられます。

一方、同じカンボジアでも活動する、NGO業界ではもう老舗?的な存在であるテラルネッサンスさんですが、果たしてそれは良い活動をやっているからだけでそんな存在に成りえたでしょうか?

良い活動に支援してもらうだけでは、続きようがないですし、それを越えていこうとすれば、やはり巻き込み力とその為にものコミュニケーション力が必要だと思います。

鬼丸さんとのセッションでは、ブログなどでは何度も紹介していますが、私が七年前にオムロンさんを紹介して以降、毎年続いているオムロンさんでの講演後には、必ず、未だに報告とお礼を言って来てくれている話を披露していました。

加藤さんにしても、私が寛司さんとのセッションを聴けなかったから、別途ご報告にと翌日寄ってくれたのですが、彼女も会う度に全ては京都流議定書が切欠だったと言ってくれていて、そういう事を大事に考えられるのだと思います。

良い事やっているから、、、という、実はこういう団体が大変多いですが、それだけでは最初の支援くらいは何とかなっても、共感して巻き込まれるという所には至らないでしょう。

と、偉そうに言ってますが、私も、それだけスタッフを巻き込めているのか?というとまだまだできてませんし、社内や、グループなどでは、コミュニケーション不足というか、自分スタンスの考えが払しょくできず、今週もその対応で時間を取っていました。

今週あるスタッフが、今年新人の台湾人デザイナーは、必ず報告をしてくれると言っていたのですが、私も同様に、むしろ彼女が一番できていると感じていました。

その京都造形大卒の彼女が、昨年卒業制作で作った映像作品が、ある方の目に留まった様で、今年もその作品を流す事になったそうです。

私は、そこに思いが至らなかったのですが、オープニングにお花を送らなくていいでしょうか?と言って来てくれて、そのスタッフらの気づきが嬉しかったですが、そんな風に思わせてるのも、この新人スタッフの普段からの対応、人柄から来ている面もあるのではないかと思います。

巻き込み力って、当然、権威や力がないとできないわけではありませんし、加藤さんや鬼丸さんの例でもそうですが、うちの新人スタッフを見ていても、普段のコミュニケーションの持ち方から作っていけるものなんだと、今週は色々と勉強させてもらいました。




2018年1月28日日曜日

第四次産業革命に向けて

今週はいつも?の、ソーシャルビジネス関連の訪問の他、来週以降にある講演、登壇についての打合せが数件ありました。

1月29日テラルネッサンスの鬼丸さんとのセッションから、2月6日には東京で二件の講演、翌7日は会社に戻って「GOODPLACE 人をいかす。未来をつくる。」というウエダ本社主催のセッション、翌8日には熊本の水俣市にお呼び頂いての講演と、集中してあり、又、何をやっているの?という声が聞こえてきそうです。

しかし本人はいつもながら至って真面目に本業に邁進しているつもりです。

講演というと偉そうですが、お受けしているのは、大学の授業を含めて「働く」「働き方」に関してのもの、オフィスについての考え方のものが殆どで、一部に地域活性というものもありますが、これも自分の中ではオフィスや企業の展開と同じで、東京⇔地方という関係は、大企業⇔中小企業、数値化された価値⇔数値化されない価値(量⇔質)という構図で、全てウエダ本社としての価値観、本質を追いかけるものに繋がっているのです。

今週は、個人的にお付き合いのある政治家の方を囲んでの勉強会もありました。

世界に目を転じると第四次産業革命と言われる中、中国が長期的視野と強権政治において、人工知能、AIIOT分野など今後の成長分野に資本を徹底集中させている様子を聞きましたが、何においてもメリハリをつけられない、悪いところ取りの平等意識の強い日本では、とても太刀打ちできないと感じます。

そこでも話がありましたが、AI、ロボット化によって、企業、経営者はそれら技術を使って、極端に言えば人を使わずに成績を上げるという事も可能で、当然、企業間格差は広がっていくのですが、それよりも深刻なのは働く側で、クリエイティブか本当に単純な作業しか、人のやる事が無いという事も予想されるので、雇われる側の人、これから働く学生ほど、真剣に自分の事、今後の事を考えて欲しいと思います。

そんな中、既存モデルから、悪いところ取りの平等意識と、ある面、日本が最も危機であるにも関わらず蔓延した平和ボケ感覚の中で、働き方改革を進めて欲しくない!、そんな事でやると、取り返しがつかなくなるとの思いで、少しでも本質的な事を考えていく事、そんな事を発信できる場には出ていっているのです。

ウエダ本社として一枚岩でそんな事を伝えていかないと、間に合わない!という危機感もあって、自社でもスタッフにこんな事ばかり言っていますが、内部に伝えるのはなかなか難しいものですね。

右から左に聞き流している、うちの息子達にも、伝えられる様に精進します。

2018年1月21日日曜日

短絡的、表面的思考の戒め

今月20日でトランプ政権も1年が経ちました。

殆どの新聞、テレビのニュースでの表現は、過去最低の支持率37%と言い、支持しなくなった有権者のコメントなどを載せて、支持が落ちているという報道をしていますが、以前から、これらの報道には違和感を持っていました。

その中で、日本テレビのニュースで、トランプ支持層の多かった地域でのインタビューを流していましたが、驚くほどトランプ支持が揺らいでおらず、やっぱりそうかと思いました。

と言っても勿論、トランプ政権が素晴らしいなどと思っているわけではありませんし、日テレのこの報道にも、編集する方向もあったと思いますが、これまでの多くのマスコミの意図的なのか一面的なのか、偏向報道が気になっていたので、この特集は初めて納得した気がしました。

何を言いたいかと言えば、就任直前の支持率でも40%という報道もあったのですから、逆にこれだけの暴言、日本だと一発で退陣という事を何度も重ねて来て37%という事は、"殆ど下がっていません"という表現の方が近いと思いますし、そこには日本では分からない、岩盤の様な支持なのか、それこそ理解できない怒りの様なものがあるのか?と私などはそこに関心を持つのです。

ところが、短絡的なのか、政治的なのか、トランプ大統領の支持が下がっているという方向づけをしたいという事が見える表現で、しかも、全部と言ってもよいマスコミがその様に言っている事に、政治的、意図的に動いているのであれば恐ろしい事ですし、一方でそんな深くもなく、短絡的になっているのであれば、これもどうしようもない話で、どちらにしても大変危険だと感じます。

それを又、益々短絡的、表面的にしか捉えられなくなっている人達が鵜呑みにしていくと、良い方向に向く筈がないので、本質を見る目、言われている事の行間を読む様に意識していく事が益々重要になってきていると思います。

 大河ドラマでは西郷隆盛が始まっていますが、あの時代の人達がこの国の行く末を真剣に考えていたのは、ドラマや本で脚色されているからだけでしょうか?

昨今、政治家にしても、大企業がおかしくなっていったのも、大きな理由の一つには、自分の代の事しか考えなくなったからだと思いますが、一方で受け手の国民側も、スピードや結果だけを追い求め、マニュアル化して、目の前の対策ばかりで、表面に現れた事だけで判断する様になってしまった社会全体が問題なのだと思います。

今週、ウエダ本社で行なわれていた経営品質実践塾で、最近よく話題にしている、能楽師の安田登先生が来られて、お能は、世阿弥が天才でなくてもできる様な仕組みを作り、そのお陰で650年続いているというお話をされていましたが、もう物質的な大富豪であるトランプ大統領には、次世代以降に安全な世界、綺麗な地球を残すという事で名を残す事に、名誉欲を感じてもらえないかと願います。

とは言え、そんな事に期待していていても始まらないので、我々自身、自分と違う事に攻撃的になってしまいがちな、短絡的、表面的思考を戒め、しっかりその背景や、裏側を考えていける様にしていきたいと思います。



2018年1月14日日曜日

ワクワクしませんか?

今週も、年始挨拶での来客や賀詞交歓会もあり、業界や身近な所の話も聞いていましたが、我々の周りでも、好況であるという話が多い様に思います。

京都も観光関連だけではなく、半導体関連を中心とした製造業、バブル期以上に沸いている建築業や不動産業など、中小企業においても過去最高益という成績の所も多いのはないでしょうか?

そんな中、ウエダ本社は?と言えば、そんな波には乗れていません。

一つには、我々は企業相手なので、企業が好調になって、色々な投資をされていく中の最後に、オフィスもそろそろという順番になるので、かなりの時差があるという事と、時差の問題であればまだいいのですが、オフィスはプロフィットセンターではない(お金を生まない)ので、必要な物だけ、しかも安く仕上げるのが計数感覚に優れている経営者となってしまう事も多く、我々の様なディーラーには価値が無いと思われるからです。

そしてもう一点は、経営者、つまり私の問題だと思います。

前者の理由は状況説明であって、それだけ景気が良くなっているのなら、そこに合わせていくのが優秀な経営者で、消費者向けでも儲かるのであればやるべき!という考えもあるでしょう。

現に我々の会社のある五条通りは、ほぼ100%アジアからの観光客を乗せた観光バスが毎日着き、着付けをしてもらった人で溢れており、その人達を狙ってドラッグストアなども出店したりしています。

自社ビルを利用して、そんな観光客向けのビジネスを!とやってもおかしくはないでしょうし、利益追求を目指す経営者であれば、勿体無い、という事なのかも知れません。

しかし、どうしても、そんなお金(利益)を先に目指した方向には、興味が無いというのか、全くワクワクしないので、スタッフには申し訳ないのですが、こちらは私の問題です。

と言いつつも、前者理由の時差については、少しづつオフィス環境の段階に来ていたり、オフィスなんてお金を生まないからという考えではなく、働き方改革始め、働く環境を考えていかないといけない状況になっていっているので、目先の儲けに走らず(笑)、頑なに想いに向かってきた我々をご評価頂くケースがいくつも出て来て、存在価値という面では作り出せて来ていますし、こちらの方がワクワク感があります。
と、この景気感の中、まだ成績を上げていない経営者が言うと負け惜しみにしか聞こえませんが、目先の利益、又は自分の利益のみを追求する姿はとても美しいものではないですし、そんな為に人は生まれ、会社は営まれるのではないと思います。

年末からお正月にかけて、NHKの人体の特集番組を、それこそワクワクしながら観ました。

タモリさんと共に京大の山中教授も司会をされている番組ですが、そこでは、人体の中で脳がほぼ全ての指令を出していたとこれまで考えられて来たのが間違いで、各臓器から様々なメッセージが脳や、各臓器間でも送られていて、日々何事も無い様に生きているという事なのです。

こんな事を聞いても、やはり、管理、指示、命令型のTOPダウンや中央集権型というものは、生命体の摂理からしても、本来の人の習性には合わないのではないか?人の可能性を殺していまっているのではないか?と思います。

そして、山中教授もまだ人体においては10%も分かっていないと仰っていましたが、誰が創り出したかは分かりませんが、こんなプログラムで創られた生物は全て素晴らしいですし、そんな中でも人間というものは、どんな人でも、どれだけの価値があるか?に想いを馳せると、人としてどうしていくのか?見え方が変わってくると思います。

そして、その”人”が全ての営みを形成する基盤となる仕事、そしてそれを彩る働く環境をどの様にするか?を摂理から考えて進めていく事、それが我々の目指す役割なのだと考えるとワクワクしてしまいます。

でも、そんな事考えてるから、なかなか儲からないし、ウエダ本社って、何の会社?とまだ暫くは言われ続けるでしょうね。

スタッフの皆も大変でしょうが、そんなワクワク感を一緒に楽しんでほしいですし、まだまだ多くには理解頂けないこんな方向にワクワクする!という方、色々な形でご一緒しませんか?

