2016年9月3日土曜日

私自身とウエダ本社の理想の姿

今週は、当社の年度末であり、9月からの新年スタートでもありました。

まだまだ低~いレベルではありながら、昨年度からは、売上、利益ともUPし、決算賞与も大盤振る舞い!とはいきませんが、出す事ができました。

経営者としては一瞬ですが、ホッとできるひと時でした。

しかし、うちの会社でも、私などは何もできず、やるのは社員ですから、皆が良くやってくれたから結果が残せるのですが、その何もできないながら、皆に動いてもらって結果を出さないといけないという事に、ジレンマを抱えるのです。

しかも中小企業は、足らないリソースだらけで、そこから脱却していくには、一人の人が色々な事をやらなけばならないのですから、中小企業の方が自分事で動く社員を増やしていかなくてはなりません。

そんな中、今週も女性社員が産休に入り、その後、育休と長い休みに入ったり、折角、自分の役割を見つけ、イキイキと仕事してくれていた女性デザイナーも結婚で関東に行かなくてはならないと、年内で退職する事になり、又考えさせられる事になりました。

当たり前ですが、女性にとっては勿論、その家族にとっても大きなライフイベントですから、喜ばしい事です。
しかし、人数が少ない中小企業では、なかなか長期間勤続とならない女性の雇用というのは大変難しい問題で、働き方の変革を唱えて、一人一人が豊かな働き方をする社会を目指している我々でも、頭を痛める問題です。

その様な中、’女性活躍’という制度だけ導入しても、有効なのは一部の大企業だけで、殆どの中小企業では、却って変な軋轢を生む事になり、結果的にそのしわ寄せは女性に行ってしまうのです。

会社に行かないとできない働き方や、仕事、それで作られた仕組の中では、他地域に移るだけで勤められなくなるし、育児や、介護で長く働けないとなった途端、仕事を辞めなくてはならなくなってしまいます。

その働き方を変えていく事、中小企業に勤めていても、ライフイベントに合わせて、働き場所を変えていける様な社会全体での仕組を作っていかなくてはなりません。

今期から、そんな構築、仕掛けを目指して動いて行こうと思っていますが、まずは私自身が何処に居ても良い状態を作る事、それには、インフラ的な仕組だけでなく、同時に、私が居なくても、自主的に経営感覚を持って運営する社員の成長が必要です。

今期はそんな狙いも含めて、あちこちに出掛けていきたいと思います。

私自身が毎週、何処に居るかも分からない、でも何処に居ても仕事をしている。

そんな状態が、私自身の理想の姿と、ウエダ本社で目指すべき社会の重なったところです。












2016年8月28日日曜日

最も美しい村(過疎)を巡って想うこと


先週から行なってきた社員との面談を水曜日で終え、木曜からは北海道に行っておりました。

と言っても休暇ではなく、勉強会に絡めてのものでしたが、私にとっては気分転換も含めて有意義な時間でした。

勉強会のメンバーでもあるカルビー元会長が、”日本で最も美しい村連合”の日本での提唱者である為、その登録地で開催される事が多く、今回も北海道の鶴居村という所で行われたのですが、どうせ道東に行くなら、と、8年前に御世話になった清里町に、レンタカーで一人で行ってきました。

全国に広がる移住計画ですが、その走りとも言える、”ちょっと暮らし”というプロジェクトや、住んでみたい北海道推進会議というものが以前からあり、そこからのお声掛けで8年前に家族で2週間、モデルとして清里町に滞在した事があったのです。

その頃には全く考えていなかったのですが、この清里町での経験は、現在の展開、考え方に大きく関わっているのです。

テレワークを絡めて、お父さんさえ仕事ができれば、北海道の自然豊かな環境は子供達にとって良いでしょう?という総務省×テレワーク協会のモデルは、その頃ADSL回線しかなかったそのエリアでは早すぎましたが、今正に、のコンセプトでした。

”行きたいけど、流石に二週間も会社空けられないので、一週間になりませんか?”と交渉しましたが、”一週間では旅行で、”ちょっと暮らし”というからには最低二週間は来てもらわないと、という担当者との話で、結局、お盆を絡めて二週間行くという事になったのですが、二週間となると生活をする感覚になり、その土地の素材や、当時の町長が、”無名な事が清里町の魅力だ”と言われる通り、観光で踏み荒らされていない自然の贅沢さを体感させて頂きました。


その経験があったので、この勉強会で美しい村(過疎)に行くと、”無いものは無い”という海士町を始め、それぞれの前向きな過疎地域の取り組みが、しっくり理解できましたし、実はそれが、今のリノベーションにも繋がっており、オフィスに向けての考え方にも影響しているのです。

誤解を招くかも知れませんが、障がい者雇用や女性活躍支援と騒いでいますが、それは特別なものではないと思います。

地方、過疎地域、中小企業、斜陽産業、一流大学卒以外の学歴、これらも基本的に同じで、弱者の論理で考えていかなくてはなりません。

しかし世の中は、強者の論理で動いていたり、分かる筈が無い弱者の事を強者の頭で考えているのです。
そして弱者も、強者の論理の教育を受け、身の程を考えず強者と同じ価値観で行いたがるのです。

前向きな過疎地域や、何故こんな所で営業できているの?という店は、弱者の論理を通しており、物も技術も持たない我々の様な中小企業も、そこを参考にすべきであり、ウエダ本社としてはそんな展開を図っているのです。

勉強会の翌日は朝一の飛行機で千歳に移動し、そこで又レンタカーを借りて、札幌と洞爺湖に行きました。

洞爺湖は、以前から話には聞いていて、”大地の花咲き”というドキュメンタリー映画にもなった佐々木ファームさんにお邪魔するのが目的でした。

14町(東京ドーム3個分)にも及ぶ広大な畑で、80種にも及ぶ多品種で完全無農薬農業を行なっておられる成功例などまず無いと思いますが、その想い、夢、今の展開などをお聞かせ頂き、思わず、協力させて下さい!と言ってしまう方に、又、会っちゃいました。

ホント何処へ行くんだろう?と思われそうですが、一人の時間も沢山取れて、今回は、自分では結構、考え纏められたと思っています(笑)

ここの所、ずっと停滞気味でしたが、再度、弱者の論理で貫いて、改めて挑戦していきたいと思います!


2016年8月21日日曜日

社員面談の位置づけ

盆明けの今週は、社員面談でした。

当社は8月が決算の為、今期の振り返りと、来期の目標、役割の摺り合わせを行うのですが、この間にも、外部の会議や、夜の会合などもあり、朝から夜までスケジュールがビッシリとなるのですが、私にとっては最も重要な仕事の一つであり、今回はそれがより重要なものになっています。

と言うのも今週には、一昨年まで専務を務めて頂き、今期は顧問として残って頂いていた方が勇退されるという大きな出来事もありました。

「事務機のウエダ」 京都では法人関係の方には、その様に認知して頂いて来た当社も、現在では、オフィスの移転、新築などでの空間設計、工事などの数字の方が大きくなっているのですが、元々はゼネコン、工務店さんの下請けで、オフィス内の工事を行っていた子会社と一緒にし、レイアウトから工事までを行うという特徴を一般企業(我々の業界で言う、直ユーザー)に向けて転換してきたのも、この方のノウハウと現場力があったからでした。

今でも、当社の代表例とも言える、ISFネットさんの青山一丁目のオフィスビルを全面的に行わせて頂く事になったのも、別件で来られた渡邉代表が、当社の考え方を気に入って頂き、帰り道に電話で、今、この様な計画があり、業者も決めかけているが、値段も含めて、その電話口でできるかどうかの即答を求められ、3分の1はハッタリで答えて、結果、当社がその仕事を受注させてもらえたのも、この方の存在があったからでした。

又、組織体制面でも、平均が30代のリーダー達で、特に厳しさという面において、しっかりやっていけるのか?最後まで心配して頂いていました。


ただ、これは急に起こった話でもなく、数年前から分っていた事でもあり、もっと言えば、この問題は、団塊の世代を中心に、今の日本の姿を作り上げて来られた方々が抜けてどうする?という、日本全体に共通した課題であると思います。

それだけにそれぞれが、目的、意志を持って、会社やチームと摺り合わせていく事が、より重要であり、そういう意味においても今回の社員面談は、私にとって、いつもにも増しての優先事項でした。

折しも、日本勢の活躍が続く、リオオリンピックでは、100メートルリレーで、日本がアメリカに勝つというとんでもない事が起こりました。

体力的に劣勢な日本人にとって、最も困難と言っても過言ではない100メートル走という競技でも、チームで団結すれば、能力が圧倒的上のチームにも勝てるのだという事を、まざまざと見せて頂いたのです。

個人では四人ともが決勝に進んでいないチームが、バトンを渡すという繋ぎの部分と、それぞれの役割を最大限に発揮すると、個人で素晴らしい能力を持った人を集めたチームにすら勝てるという事を見せて頂いたのは、日本人の特性と、特に、強いリーダーや、スキルを持った人が少なくなっていく日本において、大きな視座を与えてもらったのではないかと思います。

我々ウエダ本社でも、スキル、ノウハウを持ったベテランが抜けていかれた中、皆が自分の役割をしっかり認識し、周りの人と繋いでメダルを目指していきたいと思います。

その為にも、まだ面談は続きます。

2016年8月13日土曜日

”道”を極める

連日、日本人選手の活躍もあって、オリンピックも大変盛り上がっています。

そんな中、体操で金メダルを取った内村選手への質問に対しての、2位のオレグベルニャエフ選手、3位マックスウィットロック選手のコメントには沢山の方が取り上げておられると思いますが、感動もしましたし、色々学びがありました。

それまでの5種目で大きくリードしていたオレグベルニャエフ選手に対して、内村選手は最終種目の鉄棒で完璧な演技をし、終わってみれば0.1ポイント差の逆転となったのですから、オレグベルニャエフ選手の立場であれば、あの採点はおかしいと言っていても良さそうな所、そこに水を向けた記者に対して、内村選手の凄さを説明し、無駄な質問と切って捨てたのです。

そして3位のマックスウィットロック選手までもが同様に称えたのですから、三人のそれぞれの人間力に一流を感じました。

プロゴルファーのタイガーウッズ選手が、優勝を争っている相手のパットを”入れ!”と願うという有名な話もありますが、これも相手のミスを期待するのではなく、相手がどうであろうと、自分が入れて勝つという強いメンタルを維持する為のもので、この感覚が一流の証だとも思いますが、オレグ選手のコメントにも同様のものを感じました。

又、内村選手は、ライバル選手が尊敬する程、常に素晴らしいパフォーマンスを見せているので、この微妙な判定がどうだとかというレベルを超えた存在となっているのだと思いますし、こちらも先日メジャーリーグで3000本安打を達成した際の、大物選手達から称賛されていたイチロー選手の姿と重なりました。

とかく我々は、負けた理由や、失敗した理由を見つけて正当化したくなるものですし、”あいつはいいよな~、えこ贔屓してもらって、などと言って、自分を慰めてしまいます。

又、なかなか自分の実績を分かってくれない周りに対して、自分がやった!と誇示したくなったり、言う事を聞いてくれない部下などに対して、力で言う事を聞いてもらおうとしてしまいがちです。

でも、あいつはいいよな~などと思っている間は、とても一流にはなれないし、ひょっとすれば勝っていたかも知れない相手が、負けを認めてしまうくらい、圧倒的な差や、人間的にも尊敬を得られる様になりたいなあと感じました。

スポーツだけでなく職人技など、一つの事を突き詰めていくと人間も磨かれ、何故これだけ立派になるのだろうと感心させられる人がいますが、道を極めると精神修行されていき、人格も磨き上げられていくのだと思いますし、それが、”〜道”というものなのだと思います。