2018年1月7日日曜日

2018年からのミッション

年明け最初の週は一日だけの出勤でしたが、今年も週末ブログ続けていきたいと思います。

今年の大企業TOPの年頭所感では、やはりイノベーションや働き方改革に関する話が多かった様に思います。

又、今月召集される通常国会は、働き方改革国会と位置付けられるとの事で、まずは、時間外労働の時間規制の問題から進んでいく事になるでしょう。

しかし、PDCAで物事を進め、稟議書に時間を要し、失敗するリスクを負えない大企業で、どの様にイノベーションを起こすのでしょう?

時間規制をして、女性、障がい者の雇用の比率を法律などで定めても、個々それぞれの強みを見る目、受け入れる環境や、関係性が無ければ、余計に摩擦を生み出す事になると思います。

それらの流れが悪いと言うつもりはありませんが、本質的な改革をするには、国や大企業ではハッキリ言って無理だと思います。

実は私自身、30歳で独立した理由の大きな要因が、自分がどんな人生にしたいか?を考えた際、海外を転々としながらも仕事をして行ける人生にしたいという事であり、英語もろくにできないのに貿易を行いました。
そんな人生設計から考えての独立であったのに、その後入らざるを得なくなったウエダ本社は、倒産の危機に直面していたのでした。

倒産させない為には、事業を通して社会の役に立つ事を考え、ずっとウエダ本社が関わってきたオフィス(企業)に目を向けると、そこは、管理された如何にも息苦しい環境で、人の個性、やる気、連携など、全く考えられていない様に見えました。

そんな自分自身の背景から、追いかけて来た事は、働くというのは、会社勤めであっても決して人から決められるものではなく、それぞれがそれぞれの状況に応じて自分で決めるものだという事で、その様に選択できる事が一番豊かな事であり、そういう社会に向けていく事こそ、本質的に目指さないといけない働き方改革だという事でした。

2000年からウエダ本社に常勤として関わり、2003年から現体制で少しづつ進めて来た事が昨年あたりから漸く繋がり、社会のニーズにも合致して来ています。

この、ずっと追いかけてきたものを、制度や形式が優先する、世の中の大きな流れにかき消されない様に進めていく事、ハッキリと見えている本質を追いかけて、素晴らしい中小企業の働く環境全般をコーディネートしていく事が、2018年以降のウエダ本社のミッションです。





2018年1月3日水曜日

ウエダ本社としての「心」

新年あけましておめでとうございます。

来年4月で終わる事が決まっている平成の30年が幕開けしました。
又今年は、明治から数えて150年という年だそうですが、日本にとっての近代というものはまだそれだけの年月しか経っていません。

ウエダ本社は今年5月1日で満80年を迎えますが、150年の近代史の中で、その半分以上の年月を生きてきた重みを感じ、これから迎えていくであろう、大きな変革にも対応していきたいと思います。

今回の天皇陛下の退位も、近代史においては初めての事で、これも少子高齢化社会での継承という問題や、システムを守っていく為の枠組みなど、一般社会の問題ともリンクして、これまでの150年とは、違う時代に入っていく事を表している様に思います。

世界に目を転じれば、昨年1月のトランプ大統領就任以降、世界各国での極右勢力の台頭など、一気に不穏なムードが漂っていますが、今年もこの流れはまだまだ進んでいくでしょう。

これら西欧の近代史も、産業革命からまだ二百数十年、世界初の株式会社と言われる東インド会社設立からでも約400年しかない中での勢力争いから、大きな危機を迎えていますが、そこを脱するには、大きなパラダイムシフトというのか、次元を変えて考えていかなくてはなりません。

甲骨文字やシュメール語などの研究者でもある能楽師の安田登さんによると、今から3000年前の紀元前1300年頃に文字が誕生し、文字の誕生とともに、「時間」、「論理」、そして「心」を生んだそうですが、生まれたばかりの「心」の意味は至ってシンプルで、未来を変え、過去から学ぶ力であったそうです。

未来を変える力が「心」の作用とすると、「不安」が副作用で、その副作用の処方箋を与えてくれたのが、釈迦、イエスや、孔子であり、文字誕生前後の世界を読み解いていくと、これからの世界がどう変わるのか?人がどうしていくべきなのか?を考えるヒントとなると仰っています。

戌(いぬ)という字は、滅という見方もあるそうで、世界情勢を見ると危険な感じもありますが、一方では、作物を刈り取って一纏めにして締めくくることを表したそうです。

ウエダ本社としては今年、しっかりと作物を刈り取り、平成という時代を締めくくって、新たな時代に向けて、ウエダ本社としての「心」を磨いていきたいと思います。




2017年12月30日土曜日

一年って、色々あります

一昨日(28日)ウエダ本社も今年最終日でした。

営業終了後の忘年会では、各リーダーからそれぞれスピーチもありましたが、何となく、それぞれが手応えを感じてくれている事が分かったり、若手の成長、ベテランの意識変化なども感じられ、大変嬉しい締めくくりとなりました。

昨年最後のブログでは、”弱音を吐きます”として、体制的に崩れかねない可能性もあった事を書いていたのですから、一年というのはアッという間でありながら、やはり、それだけの展開をするものなのだと痛感します。

振り返れば、その弱音を吐いたブログにある様に、今年はコピー機販売を中心とするチームの中堅メンバーが退職する事からスタートし、重苦しい幕開けでした。

そこの所は、メインの富士ゼロックスさんが、京都としては初めてで、全国的にもあまり例が無い、”ウエダ課”というものまでを作り、人を送り込んで穴埋めして頂きました。

又、もう一方のオフィス系中心のチームは、従来とは少し違う流れが起きていましたが、その流れを加速させる話がありました。

3月31日京都信用金庫様から直ぐ来てくれとのお電話を頂き、行ってみると、明日4月1日から組織を大幅に変えるが、その意志を形に表す様にできるか?というものでした。

京都信用金庫さんは、この以前から、営業の数字ノルマ廃止を宣言されたり、”ソーシャル”という分野では最も理解があり、実際に自らも様々な取り組みをされているのですが、それだけにウエダ本社の展開もご理解頂いており、大変光栄な事に、この組織変革の意志を表せるのはウエダ本社だろうと、役員会で数名の方が言って頂いてのお声がけだったそうです。

お話を聞くと、確かに、その改革の意志を心底理解できるのは、”うちしかない”とは自信を持って思いましたが、何せ多分、全国的にも例の無い様な、金融機関の中枢部をオープンでフラットなコンセプトで、しかも通常はセキュリティーの関係から、金融関係に強い業者さんで行っておられる所を、我々の様な所に任せて頂くという事には、正直不安もありましたが、結果的には、スタッフ達が見事に具体化し、ほぼ問題も無く仕上げてくれました。

そこには、京都信用金庫さんのご担当の方々の多大なご協力と、大幅に変わる事に対して、実際働いておられる方々のご理解があった事が大きな要因で、仕事をさせて頂きながらも良い組織の姿も学ばせて頂きました。

世の中の働き方改革の大合唱と、それに関連してのオフィス(職場)に対する考え方の変化の波もあり、この案件を境に、単にモノを購入して頂くのではなく、全体をコンセプトからお任せ頂くというケースがドンドン起こって来ています。

そんな経験や雰囲気から、皆が口々に、”来年は楽しみ”という話をしてくれたのだと思いますが、私の方はそんな皆の成長を見て、来年は、もっと長期に向けて、ずっと唱えている本質的な働き方改革に繋げていく動きをしていきたいと思います。

今年ほど、外部の方々の力に助けて頂いたり、集まって来て頂く方々との連携が生まれてきた年は無かったですが、このオープンソースと、何よりもそれを実現する共感、信頼、というものがベースとなった力を、来年以降、”働く”という中で、形に表していきたいと思います。

そんなウエダ本社を来年もよろしくお願い致します。

そして、共感して頂ける方、来年もドンドンご参集下さい!


2017年12月24日日曜日

宇宙へのattention

昨日は毎年恒例となった、12月23日のミラツクフォーラムに参加していました。


正直今年は休ませてもらおうかと思ったのですが、やっぱり行って良かったです。

朝から登壇者だけでなく参加者でも、それぞれで活躍されていたり、その筋では最も権威?という表現は合わないですが、第一人者や、注目されている方が沢山おられて、話をするだけで忙しい状態でした。

それが二会場に分かれて、ランチセッション合わせて9つのセッションをやるのですから、両会場とも聴きたいという事で行ったり来たり。
休憩時間には、知っている人の近況聞いたりで、息つく間もない8時間半でした。

こちらもこの数年恒例になってきた井上英之さんと大室悦賀さんの基調対談では、ソーシャルイノベーションの限界という所からスタートしました。

attention(注意)の容量は決まっているので、自分が何にattentionを向けているのか?に気づくawareness(意識)が大事で、それが起こるとchoice(選択)が増え、actionにつながって結果が出る、それが欲しい結果で無ければ、attentionの向け方を変えていくという事で、awarenessがないと同じ行動を繰り返すとの事でした。

NPOやソーシャルビジネス(イノベーション)はどうしても個別課題に閉じてしまうので、そこだけでは解決につながらないという話でしたが、それだけに、それぞれでattentionを向けて行動している人や繋ぐ人、研究する人などが一堂に集まる、こういう場が大変重要なのだと思います。

いくつかのセッションで共通するのは、”ゆらぎ”の重要性でしたが、やはり私のattention的には空間の話がドンズバで、日建設計の塩浦さんは、20世紀は自動化に向けて来たが21世紀は自在化がポイントで、都市のパブリックスペースにオーナーシップメントを持つという考え方になるとのお話でした。

働くの語源も、日本では傍(はた)を楽にする、という事が言われるが、はためく(ゆらめく)が語源だとの事で、本来はそれぞれが勝手に動いているのが理想なのではないか?とのことでした。

毎年恒例のミラツクフォーラムも"ゆらぎ"を持ちながら、進化しているのを感じましたが、それを一番感じたのは、最後の「テクノロジーの未来と社会デザイン」のセッションで、理化学研究所の方など理工系の研究者が多く参加されていた事です。

そのセッションでA.T.kearney プリンシパルで、宇宙ビジネスでの、つながりを創っておられる石田真康さんによると、宇宙の研究者のパターンの一つは、日本が〜とか、地域が〜という事に全く興味がなく、人類はどうなる、地球が〜、宇宙が〜という事に興味のある人達だと仰っていたのが印象的でした。

都民ファーストというのも有りましたが、米国第一や、世界の覇権を狙う北朝鮮なども、国家レベルでの事を考えるのではなく、全生物にとってとか、宇宙が〜という方向にattention を向けてもらえないかと思います。

核の開発よりも元素や素粒子の研究から宇宙に興味を持ってもらえると、世界も変えられないでしょうか?

ウエダ本社の社是は、「宇宙を想え人愛せ」だという事にattentionを向けていきたいと思います。



2017年12月17日日曜日

だからこその価値

今週は、先月分の土曜日出勤を振り替えて、サイレントボイスという団体に無言語コミュニケーションhttps://denshin.silentvoice.co.jp/ の研修を、まずはトライアルで社員向けに行なってもらいました。

サイレントボイスさんは、代表の尾中氏自身は健聴者でありながら、ご両親が聴覚障害者である当事者意識から、聴覚障害を持った方がイキイキと働ける社会を目指しておられる団体です。

これは面白そう!と直感的に思ってお願いしたのですが、それは尾中氏が、聴覚障害者の”就労支援”を行うのではなく、あくまで自立を目指すもので、聴覚障害があるからこそ、逆に持っておられる表現力や洞察力など、感じる力を生かしてのビジネス展開を行おうとされている事に共感したからでした。

我々は確かに、言葉があるからこそ、”何度言ったら分かるんだ”とか、”そんな事言ってないじゃないか”と思ったり、受ける側も、”言ってくれればいいのに”とか、逆に”キツイ言い方された”と傷ついたり、行き違いや誤解ばかりをして、かえってコミュニケーションを悪くしています。

そこで、言葉を使えなかったからこそ研ぎ澄まされてきた感性や、コミュニケーション力は、どんな組織でもコミュニケーションに問題を抱えている今、大変有効な力になるのではないか?と思ったのでした。

又これはサービス業などでは、お客様の様子から察するという、お店のサービス力にも直結する話でもあり、ミライロの垣内さんも仰る、”バリアをバリューに”というコンセプトに通ずるもので、聴覚障害者にしかできない、ファシリテーターやコミュケーターを生んでいけないかとも話しています。

実際に受けてみると、如何に言葉に頼っているか?に気づかされましたし、伝える為には、伝わる様な表現をしないといけない事が体感できました。

"評価するのは他人" これもよく言われる話ですが、言っているのに伝わらないとか、一所懸命やっているのに評価してくれない、というのは、受け手や評価する人からは、"その様に見えていない”だけなのかもしれない、まずは自分がそう考えてみるだけでも、他人からの見え方を変えていけるのではないでしょうか?

まずは私自身、明日の朝礼から変えてみたいと思います。

今回、聴覚障害と言われる方の長所を生かした展開でしたが、色々な"障害"と言われる方のそれぞれの長所を生かした展開をもっともっと生み出していけないか?と思います。

そもそも私も含めて、分けると健常者という事になるのですが、果たして、健常者と胸を張って言えるでしょうか?

障害者って何でしょうか?

それは何かに対して障害を持っているだけで、全体が障害な筈がなく、逆に言えば全てに障害の無い人など居るのでしょうか?

サイボウズさんが掲げられる、100人居いたら100通りの人事制度というのが理想だと思います。

女性は皆同じでしょうか?

障害者雇用って、何パーセントやれば良いってものでしょうか?

制度は必要ですが、それだけでは本質的な働き方改革には絶対に繋がらないと言っているのも、この根源的な考え方から来ています。

助けるという感覚よりも、それぞれの違いを理解する事、人間って素晴らしいという事を皆が理解して、その可能性を見出していく事、そしてそのサポートをしていく事、そんな世の中に向けていくと、組織のコミュニケーションの問題の多くは解消していくと思いますし、その様にしていく事が本質的な働き方改革にも繋がっていくと思います。

まずは組織風土にクサビを打っていく為にもサイレントボイスさんの研修、体験されませんか?







2017年12月10日日曜日

色々な人が行き交う会社

先ほどまで、地球未来シンポジウム2017 希望の探求と、引き続き行われたアミタさんの40周年パーティーに参加していました。

シンポジウムでは、とんでもない論客の出演者に混じっての登壇で、大変疲れましたが、内容が濃過ぎて消化できてませんので、内容については又改めて書きたいと思います。

そんな今週は、月曜日から仕事と介護の両立支援セミナー、ブロックスさんとの試写交流会でスタートし、木曜日は採用セミナーとダイバーシティセミナー、金曜日には同じ内容ですが、ワークプレイス勉強会を午前、午後に分けての二回開催と、二本立てでセミナー満載の週でした。

それ以外にも、おやこ保育園、子会社のMEGAMIのファミコレ、テラルネッサンスさんのテラカフェも行われて、これらセミナーだけで、今週は200名程の方々が出入りして頂いた事になります。

先月から一ヶ月お預かりしていた、京都信用金庫のインターン研修も今日のシンポジウムで終了しました。

一ヶ月というと、正直、受ける側からすれば負担がかかるだけですので、京信さんとの関係から"協力する"という意識しか無かったのですが、最終的には、その方の人間性や、仕事に対する姿勢などが素晴らしく、特に同世代や年下のスタッフ達にとっては、大変刺激的で良い勉強をさせて頂いたと思います。
元々は全く夢ややりたい事も持たず、たまたま受かった京信さんに入ったという、ごくごく一般的?な目先の事だけで動いていた若者だったそうですが、出会った先輩や上司の指導やアドバイスで、30歳とは思えぬ、人間的な幅と対応力を備える様になるのですから、やはり会社でできる事の大きさを再認識します。

又、そんな気づきを与えられる、その人に合わせて的確なアドバイスをできる先輩や上司がおられる京信さんは、やはり素晴らしい組織だと思いますし、そういう風土を作って来られたTOPの方々も素晴らしいと思います。

"計画外の共同作業"

スティーブジョブスが、イノベーションを生み出す為に必要とした言葉で、最近のオフィス動向についての講演でもよく使わせて頂いています。

イノベーションを生む為には、新しい事へのチャレンジは勿論ですが、異質なものに対しての理解や、計画外で起こる事を面白がる度量も必要です。

色々な人が出入りする会社にし、その中で我々に共感してもらう人に入ってもらったり、関わってもらって、そこから生まれる違和感を楽しんでいきたいと思います。

これからのウエダ本社は、もっともっと色々な立場の人、異質な背景の人に集まって来てもらう様にしたいと思いますし、色々な人が交差していく事を楽しんでいきたいと思います。

企業としても尊敬するアミタさんに習って、人間関係資本に資する事業を追求して参ります。





2017年12月3日日曜日

楽観論への転じ方

今週も社員面談の続きからスタートしました。

これは四半期(三か月)毎に行うもので、年度で決めた目標に対しての進捗、振り返りを行い、次の三か月はどうする?を話して考えてもらうものです。

一番馬鹿らしいのは、真面目にしっかりやっているのに、成果に結びつかない事でそうならない為には、目標を決めて、それに対しての計画を立て、振り返りを行うPDCAを行っていかなくてはなりませんが、特にこの振り返りと見直しが重要です。

今週の動きで特徴的だったのは、二つの大学の学生と、二つの業界誌からのインタビューと、龍谷大学大学院での授業もあった事です。

又、それに加えて、うちの会社に興味を持って頂いての来客も、同様に色々と聞いて頂けるので、私自身の振り返りの、良い時間となっていました。

講演や授業は、ウエダ本社の展開や、オフィスや最近は働き方についての考え方と展開についてですので、自分自身の整理になりますが、インタビューや質問は、考えてみると・・とか、そう言えば・・確かに今の根は以前から有ったとか、今と繋がっているなど、思わぬ気づきを得たり、そもそもを考え直す事にもなって良い振り返りの機会となっています。

大学生の頃から、”成功してある一定の資産を得た後は、世の中の様々なハンディキャップのある事に対して全て費やしたい”と、言っていたり、30歳の時に独立した理由の多くは、その先の人生を考えて、時間と場所に縛られず仕事しながら、年の内、半分くらいを海外で過ごしたいと思っての事で、そんな働き方ができる様にする為であったり、独立してから、その業界では売れなくなった物を視点を変えて、違う業界に展開したり、違う使い方で売ったりしていた事など、全部、今のウエダ本社で行っている事と繋がっていて、その源流は同じなのだと改めて感じます。

スタッフには変化を求める様な事を色々と言ってますが、やはり人は、そう簡単に変わらないのでしょうね(笑)

ただ実際は、スタッフ達に、”変われ”と言っているのではなく、自分の得意な事、やりたい事を見つけて、会社の方向性の中でそれを繋げていく様にしてほしいと言っているだけなのですが、うまく伝えられていないと思います。

ただ一つ変えないといけないのは、やろうとする意志だけだと思います。

アミタの熊野会長は、人間は成り行きに任していると悲観論になる。
楽観論には、意志が必要だと仰っていましたが、まさに、そうしよう!と自らが思わないと何も実現には向かいません。

そして、そうしようと思う方向を間違えば、とんでもない方向に行ったり、全く成果が出ないという事になってしまいます。

未来を想像してみて、そこに向かう目標を立て、それをやろうとする事、まずはそうしようと思う事から楽観論に転換したいものです。

コップに半分水が入っている状態は誰が見ても同じです。
それを、半分もあると思うのか、半分しか無いと思うのかで、繋がっていく人、集まってくる人は違ってくると思いますし、すると、人生までも全く違うものになっていくのではないでしょうか?




2017年11月27日月曜日

小田原の”自分ごと”

先週から、四半期が終わっての社員面談を行っています。

その合間?でもないですか、それ以外に先週は、火曜日にクオリア朝食会、水曜日には、富士通さんでのワークショップと、第四期を迎えた知恵の場京都の開催、金曜日には東京でLIVE ONの理事会と、新たな企てのミーティング、イベントへの顔出し、土日には、来月10日希望の探求というイベントで発表する、持続可能経済協会の提言を纏める為の小田原での一泊二日の合宿研修と、頭がぐちゃぐちゃになる一週間でした。

社員面談を行っての社内課題と、色々な方と話して、それぞれとの間で浮かぶ企て?、視察や、ディスカッションなどから感じる高揚感と、自分、自社との違いから感じる焦燥感など、、人工知能が無いととても処理しきれません。

今回の知恵の場のゲストは、TOPではなく、ヨリタ歯科クリニックの新谷さんの講演で、その立場からの”サブリーダーシップ”というお話が印象的でした。
実質NO2.というポジションから、TOPの意向を形にしていくところと、現場の意見をTOPに対して言うべきところ、そのバランスを取りながら組織の目指す方向に向かわせるという、この立場での”自分ごと”の意識を感じました。

土日の研修で、実は初めて小田原に行ったのですが、そのポテンシャルに驚かされました。

まずは研修の会場を提供頂いた鈴廣かまぼこさん、その敷地内にある、かまぼこの里は何と年間の来館者が180万人だそうで、一民間企業、しかも、かまぼこという商品で集客されている姿に度肝を抜かれました。

そのオフィスは、太陽光発電だけではなく、光ダクトを設置して自然光をとりこんだり、小田原ヒノキを積極的に使用された、地産地消を徹底的に考えたものでした。

又、ほうとくエネルギー(株)という、市民、地元企業から出資や寄付で地域の再生可能エネルギーの普及を、地域が主体となって取り組む会社、それを生み出す森林を保有される方、耕作放棄地でソーラーシェアリングを展開する農家の方など、様々な立場の民間が、それぞれの役割で絡み合って、実際に動いているという市レベルでの”自分ごと”を見せて頂きました。

土日の研修は、この視察がメインではなく、あくまで会議室でのワークショップディスカッションで、そもそもこの経済協会は、発起人のアミタホールディングスの熊野会長が、もういい加減事業家が本気で”自分ごと”で社会課題に向かっていかないといけないという想いで立ち上げられたもので、それに呼応したメンバーが缶詰でやるのですから、どれだけ脳が消耗したかは、ご理解頂けると思います。

最後に、ほうとくエネルギーという名前に引っかかった方もおられたかと思いますが、この地は、二宮尊徳翁生誕の地で、尊徳翁を祀った報徳二宮神社もあり、小田原が素晴らしいのは、こういう思想がベースにあるのだ!と結論付けたいところでしたが、地元の方曰く、この20年ようやく学校で尊徳翁の事を教える様になったとの事で、それ以前の人は、他の地域と同レベルでしか知らなったそうで、その思想がベースにあるという事でない様でした。


そんな背景がないのに、どうしてこれだけ”自分ごと”として捉えている人が多いのか?