経営を行っていくのが一番の修行になると、稲盛さんはよく仰いますが、そこまで極めているか、研ぎ澄ましているかと言われると、全然できてないですね。

他人を利用してうまくやっている人を見ると、ずるい方が得する世の中なのか?と思ってしまったり、あの業界や、あの規模や、あの位置があれば、自分も色々できるのになあと妬ましく思ってしまう事も、正直言えばまだあります。

超一流のアスリート達の人間的な格好良さに少しでも近づいていける様、社長業で修行を重ねて、”道''を極めていきたいと思います。





2016年8月7日日曜日

お・も・て・な・しの語源

リオオリンピックが始まりました。

絶対間に合わないと懸念されていましたが、表面上はトラブルも無く、見事な開会式も行われていました。

悲観的なのか、減点主義的なのか、良い面では、きっちりしている、細部まで拘る、という性質からか、日本人の感覚ではあり得ない、出来っこない話が、実際はできてしまう光景を見ると、色々と考えさせられてしまいます。

細かな問題はあれど、それ以上のパフォーマンスを上げれば隠れてしまう、やりゃいいじゃない?という南米的なのか、大陸的なのか、そんな感覚があるではないか?と思います。

次回のホスト側の知事として、土壇場でバタバタとした都知事選も終わり、結果的には初の女性都知事が誕生しました。

その都知事にも相変わらず、ファーストクラスで行くのか?スイートルームに泊まるのか?と下らない質問や、それを取り上げ議論するテレビなど、全体を見る事や、論理的に整理して考えるという事が、日本人はいつからこんなに苦手になったのかと思います。

私個人は、貧乏性にできているのと、社長だからという特別扱いが嫌いなので、基本的には新幹線でも普通車、海外出張もエコノミーで行っていますし、会社に来る社長宛ての贈り物も、それらはウエダ本社の社長に贈られる物で岡村個人の物ではないからと、社員に全て分けています。

しかし、一般的には、TOPは成果を上げる事が仕事なので、ファーストクラスやスイートルームでも、その環境だからそできる仕事であるなら、堂々と取ればいいいと思います。

その問題と、前知事の様に、家族の食事や旅行に当てていたという問題は全く別で、それをごっちゃに論議する事が馬鹿馬鹿しく、見識のある方でも平気で、あんな少額で問題にするのはおかしいと言っている人もいたりします。

又、片側で揚げ足取りの様な感覚があるかと思いきや、当初7000億強の東京オリンピックの予算が、2兆とも3兆ともに膨れ上がっているとの話ですから、きっちり細部に拘りながら、全体は結果次第という、バランス感覚のはちゃめちゃさに呆れるばかりです。

これはグランドデザインが描けず、強いリーダーシップも無いまま、問題に蓋をしながら、細かく真面目に仕事を行なっていった結果で、日本人の典型的な悪い例だと思います。

我々の会社でも、似たような話はよくありますので偉そうには言えませんが、日本人の真面目さを生かす為にも、しっかりとしたグランドデザインが必要で、それに基づいた論議をしていかなくてはなりません。

お・も・て・な・しは、東京開催が決定した際、海外でも有名になりましたが、おもてなしとホスピタリティーの違いも考えてみると日本や、我々自身もやるべき事が見えて来ます。

おもてなしは、来られる客人を想定して、その人に喜んで頂く、最大限に満足を感じて頂こうとするものであり、しかもそれを主張せず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないというものです。

それに対してホスピタリティーの語源は、病院やホテルにも繋がるホスピスであるという事は知られていますが、ホスピスの語源には、見知らぬ者という事もあり、文化人類学では、部落の外からやって来た見知らぬ者を最大限に歓待する事であり、それは気前の良さで客人を恐縮させるという力の誇示なのだそうです。

そういう意味では、今回の開会式もホスピタリティーが高かったのかも知れません。

東京では、今の状況からでも、SELFLESS HOSPITALITY(無私のホスピタリティー)と訳された、”お・も・て・な・し”のオリンピック、パラリンピックを開催していかなくてはならないと思いますし、マスコミ、国民側も、下らない事を突いていくのではなく、”何をもって何を成すのか?”という、おもてなしの語源を考えていきたいものです。

そして、うちの会社も、見知らぬ人に向かうホスピタリティーではなく、想定したお客様に、SELFLESSに対応する、お・も・て・な・しを習得していきたいと思います。

2016年7月30日土曜日

塚越会長の野望と、堀場社長の本物観

例年は京都流議定書が終わった翌週は、少し気が抜けた感じがするのですが、今年はそんな間も無く、やる事満載、刺激も沢山あった週でした。

イベント明け翌日は、引き続き?のKYOCAで、京都府下の行政区の担当者が集まられる会議に出席し、KYOCAの取り組みをお話しさせて頂きました。

まだまだ理想には遠いですが、町づくりや地域活性という事で取り組まれる方々にとっては、面白く、かつ有意義だと捉えて頂く事が多く、2年を経過してまだこういう機会を頂けるのは、有り難い事です。

翌火曜日はクオリア朝食会で、堀場社長のお話しをお聞かせ頂きましたが、先日の塚越会長とは、展開も取り扱いも全く違いながら、やはり常に人財をベースにした経営スタイルのお話は、
精密機械の製造でグローバル企業の現役経営者という、一見、数字と効率化のみを追求する様な存在だけに、改めて人をベースにした経営と、それを目指す会社を増やしていく必要性に確信を持つ事ができました。

そのお話しの一端は、

・京都企業は、その分野での日本一、世界一を目指すので、他所の真似をしないが、東京中心の
 売上、利益を評価する経済では、規模が価値だから皆が真似をし、それが魅力を無くしている。

・商売は本物に拘らないといけない、そしてその本物は、商品ではなく人財である。
 商品は陳腐化するが、本物の人を育てて行く事は直ぐにできる事ではなく、それが人財となる。

・会社はマニュアル化できない事が8割で、それを伝承していくには人財を継続的に採用していかなくてはならない。

・原発後の福島に放射能測定器の寄付なども行ったが、そういう事をセールスプロモーションに使ってはいけない、企業としての本物は、格好いい企業、しかしそれには我慢が必要。

などなど他にも沢山ありますが、加えて他に具体的な人事の方針などもお聞かせ頂く事ができ、実践して来られ、実績も残して来られた堀場社長のお話を、直接聞かせて頂ける勉強会など他にはないと思いますし、それこそ、京都の会社で良かったと、京都の価値を感じました。

それぞれの企業、業種で適正サイズがあり、京都という土地は、規模ではなく、ベンチャーであっても本物であれば、それをサポートする風土があるという事で、堀場社長にしても、厳密に言えば、会長兼社長という存在であり、大変お忙しい中、この様な時間を取って頂くのも、本物を見る京都の感覚を残していかないといけないという想いからだと思います。

数値化、標準化というものは、ある意味、TOPや指導者からすれば便利なもので、こちらの見る目や引き出す能力がなくても、判断できたり、オペレーションができるものです。

今年の京都流議定書でも全体テーマを”生かす”としたのは、勿論、主な意味では”活かす”で、それぞれの力を活かす町、企業、オフィス、働き方というものですが、そういう事、感覚が、イカス=格好いい、というメッセージも込めていたので、あえて、常用漢字の”生かす”としていたのですが、堀場社長のお話は、正にそんなズバリのお話でした。

京都フォーラムでご登壇頂いた塚越会長は、講演時にも仰っていましたが、舞台裏や、その後の食事の席でも、トヨタさんのお話を嬉しそうに話されていました。

今、塚越会長の元にトヨタの役員、子会社社長の方々が代わる代わる教えを請う為に訪問されているのですが、それこそ、規模で最大、数字を追いかけて来たTOPの企業が、日本を代表する”本物”の企業に変貌を遂げて頂けると、日本にとってもこれからの世界に取っても明るい道筋が見えてくる様に思います。

それが塚越会長がここ数年口にされる様になった”野望”であり、堀場社長の言われる”本物”の追求なのだと思います。

まだ京都流議定書が終わった翌週という事でお許し頂き、それらの話に乗っからせて頂くと、京都流議定書は、京都が偉いという話ではなく、京都に残る、その本物観、それはそもそもは日本の強みであり、そこを再認識して、発信していこうというもので、全く同じ事だと思います。

堀場製作所さんというのは、排ガス計測器など、自動車業界では圧倒的シェアをお持ちの会社ですから、こちらからもトヨタさんに”本物”攻めをしてもらえると、日本も早く転換できるかもしれません。

大きな、そして明るい夢ですね。


2016年7月24日日曜日

京都流議定書での年輪経営

第9回の京都流議定書も無事終了しました!

今年は例年のハイアットリージェンシーさんが取れず、それならと、鉄道博物館オープン後の近隣の様子もご覧頂いておこうという事もあり、KYOCAで開催を致しました。

9回目という事や、会場もKYOCAで、収容できる人数も少ないので、私自身、油断?もあって、準備がしっかりできていなかったのですが、結果としては、素晴らしい出演者の方々と、年々成長しているスタッフの現場力のお蔭で、無事に終了する事ができました。

三日間の中で、唯一有料であった京都フォーラムでは、30分の間に、一旦、皆さんにご退出頂き、お金の授受も含めた受付を行い、並んで頂くスペース、お待ち頂くスペースも無い中、会場の机、椅子を入れ替えながら対応しなければならないという、難しい対応が求められました。

しかもこの枠が、県外での講演はこれが最後と言われる、伊那食品の塚越会長でしたので、定員を大幅オーバした参加者が一気に集まり、動線がどうなるか?という状況でしたが、結果的にはクレームも無く、本当にスタッフが頼もしく思えました。
(来場者の皆様のご理解で、クレームになっていないという面はあると思いますが)

塚越会長からも、”社員さんが素晴らしいね~、社員さんの様子を見て、岡村さんを見直したよ”と言って頂いたのですが、塚越会長から社員を褒めて頂くなど、我々にとっては勲章を頂いた様なものでした。

その塚越会長のご講演と、その後、又、会長と社員さんの信頼関係の様子を、画が浮かぶ様に話される大久保さんのコーディネートで、会場全体が、やられた〜という空気感となっていました。

初日は他に、ミライロの垣内さん、こどもみらい探求社の小笠原さん、ルクロの黒岩さんに、門川京都市長と、ある社長さん曰く”半日でこれだけの方が並ぶセミナーなどあり得ない”贅沢な半日でした。

二日目は、午前中は恒例のブロックス西川社長によるワールドカフェを、理念浸透について、100名程で盛り上がった後、午後は、今年の特長でもあった、工繊大の仲先生による、イノベーションを生みだす為のオフィスデザインの考え方、クラウドワークスの吉田社長の、スキルをクラウド化する事による働き方の変革、最後には、女性みらい対談と、実際、働く環境の課題をテーマにした展開でした。

三日目は午前、ソーシャルイノベーション研究所、午後はミラツクのセッションでしたが、例年はソーシャルセクターが集まる日であるのが、今年は、経済同友会を中心に混じり合い、これも今までに無いものでした。

今回は、私自身の油断もありながら、見事に皆がカバーしてくれ、今までで一番見事なパフォーマンスで、心地良い疲労感で終える事ができました。

改めて、京都流議定書というのは、毎日が全く違うノリ、雰囲気で作られ、それぞれが素晴らしく、しかし一本の理念で横串が刺さっており、しかもそれを全て社員だけで手作りで運営しているという、他には絶対にできないイベントだと思いました。