今週も残りの社員面談がありますが、その辺りも、研究したいものです。


2017年11月19日日曜日

素晴らしい若者を見て、これからを考える

先週の土曜日から一ヶ月のインターンを受け入れています。

と言っても学生ではなく、京都信用金庫さんの主任クラスで、外の文化を学ばせるものだそうで、荷物運びでも何でも使って下さい!とは言われるものの、うちの様な営業会社で、一ヶ月では中途半端でどうしようもないと渋っていたのですが、ウエダ本社への期待は、ソーシャルビジネス、ソーシャルマインドを浴びるという事でしたので、それなら、と、お受けする事にしたものです。

そう決めると、私が理事でもある信頼資本財団の年に一度のイベント"信頼デイ"が11月11日に有り、12月10日には、京都議定書20周年の併設イベントで、これもアミタホールディングスの熊野会長が主催される"希望の探求"というイベントが国際会議場で開催される為、それを最終日とすると丁度一ヶ月となり、イキナリ濃いインターンが決まりました。

儲ける事を学んで来い!という事だととても受けられないですが、ソーシャルを学びたいという方であれば、こんな環境を提供できる企業は無いと、今や自信持って言えます。

ましてや、京都信用金庫さんは営業ノルマ廃止を宣言し、理事長、専務理事以下TOPの方々がそれを推進され、本当に顧客の立場に立つ事を目指しておられる異色の?金融機関ですので、その意図も、意味合いも、金庫の中におられるよりは確実に、分かってもらえる様にできると思っています。

そのインターン初日が、現地集合での信頼デイの参加で、夜の懇親会まで約8時間、熊野理事長始め、論客、実践者にまみれるものでしたが、週明けての今週は月曜日から、来年京都で開催されるワールドシフトの相談を、谷崎テトラさんから受けてのミーティング、大久保寛司さんのセミナー参加、火曜日以降は、龍谷大学や、テラルネッサンスさんのインターンへの、"働く"について私が話する場への同行、展示会への参加、インターン期間中にセミナーを開催してもらう為の打ち合わせなど、手前味噌ですが、意識ある人に取っては、どれだけ価値ある一週間だっただろうと思います。

全く知らない世界だったと思いますが、流石に京信さんで期待されている人だけに、大変吸収力に優れ、初日から、"理事長が仰っている事と繋がりました"との感想でした。
その後もドンドン吸収していこうと姿勢で取り組んでもらっていますが、そういう姿を見ると、こちらもできるだけ持って帰ってもらおうと思いますし、私も含めて我々自身、逆に学ばないといけないと思います。

うちの会社に色々な方、それもそれぞれ凄い方が相談に来て頂ける、ウエダ本社と連携しよう、或いは、この場で一緒にやろうとして下さる、そんな事が日々起こっているのに、我々自身がその価値をどれだけ分かっているのか?という事です。

目の前にチャンスは一杯通り過ぎているのに、気付かない人は全く気付かず、それでいて、自分は不幸だとか、周りと比べてねたんでいたり、何かのせいにして、できない理由ばかり並べていたりしています。

"働くを考える"という所に来てくれる学生さん、テラルネッサンスという国際支援を行うNPOにインターンで参加する学生さんなどは大変意識が高く素晴らしいです。

でも同時に悩んでるし、日本の未来に希望持てているかと言えば、決してそうではありません。

折角、学生の間に、あれほど高い目的や希望持っているのに、社会の受け皿、そして大きくは、そんな人を受け止めていける企業、働く場が圧倒的に少ないと思います。

そんな会社を広げていく事、働く場を広げていく事、我々が取り組む事は、今の日本である意味、最も大きく、深刻な、ソーシャル課題だと思います。

やっぱり、プレーヤーとしての50代半ばを迎えていく事になりそうです。






2017年11月12日日曜日

信頼のブロックチェーン

今週は、トピックスだらけで、完全に脳の許容をオーバーし、固まった状態になっています。

まずは、鎌倉で行われたコクリキャンプに初めて参加しました。

コクリキャンプというのは、地域、日本、世界の未来を見据えて“日本レベルのコ・クリエーション”を起こすという目的で、リクルートの三田さんの強い想いで始められたものですが、招待制で全国から120人の実践者が集まり、丸一日、ディスカッションなどを通して、仲間を創り、新たな種火を生み出すことを目指したものです。

三田さんや、このプロジェクトの事は聞いてはいましたが、三回目の今年、初めて参加させて頂いて、その構想力、巻き込み力、そして構想したことに対する細部にまで至る実行力に感服しました。

場を創る、人を繋ぐという事や、その想いにおいては、京都流議定書も同じ所があるだけに、いかに自分が大雑把で、頼っているのか、その違いを痛感してしまいました。

招待制でこれだけ、地方、都会、NPO、官庁、大企業、アントレプレナーなど、地域、立場を交差して集めておられる事に感服しましたが、それぞれの地域や分野で活躍される方々が、実際に繋がっていく大きな可能性を再確認しました。

翌日は幕張での展示会で、AI時代においての働き方の変化を考え、週末参加したトップフォーラムでは、東大の西成教授から渋滞学というものの科学的な見方を学び、土曜日午後は、京都に戻って理事を務める信頼資本財団の信頼デイに参加して、こちらでは現在その実践者でもある合同会社SARRの松田さんから、ブロックチェーンの考えるべきポイントを学びました。

そんな状況ですから、一つ一つで、長ーいブログネタにはなるのですが、ご興味ある方は個別に聞いてもらうとして、全く別々の事ではあるのですがその見えない底流の所では全て繋がっていて、時代は大きく変わっていっているのを感じました。

渋滞は何故起こるのか?については、高速道路などでは詰めすぎが原因で、きっちりと車間距離を取り、飛ばし過ぎずに走った方が、結果的にはスムーズに走れたり、出口が一か所しかない部屋から大勢の人が出る際に、出口の前に障害物があった方が、かえって早く全員が出られる例などを、実験動画を交えその理屈もお聞かせ頂きました。

短期的に早く行こうとすると、長期的には遅くなるという理屈は、正に経営で言えば、この勉強会でご一緒させて頂いている塚越会長が仰っている年輪経営、そして我々も目指している方向の経営スタイルが長い目で見れば正しいという事を、科学的にも証明して頂けた感じでした。

そんな研究をして来られた東大の西成教授も、塚越会長の事は最も尊敬されていたそうですが、今回初めて会われたそうで、知らないところ、しかも全く関係のない渋滞学という分野で研究されている伊那食品さんは、やっぱり凄い会社だと思います。

ブロックチェーンは、ビットコインなど、電子マネーのイメージが強いですが、大事なポイントは、個と個が自立して繋がっていくので、これまでの中央集権的な運営、管理などが必要無くなるという事で、今週、体感、勉強させて頂いた、コクリプロジェクトの様なうねり、渋滞学、信頼に、AI、人工知能というものが絡んで、間違いなく世の中を変えていくと思います。

第四次産業革命は、人、価値観、信頼のブロックチェーンがベースになっていくのでしょうね。

2017年11月6日月曜日

逆流させる人達

今週はKumiki Projectと、「DITサポーター&インストラクター説明会」を開催致しました。

Kimiki Project というのは、代表の桑原氏が、3・11で、東北の林業を何とかしないとと、会社を辞めて間伐材などの利用を拡げていく為に立ち上げたものですが、木材の使い手や、その利用を良いと思う人を増やしていかないといけないという問題意識から、自分達で家を作る、店やオフィスを作るという人を育てる為のスクールを展開していく事になり、京都ではそれを我々と一緒に展開して頂く事となっての説明会でした。

何故、我々が、このプロジェクトを一緒にやるのか?

自分達でDIYで家具を作り、ペンキを塗りオフィスを作る人達とは、ビジネスで言えば、関係ないどころか、むしろ困る存在かもしれません。

しかし実は、漸くこのスクールで連携できる事になったのですが、スクールを展開する以前からずっと、方向性は同じだと思って話もして来ました。

何故そんな考えになるのか?と言えば、我々はオフィスだけを見ていないからです。

今から言えば、もう10年近く前から、"オフィスなんて無くなるかも知れない" "我々はオフィスを対象にしているのではなく、仕事を対象としているので、そこを目指さなければいけない"と言い続けて来たのですが、それが世の中自体、そんな流れにもなって来たのです。

又、もっと言えば、30歳の時に、私自身が起業をしているのですが、その原点は、場所や時間に捉われず働けるのが理想だと思っての事で、当時はウエダ本社とは関係なく、あくまで自分の人生設計、自分の理想としての仕事の在り方、働き方を考えてのものだったのですが、その頃から、現在の働き方改革を追いかけていたのです。

という事から、世の中の仕組みを変えていかなくてはならず、これまでの日本を発展させて来た価値観や固定化された概念を逆流させないと駄目だと思っていて、それは、自分達の領域だけ考えていても変えていく事ができず、色々な分野、立場から変えていかないと崩れていかないと思っていました。

それだけに様々な人達と連携したりしていて、それが所謂ソーシャルと言われる人達が多いので、ウエダ本社、岡村は一体何をしているの?と思われたり、有難い事?で言えば、”ソーシャルと言えばウエダ本社”的に連想して頂ける様にもなった所なのですが、実はそんな理由で、ブランディングや、ましてやCSRなどでやって来たのではないのです。

その逆流を目指して来た中で、オフィスや働き方に関して取り組んでいる人や団体であれば、何をどう売るか?どちらがどう儲けるか?などは後回しでも一緒にやろう!とするのはある意味当然で、Kimiki Project との流れはその様な展開だったのです。

京都流議定書というのは、正にそれを結集させたものなのですが、最近面白いのは、それぞれで逆流させていこうとする人達と連携していたのが、そのそれぞれとビジネスとして考えられる様になって来た事で、それだけ世の中が変わり出して来たのだと思います。

今週、商工会議所のセミナーで元セブンイレブン会長の鈴木氏の講演を聴きました。

正に日本のコンビニを創り上げた方で、全員が反対した事を実行して、ことごとく成功して来られた方ですが、
100円のおにぎりを各社で価格競争していた時期に、セブンイレブンは200円おにぎりを出して大ヒットさせた話は特に有名です。

それは"おにぎりをどう売るか?"という考えではなく、消費者の心理に基づいて美味しい食を考えていったら、200円のおにぎりになったという事なのだと思います。

これは、逆流という話とは違いますが、少なくとも、おにぎりはどういう物という感覚ではなく、消費者の心理から考えると、大きな流れからの発想となり、結果的には安くしか売れない時代に価値観を逆流させたのです。

我々は到底こんな凄い事はできないですが、それだけに、今後も更に、逆流させて行こうとしている人達と連携していきたいと思います。

このDITスクールは、以前も話していた『五条通りモノづくりストリート』の一環でもありますが、そちらも少しづつ色々な方と連携させて頂いて進めていきたいと思います。






2017年10月29日日曜日

成功の循環モデル

選挙も終わりましたが、政局もスッキリしないなあ〜と思っている間に、先週のブログで神戸製鋼、日産、商工中金だけの問題ではないと言っていた通り、スバルも30年以上無資格検査を行なっていたという問題が明るみになっています。

何故、そうなるのか?は何となく想像がつきますね。

政局を見ていても、これら大企業の問題を見ていても、モヤモヤするのは、完全にこれまでの高度成長を担ってきたモデルが制度疲労を起こしていて、流れが逆流しているのに、それに蓋をしようとしていたり、特に政局がタチが悪いのは、 まだ力づくで押し通そうとしている所が勝っていたり、攻める側もその流れを分からず、同じ論理で動いて自滅していたりするからです。

資産を持たず、他人が所有する資産をマッチングするビジネスが、あっという間に既存ビジネスを脅かしていったり、身近な所で言えば、スマートフォン、SNSの普及によって大型店舗が苦境に陥ったり、一般の人が流れを逆流させていっているのですが、そんな事に気づいていないのでしょうか?