残念なのは、まだまだ私含めて、それを訴求できず、単発での参加が多いところです。

今回も沢山の気づきがありましたが、塚越会長の仰っていた、会社の成長は、一人一人の人間的成長の総和という事を肝に銘じ、また来年に向けて、総和を上げていきたいと思います。

明らかに総和としては成長してくれている皆にも報いられる様に、社員の為にどうあるべきかはブレる事なく、年輪を重ねて、来年は、京都流議定書も10年の年輪を刻みたいと思います。


2016年7月16日土曜日

反省しきりの一週間

今週も東京、横浜へ、様々な目的の混ざった出張でした。

毎年恒例の盛和塾世界大会が横浜で二日間に渡って開催され、本来はそれにべったりと行く予定だったのですが、ビックサイトでオフィス関連の展示会が行われており、働き方変革EXPOと題したものもあると、どうしても行かないわけにはいかず、世界大会初日は欠席してビックサイトに行きました。

働き方変革の主なものは、文書の電子化とWEB会議、それを行う事によっての在宅を含めたオフィスに縛られない働き方、福利厚生を充実させる為のオフィス内設置のカフェや食関係のサービスという所でしたが、サービスについては、クラウド、シェアという感覚で、面白いアイデアのものもあり、ビジネスアイデアについては柔軟な発想をしているつもりが、全然硬直化している自分に気づきました。

二日目だけの参加となった盛和塾では、毎年ながら凄い経営者の発表を聞いて反省しきりで、中でも創業7年、30代半ばで、既に上場スキームに入っているという社長の話を聞いては、小さくなるしかありませんでした。

その年代や創業年数で上場という成果の話ではなく、創業メンバーと袂を二つに分けた際、自分には、社員の4分の1程しか付いて来てくれなかった事から、それまで社員の事を考えていなかった事を反省し、社員とその家族の物心両面の幸福を追求するという事において、それこそ愚直に仕組化し、”社員さんはいつ自分の仕事をしているのだろう?”と思う程、たくさんのコミュニケーション、イベント、勉強(研修)がプログラム化され、社長の仕事は社内の関係性構築のみとも言ってもよい程の取り組みで、自分が一番になる事ばかり考えていた時には上らなかった業績が、本気で社員を家族と思って取り組んで以降、見る見る業績をUPしていかれている事を、数字と共に発表されたのでした。

塾長講話では、昨今、コンサルタントなどが、リーダーは口を出さず任せることが大事などと指導する事も多いが、それは、実際の経営をやった事が無い人が言う事で、特に中小零細という企業の場合には、社長は皆を何としても守るいう事が第一使命であり、社長が引っ張るしかないのだから、惑わされずに率先垂範で臨んでほしいというお話で、最近又、会合などで会社を空ける事が多くなっている自分を反省しておりました。

説明がつかないながら、会社価値向上の為に関わっていると胸を張って言える取り組みと、抜けられない、断れないという事で参加しているものもあり、まだまだそんなレベルの企業でもないのに、緩んでいたと感じました。

金曜日は東京で、公園遊具のメーカーの代理店会に出席しました。

今年100周年を迎えるこのメーカーの代理店会も、建築、土木という枠組みから変わっていこうとされている感じでしたが、考えてみれば、公園というのは、町や村や、その地域に住む人々にとって、一番のハブになるべきオープンなスペースですから、そこの発想を変えていく事は、地方創生にとっても、大変重要なポイントだと思います。

この会にも京都府では唯一の代理店として参加していながら、その存在を生かしきれておらず、ここでも又、発想が硬直化していた事に気づきました。

今週は、その他にお会いした方からも、自分のできていない事を気付かされる事ばかりで、何処に行っても反省ばかりの一週間でした。

もっともっと、自分や自社の役割を発揮して、日本の一般的なサラリーマンの働き方の変革とそれに向かう為の企業の考え方の変革と、人の繋がりが価値を生む場作りに、精魂を傾けたいと思います。

その為にも、様々な活動、付き合いの時間を、”動機善なりや私心なかりしか”、の目で、改めて見直したいと思います。

2016年7月10日日曜日

オフィスリニューアルの意味合い

今週は、ウエダ本社の強みが発揮された週でした。

現在、オフィスのリニューアルを行っておりますが、1週間だけの為にオフィスを作り変え、又元に戻すという作業を行なっておりました。

5、6階のリニューアルを行うに当たり、まず6階の営業フロアを空いている4階に仮設で移し、そこで月~金曜日まで営業し、その間、6階の床の張替、備品入れ替えなどを行い、4階から再び戻すのと共に5階メンバーも全て移り、月曜日からは6階で通常営業するという、離れ業?でした。

自社の自慢に聞こえるかも知れませんが、私自身は、至って不器用で何もできないので、いつもこの様な移設や、作業的な場面での、うちのメンバーの現場力を見ると、凄いなあ~と感心します。

今回のレイアウト変更は、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同研究してきたもので、数か月に渡り、ワークショップや、アンケート、動線調査などを行ない、オフィスや、働き方についての皆の意見、動向を吸い上げたものを形に表すというもので、今後、この様な展開を特に中小企業に広めていきたいと考えており、言わばそのモデルケースともするものですので、全て完了する8月末以降は、ドンドンご覧頂いたり、お越し頂く機会も作っていきますので、是非、ご活用頂きたいと思います。

そして、そんなオフィスに対しての考え方については、京都流議定書二日目の仲先生のご講演を是非お聴きください!http://kyotostyle.jp/

今後の企業がどうあるべきか?をオフィスというファシリティーを通して考えて頂けると思います。

又、我々が、何故、色々な事、それも一見、本業に関わりの無い様な事に関わっているのか?という事も何となく繋がってイメージして頂けると思いますので。

と言いつつも、うちのメンバー自身もまだまだ繋がっていない事が課題ですが。。


今週、皆が毎日の様に、移動作業などを行ってくれている間、私の方は、あるメーカーさんの感謝の集いと、その企業さんの周年記念を兼ねた会に出席の為、出張しておりました。

社長のお話、工場見学、懇親会と宿泊しての翌日は、全国から施工の職人さん達のコンテストの観戦と、二日間に渡っての会を全て、社員さんが手作りで作られた立派なものでした。

私はコンテストは見ずに別行動したのですが、コンテストを見た、うちのメンバーに感想を聞くと、結構ミスも多く、実際の現場でも、我々がカバーしていたり、そのフォローに相当な時間を取られていたりするとの事でした。

実はこの会社さんは、上場もされていて我々が偉そうに言えるレベルではないのですが、実際、私も腹に据えかねて、責任者に来てもらい、厳しく改善を求めた事があるほど、ミスが多かったのは事実で、私などは、今回の社長のお話や、工場の仕組と様子、会の運営と社員さんの姿勢を見て、改めていい会社だったのだ、と思ったほどでした。

そんな事を見ても、企業経営って本当に難しいものだと改めて感じます。

社長の考えや理念があり、それが落とし込まれる仕組み、それを行うスタッフの質(人間力)とベースになる技術力(現場力)それらがしっかり噛み合わないと、インプットとアウトプットが繋がらず、アウトカムが出ないのです。

又、難しいのは、賢い経営者であれば、短期的なアウトカムだけを作る事は可能なのですが、長期的に半ば永続的にとなると、この流れがビシッと繋がってないと無理だと思います。

という事を俯瞰して考えると、うちの会社は、唱えている事は、それなりに意味を持っていると思いますし、一部の現場力は有るとすると、それを形にしていく事、仕組化していく事が足らない所で、
現状は、それを構成できていない私(社長)の能力が足りていないのだと改めて思います。

という事で実は、今回のオフィスリニューアルは、その繋がっていない、唱えている想いと、現場力の間を繋いでいく為のものであり、唱えている事を見える化するものです。

現業もやりながら、これだけ短期間に移設も行い、その間に京都流議定書の準備もと、皆には大変負担がかかると思いますが、想いからのラインがしっかり、綺麗に並べば、インプットからアウトカムまで繋がる様になると思いますので、皆には頑張ってもらいたいと思います。

私は、自分の足らない能力を補填していく事に努めますが、それと同時に、能力補填して頂ける方は、是非ともリニューアルされたウエダ本社にもご参集下さい!






2016年7月2日土曜日

人の価値は?

今週は、又、親バカな話となります。

と言っても、私の息子ではなく、同年代の新入社員の話ですが、一応、新入社員でも試用期間というものが設けられていて、今週で晴れて正社員となりました。

皆それぞれのキャラクターを発揮し、新鮮な刺激を与えてくれています。

高卒で入社し、まだ未成年のU君は、初めの印象はコミュニケーションが不得意な様に見えるのですが、話し出すと大変しっかりしています。
まず状況をしっかり説明し、どの様に感じたかを説明するのですが、素晴らしいのは、だからこの様にしようと思う、と、対策まで必ず話します。

周りの先輩たちも口を揃えて、U君は真っ白で何を言っても直ぐに吸収してくれるというのですが、ご両親からも怒られた事が無いというのに、会社で怒られたりしたら嫌にならないのか?と聞いても、”怒ってもらうのは、自分の事を思っての事だと分るので有り難いし、少しでもできる様にしようと思う”と、泣かせるセリフを言うのです。
そんな姿勢で吸収して来た彼は、悪気無くやっていた覇気なく見える姿も、他人からそう見えるのは良くないからと、積極的に声も出す様にしていたり、最初は関係ない仕事も面倒臭かったが、まだ仕事ができない間は、そういう事で役に立つ様にとのアドバイスから、率先してやる様になったとの事で、質問を続けて行っても全てに見事な答えが返ってくるので、思わず、笑ってしまいます。

もう一名の高卒新入社員のK君は、施工や納品等の現場が楽しいと、一日作業で体がクタクタでも、”楽しかった”とニコニコして帰って来るので、これ又、その感覚は希少価値で大きな資産だと本人にも言っています。

又、これだけ高卒が素晴らしいと、普通の大卒だと逆に埋もれてしまうとも思いますが、N君は、新卒募集してない中、うちの会社を志望して来てくれただけに、それらも良い刺激として捉え、自分の方向付けに役立てています。

内務の女性社員も、本来は苦手な電話も、失敗が許される間に克服しようと積極的に出てくれていましたが、そんな姿勢なので、他の仕事の吸収も早いそうです。

以前から私は、それも何の為に?と思われるのですが、教育問題にも色々と関わって来ました。
それは、一言で言えば偏差値教育とその評価への反発ですが、ウエダ本社で向かう、人を活かして運営していく企業、組織を増やす事にも合致するからで、今年の採用と、現在の姿は、ずっと思って来た事を、皆が証明してくれてる様で、大変嬉しく思います。

今年の京都流議定書二日目は、そんな組織風土、理念、オフィス、仕事、働き方、等についてのヒント満載です。

この日の午前中は、素晴らしい会社を長年、映像で追いかけて来られたブロックスさんですが、うちの新入社員のこの三カ月の成長ぶりを、ドキュメントで追いかけて欲しかったものです。

当たり前で、人の価値は、偏差値や、知識、だけでは決まりません。

能力は未来進行形で考える」

考え方、取り組み方が、その後を変えていく一番重要な資産だと思います。















2016年6月25日土曜日

ウエダ本社も離脱します。

イギリスがEU離脱という衝撃的なニュースが入ってきました。

詳しい事は私などが論じれる話ではないですが、一方方向に進んで来た流れにSTOPがかかり、逆流するのか、ここから出た傍流に新たな流れが加わり、違う流れを形成していくのか、いずれにしても、大きな転換を迎える事は間違いないでしょう。

同時に問題は、撤退と言っても、来月から即というわけではなく、実際別々で稼働するには5年はかかるとの話もある様ですから、その間の停滞、混乱というものが、ヨーロッパ内外に向けて、どの様に効いてくるのか、全く想像ができない所です。


丁度このニュースが飛び込んでくる前日、スケールは全く違う話ですが、私自身、会社での展開を転換しようと思い、社内ネットに配信していました。

ずっと行ってきた月曜日の朝礼の在りかた、会議の持ち方についてですが、変える所は、それ自体のやり方というより、やはり流れの転換、我々として重要としていく事を鮮明にしていくつもりでした。

今週、クオリア朝食会で、堀場社長のお話しを伺い、改めて感心すると共に、痛切に反省していました。

前回時も、お父様の堀場雅夫氏から、あれだけ見事に継承そして、発展がなされている会社も珍しいという話を書いていましたが、厚氏からは、今までお父様から聞いていた話の否定でもないですが、実際は違ったというお話しも出てきます。
しかしその様子は、他で演じられる親子間の対立という感じではなく、あくまで”おもしろおかしく”の精神は同じで、その表し方が違って、そして、それそれがオリジナルで素晴らしいという感じで、違いを話されても”対立”とは感じず、絶妙なバランスを感じるのです。

お父様の時代には営業利益率が4~5%であったものが、現在では毎年10%開発費には投資しながら、営業利益率は10%を確保し、海外への展開も積極的に行っておられるのですが、相手が米国人、フランス人、インド人など関係なく、HORIBAのフィロソフィーで”統治”ではなく”信頼”で繋がっている関係を築いておられる様でした。
事業の拡大についても、”人を育てるつもりがなければ手を広げてはいけない”、”任せる人を信頼できなければ広げてはいけない”と仰る通り、そのポイントを”人”においておられるので、グローバル企業でありながら、中小企業の家族的な良さもあるのです。

組織風土、人事、業績、それらマネジメントは、やはりTOPが全てで、その器次第で決まるというお話でしたから、隣に座りながら、グサリと突き刺されていました(笑)

そして、ここ最近ずっと感じていた事や、モヤモヤしていた事が、すっきりとしたというか背中を押された感じでした。

”人の繋がりが価値”と言いつつ、その浸透も中途半端で、結果も中途半端なのも、私自身の構想力と現場への落とし込みが足りていなかったのだと感じました。

EU、イギリスは何処に向かうのか分りませんが、世界は混沌としていく事は間違いありませんし、日本にとっても、厳しい環境になっていくでしょう。

その中でウエダ本社は、以前からそのつもりであった、従来型の資本主義から離脱し、独自モデルで従来とは違う流れを作っていきたいと思います。

2016年6月19日日曜日

業界の常識と女性脳

漸く、舛添都知事が辞任という形になり、この話題も収束しそうです。

と、言うのは本来おかしい話で、問題はTOPとしての資質という事だけではなく、本質的には政治資金の使い道が、ほぼ、”何でも有り”に近い形であったという事で、そこにおいては国会議員もどこまで糾弾できるのか?と思います。
初め静観していたものが、途中から参院選への影響を考え、逆に一人を潰して収束を図ったという所で、今回問題となった”せこさ”は別として、どこまで他の国政、地方含めた議員さんが、この本質を糾弾できるのでしょうか?

それだけに、やはり金額の大小ではなく、駄目なものは駄目という線引きが必要なのだと思いますし、政治の特殊な世界だけの当たり前を抜本的に見直してもらいたいと思います。

その世界だけの常識というのは、政治の世界だけではなく、どの業界にもあると思います。

以前からずっとこの様にやってきた、

皆がこの様にやっている、

という話は、それが一般の概念や新たな潮流が出てきた際に、その業界内で凝り固まった人から出る話です。

ところが、ネット、SNS社会では、白日の下に晒されるので、所謂、業界の常識でも世間の非常識は通用しなくなっていきますし、増してやAI、ビックデーターという世界では、業界の素人でも、どんどん参入していく事になるので、今まででは有りえなかった、どんでん返しが、一瞬にして起きてしまう事もあると思います。

それぞれの所謂、勝ち組と言われる所ほど、新たな潮流に対して、否定的で、あんなものは・・という話になります。
そして、そういう話は、現状で裏打ちされたものであるので、論理的に説明され、反論の余地もない事が多いのですが、新たな潮流は、何となくそんな感じがするというもので、しっかりとしたロジックもないところから始まるものですから、我々の様な弱小の会社ほど、業界の常識を疑い、あくまで一般常識に照らして、そんな現状や、勝ち組論理への違和感を大事にしていきたいと思います。

今週もソーシャルビジネスを展開している人や、本業としての稼ぎをベースに、大きな問題意識で社会課題に向かっている方々と沢山、お会いしました。

それらはロジックで考えると、割に合わない話ばかりですし、それで流れが変えられるのか?と問われると、ロジックでは説明がつきません。

ただ、言えるのは、どの話もワクワク感があり、何となく光を感じます。

そして、面白いなあ~、真似できないなあ~と感じる展開をされているのは、殆ど女性である事に気づきます。

そういう面でも、女性の活躍支援というものも、単に、育休や早帰りできる制度を整えるとか、管理職の女性比率を高めるという話ではなく、これも本質的に、男性がロジックで作った社会フレームの中で考えるのはなく、女性が感性で突っ走り、それをサポートできる様なフレーム作りが必要なのではないかと思います。

そしてこの問題も、ウエダ本社で男性脳で考えるのではなく、女性脳で考えないと本質が変えられないという事で設立したのがMegami http://www.ueda-h.co.jp/megami/という会社です。

その代表の小島も出演しますが、京都流議定書二日目には、「女性が活き活きと活躍できる組織とイノベーションを生みだすダイバーシティ経営」というパネルディスカッションも行いますので、そのフレーム(土壌)作りから考えておられる企業関係者は是非、ご参加下さい。

舛添さんも、ここを研究してもらえば、女性を味方にできる対応ができて、結果が違ったかも知れないですね。


2016年6月11日土曜日

”使命”に向かう

今、東京からの帰りです。

今日は朝から増上寺で行われたリヴオンの理事会と、7周年記念イベントに出ていました。

グリーフケアという、深い悲しみを負った人に寄り添い、自立に向けてのプログラムや場を作っている団体ですが、参加者や支援者の話からでも、これまでどれだけ、厳しい状況の人達に役立ってきたのかがよく分かります。

彼女自身はお母さんの自殺やそれに関わる大変な状況を経験し、生命の尊さや重さを感じ、いくつもの生命を救う側に立っているのですから、自分の命を使っての”使命”としているとしか思えません。

昨日はこちらも理事を務めているミラツクのギャザリングがあり、ゲストスピーカーで来られたロート製薬の河崎さんから、みちのく未来基金のお話しを聞いていました。

震災で親を亡くした子供達が高校卒業後に夢を諦めない様に、大学や大学院、専門学校の費用をその卒業まで面倒をみるというもので、しかも震災時に0歳児であった人までが対象なのですから、震災から25年間は支援を覚悟してのもので、ロート製薬の会長が呼びかけられ、カルビー、カゴメの三社で基金を設立されたという事でした。

この基金で学んだ学生は100パーセント地元復興の為に尽力するという使命感を持つそうで、こちらも、どれだけの可能性と夢、そして命を繋いでいるのかと思うと、本当に血の通った本物の活動だと思います。

私は相変わらず、いろーんな事に関わったり、活動にも参加してますが、命を賭けた様な人を見るとワクワクするのと同時に最近は特に焦燥感を強く持つ様になりました。

50代もかなりオーバーして、もういい加減、自分の命を使うにふさわしい”使命”と呼べるものに、時間を割いていきたいと思います。

ちょっと今日はまとまってないですが、思ったまま吐露しました(^^)








2016年6月5日日曜日

危機が人や組織を強くする

今週は、新築ビルに備品を納めさせて頂いた会社さんに、ご挨拶に行っておりました。

と言っても堅苦しい表敬ではなく、盛和塾でご一緒させて頂いている社長さんで、むしろその展開に興味を持っての事でした。

お互い、元々のビジネスとその見え方が変わっているので、周りからは現状が分りづらいと思うのですが、今回の商売も、その社長さんからある時に”岡村さんの所からオフィス家具など買えるんでよね?”というお電話を頂き、”いや、それがまだ本業です!(笑)”と返答した所からでした。

お話しを聞いていくと、社歴や置かれてきた背景、そしてそこからの展開の考えが驚くほど似ているのですが、こちらの会社は、創業から70年、元は酒造メーカーの瓶を製造し、それを引き上げて洗って又納入するという、昔の日本酒販売に基づくビジネスモデルであったのが、今や紙パックや店頭での売り切りという形になり、ビジネスモデル自体が消滅するという中、現在では見事に、デザイン、マーケティング、そして小売店の売上アップにまで責任を負う、コンサルという所に大変身を遂げられていたのでした。

ゼロになってしまう程の危機から、全国の食品メーカーさんに瓶のデザインなどの飛び込みセールスを掛け、その後着実に新たな展開で転換し、今回、ビルを新築で建てられる所にまで業績も上げておられるのを目の当たりにし、良い意味で大きな刺激を頂きました。

今回のオフィスも、こちらから売りに行くプッシュ型から、お客さんに来てもらうプル型営業への転換を目指されてのもので、最近、ようやく広がり始めて来た、オフィスはブランドや会社の考え方(価値観)を表す最大の広告ツールと捉えてのものでした。

そしてそれは、我々にとっても、約10年かけて取り組んで来た事であり、最近ポツポツとお声掛け頂く様になって来た事で、ちょっとした成功例が出て来て、多少緩んでいた様に感じました。

やはり危機が人も組織も強くする貴重な壁であり、それが無くなった時の油断が、又、おかしくする原因にもなるのでしょうね。

今週、ロータリークラブの例会では、元阪神タイガースの桧山さんの講演を聴きました。

その中で印象的だったのは、現役時代、8人の監督に仕えて、それぞれに意味があったのだが、考え方を徹底的に変えられたのが、やはり野村監督時代で、新人の時からレギュラーで出ていた桧山さんは補欠となり、腐って辞める寸前までいっていたそうです。
ところがある時、今までは野球の事しか考えずに生きて来たのが、辞めた後の人生を考える様になり、初めて人生の中においての野球と捉えられる様になると、今の補欠は人生において貴重な経験ではないか?と思えて、そこからガラッと野球への向き合い方も変わったとの事でした。
そして、野村監督時代の最初の二年間は補欠だったのが、考え方が変わった三年目には、四番も打ち、初めての三割、そして当時は球団新記録となる28試合連続安打も達成したというお話しでした。

野球一筋でやって来られた桧山さんが、人生の中での野球と捉えて、最大の危機から脱し、その後の活躍をしていかれたケースは、決してプロスポーツ選手の特殊な話ではないと思います。

学生であれば受験や、どこの大学に入るか、又、名の有る企業に就職できるかが目的となっており、それで入社した人は、仕事や、働く事自体に、意味を見つけられなくなったり、ただただ毎日の作業を目的としてしまったりしています。

そしてその集合体が組織であり、企業であり、それで構成された集合体が、”人”に対して優しい、寄り添える”場”になる筈がありません。

その蔓延した考え方から崩していきたいと思って取り組んで来たのが、今のウエダ本社の展開であり、それを表す最大のイベントが、今年9回目を迎える京都流議定書です。

それぞれのセッションについては、FBでも発信して参りますが、オフィスの在り方、風土、働き方の、そもそもの考え方を変えたい!という企業関係者の方々は、7月22日~24日KYOCAにご参集下さい!(特に風土も含めたオフィス環境については二日目の7月23日です)

最後は、京都流議定書の告知になりましたが、私自身、ちょっと緩んでいたな~という反省から、改めて、俯瞰して見る位置と、目指していく位置の見直しをしていきたいと思った一週間でした。

2016年5月28日土曜日

”人として”選ぶリーダー

今週は、伊勢志摩サミットがあり、オバマ大統領が広島訪問をされた事が話題となりました。

謝罪は無かった事や、ノーベル平和賞に関連してのポーズと言われたりもする様ですが、米国の現職大統領ですから、我々では想像もできない抵抗や、障壁があったでしょうし、それを押し切り、又、周到な準備を積み重ねてわざわざ行かれたという事には、”人として”、魅力を感じました。


一方、4年後には、オリンピックの開催地のホストとして、世界の人々をお迎えするかも知れないTOPの方は、法的にどうか?という問題ではなく、”人として”どうか?という話であり、早くに責任を取って辞めてもらいたいと思います。

よく大臣などの不祥事が出て、辞めて責任を取った事にするというケースがあり、それと同様に、辞めさせて又選挙でお金をかけるべきではないという人もいますが、選挙で団扇を配ったとか、選挙資金を貰ったという話とは全く違う、そもそもの”人として”の問題ですから、そんな”人”が職務を全されてもも都民は困る話だと思います。

カルビーの松本会長は、1ダラーアウトという事で、1ドルであっても不正使用があれば即刻クビと明確にしておられますが、私もよく社内では、1円でも駄目なものは駄目という話をします。

金額の大小ではなく、1ドルであっても駄目なものは駄目なのですが、特に最近の日本では、問題を混雑させて論議していたり、質と量(数)も分けて考えられなくなってしまっている様に感じます。
これも全てを数値化して数の大小で評価する様になって、質を見れなくなってしまったからではないでしょうか?