まだまだ大企業の不祥事は出てくるでしょうね。
何故なら、同じ体質の所は沢山あるからです。

最近、オフィスについての我々の考えを聞いて頂ける様になって来たのも、これらと無関係ではなく、使用者の立場、働く人の事を考えないと、片側で制度疲労を起こしている企業が崩れかねないからで、全く符号する流れなのです。

全て同じですが、ハコモノ行政で、利用者の声を聞かずに作ったり、TOPダウンで決めて、管理するマネジメントではなく、アクティベーションという考え方が重要と言われています。

これは有効化、活性化という意味で、その価値が分かっている人、利用者、受益者に任せていかなくてはならないという事で、それだけに通訳者の存在や、引き出していくファシリテーターが重要であり、ダイアログという対話が必要になるのです。

これと真逆に立つ大企業や、政治家や政党、行政は、本来は既に終わっているところで、力づくのチキンレースをしている様に思えます。

金曜日に出席した京都信用金庫の総代会で増田理事長は、MITのダニエルキム教授の、組織の成功循環モデルについて話されていました。

簡単に言えば、ビジネスにおいては結果の質を求めて、行動の質を見て、その為の思考の質を考えるという順番ですが、これは対立や疲弊を生んでいくのでバッドサイクルとなり、これをグッドサイクルにする為には、関係の質を良くする事から始めて、思考の質⇨行動の質を見ていくと、それが結果の質に繋がるという逆循環にしていかなくてはならないというお話でした。

不祥事が噴出する大企業などは正に結果の質を追いかけた末の問題だと思いますし、民進から希望の党も、関係の質から考えて進めると、結果が変わっていたのではないでしょうか?












2017年10月21日土曜日

キラキラ感とワクワク感

今週は月曜日から、DariKの吉野さんと、ルクロの黒岩さんをお迎えして、"食の力の生かし方"という、濃いセッションでスタートしました。

その際も話していましたが、テレビカメラでも入ってないのがおかしいくらいの顔合わせで、そんなお二人にコーディネート役で絡ませて頂く、楽しいひとときでした。

とは言え逆に、吉野ファン、黒岩ファンがおられるので、吉野ファンには黒岩さんの素晴らしさを、黒岩ファンには吉野さんの素晴らしさを伝えられる様に意識しましたが、それぞれが素晴らしく、話題が有りすぎるので、二時間があっという間で、どこまで、皆さんの聞きたい事を引き出せたでしょうか?

食の力を生かして黒岩さんは、障がい者福祉に展開されていますが、新たに、放課後デイサービスに乗り出され、吉野さんは、カカオでインドネシアの農家の人々の自立を進めておられますが、その成功を見た方からの依頼で、フィリピンでも新たな展開を進めておられます。

こんな所では話できない様な実際は、苦労、課題が沢山あると思うのですが、当の本人達は、使命に突き進んでいるので、キラキラとされているのだと思います。

翌朝からは、京都での朝食会を中座して東京での代理店会に向かい、その日はその仕入先さんとの懇親会まで出て一泊し、翌日の行程は失礼して名古屋へ移動して、全国紙管工業組合さんの研修会で講演させて頂き、その後の懇親会は失礼して、担当している京都経済同友会の例会に滑り込んで出席と、途中退席、遅刻で皆さんにご理解頂きながら、全てこなす事ができました。

全国紙管工業組合さんでの講演は、年に一回全国から集まられる研修会という場で、この日も166名の方が参加されてのものでしたが、大変活気のある会で、皆さんが真剣に聴いて頂いていて、気持ちよく話させて頂きました。

吉野さんや黒岩さんの様なキラキラ感はとても無いですし、どこまで皆さんに伝えられるか心配でしたが、翌日、事務局の方からお電話で、ワクワクして聴いてました!という感想の他、過分なご評価を頂戴し、少し安心しました。

ちなみに講演の内容は、働き方変革、オフィス、ワークプレイスの考え方の変遷や、今後についてで、よくご心配も頂くのですが、しっかりと仕事しております(笑)

出張から戻ってからの来客やミーティングも、うちの会社を目がけてきてもらったり、連携していく様な話ばかりで、本当に有難いですが、この感覚を何とか、社内に落とし込んで、スタッフにも体感してもらいたいと思います。

所謂ソーシャルビジネスというものを行っている人達や、うちの会社に共感して来て頂く方との話では、どうして、この様なキラキラ感、ワクワク感があるのだろうと考えると、共通するのは、そこには、批判や他責の姿勢が無いという事です。

一般のビジネスでは、常に競合と争っていて、レベルの低い人では、悪口でも言って相手を落とし込めて自分が勝ち取ろうとしたり、売り買いの場面でも、自社が儲けたい為に、相手にばかり負担を求める事を考えていて、とてもキラキラ、ワクワクとした話にはなりません。

東芝問題が漸くほとぼりが冷めて来たと思えば、今度は神戸製鋼、日産、商工中金などの不祥事が立て続けに出て来ていますが、これらは明らかに名前の上がった企業だけの特殊な問題ではありません。

相手を批判して競争に勝ったり、力にモノ言わして自社のだけの都合を通す様な会社は、構造的には同じで、問題発生していない、というより分かっていないだけか、明るみに出てないだけか、ギリギリの所が多い様に思います。

明日は衆議院選挙ですが、政治を見ていても、全くキラキラ感、ワクワク感がなく、いつもどっちもどっちという情けない思いになってしまうのは、常に相手批判ばかりだからだと思います。

ソーシャルマインドを持っている人は、キラキラ見えますし、そういう人の話はワクワクするものです。

全くワクワク感が沸かない政治家への投票、悩みますが、だからと言って棄権はせずに、意志は表していきましょう。




2017年10月14日土曜日

やる気と本気

今週は、第18回目となる日本を元気にするセミナーに参加しました。

今年は、やる気と本気をテーマに、ネッツトヨタ南国、徳武産業、かぶらやのスタッフの方々のパネルディスカッション、元新幹線のカリスマ販売員の茂木久美子さんの講演と、経営者ではなく、スタッフとして本気で働いている方々のお話という、今までとは違う内容でした。

又、元リッツカールトン日本支社長の高野さんが、その締めくくりと、別枠となっている午前の二回講演されるという、チャレンジングな企画でした。

高野さんのお話は、これまでも何度かお聴かせ頂いていますが、米国時代の高野さんの働き方や、本社共同経営者のシュルツ氏とのやり取りを通しての、シュルツ氏のリーダーシップ、存在意義、風土の作り上げ方、高野さんの、今後の人生についてのお考えなど、私自身、モヤモヤしていた事がパッと晴れたり、全然できていない事が分って胸に刺さったり、かなり揺さぶられた有意義な時間でした。

人を育てるのには、オリエンテーション、研修(知識、スキル)、教育(人間力)の3つが必要で、リッツでのオリエンテーションの定義は、夢だけを語るということでした。

シュルツ氏は夢とビジョンを徹底的に語り、それが浸透して、スタッフの人はワクワクし、常にシュルツだったらどう考えるか?どうするだろうか?を考え、自ら行動していたそうです。

夢は語っているつもりですが、とてもスタッフをワクワクさせる様にはできていない(ともすれば嫌がられている??)し、そこには熱意と伝え方が全然足らないと感じさせられました。

そして、リーダーの仕事は、部下の可能性を引き出す事であり、力を発揮できる舞台を用意する事との事ですが、そんな事を相対しているスタッフの方が感じていたというのですから、凄いリーダーですし、心底、人が付いていくリーダーとの違いが分かり、グサリと刺さっていたわけです。

”自分の組織が全員自分だったら、日本一になれるのだろうか?”

そんな問いを自分に向けて、それぞれの人が力を発揮できる舞台を作っていきたいと思います。

やる気と本気の違いについては、色々な所で出ていましたが、スタッフ側にとっても、リッツでは、決して甘い組織ではなく、ストレスはかけないがプレッシャーはかけるという事も言われていました。

若い時の仕事のやり方は、”来た球を全部打ってみる事”というお話は、全くその通りだと思いますし、他の人がやっていない事だから力がつき、一所懸命働く事で良い出会いに巡り合うのだというお話も、是非、スタッフとも共有したいですし、ともすれば、働く事を悪いものだという感覚で、甘い方だけに流れていまいかねない若い人達には、特にメッセージとして送りたいと思います。

アマチュアとプロについての話も高野さんは、モチベーションで左右されるのはアマチュアで、モチベーションが低い時でも本気になって働くのがプロ、プロは意志の力で働き、そしてそれが、やる気と本気の違いではないか?と仰っていました。

私自身グサリとくる事も多かったですが、ワクワクして改善していこうと思ったのですから、『人に伝える』高野さんのプロの仕事を見せて頂きましたし、この会を18年間続けて来られ、今年の参加者を見ても、一般?の大企業にまで拡げて来られた西川さん、ブロックスの皆さんの本気の仕事を学ばせて頂いた様に思います。





2017年10月8日日曜日

信頼のストックビジネス

今週も二年目の社員から、先日来提案していたオフィス案件が、うちで決めて頂けそうだという、嬉しい報告がありました。

先月も全国でも例が無い様な画期的な案件を手掛けさせて頂きましたが、ここ最近、うちのコンセプトを気に入って頂き、全面的にお任せ頂くケースが増えて来ました。

これまでも、オフィスを全面的に手掛けさせて頂くケースはありましたが、考え方や、提唱している事を気に入って頂いてお任せ頂いたり、大手メーカーと真向勝負で、提案で当社にお決め頂くという事も出て来た事が、圧倒的に違って来ています。

残念ながら我々の業界では、この企画料などがなかなか認められず、単に備品を納めただけの案件と数字面で大きくは変わらないので、まだうちのスタッフ自体が、この圧倒的差の体感がない様にも思いますが、この経験の積み重ねが、色々なスタンスを変えていく事になると思います。

企画料が認められないどころか、最初に出した図面を競合に出してそれで見積もりを取る、或いは、その図面を出して、それズバリで他社に安くさせるという様な事もまだまだあります。
理解できないのは、著作権の事など身に染みて分かっている筈のメーカーが、平気でそんな事を行う所ですが、世界で戦っている大手メーカーは、それでも生き残れるサプライヤーこそ力があるのだという理屈で、取引関係の優位性からその様な事を通しているのです。

流通で買う側が強いと考えている会社、力関係で言う事を聞かせている様な会社は、これからは一気に厳しくなっていくと思います。

値段でしか判断しないという事は、取引や関係性は常に点で、信頼、絆という様な、継続的な関係性は築けないですから。

シェアリングエコノミー、信頼資本、ボランタリー経済、この様な時代では信頼が積み重なっていく事が資産で、特に我々の様な中小企業は、値段や、利用だけして来る大手とは離れて、価値観で結ばれる企業と、信頼という資産を積み重ねていくストックビジネスに、転換していくべきだと思います。

ここ最近、面白い現象が起こっています。

ある大手の家具メーカーが、ショールームにうちの社員を入れてくれないと言うのです。

メインではないですが、そこの商品も仕入れるディーラーであるのに、提案で何度かそのメーカーと競合となり、連続でうちが”勝ってしまった”からですが、一方では、やはりメインではない別の家具メーカーから、そこの新たな展開のイベントで、私に登壇して欲しいという話がありました。

こちらも大変有難い話だったのですが、その日はたまたま別の大きな場で講演させて頂く予定になっており、残念ながら、お断りするしかなかったのですが、この両者の違いは、単に、メーカーさんの質?(考え)の差だけではないと思います。

前者は、WIN-LOSEの戦いの競合関係の発想で、後者は、戦っている部隊ではなく、うちの取り組みを面白いと思って頂いた方からのお声掛けで、価値観で繋がった関係性だからだと思います。

誤解されると困るのですが、前者の話は、悔しいという事で書いているのではなく、そんな桁違いのメーカーが、うちをそれだけ脅威に感じてくれているという事で喜んで書いてます(笑)