自戒を込めてTOPは、”人として”どうか?が重要だと思いますし、働く人や、市民、国民は、やはりTOPの理念、価値観で選んでいくべきだと思います。

”人として”の魅力を見せたオバマ大統領の後、アメリカ国民には、自分達のTOPは世界に影響を及ぼすTOPだという事を意識して、冷静に選んでもらいたいと切に願います。



2016年5月22日日曜日

人的資本バブル

今週はバブルでした。

と言っても金融のバブルではなく、凄い人達とお目にかかったり、お越し頂いたりという人的なバブルでした。

まず、何と、木曜日には田坂広志さんがウエダ本社にお越し下さいました !

ダボス会議を始め、世界のTOPリーダー達とも議論され、多くの経営者達が講演や塾などに押し寄せているという方が、わざわざ訪問をして頂けるという有り難い事だったのですが、昨年京都流議定書の基調講演をお願いした際から、我々の様な中小企業が、こんなイベントを継続して行っている事に関心を持って頂いての事でした。

マンツーマンで二時間以上もお話しさせて頂いただけでなく、今後の我々の取り組みも応援してやろうという有り難いお話しでした。

その日の夜は、高野登さんがルクロ本店に来られるというのを黒岩さんから聞いていたので、私も混ぜて頂いたのですが、寄田先生もお越しになられて、元リッツカールトン、ヨリタ歯科、ルクロという豪華なメンバーでのディナーでした。

翌日は、伊那食品の塚越会長や、沖縄教育出版の川畑会長もメンバーのトップフォーラムという勉強会が小倉であり参加していたのですが、同じ日にウエダ本社では、大久保寛司さんが来られるセミナーも有ったのに参加できないという勿体ない話で、この二日間は、経営品質、ホスピタリティー、人的資本という事において日本でTOPという方々と交差するバブル期でした。

今回の勉強会でも、九州を地場にするハローデイというスーパーの加治社長と、元はこのメンバーでもあったシャボン玉石鹸の森田社長のお話しでしたが、人的資本、理念経営について改めて勉強させて頂きました。

地場で活躍するスーパーという事でしたので、小規模なイメージと、ローカルに拘ったビジネスモデルでの成功のお話しかと思いきや、従業員数約5000名(内パート3700名)、50店舗で売上約700億という規模でありながら、徹底的にスタッフの人間教育を行ない、パート社員中心でも如何にお客様に喜んで頂くかを追求して、日本一視察が多いスーパーを作り上げておられるお話しで、人的資本を形成していくと、実際、会社も良くなり、業績も良くなるんですよ!と見せつけられた感じでした。

又、倒産寸前から引き継がれた私と同い年の加治社長の経緯は、規模は違えど似ている所が多く、うまくいかなかった間は自分が一人で責任を負っていたつもりで、皆がついて来なったが、そんな中でも残ってくれた仕入れ先、社員さんなどに感謝し、その感謝が伝わっていく様に、感謝をする、される経験を皆に積ませていくと、会社の空気が変わったというお話しは、ドキッとさせられたと共に、途中まで同じ感じでありながら、現在の差の原因が明確になりました。

無添加石鹸で有名なシャボン玉石鹸さんは、1974年頃、月商8000万あったものを全て無添加に切り替え、売上は一気に78万、社員は100人から5人となったそうです。
その後17年連続赤字でも、世の中に必要な物を追求されて18年目でようやく黒字化、今やウイルス対策や、水の有効利用など、思わぬ方向にまで研究が進んでいるという、時代の方が漸く追いついてきたという会社ですが、如何に理念、使命が大事かという強烈な例を見せて頂きました。

勉強会の翌日は、前回福岡で講演した際のご縁から、消滅する町と言われる大牟田で、やはり人の繋がりで町づくりをされている冨山さんにご案内頂きました。

ゆっくりもしたかったのですが、一度熊本にも入りたかったので、わがままを言って慌ただしく案内して頂き、これも数時間しか居れないので、何人かの方に見るべき所を教えて頂き、熊本を回って帰って来ました。

いつもいつも、人の繋がり、縁の話をしていますが、今週は本当にそのバブルの様な週でした。

金融資産は、バブルと言われる通り、泡と消えましたが、これら人的資本は消えるどころか蓄積されていくものです。

何故、田坂広志さんがわざわざお越し頂けたのか?

面白いと言って頂く京都流議定書というイベントも2、3年やっていただけでは、そんな事にはなっていないと思います。

9年も継続して来たからですが、それも継続してご協力頂く皆さんがあっての事ですし、それを作り上げてくれているスタッフのお蔭だという事、又、業績は恥かしいレベルではありながら、実質無借金状態で、イベントを継続できるレベルでやれている事に改めて感謝して、これからも人的資本を増強していき、その人的資本を使って、色々な領域、地域で価値を創り出していきたいと思います。

シャボン玉石鹸さん、今度は改心した気持ちが続く、心を洗える石鹸を開発して頂けないでしょうか?




2016年5月14日土曜日

信頼資本のタックスヘイブン

今週は久しぶりに東京出張もあり、ISLの野田社長、クラウドワークスの吉田社長、JINSの田中社長など、素晴らしい方々の所に、それぞれ別の用件で訪問させて頂きましたが、それぞれの皆さんの能力、構想力、そして、それを具体的な形にしていく実行力を感じ、大変刺激を受けて帰っての翌朝は、クオリア朝食会でした。

堀場最高顧問にご指導頂いてきたクオリアですが、お亡くなりになられた後、大変有り難い事に、息子さんである堀場製作所会長兼社長の堀場厚氏に引き継いで頂く事となり、初めての朝食会でした。

以前ブログにも書いた事がありますが、私は日本の企業において、親子間でこれだけ見事に、そのフィロソフィーを引き継ぎながら、別々の卓越したキャラクターを生かして発展されたという点で、最も見事な成功例だと思っています。

堀場雅夫氏、ワコールの塚本幸一氏、オムロンの立石一真氏、京セラの稲盛和夫氏など、京都には強烈な創業者がおられ、それこそ、堀場雅夫氏には、”自分達は会社の経営もさることながら、天下国家を考え、その為に協力して行動してきた。経営者たる者、そうあらなくてはならない”と、ご指導頂いて来ましたが、その一世代下の経営者の方で、私塾の様に下の経営者を指導されるケースはあまりなく、堀場厚氏も初めてだと仰っていました。

今や社員約7000人の内、4200人が外国人というグローバル企業にされたのは厚氏ですが、管理できる日本人に対して、狩猟型である欧米人を管理という意味ではなくマネージするには、”この人について行く”と本能的に思われないといけないと仰っていました。

そして、そんな風土を作るにも、その中で活躍できる日本人も育てるにも、一朝一夕にできるわけではなく、そう考えると、やはり会社の資産は人財しかなく、企業の強さはお金で買えないものをどれだけ持っているか?だというお話でした。


グローバルで大企業なのに、良い意味で中小企業的な風土、おもしろおかしくの社是の通り、自由闊達な雰囲気と団結力、様々なものが何とも言えないバランスがある様に感じるのは、厚氏曰く、マニュアル化されない事にどれだけ投資できているか?という事で、継続して行って来られたからだと思います。

稀代の親子名経営者にこんな形で勉強させて頂ける事、様々な方の繋がりから東京でも、素晴らしい方にお会いできる事、私にとってはこれらも、本当にお金で買えない資産だと思います。

こんな帳簿に載らない簿外の資産を集める、そんなタックスヘイブンを作っていきたいものです。


2016年5月8日日曜日

79年目からの足跡

今週はGWの合間の出勤でしたが、5月1日は78回目の創業記念日でした。

日曜日でもあり、79年目という事で、特段何もしていなかったのですが、FBで上げていると、色々とお声掛け頂く事も多く、積み重ねの重みを改めて感じていました。

自社の事であり、特に100年企業が1000社以上存在する京都では、79年目というのも目立つもの
ではないので、あまり意識していなかったのですが、先人達から継承された一日一日の積み重ね
の結果であるのですから、今居る我々もその重みを感じて、自分達の足跡をそこに積み重ねていかなくてはなりません。


新入社員も1か月が経ち、それぞれのキャラクターを出してくれていますが、今の所、働ける事が楽しい!この会社に入れて良かった!と言ってくれていたり、まだミスが許される間に克服したい!と積極的に電話に出てくれていたりで、皆に入ってもらって本当に良かったと思います。

誤解をされると困るのですが、我々の会社が素晴らしいと言っているのではありませんし、当たり前ですが、これから彼らも嫌になる事も沢山出てくるでしょう。

ただ我々は、でき得る限り、自社の大事にする事、価値観を発信し、それが良いと思う人に入って
もらいたいと思って、そこに一番時間と労力を掛けており、その事で少しでもミスマッチを無くしたいと思っているだけなのです。

又、ミスマッチを無くしたいというのも、決して会社側の都合だけで言っているのではありません。

大卒の新卒者が1年以内に10%強、3年以内では30%強、高卒者ではそれぞれ20%と40%の割合で退職するそうですが、人生において大変ウエイトの高い、働く事についてもっとしっかり考える事、勤める企業の価値観を見極める事は、それぞれの人にとっても大変重要な事だと思います。

ミスマッチを感じて、3年以内に辞めるのも、大変なロスですが、違う所で嫌々、やらされ感の中で
働いていくのも、両者にとっても大変大きなマイナスだと思います。

しかしその考え方も、あくまで私の考えであり、私が展開するウエダ本社として大事にしていきたいというものであって、企業によっては、大量に採用して、ふるいにかけて残る人だけが残れば良いという考えもありますし、それが間違いとも言えないと思います。

ただ、その考え方が主流を占めている中では、一人一人の違いを尊重して、その能力を伸ばして
いく世の中には向かいません。

ミスマッチを無くす為にも、自社の価値観をしっかり発信して、それに合う様な人を採用するという
姿勢の企業を増やしていく事だけでも、働くという事に対する考えや、まだまだその力が生かせていない女性、現在の枠組みで言うと障がい者と言われる人達の能力を生かせる社会になっていくと思います。