これからも益々、WIN-LOSEの感覚から抜けられない大手(大手ばかりとは限りませんが)ではなく、WIN-WIN、お互い様、シェアなど、信頼を積み重ねていくストックビジネスを進めていきたいと思いますし、そんなコンセプトを気に入って頂く企業さんのオフィスと、企業環境全体に責任を負えるパートナーとして、寄り添っていく会社にしていきたいと思います。

2017年10月2日月曜日

大人達の醜態

今週、衆議院が解散しました。

あまりにも短期間でことが運び、信を問う理由が後付けされた感じで、相手の準備が整わぬ内に、という意図であった様にしか思えません。

ところが、民進党が解党してまで、作られたばかりの希望の党に合流することとなり、結果的には、小池さんをより中心人物に押し立ててしまった事は計算外だったでしょう。

火中の栗を拾う形で、沈みゆく野党第一党の代表になった前原さんは、個人の想いを抑えて、自らへの批判は覚悟の上で、身を投じた決断をされたとは思います。


しかしそれも、主眼が安倍政権を止める事に向けられてのもので、国民感覚とはやはりズレがある様に思います。


又そんな中で、自分の保身ばかりで、右往左往する”先生”方、相手を責めて落とし込む事しかない大人の醜態を見ると情けない限りですし、まず、こういう悪い大人の例の様な”先生”方を、バッサリ落とせる選挙制度にする事から始められないかと思います。

政治の世界に限らず、ビジネスの世界や一般の世界でも、こんな大人の醜態を晒してないか?我が振りを見直したいと思います。

一般感覚からするとおかしな政治家の論理ですが、ビジネスの世界でも同様に、今までの枠組みでの勝ち組が、業界の常識として押し通していたり、相手の批判をして商売をしていたり、力に媚びへつらい、すり寄っていく格好悪い大人達が多い様に思います。

今の若者達がやる気がない様に言ったり、教育を問題視したりしがちですが、こんな大人達の醜態を見せていては、やる気も希望も持てなくなるのではないでしょうか?

今の若者が憧れて目指す様なロールモデルが無いのかもしれませんが、ビジネスではシェアエコノミーという概念が既存の価値観を一気に崩していってます。

政治でも、国際情勢でも、子供の喧嘩の様なレベルで、自分だけのことを考えて、相手を責めて落とす思考ではなく、シェアの概念で展開する様な勢力が生まれてこないものかと思いますが、そういう意味でも、ビジネスの領域や一般感覚から、シェア、信頼、繋がり、共創という感覚を、もっともっと繋げていきたいと思います。








2017年9月25日月曜日

リスクと取るかチャンスと取るか

今週は、経済同友会で色々と勉強させて頂きました。

水曜日には私が担当の例会がありましたが、ユーグレナの出雲社長にお越し頂き、これぞソーシャルビジネス!というか、ビジネスってこうあるべきというお話をお聞かせ頂きました。

グラミン銀行でインターンされた事から、バングラディシュの子供達の栄養失調の原因を知り、それを何とかしたいとの想いから、栄養面では万能とも言えるミドリムシに出会い、無理だとされていた大量培養を世界で初めて成功され、今や日本だけではなく、食料面、エネルギー面においての救世主的に期待される存在となられた経緯などについて、迫力満点でお話頂きました。

流行りとなってしまったソーシャルビジネスでは、格好や理屈が先行する人も多いですが、出雲社長の話を聞いて、バタ臭いくらいの強さを、一方、自社の利益のみを追求してきたビジネス側の人には、営利企業である前に、企業も社会の一部であり、生態系の中に存在する生命体である事を感じて欲しいと思いました。

500社に断られて資金も尽き果てた501社目に伊藤忠商事が支援したそうですが、それまでの500社は、こんな話は聞いた事が無いからリスクだと言い、伊藤忠商事は、こんな話は聞いた事が無いから、チャンスだと捉えたというお話にも学び一杯でした。

翌、木曜日からは交流部会の視察で福岡へ行っておりました。

こちらは、この部会の所属でもなく一般参加したのですが、2日目の福岡企業との対話の場を何とかならないか?と事務局から相談され、イマイチ主旨も分からないまま、冷泉荘というリノベーションでは有名な存在を作ってこられた吉原さんに、冷泉荘の見学と、吉原さんと共に町づくりに取り組んでおられる企業家もお連れ頂いてのセッションをする事になりました。

ジワジワと広がる町づくりの様子に、今後の日本のヒントが沢山あると思うのですが、これまでの開発型で成功して来られた企業の方々の反応を見ると、それぞれのスタンスや、新しいものへの考え方の違いが見れて、これもある意味大変勉強になりました。

500社になるか501社目になれるかの違いでしょうか?(笑)

事務局で組んで頂いていたスケジュールも、 一度行きたかった、大名小学校跡地をリノベーションして開設されたFukuoka DCとFukuoka Growth Next

の訪問や、知らずに行ったグルーヴノーツ社は、日経オフィス賞を取られたり、テクノロジーと遊ぶアフタースクールまで展開されていて、本業のクラウドプラットフォームのお話と共に、大変有意義なものでした。



 素晴らしい成功を収めている様に見えるFukuoka Growth Next も、来年9月には取り壊され、新たな開発が行われるとの事で、表面では分からない課題もあるのでしょうが、それでも福岡はイノベーションにおいて圧倒的に進んでいると改めて感じましたし、京都ではなかなか難しいだろうなと感じました。

それはやはり多様性と柔軟性の差で、それには県民性というのか、歴史にも絡んでの風土が大きく影響していると思います。

少なくとも新しい流れや、分からない事に対して、特に自社の専門領域であるほど、最初から否定的にならない様に心掛けたいと思います。

”こんな話は聞いた事が無いからチャンスだ”といつも言える様に。





2017年9月18日月曜日

働き方変革担当

台風直撃で、参加予定していたスリールhttp://sourire-heart.com/さんの報告会が延期になりました。

 ワークライフインターンという、学生が会社だけでなく共働きする家庭にも行って、実際に家事や育児も体験するというインターンなのですが、京都府の委託事業を受けたスリールさんと、この広報セミナーを一緒に開催していた事もあり、ウエダ本社としても社員にも協力してもらって、学生を受け入れていました。 

一見、学生向けのインターンではありますが、実際は受け入れ家庭で子育てしながら働くお母さん方にも大変良い効果があり、子育てに追われて忘れていた自身の 仕事に対する考えや、”働く”こと、生活していく(=生きていく)ことを見直す機会になる様です。

 今週も振り返ってみると、働くこと、生きることに関するミーティングと、信頼関係から未来を作っていく為に、一緒に仕事をしようとする相談ばかりで、有意義な時間を過ごせています。

最近よく取り上げている革靴を履いた猫、チームノーマライゼーションのメンバーが今週も来てくれていました。

 障がいを持ったメンバーと一緒に働く事によって、今まで障がい者とも縁の無かった学生が問題意識を持ち、働くことや生きることを考える様になって、起業にまで繋がったのですが、そんな学生もいる一方、就職活動がうまくいかず、悩んでいる学生も多いそうで、そんな学生向けに話をしてほしいとの事でした。

 勿論、こういう事になる根源は、我々が崩していきたい課題と同じですので、時間がある限り行きます!と約束しましたが、ちょっとした考え方、視野のひろげ方で大きく変わると思います。 

働き方変革で時間ばかりの問題にとらわれ、働くことが悪い様なイメージになっていることは、障がいを持ったメンバーが嬉々として働く姿を見ても、間違っていることは明らかで、そんな本質的なところを伝えたいと思います。

 週末は理事を勤めているリブオンhttp://www.live-on.me/about/index.htmlの理事会がありました。 

この団体は代表の尾角さんが、自らの体験から、自死遺族のグリーフケアサポートを中心に、誰にもある喪失感のサポートが当たり前にある社会をつくることを目指して設立したもので、グリーフケアを必要とする人が集える場を作ったり、そんな場を運営するファシリテーターを養成したり、素晴らしい取り組みを行なっているのですが、今後、ある宗派が、僧侶の教育プログラムに組み込んでいって頂けることになりました。

 素晴らしいことではありますが、僧侶がこういうことを学んでいかなくてはいけない時代、そんな日本というのは、ある意味、それだけの生きづらさを表しているのだと思います。

今週も北朝鮮がミサイルを発射し、一触即発の様相もある中、衆議院を解散するという様な話も出て来ています。 

国が危険にさらされている時に、自分達の都合でしか考えられない様な政治家が動かしていては、生きづらくもなると思いますし、そんな頭の方々に、本質的な働き方改革を期待していても無理だと思います。

良い芽は一杯出て来てるのに。

そんな芽を結びつけて、自分達それぞれで未来を創り出すしかないですね。

働き方変革は、我々ウエダ本社が担当します!





2017年9月10日日曜日

価値観の交差点

今週は、福井県の熊川宿という所に行っていました。

 鯖街道と言われる、日本海から京都に海産物を運ぶルートの宿場町として栄えた所が、きれいな形で残っているのですが、御多分に洩れず空き家となっており、綺麗な景観の危機だという事なのです。 

ウエダ本社では9月から新年度となっていますが、今年度私は地方も回って行こうとしています。 

今年京都流議定書も10周年を終え、一区切りをつけて今後は違う形で継続して行くと言っておりますが、京都流議定書で追いかけてきたのは、価値観の変革であり、数値化されない価値の見直しでした。 

講演などをさせて頂く際には言っていますが、規模(量)、効率、標準化(平準化)、偏差値、東京 という様な一方方向で流れてきた経済の行き詰まりに対して、大きさではない(質)、間、個性(多様性)、地方、が大事で、それを示していけるのが京都なので、一方方向で流れてきた価値観に迎合しない京都で、それでやっていけるという姿を見せる事により、個性のある人、企業、地域を見直し、生み出していこうとするものでした。 

それは今で言うとオープンイノベーションと言う事になり、大企業含めて猫も杓子もという感じになっていますが、既存の価値観のままで、外部との連携などを図っていても、それはオープンイノベーションというものには繋がらないと思います。

 逆流させるくらいの感覚でやらないと、本当のオープンイノベーションなど起こる筈などありません。

そういう意味で京都流議定書というのは、ある意味、それぞれの分野で逆流させる様な取り組みを行なっておられる人を集めていたというか、そもそも私自身が普段から、本業と関係の無い事ばかりに関わっている様に見えるのですが、逆流させる動きを行なっている人達と繋がっていたり、そんな人や組織に対して協力していたりするのです。 

京都流議定書を決してボランティアではなく、あくまで会社の為でもあると公言するのもこの点で、我々のオフィス領域も、効率化、均一化、そしてコスト追求という所 から脱して、人の可能性を尊重していくものにしていかないと落ちて行くばかりなのに対して、その価値観の逆流を目指しているのがウエダ本社という事なので、実は本業に思い切り重なっているのです。

 昨日は、鎌倉投信さんの受益者総会に参加していました。

 正に金融の世界で従来の価値観を逆流させる展開をして来られた会社で、大尊敬する会社ですが、鎌倉の会社が、年に一回の受益者総会、つまり投資家向けの決算報告会をわざわざ京都で行なっている所に、850名もの方が全国から集まっておられました。 

この会にも何度か参加していますが、今年は特に、ほとんど一般投資家の方と感じる位の雰囲気で、驚くのは、その方々が熱心に、出演されたそれぞれの社長の話を聴いておられる姿でした。 

それも、自分の投資したお金の利益を求めてという眼差しではなく、素晴らしい企業、活動に役立てて欲しいという、鎌倉投信さんの理念に沿ったものであり、正に価値観の逆流が起こっている光景でした。 