79年目から創業80年を目指していく我々が、そんな社会を広げていく為に
一日一日を積み重ねていき、100周年を迎える事ができれば、企業の価値観や日本人の働き方が少し変わったと言われる世の中になっていると思います。

79年目からも、一つ一つそんな足跡を残していきたいと思います。

2016年4月30日土曜日

人工知能で理想的な組織、町を作る

今週も色々な会が有りましたが、その中で、経済同友会で聴いた日立製作所の矢野和男氏の”人工知能はビジネスをどう変えるか”というお話は、内容、構成、皆さんの満足度という面で、私が出た今までの例会の中でも屈指のものだった様に思います。

人工知能とビッグデーターの関係性、そこから生まれるビジネスとその変化、又、人間としての幸福観など、幅広いお話を、感性とロジックという事のみならず、膨大なデーターと実験研究を合わせてのお話でした。

最近話題になった囲碁対決は、人工知能が人間を破ったという話ではなく、AIを活用した素人集団が、経験豊かな専門家を破る時代が来たという様に読み取るべきであるというお話で、ビジネスやシステムは全てAI化していくという事でした。

更に私がもっと興味を持ったのは、サービスや知的労働の革新が起こるという事で、AIが人の幸福感や生産性を測り最大化できるというお話でした。

後者のお話はオフィスや職場環境において、人をモチベートする事、交差する場や動線、コミュニケーションなどを研究し、価値を生み出す事を目指しているウエダ本社としても追いかけてきたテーマであり、それを証明して頂いたかの様なお話しで、大変勇気づけられました。

膨大なビックデーターを瞬時に処理し、それを学んでいく人工知能は凄い!ですが、考えてみれば、人間の体はもっと凄く、脳は何も命令していないのに、毎日同じ体を作っています。
生物学者の福岡伸一氏の表現を借りれば、”細胞同士が折り合いを成す”という様に、人工脳どころか、脳の指示無しに折り合いを成して勝手に毎日生成されているのです。

私が理想とする組織や、働き方のイメージはズバリそういう事なのですが、本来、人間というか生物はその様なものなのだから、企業であれ、組織であれ、或は町であれ、そんな摂理にのっとったものが一番自然なのではないかと思います。

先週行っていたポートランドという町も、何故、心地よいのかというと、誰かが利益誘導の為に、お金を投じて作ったのではなく、細胞同士が折り合いを成した様な出来上がり方の町だからかもしれません。

そう考えると、全ての物が、分子や細胞が折り合いを成しながら体系立てている中で、一部の人間という生物だけが強欲に動いて歪めていっているのではないかと思います。

そんな中、人工知能というものは、一旦強欲さを取り去り、再度元の脳に戻す様な役割を果たしているのかもしれません。

矢野氏が講演の冒頭で、人工知能の紹介で使われた映像は、ロボットが鉄棒を行うのですが、初めは動きがバラバラで全く回れないのが、失敗のデーターを分析して、動きを修正し、1分もすれば見事に回り出すというものでしたが、いずれは、強欲に駆られてバランスを失った人間の心も分析して、自動的に修正する人工知能も生んで行って欲しいものです。

2016年4月24日日曜日

ポートランド レポート



今週は日曜日から米国のポートランドに行っておりました。

 
 数年前から、ソーシャルや町づくりなどで活動して  いる人達の間では最も注目されていた都市だけ  に、ずっと行きたかったのですが、今回、副委員長  を務めている京都経済同友会のイノベーションと  大学を考える委員会での視察があり、その役割と  いうよりは、是非行きたい!の一心で参加して来  ました。

 今や全米で最も住みたい町、しかも30代を中心に  若者が住みたい町と言われるポートランドも、以前  はかなり荒んでいて、危ない町だったそうです。

 何故そこから今の様な注目の町になったのか?を  聞いていると、切欠は食、それも地元の食材であ  ったそうです。

ニューヨークやロサンゼルスなどの地価が高騰して、都心では店を出せないシェフ達が、豊富な食材に目をつけ、それを生かしたレストランを作り出した事から、クラフトマンやアーティストなど同様の価値観を持つ人が集まり、魅力的な町へと変貌していったのだそうです。


ホールフーズマーケットという全米中心に展開すオーガニック中心のスーパーにも行って感激していると、何とポートランドではその先を行っており、ホールフーズでさえ、地元のニューシーズンズというスーパーに駆逐されていっているとの事でした。




ニューシーズンズでは、オーガ ニック、無添加に加えて、 半径何マイル以内かの地元から仕 入れるという事も徹底しているそうで、そんな店が支持されるという民度というのも素晴らしいと感じました。



独立系としては世界最大と言われるパウエルという本屋さんは日本のTサイトのレベルを遥かに凌ぐ規模でした。

こんな一つ一つが、多大な投資をしてハコモノを作ったというのではなく、むしろ逆で、中身から作っていったものが、ジワジワと広がり大きくなったというイメージで、この感覚こそ日本が吸収すべきものなのですが、まだ時間かかるでしょうかね。










                                            泊まりは、そんな流れの中心でもあるエースホテルでしたが、そこでは、ホテル利用者ではない人達が、電源を使用して、仕事やネットサーフを行っていました。

そんな場が価値を生むのですが、杓子定規に決まりや皆と同じを重んじる日本で、どこまで許せるか?がポイントでしょうね。


2016年4月16日土曜日

当事者意識を持つこと

一昨日熊本で大地震が発生し、これを書いている土曜日でも余震レベルではない大きな地震が続いており、予断を許さない状況です。

とても他人事にはなれない理由が二点あるのですが、それは、以前からブログもご覧頂いている方は知って頂いている通り、阪神淡路の大震災を、やはり震度7の神戸市でまともに被災した経験がある事と、今回前日まで福岡におり、新たに九州で活動されている沢山の方と繋がった事からです。

東日本大震災から5年、まだまだ問題山積である東北の方々と共に、また熊本で被災された方々にも、長期的な視点での支援が必要だと思います。

今週は、そのお呼び頂いた、福岡県中小企業家同友会ソーシャルビジネス委員会での事を書こうと思っていたのですが、少し内容を変えてみたいと思います。

今回のお話は元々、私が良いと思うリノベの方向、在り方で最も成功されているスペースRデザインhttp://www.space-r.net/ 𠮷原住宅代表の𠮷原さんからお誘い頂いたのですが、まだまだ本業とソーシャルビジネスを別物として捉える会社が多く、その辺りの関係性というか、ソーシャルビジネスに取り組む事が、自社に役立つ事なのだと思える切欠を作って欲しいとの、ハードルの高いリクエストでした(笑)

又、2週間程前に京都で、𠮷原さんと共に、イクボス推進事業などを手掛けられている委員長の小津さん、消滅都市と言われる大牟田市の町づくりを使命とされている冨山さんと打合せさせて頂いたのですが、皆さんの活動が素晴らしい中、それこそ、私自身が、気持ちの動きのまま行って来た展開しか話できないという事での講演でした。

愛知県の中小企業家同友会さんからも30代の経営者13名が来られており、前日の町歩きから、熱心に参加しておられました。

講演後の質問でも、その30代経営者のメンバーで、初対面でも好感度が持て、話しぶりからも、素晴らしい人物像と能力が伺える方でしたが、ソーシャルビジネスという事はやりたいが、何をやればいいか?率直に言って分らないというお話でした。

聞くとその方は四代目との事でしたので、”それだけ続くという事は、とても世間(社会)に背を向けてやって来られたとは思えないので、まずは自社の中に、それだけ続いて来られた強みがあり、そこには社会に対して役に立つ要素がある筈なので、そういう目で見直してみては?とお答えしたのですが、何となく、変な話ですが、この勉強会では、却って大きな可能性を感じました。

よく話題にしていますが、昨今のソーシャル~というものには、かなり表面的、トレンド的なものが多く、何か違和感を持っていたのですが、真面目にしっかりと事業を続けて来られた会社が、そこにある社会に向けての価値を見出す事が、地に足ついた形で、実際、今後の日本を良くしていく可能性があると感じたからです。

ソーシャルビジネスというと、本業は本業として、それ以外に、わざわざ新規で、社会にとって良い事を作っていかなくてはいけない様に思われるのですが、そうではなく、そもそも社会に役立つ為に事業があり、それを永続させていこうとすると、自社だけが良いという選択肢は出てこないので、社会(世間)にとって良い存在が生まれる筈なのです。

𠮷原さんのリノベーションが好きなのは、決して、作り手の自己満足や押しつけではなく、そこに在る小さい種が自然増殖的に広がっていく感じであり、その土壌作りを行っておられるという事で、これからの日本においては、これしかないという価値創造の有りかただからです。

東京⇔地方、中央集権⇔地方自治、指示命令⇔自主・自立、大企業⇔中小企業、
標準化・均一性⇔多様性、作り手(メーカー)⇔利用者(消費者)などなど、全て同じ構図です。

私は左側が悪いと言っているのではありません。
以前の様に左側で通用する事が限られているのに、その頭で考えるのが間違いだと思うのです。

これからは右側の価値観で動かしていかないと立ち行かなくなりますし、その為には自分事と捉えていく人を増やしていかなくてはなりません。

我々は、地震や災害なんて自分には降りかからないと勝手に思っています。
何の確証もないのに。

そして悲しいかな、遠くの災難は他人事になってしまいます。

今回の地震も日本だから大騒ぎしますが、遠くの外国だと、一瞬のニュースで終わります。

その国内でも、距離が近かったり、関係性が近い人は心配しますが、その距離が遠いと、他人事になってしまいます。

私も偉そうな事は言えません。

たまたま、被災経験があり、今回も前日に九州に居たから、距離が近いだけなのですが、こんな困った事、大変な人が居るという社会課題に対して、少しでも自分事と思える様にする事、それを事業でも意識する事、それこそが、本質的なソーシャルビジネスだと思います。

一日も早い復興をお祈りしますという締めは綺麗ですが、それをよりも、多くの人が当事者意識を持って長期的に意識を持っていく事、そんなソーシャルキャピタルを増やしていきたいものです。


2016年4月9日土曜日

ソーシャルビジネスって何でしょう?

今週は色々と嬉しい事がありました。

ウエダ本社で開催して頂いている、大久保寛司さんの連続講座「いい会社実践塾」で、元タカラジェンヌの妃乃あんじさんがゲストで来られ、再会も嬉しかったのですが、約8か月の間の進化ぶりと、私も知らなかった彼女の強い思いが伝わる様に構成されていて、大きな広がりを感じて感激しました。

あんじさんは昨年の6月頃、ある方から紹介されたのですが、少しのお話の中でも、宝塚を退団し、東北の子供たちの支援を、自分の貯金を崩してまで継続して行なわれている話を聞き、何とかできないものか?と考えていました。

とは言え、この活動を助けるには、まず構成をしっかりして広める事が重要だと思い、大久保さんに紹介する為にも、京都流議定書で司会として来て頂いたのですが、その後はいつものごとく大久保さんが日本郵政を始め、糸井重里さんにまで紹介され、みるみる活躍をしていかれたのでした。

今回、そんな話を初めて直接聞かせてもらう事ができ、そこまでやっていたのかあ、と感心させられる反面、浅くしか見れてなかった事に、反省もさせられました。

大久保さんからも、最近ではイノベーター達の紹介屋の様な存在と言われるのですが、いい活動をしていれば誰彼となく紹介しているわけではなく、思いがピュアで、腹を据えて取り掛かっている人で、伝え方を分り易くできれば、多くの人を巻き込んでいく魅力のある人というフィルターにはかけていて、京都流議定書がそんな人達の飛躍の場となっている事は一番嬉しい事です。

今週は、門川市長の所に、今年の京都流議定書のご説明に伺ってきました。

第一回からずっとご出演頂いているだけでなく、ゲストなども一緒に考え、時には自らお誘い頂いた事もある程、思い入れも持って頂いているのですが、今年で九年継続している事で、これも有難い事に、今の京都市のソーシャルビジネスへの流れを作ったとまでご評価頂いています。

金曜日には、副委員長を務めている経済同友会のイノベーションと大学を考える委員会が、龍谷大学で行なわれるのも素晴らしいですが、NPOセンターや、地域創造基金を立ち上げて来られた深尾さんに経済同友会で話してもらうのも、なかなか良い交差感だと思いました。
日本においてのNPO活動の発展を支えて来られた深尾さんからは、地域でお金を回していくローカルファイナンスについて伺いましたが、ソーシャルビジネスと言わずとも、地域で根付く会社、長く継続する会社をしっかりさせていく事の重要性を再認識しました。

先週入社した新人たちは今週は研修でした。
うちの研修は、社員達で作り社員達が講師となるものですが、それ以外に、これまた今週京都で開催されていた鬼澤さんの講演にも参加させました。

何故、独自性が必要か? 

変えるべき事と変えない事 

経営理念、戦略、成果の繋がりなど、

対話を交えて分り易くお話頂きました。

ここ数年、マイケルポーターがCSV(共通価値の創造)として、本業に即した形で社会的課題を解決する取り組みを行っていくべきと提唱した事が新しい指針の様にも言われていますが、今週もこれだけ周りで、色々な事が起こり、ありがたい評価も頂く中で、ウエダ本社としてもわざわざCSV、ソーシャルビジネスなどという学問の様な話ではなく、ローカル(地域)と人に役立つ存在になりたいと感じましたし、あとはパーツを繋いでいくだけなのですが。

そう言いつつも来週は福岡で、ソーシャルビジネスのテーマで講演させて頂くのですが、偉そうに講演というより、皆さんともお話し、考えを整理してきたいと思います。

2016年4月2日土曜日

フィロソフィーを分解すると

今週は一般的には年度末と新年度という週で最盛期でしたが、スタッフはフル回転でやってくれ、現場も内務も大きな事故、問題もなく年度末を終える事ができました。

長年の課題である、個々の動きを組織力にするという事においては、初めてと言っても過言ではなく、絡み合う気配が出てきました。

現場も仕事を割り振り、チームでカバーしていたのと、内務では一番のベテランが長期に休む中、まだ不慣れな業務も、残りのメンバーで見事に乗り切ってくれました。

皆が忙しく、相手してもらえない私は、かえって来客の時間や、会合に参加する事ができ、今週も又、有り難い出会いもありました。

そんな中でも、今までに何度かしかお目に掛かっていない方が、ブログやFBをしっかり見て頂いていたり、共感するからとわざわざお越し頂く事もありました。

4月1日には4人の新入社員が入社しました。

高卒の新入社員の話は何度か書いてもいましたが、大卒の新入社員も有り難い存在で、彼は募集もしていない中、ウエダ本社に入りたいと、リリースなどを手掛けられた大室先生(京都ソーシャルビジネス研究所長)に数か月に渡って相談に行き、入社してきてくれたのです。

この数年、うちの会社では採用できる人数も少ないので、全く募集はせず、価値観を知って頂いている先生からの紹介や、希望してくれる学生を採用しているのですが、この大手志向で、中小企業が採用に苦労する時代に、大変有り難い話ですが、これも共感、信頼が、大きな価値になっているのだと思います。

企業風土を変えたい、オフィスを変えたい、というお客様が逆指名でお声掛け頂くケースも出てきていますが、これも我々の考え方に賛同してもらっている事がビジネスにも繋がってきている現れです。

ある意味、中小企業は数を追いかける必要がないので、周りに左右されず、自分の所の価値を発信していく事こそが、実は一番の攻めでもあり防御になると思います。

という事で、入社式後から始まる新入社員の研修の最初は私が担当して、ウエダ本社の理念からスタートします。

それもお題目の様な理念ではなく、何の為に生きるのでしょう?という所から、ウエダ本社としての基本理念~経営理念~経営指針~行動指針、そして、ウエダの指針から前文のついたウエダベーシック10の構成を説明するのです。

また、そんな哲学、理念という事ばかり言っていると、重い話ばかりと言われるかもしれませんが、やっぱり強い会社は、それがどれだけ継承されるかだと思います。

今週、昨年亡くなられた堀場最高顧問にご指導頂いていたクオリアの会があり、今後どうするかにおいて、ご子息である堀場厚社長にお越し頂きました。

以前から私は、これだけ見事に、親子間で事業継承、それも、それぞれのキャラクターを生かし、息子さんが新たな展開で発展をされながら、社是の”おもしろおかしく”という独特の風土が継承されているケースは日本全国でも稀有な存在だと思っていますが、創業者が亡くなり、規模もドンドン大きくなる中で、理念がどこまで継承され、良い意味で、家族的、中小企業的風土で展開できるのかは、興味ある所です。


哲学=フィロソフィーとは、phiro=”愛する” sophia=”知識” というギリシャ語から来ているらしいのですが、堀場社長のお話を聞いていても、素晴らしいと思う会社は、人(ステークホルダー全て)を”愛し”、人の可能性を信じる事に”知識”を向けている様に感じます。

おかしくなっていっている大企業は、数字を”愛して”、それを最大化する”知識”にばかり目を向けていたのではないでしょうか?

我々としても、今週入ってくれた新入社員も含めて、本来の意味のphilosophyを皆で共有していきたいと思います。


2016年3月27日日曜日

人間関係資本を増やす生き方

今週もありがたい事に、人間関係資本を強く感じる事ばかりでした。

来月、福岡中小企業家同友会のソーシャルビジネス研究会にお呼び頂いているのですが、その講演内容などの打合せで、冷泉荘、山王マンションという、リノベーションでは有名な物件のオーナでもある吉原さんと委員会の方々にお越し頂いていました。

𠮷原さんのリノベーションは、単に、設計で形を作ったというものではなく、ビルの味を生かして、そのビルに意味を持たせ、それに合う人やテナントをじっくりと作っていったというもので、正に、人や繋がりを価値にしたリノベーションの代表だと思います。

その𠮷原さんが所属されるソーシャルビジネスの委員会での講演という光栄なお話なのですが、まずこの事自体が、繋がりや、そこに至る想いが価値を生んでくれたと思います。

同行して来られた方々も、お話を聞くとそれぞれの活動が、やはり人の繋がりを生かしたもので大変素晴らしく、その方々の前でお話をするのは、相当ハードルが高く感じました。

今週には、ガイアの夜明け放送直後のDariKhttp://www.dari-k.com/の吉野さんと、食事にも行きました。

以前から、何度か顔を合わせて、プレゼンなども聞いた事はありましたが、じっくり、しかも二人で話をするというのは初めてで、最近のイノベーターでもピカ一とは思っていましたが、これまでの経緯やそれに対する考えをお聞ききし、卓越した知力、胆力、行動力、加えて、そんな能力がありながら、人を惹きつける謙虚さまでを持つ彼に感服しきりでした。

又、チョコレート製造も、インドネシアで知ったカカオ農家がその価値に気づかず、ただただ食べる為だけに、人生を半ば諦めた感じで顔を曇らせて作業をする姿に憤りすら感じ、彼らの働き方や生き方を変えて欲しいと思ったからだとの事でした。

他にも沢山いるイノベーター達とも少し違う感じを受けていたのですが、まだまだ30代半ばなのに、生きるという事や、生命、人とは?という所から湧き出て来る感覚を持っている所に、ホンモノを感じるからだと思いました。


土曜日には、やはりその生き方から尊敬するアミタホールディングスの熊野会長の、サプライズの還暦お祝いパーティーに出席させて頂きました。

まだ環境などという概念が全く無かった時代から、リサイクル、循環型社会を作るという事を目指されたのですが、それは、お婆さんに育てられ苦労をして来られた会長が、自分には捨てられたという想いがあり、捨てられる物に対する、執着というのか、捨てられる様な不必要な物など無いという強烈な反発心からでした。

それだけに、人を信用したいが信用しきれないという葛藤を抜け、環境という分野で上場までさせ、様々な体感、確証から、特に3.11以降は自然資本と人間関係資本の増加に資する事業のみを行うと宣言されるに至っていました。

そんな会長の経緯も、何度も食事などを共にさせて頂きながら直接お聞かせ頂いていたので、還暦の祝いは要らないと仰っていたにも関わらず、社員さんが数か月前から用意もされ、サプライズパーティーまで用意されていたという事に、私も、本当に嬉しかったのと共に、会長の様に、生き方が恰好いい男になりたいと思いました。

これ以外にも今週も色々な素晴らしい方々と会い、話しもして、私も本当に恵まれていると思います。

そんな人間関係資本が蓄積してきているので、それを私自身が、企業会計で言えば、回転率を上げてパフォーマンスを高めていかなくてはならないですし、その為には、私自身も、格好いい生き方をしていきたいと思います。





2016年3月20日日曜日

扇動されない個人

ここ最近、保育園落ちた・・の話題や野球界のお金の問題などが、話題となってますが、それこそ、日本は、どうかしてないでしょうか?

短絡的、表面的な話で、違う問題を混ぜこぜに議論?し、一方方向に扇動する方も問題ですが、扇動される側も憂うべき問題だと思います。

反対であれ、議論というレベルであれば健全なのですが、問題は、一言の印象だけで一挙に悪者に仕立てられる、追いつめて行く風潮であり、それに多くの人が乗っているという状況で、マスコミが又、知ってか知らずか(知らずであれば、それはそれで、深刻なレベルですが)、こぞって助長させるというレベルが深刻であり、もっと冷静に、問題の本質は何かを考える様にしなくてはいけないと思います。

保育園の話は、個人のネット上の愚痴であり、それを何か意図を持った人が拾い上げ流れを作ると、後は、その方向に扇動されてしまう、ネット(SNS)社会の負の恐ろしさを感じます。

巨人選手の野球での賭けという問題から、チーム内で賞金や罰金を出して半ば盛り上げる為に行なっている事を同じ問題の様に取り上げ、阪神でも・・ソフトバンクでも・・という見出しで書くマスコミの短絡的な報道を見て情けなく思っていると、”お金を掛ける”というその言葉だけで混在し、その流れに乗ってしまうという問題、又、そうなっていくとそこに異を唱えられない様な風潮にまでなるという事を、もっと憂慮すべきです。

リーダーシップを勉強すると、リーダーは誰にでも分るシンプルな言葉で伝えなければならないとなりますが、米国の大統領選を見ていても、どこの国の人も、ちょっとした話法で扇動されるのだと感じます。

それだけに、扇動型リーダーを選ぶ際は、よりその人の器を見極め、理念、哲学をしっかり見極めないと、取り返しのつかない方向に進んでしまいます。

しかし、おしなべて、どの世界でも、度量を持った人が少なくなって来ている中で、扇動型、扇動する手法というものは危険も大きく、それだけに余計に受信側もレベルを高めないといけないと思います。

土曜日には、KYOCAで京都移住計画さんのイベントがありました。
そこには、移住を希望する人、移住した人が集っていましたが、今や全国に広がりを見せる移住計画は、各地にある魅力に目を向ける視点、機会を与えていっています。