又今年嬉しかったのは、新井さんから依頼されて堀場社長に基調講演をお願いし、それが実現できた事です。 

このブログにも堀場製作所さんや、先代の最高顧問、そして現在の堀場厚会長兼社長の素晴らしさは何度も書いておりますが、排ガスの分析器などで圧倒的な世界シェアを誇る、言わばバリバリの日本の製造業の社長に、金融で価値観を逆流させて来た鎌倉投信さんの受益者総会で講演頂いたのは、私自身も価値観の交差点に遭遇できた感じで嬉しかったのです。

 堀場社長も1000人近い一般投資家の方だけの講演というのは、今までも無かったのではないか?との事でしたが、流石に、ユーモアタップリで会場を沸かし、そしてしっかりとひき込んでおられました。 

そこにはやはり、どんな精密機械の技術があっても、どんなグローバルな展開であっても、一番大事なのは、人であり、それぞれの人の尊厳を守る想いが溢れていました。

鎌倉投信さんの「結い」という商品名そのものだと思いますし、価値観の交差する所は、やはり「人」なんだと思います。

2017年9月3日日曜日

新年度、新たなステージへ

ウエダ本社は9月1日から新年度を迎えています。 

期末と新年度を迎えた今週は、盆明けにスタッフに出してもらった目標設定シートの各自との擦り合わせに多くの時間を割きました。 

在りたい姿を想像し、その中での仕事、自分の役割と、社会との繋がりを考え、そこから、今年度の目標、それに向かう為の具体的行動などを決めてもらうのですが、初めての事だけに、こちらも試行錯誤しながらですが、普段こんな事を考えていない人からすれば、なかなか大変な事だったと思います。 

そこに、まずもっての狙いがあって、このシートを通して、自分のやりたい事や、やらなければいけない事を考える、そしてそこに向かうためには、どうすれば良いかを考えるという癖、実行に向けて計画立てる癖、やり切る癖をつけてもらいたいという事だったのですが、それこそ、その様な思考回路になっていない人にすれば、一つ一つが繋がらず、雲を掴む様な話だったかも知れません。 

こちらも色々仕事もある中、一人一人と話し、提出して来たものを見ると、全く考えられていなかったり、具体化できていなかったりすると、「どうして自分の事が考えられない!」と、ついイラっとする瞬間もありましたが、やはり、何をおいても、個々の考え方、目標設定の仕方などを変えて行くことが最優先事項だと思って、我慢しながら(笑)話をすると、劇的に変わってくれる人もいたり、それぞれの繋がりを理解してくれたりする姿を見ると、やって良かったと思いますし、今までこういう事がしっかり出来ていなかった事も反省しました。

 9月1日、2日は、丹後の与謝野町へリーダー四人と一泊での合宿ミーティングに行っていました。



 9月から新年度であるウエダ本社では、本来は8月までに行なっておかないといけない事ですが、京都流議定書や、決算に向けての追い込みなどもあり、新年度が始まった初日から空ける事になってしまいました。

しかしこれも初めての試みで、まだまだナンバー2という存在を作れていない中、特にリーダーには、今後考えている事を共有してもらい、その中でのそれぞれの役割を明確にしてもらいたかった事もあり、新年度初日ではありましたが優先しました。

 又、与謝野町に行ったのも、私の方で進めて来ていた今後の展開の共有という意味もあったのですが、与謝野町の方々とのミーティングもそれぞれ大変濃い時間となり、こちらもリーダー達にも気づきがあったと思います。

 与謝野町の山添町長には、我々が行くという事で、大変お忙しい中、自ら町で取り組まれている施設をご案内頂き、今後の展開、やるべき所のお考えを聞かせて頂きました。

 他にも町でポイントとなる方々とのミーティングでも、やはり自分の利益を考えるのではなく、未来の為、地域の為など、大きな想いで動いておられる方との話は清々しい気持ちになれるのと、お互いが自分の利益を求めて対峙する関係ではなく、信頼がベースとなっているので、話も早いですが、その辺りの価値観の大切さも感じてくれたのではないかと思います。

 地域をどうする?会社をどうする?というのは同じで、想いを持った人が大きな視野で、その想いを共有する人と協力して、役割を分担しながらそこに向かっていかなくてはならないと思います。

 そんな想いを凝縮した期末、期初の一週間を終えて、この一年、ウエダ本社は新たなステージに入っていきたいと思います。

2017年8月27日日曜日

生きること、働くことの本質から

今週は、京都フォーラムの際に、会場で靴磨きを行なっておられた、”革靴を履いた猫”さん、就労移行施設トリムタブカレッジさん、龍谷大学のチームノーマライゼーションの学生さんが来られていました。

この活動は知らなかったのですが、素晴らしい連携で動かれているもので、その一環として、9月4日に龍谷大学でイベントを開催されるのですが、そこでのパネリスト登壇についての説明で来られたのでした。


そもそもは当社の事を知って頂いていた施設の方が依頼に来て頂いていたそうなのですが、京都フォーラムで靴磨きを依頼されて来ていた、革靴を履いた猫のメンバーと会場で会い、そこで初めて、ウエダ本社と京都フォーラム、京都流議定書が繋がったとの事で、これも、素晴らしい想いを持った方々が、京都流議定書で集って頂けているのが体感できて大変嬉しく思いました。

障がいを持った人や、引きこもり経験のある人が、大学内で学生達と一緒にカフェを運営しているそうですが、そこで活動していた卒業生が、障がいを持った人の特性を生かして、靴磨きというビジネスを選んで立ち上げたのが、革靴を履いた猫という会社なのです。

そんな想いで連携し、活動されておられる方々なので、生きること、働くことについての本質がそこにあり、私が考えていた事もお墨付きを得た様で、嬉しくなって時間超過で話し込んでしまいました。

今週は他にも、大変光栄で是非とも!という登壇依頼もあったのですが、その日は、そんな滅多に受けているわけではない講演を名古屋で行う事になっており、残念ながらお断りさせて頂いたのですが、そんなイベント出演という話ばかりではなく、ここ最近は本業でも、京都でかなりシンボルリックな企業さんのオフィスを、全面的にやらせて頂いたり、ご決定頂くケースも増えて来ております。

まだまだ全体では数字に表れる成果にまでは至っていないですが、明らかに、今までにはなかったステージで、新しい局面に入ってきたと言えます。

この一年どころではない、まだ数か月レベルですが、京都流議定書を開催して10年、今の展開に向けては10数年追いかけてきた事が、漸く、線で繋がり出してきた感じがします。

京都流議定書後にお越し頂いたり、ご登壇頂いたりした方からは、10年の継続や、内容評価もさることながら、スタッフの対応に感心してお褒め頂く事が多く、どの様に教育してるのか?という事もよく聞かれます。

まだまだと思いながら、実際まだまだな問題だらけですが、スタッフのホスピタリティーというもの自体は、大きな強みとしていける様に、日々成長してくれていると思います。

B to Bという企業相手、そして、利益を産まないから何とかお金をかけたくないと思われているオフィスの世界で、生きること、働くことの本質を追いかけて、人の特性を生かしてやっていく事が、ビジネス的にも正しいという事を、証明していきたいと思います。

9月から新年度に入りますが、漸く、お声がけ頂ける様になった価値を、本業に組み込んでいける様、デザインしていきたいと思います。



2017年8月20日日曜日

目標設定シートと未来イメージ

お盆明けの今週は、社員面談でした。

休み前に、今回作成した目標設定シートを書いて来てもらい、それに基づいての擦り合わせで、今月中にそれぞれの役割と目標をFIXし、来期に臨みたいと思っています。

シート自体は原田メソッドの形式で、中身は私が考えたものですから、その表の精度はどうかは分かりませんが、目的としては、自分の人生の在りたい姿を想像してもらい、その中で多大なウエイトを占める仕事について、自分の良い所、得意、やりたい事を生かして、どの様な役割を果たしていくのか?目指すのか?を考えてもらう事と、そこから考える今期目標と、そこに向けていく具体的行動を期日入りで上げてもらい、それを進めていく事で、考える事、計画立てる事、やり切る事を癖づけをしていこうとするものです。

先週のブログで、京都流議定書の大きな目的の一つが社員研修であったという事も書いていましたが、京都流議定書の10年間でほぼイメージ通りになった運営が、組織においての理想の運営スタイルでした。

京都流議定書は、我々が良い、或いはこれから必要だと思う価値観を訴えていく場ですが、そこに向けてお越し頂くお客様、それに賛同して頂いてご出演頂く方々、ご協力頂く団体、関係者の皆さんに、良かったと思って頂く、喜んで帰って頂く、そしてこの場から、何かそれぞれに有益な繋がりや気づきを持って帰って頂くという事を目的としていましたが、皆がその目的に向けて、それぞれの立場で考えて動いてくれる様になっていました。

私が行なっているのは、京都流議定書として貫くコンセプトと、そのコンセプトから毎年の流れ(テーマ)を考え、それに沿った素晴らしい方々をキャスティングする事だけであって、過去10年間、キャスティングが決まった後は全てスタッフが行なってくれていました。

会社経営で言えば、会社の理念を明確にして、今年の目標を立て、それに向けた組織や仕組みを作るという事が私の仕事で、その目的に沿っての日々のオペレーションなど現場の事は、皆が会社の目的に向けて、それぞれの立場、役割で、良いと思う事、良くしていける事を考えて、自ら行動していくという事です。

メンバーが変わりながらもきっちりできて、しかも、より良くなって来たという事は、10年間かけてチームの目的とそれぞれの役割が明確になってバランスして来たからだと思います。

この京都流議定書で得た体感を持って、会社もこの様な理想の形に向けていきたいという事で、盆休みの間に考えて来てもらったのでした。

日本は全般的に、特に若い人になるほど、未来発想する事が少なくなっている様に思います。

未来発想というと大袈裟で、成りたいものや、やりたい事が明確しないとダメな様に思うのかもしれませんが、全くの理想で良いのです。

実現できっこない様なとんでもない事でも、大事なのは、一度未来をイメージしてみる、未来から発想してみる事で、それをやってみると、見え方が変わり、見えなかった事に気づいたりする事があります。

昨日は未来構想研究会で、前回衝撃を受けてブログでも書いた安田登先生の講演がありましたが、安田先生のお話では、文字が誕生した頃には、「心」というもの自体が無く、生まれたばかりの「心」の意味は"時間を知る力"で、変えられないと思っていた未来を変え、過去から教訓を得る事ができる力だという事でした。

これは逆に言えば、時間を知らない(意識しない)から「心」が無く、未来を考えないから「心」を無くしていくのではないでしょうか?

未来構想研究会の呼びかけ人でもある、アミタホールディングスの熊野会長はよく、物質的豊かさを求めて来て、心が貧しくなった日本という事を仰いますが、近視眼的になっていっている日本人が、未来への期待や、「心」を無くしていっていると言い換えられる様にも感じます。

うちのメンバーには、未来をイメージする事から、「心」を知り、それぞれの未来を変えていってほしいと思います。

そんな人達が、会社の目的を共有して、自分の未来と重ね合わせ、それぞれの立場、役割を果たしてくれる会社にしたいと思いますし、それが成り立つ事を証明し、そんな会社が増えていっている世の中、それが私の目標設定シートでの未来イメージです。







2017年8月13日日曜日

京都流議定書の10年間を改めて③

多くの方から、「ボランティアでこんな事をやって偉いね!」と言って頂いていましたが、あくまで”会社の為”に行なっていました。

ただ、その”会社の為”という感覚が違う所で、我々の様な、物も技術も資金力も無い会社は、存在意義が無いと、それこそ存在する意味が無いと思いますので、まずは、会社の存在意義をしっかり持つこと、そしてそれをスタッフ、ステークホルダーに知ってもらう事、それに共鳴してもらう事を目指しており、それができると自ずとスタッフも誇りを持つ事ができ、スタッフ自体の生き方、働き方が変わり、そこが変わる事自体が成長であり、各自が成長していける場を作る事は、他では得られない大きな報酬になると思っていました。

又、うちの会社の強みは、設えを臨機応変に作れる現場力と、真面目で実直に仕事をする人の集まりである事で、逆に弱みは、仕事を個々で行なっていて連携ができていない事と、全体の目的よりも、個々に一所懸命という感じで、一つの目的に向かって自主的に考えて動く、フォローするという事ができていない事でした。

この様な事は、普段の業務や、ましてや座学で教えられるものではありませんので、京都流議定書というイベントを通して皆で体感するという、大掛かりな社員研修として考えていたのです。

一つの目的に向かって、それぞれの役割を持ち、それぞれが気づき、フォローする、そこにお客様などの要望で、変化する状況に対して臨機応変に対応していかなくてはならないというのは、イベントに限った話でなく、普段のビジネス、組織で運営をしていても全く同じで、自分達の強みを認識し、弱みをカバーし生かしていく実地研修、そんな裏?目的があったのです。

そう考えると、ハイアットリージェンシーという一流ホテルのスタッフの方々と、一緒に準備や当日の動き、配慮など、間近で色々学ばせて頂けるのですから、研修とすれば一体どれ位の費用が要るか?ですが、そもそもお金を積んでもやって頂けないですから、”会社の為”という意味もご理解頂けると思います。

更に、ご登壇頂く方は、それこそそれぞれの道で有名であり、成功もされている方々で、そんな方々の様子に触れる事ができる、舞台裏の様子を見る事ができる、こんな経験も願ってもできるものではありません。

そんな想いをうまく伝えられていなかったでしょうし、特に最初の頃は、スタッフにすれば、社長の想いに業務以外で余分にやらされるイベントでしかなかった様に思いますし、この10年の間に辞めていったスタッフなどは、イベントが直接ではなくとも、この辺りの想いや価値観が合わなかった面があると思います。

そんな中でも繰り返していく内に、お客様が喜んで頂いたり、これだけのイベントをほぼ社員だけで行なっている事に驚かれる反応を見て、我々の現場力や、これだけの事をやれてしまうという自分達の強みを体感する事ができて、何となく、これ位のイベントならこなせるという自信は持ってくれる様になったと思います。

今年の最後に、10年間一緒に見てきて頂いたハイアットのスタッフの方から、「ウエダ本社のスタッフの気づきやその対応力は素晴らしく、ハイアットヤバイ!と思わされましたし、団結力に至っては完全に負けていて逆に勉強させて頂きました」とコメント頂きましたが、これは、かなり本音だったと思います。

その位、スタッフはよくやってくれましたし、この間に人の入れ替わりもありながら、よくこなしてくれたと思います。

10年間の最後に、この間に辞めていったスタッフにも、その年のそれぞれの役割の積み重ねで10年を迎えられたのですから、改めて感謝したいと思います。

辞めたスタッフというと、何かマイナスイメージがありますが、それこそ、まずはそれぞれの人生が優先なので、会社が唱える価値観や方向性に合わなければ、違う所、合う所を探すべきだと思いますし、理想としては、ウエダ本社を辞めた人にも、ウエダ本社に居た事で、より立派な会社に進んでもらいたいと思っています。

決して良い格好言っているのではなく、そんな会社でありたいと思っている事と、そういう所から変えていかないと、やらされ感で嫌々の仕事をやっていても誰の為にもならないし、本質的な働き方変革など行えないと思っています。

話はそれましたが、そんな事で、今まで関わってもらった元スタッフと、勿論今年成功させてくれたスタッフ、特に変化しながらずっと関わってくれたスタッフには感謝しかありません。
このお返しは、皆が良い会社と認めてくれる様な会社にする事しかないと思いますので、京都流議定書の10年間で体験して来た事をベースに、その実現を目指していきたいと思います。

2017年8月9日水曜日

京都流議定書の10年間を改めて②

まだソーシャルビジネスのイベントなど無かった頃から、京都流議定書では素晴らしい若者を集め、そういう世界では登竜門的に言われた事もありましたが、その流れができたのも、ホームズビーの嘉村君が二年目に、京都未来市というセッションを行なってくれた事からです。

7つの学生団体がプレゼンし、来場者が仮想マネーを出資するというものでしたが、そこで、こんな素晴らしい活動をしている若者達がいるのかと感心した事が切欠でした。

その後、嘉村君から紹介されてダイアログバー京都を一緒に開催して来たミラツクの西村君が、6年目から引き継いでソーシャルの流れを加速してくれたと共に、ウエダ本社のビジネス領域に近づけて来てくれたと思います。

又、もう一つの大きな価値となる経営品質系は、京都でこの流れを作ったとも言える人見さんが、京都経営品質協議会主催の京都フォーラムというイベントを開催しており、三年目から、『一緒にやろう』となって、三日間の中で開催して頂く事になり、以来ずっと共同開催して頂いたお陰で沢山の貴重過ぎる繋がりを頂きました。
これによって、大久保寛司さん始め、伊那食品の塚越会長、元リッツ・カールトン日本支社長の高野さん、沖縄教育出版の川畑会長、今年もお越し頂いたバグジーの久保さん、四国管財の中澤さんなどという、日本中に追っかけも多数居る様な方々とお付き合いさせて頂ける様になり、そしてその方々が有名になった切欠を作られた、ブロックスの西川さんにも、4回目からずっとご一緒して頂く事となったのです。

もう一つ人見さんには感謝する事があるのですが、一緒にやって二年目だったか、協議会という団体とやっていると、やりづらい事が多く、我々本来の主旨を曲げないといけない事も出てきて、それなら別々にやろうと私が言ったのですが、人見さんから『元々、京都で良い事がバラバラに行われるのが良くないから京都流議定書をやったのじゃないのか?それが、岡村さんと自分との間で別々にやる様じゃ意味が無いんじゃないか?』と言われ、なるほどと思って、結局一緒にやらせてもらったのですが、これも、人見さんとの、お互いの見栄、体裁などではない大きな視野での話でなければ、その時点で終わっていたと思います。

その人見さんに経営品質の火を点けたのは、JCにその勉強を持ち込まれた鬼澤さんですが、その鬼澤さんが、良い経営の伝道者としてスタートされる際、学ばれたというのが大久保寛司さんという繋がりなのですから、この系譜においてはオールスターに関わって頂いた様な感じでした。

京都市の方々には毎年、市長に合わせて各部署でご協力頂いたり、京都府とも山田知事のタウンミーティングを共催したり、毎年、集客では経済同友会、商工会議所などの団体にもお世話になりました。
又重鎮と言えば、お亡くなりになった堀場最高顧問には、京都流議定書スタート時のウエダ本社70周年での基調講演含め、計三度もご出演頂いた他、クオリア研究会としても企画をご一緒して頂きました。

あげればキリが無いほど多くの方々にご協力頂きながら、数名の方しかお名前を上げられていませんが、10年の中での大きな流れで、ウエダ本社の社員にも知っておいてもらいたい事を纏めました。

10年間、多分、細かい不手際は多々あったかと思いますが、多くの方に良かったと言って頂いて終える事ができましたのも、多くの皆様のお陰です。

本当にありがとうございました。

特別編ブログはあと一話だけ続けます。




2017年8月8日火曜日

京都流議定書の10年間を改めて

先週の金曜から日曜日は、10周年を迎えた京都流議定書でした。

よくも10年も続けられたものですが、今となっては元々の事や、誰にどの様にお世話になったかなど、知らない人も多いので、改めて振り返りたいと思います。

以前、輝かしい頃のウエダ本社では、独自の販売会や、得意先を招待した旅行、芸能人を呼んでの大規模なイベントなど、地域、お得意先様、業界に向けて、先駆けた展開を行なっていました。

再建の為にウエダに入社し、少し落ち着いてきた頃、何人かの方から、”ウエダフェアを復活しないのですか?”、”70周年はどうされるのですか?”などと聞かれる様になりました。

今から40年前の40周年式典は、京都国際会議場で行なったり、50周年、60周年もホテルで盛大に行なっていました。

少し落ち着いたとは言え、同様に盛大にする余裕などないし、又、私が入って改革を進めて、従来通りのウエダフェアというものでも意味がないと思い、どうせなら、入社以来、再建を進めながら、一方では新規の展開を見つけるべく、色々な所に首を突っ込んでいたので、それら本業以外で私が関わっているものを全部集めたものができないか?と考え、関わりのあるものを洗い出し、環境、教育、伝統文化という3つにカテゴライズしてみました。

それを、ハイアットリージェンシー京都を立ち上げて来られた、横山総支配人に提案した所、未だに、これだけ外資系と日本の良さのそれぞれを理解し、双方を説いて進めていく能力を持ったホテルマンには会った事がないと思える横山氏が、即座に、”これは面白い!3つのカテゴリーがあるのなら、どうせなら三日間のイベントにしませんか?”と言って頂いたのですが、結果的には、それが10年間、三日間のイベントとなった全ての理由でした。

初年度は、環境系の団体の展示コーナー、聞香やサッカーの課外イベントなども開催、何と、ハイアットリージェンシーさんの一階と地下を全館使ってという、結果的にはとんでもない規模で行なう事になったのですが、横山氏始めハイアットの皆さんには、10年間多大なお世話になりました。

伝統文化のカテゴリーでは、老松の太田さんや、伝統文化プロデュース連の濱崎さんには、企画からプロデュースまでご尽力頂き、難しい伝統文化というテーマも形作れた事で、重みを作って頂きました。

そして、教育の所では当時の門川教育長に講演をお願いし、その際に教えて頂いた、ドイツのメルケル首相が世界でのスピーチで、DO YOU KYOTO?という、環境においての転換期となった京都議定書の開催地であるKYOTOを、環境に良い事をしてますか?という動詞として使われたという事を、日本の人はおろか京都の人も知らないという事を問題提起として、『DO YOU KYOTO?  DO YOU KYOTOSTYLE?』というテーマで開催する事にしたのです。

ところがその年、門川教育長が市長選に出られて見事当選され、講演はどうなるのか?と心配したのですが、京都市長としてそのままご登壇頂き、お陰で門川市長が初めて出られた外部イベントとなって、その後も市長には特別な思いを持って頂いて、毎年応援して頂く事になったのでした。

これだけのイベントですが、当初から貫き通した事があります。

それは自分達で手作りでやらないと意味がないとの事で、代理店なども入れず、企画、運営、会場準備、ネットワーク、看板、サインなど全て社員で行ないました。

又、集客も数を追って広告などを行うのではなく、自分達で呼び込むか、あくまでこの主旨に賛同して、ご協力頂けるものに限りました。

協力頂くと言えば、ご出演頂く方も基本的には無償協力という、厚かましいにも程がある事を通して来ましたが、本当に主旨に共感頂いてご参加頂いた皆様と、逆に共感はしていませんでしたが(笑)、これだけのイベントを作り上げてきてくれた社員達には、本当に感謝致します。

お金を掛けられなかった事はありますが、お金で買える物、呼べる人、頼める仕事を入れてしまうと、理念がブレてしまうので、そこは最初から拘ったのですが、特に最初の頃のこの踏ん張りが最も辛かった所でした。

それでも踏ん張って来られたのも、主旨を理解し、ご協力頂いた沢山の方々のお陰です。

ここまで振り返って、お世話になった方など、これだけではとても書き切れませんので、この後、分けて書く事にします。

つづく。