同じ日に開催されていた京都市100人委員会のNEXTフォーラムは、5期に渡った100人委員会の市民メンバーが集まり、今後を話し合うものでしたが、自分事とする京都市民の広がり、活動が確実に根を張り、ジワジワと広がっているのを感じました。

扇動型リーダーに委ねられない時代、我々自身が受信者としても、表面上の短絡的な言葉に囚われるのではなく、深く捉えて自分事として考えていく事が重要ですし、マスコミなども、そんなジワジワとした気配も含めて、しっかりとした文脈を伝えて、育てる役割を担って欲しいと思います。

その為には、又、我々が、売りたいが為の下世話な週刊誌の様な記事や風潮に短絡的に乗らず、馬鹿にするくらいの姿勢になるだけでも、流れは変わり出すと思います。

国民、市民、消費者、従業員、という個人も、一人一人の考え、行動の重要性に気づいていきたいものです。

2016年3月12日土曜日

残りの命の使い方

今週はやはり東日本大震災が起きて5年という事で、やはりそれに触れないわけにはいきません。

よく言われる話で、何年というのは周り、特にマスコミなどが言う話で、当事者にとっては、使い方は間違いでないにしろ、イベント的なニュアンスをも感じる、5周年という感覚などは無いと思います。

マスコミの功罪はありますが、ともすれば、被災していない地域や人の中では風化してしまいがちな中、何年目で思い出すこと、少しでも問題意識を持ち心を寄せること、そしてできる行動を起こすことに繋げる為にも、やはり報道は必要だと思います。

阪神大震災で被災した際、翌日10時間程かけて京都の実家に戻り、自分が正に抜け出して来た地域が大変な状況になっている光景を、そこから逃げて来て炬燵に入ってテレビで見ている事に、内面がえぐられる様な罪悪感を感じましたが、震災の特集番組を見ると、同様の想いに駆られます。

全てを投げ出し、一人でそういう地に身を投じたいという想いも何処かに有りながら、自分の立場や、自分がそのポジションでできる使命を全うすべきという想いで抑え込んでいるものが、腹の底でボコボコ湧き出す感じなど、色々な想いが錯綜し、苦しくなります。

最近もこんな暗いというか、深い話をする機会が何度かありました。

私なり、ウエダ本社としての展開が、何をやってるんだかよく分からないと言われる事は多いですが、説明しなくとも、分かってもらえる事も結構あります。

それを分析すると、死生観がベースにあって、何の為に生きるのか?からの発想で展開をしておられる人とは、簡単に説明できるというより、むしろ説明は要らずに済むのです。


ソーシャルビジネスというものに、好感が持てる場合と、逆に、嫌ーな感じを受ける両面があるのもそんな所から来ているのかも知れませんが、そもそも、何の為に存在して、どういう使命を果たすのか?それをできるだけ大きな力に仕立てる為に、事業でそれに向かうというのがソーシャルビジネスだと思います。

ソーシャルビジネスが儲かるからと参入して行ったり、そうでないと評価されないからとCSRとして取り組んだり、今は、ちょっと格好いいからと流行りになっていて、又、それを持てはやす傾向もありますが、上辺が同じ様に見えても、この死生観でフィルターに掛けると、そもそもかツール(手段)として利用しているのかがよく分ります。

必要悪ならぬ必要善?として、ツールや手段でも広がっていく事は世の中にとっては良いのですが、そもそもの想いを持った人が、ツールとしてソーシャルビジネスに向かう人達に使い捨てにされない様に、しっかりした意識を持って欲しいと切に願います。

震災の特集などを見て、悶々とする想いを持ちながら、それを払しょくしてく為にも、死生観をベースに行動していく人と共に、残りの命の使い方を探していきたいと思います。

2016年3月6日日曜日

サーバントリーダーシップで

米国の大統領選において、当初トランプ氏が旋風を巻き起こしているという程度の認識から、一気に主役となり、今では、このままではマズイのでは?という動きが共和党からも出てきている状況です。

元々約1年にも渡って全米を転々として各党で予備選挙を行うというスタイルは、独裁者を生まない仕組みとも言われていますが、今回は、それが利いていないというより、それに乗る国民が多数を占めてきているという事に恐ろしさを感じます。

それも、発展途上国ではなく、一強とも言われてきた米国の大統領ですから、注目しなければならいですし、トランプ氏が大統領にはならなかったとしても、それだけの米国民が、あの暴言に、強いアメリカを期待したという事実は、選挙が終わっても、注視していかなくてはなりません。

貧困やそれをベースとした世界中の諸問題などへの不安や、不満が充満してきており、偏向した強いリーダーシップ、愛国心に向かっている様に感じます。

リーダーシップの形には正解がなく、その状況に応じて全て違うと思いますが、世界の警察とまで名乗って全世界にも多大な影響を与える国のリーダーは、まずもって、人類全てに想いを馳せられる様な人格を一番重視した選び方ができないものか?と思います。

日本では3.11から5年を迎え、今の様子も報道されますが、原発の対処などを見ていると、逆に強烈なリーダーシップと同時に、こちらも人類全てに想いを馳せられる様な人格を持ったリーダーが切望されます。

しかし一方で、政治の世界だけでなく全ての領域で、大人物と言われる様な強烈なリーダーシップで皆をリードする支配型のリーダー自体が居なくなってきた事と、価値観が多様化する中で、その様なリーダーシップは通用しなくなってきています、

サーバントリーダーシップというものが注目されていますが、サーバントという様にリーダーが召使の様に言う事を聞くという意味ではなく、支配型に対して支援型のリーダーシップとも言われる様に、部下たちを使命、目標にしっかりと向かわせる為に、支えて援助していくものです。

実は、なかなかその様に見えないでしょうが、ウエダ本社内でも私自身は、サーバントリーダーシップ型を目指しています(笑)

そして、その様なオペレーションで回る組織や、風土、を作っていく事が、前回のブログでも書いた様に、女性が働きやすい環境となっていくと思っています。

又、このサーバントリーダーシップというものは、本来、女性の方が向いていると思いますし、支配型で優秀なリーダーが少なくなってきた今や、本来サーバントリーダーに向いている女性が、そのリーダーシップを発揮できる社会のフレームを作っていく事が、世の中を大きく変えていく事に繋がると思います。

そんな事も、新たに株式会社Megami http://www.ueda-h.co.jp/megami/service.htmlの設立に繋がった理由です!、と、最後はMegamiの広報となりましたが、米国の大統領選でも、クリントンさんは、男性社会の中で戦う強い女性という打ち出しではなく、サーバントリーダーシップを発揮した新たなリーダー像を出した方がいいのではないでしょうか?


2016年2月28日日曜日

働く女性の環境を整える 株式会社Megami 誕生!

3月1日女性が働きやすい職場を創るという事を目的とした会社(株式会社Megami http://www.ueda-h.co.jp/megami/index.html)が発足します。

働く環境の総合商社と銘打って、人にSPOTを当て、人を生かした経営をする会社を増やす事を目指すウエダ本社としても、新たな展開で楽しみです。

日本のオフィス、職場環境、働き方を変革していくこと、それがウエダ本社として、創業からの背景をなぞらえながら、今後の使命としていくべき方向として取り組んでおり、その際たる課題が、女性の活躍であり、政府も力を入れているところです。

ただ、先日も京都市の目玉でもある”真のワークライフバランス”の推進委員の皆さんを前に、”制度だけでは駄目で・・”と果敢にも(笑)お話させて頂いた様に、そもそもの企業(組織)文化、考え方、組織風土を変えていかないとなかなか進んでいかないと思っています。

男性社会で構成された企業(組織)のフレームのまま、女性を入れていくだけでは、その中で対応できるごく一部の人だけが活躍できるだけで、抜本的な解決にはなりません。

社会ネットワーク分析でホモフィリー(同質結合原理)という考え方があるそうです。
それは、同じ様な属性を持った人と繋がるということですが、難しい話でもなく、保育園などで観察すれば、よく分るそうです。

初めは年齢で集まり、その後は性別で分かれて、意識がハッキリしてくると外見や雰囲気が影響していくのですが、その観点で考えると、日本の企業(組織)は、完全に男性のホモフィリーが形成されており、その中で女性が入り込んでいくという事は、上司の理解、というレベルの話ではないのです。

ウエダ本社としてもその問題を、男性のホモフィリーの中で考え、女性スタッフに担当してもらっていたのですが、やはり無理があり、その概念を使って言えば、女性のホモフィリーを形成し、それを広げていく事、そして男性のホモフィリーの中に入るのではなく、形成された女性のホモフィリーで
崩していき融合していく事を狙って、この問題に取り組んでいた団体に出資し、ウエダ本社グループとして展開をしてもらう事となったのです。

男性か女性か、日本人か外国人か、外国人でもアジア人か西欧人か、健常者か障がい者か、などなど、意識できないほど違うホモフィリーが入り混じる事が、組織風土の閉塞感を打破し、組織をイノベーティブに向かわせる方法だと思います。

そんな企業(組織)を増やす事、そんな社会を創る一助を担う事を目指して、ウエダ本社としても弾みをつけていきたいと思いますので、まずは、このMegamiをよろしくお願い致します。

そんな難しい話はさておいても、男性のホモフィリーである当社の7階建てオフィスビルの真ん中(3階)のフロアは、既に沢山の乳幼児とママ達が出入りされていて、その光景だけでも一度覗きにお越し下さい!

不確実な時代、まずは企業・組織(オフィス)の硬直性を打破しませんか?




2016年2月21日日曜日

戦略とは?本物とは?

今週はトップフォーラムという勉強会が京都であり、お招き側ではありながら、個人的に大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。

2年1クールの勉強会の間で、1度は必ず京都で開催され、それが必ず2月であり、うちの会社にとっては年に一度のXEROXの年間表彰式と重なるので、地元開催でありながら毎回欠席しておりました。

それが今年は、講演をお願いするゲストスピーカーのお二人ともが私の紹介という事もあり、XEROXさんにお話をし、勉強会を優先させて頂く事にしました。

そのお二人というのは、反原発や環境など様々なNGO活動などを行われている田中優さんと、いつも大変お世話になっており、尊敬する経営者であるアミタホールディングス会長兼社長の熊野さんでした。

実は、ゲストが私の紹介だからというのは表向きの理由で、裏目的は、環境面ではそれぞれに独自の組み立てられた理論をお持ちの二人の意見に、会員側もカルビーの創業家である松尾さんや伊那食品工業の塚越会長など論客ばかりですので、どの様なコメント、反応をされるのかを見たくて、という事がありました。

特に、3.11以降、自然資本と人間関係資本の増加に繋がる事しかしないと定款変更をし、本社を京都に移転されたという熊野会長は、環境や勿論リサイクルなどという概念自体が無い頃から、
無駄な物は無いという信念でリサイクル、循環をし、廃棄物を資源に変えるというビジネスを作り上げて来られ、しかも、それを上場までされて来られたという稀有な方ですから、その方と、やはり理念経営という点においては最高峰であると思う塚越会長の絡みは、ワクワクするほど楽しみでした。

断片的にはしょっちゅうお話を聞いている私も、これまでの展開を体系立てて時系列で聞いた事がなく、大変良く分りましたし、あまりの完璧さに、結果的には、皆さんも質問のしようがなかったという感じでした。

企業は、その存在意義から、哲学、理念を実践に落としていくのですが、あくまでも事業ですから、しっかり利益も出していかなければならず、そのどちらが欠けても長期的には難しいですが、その両輪を動かし、幾度の苦境も乗り越え実績を上げておられるのですから、メンバーの皆さんも、何も言い様がありません、という感じでした。

講演からの議論白熱を期待していた私は、ちょっと残念な感もありましたが、少し領域が違う中で、それぞれで尊敬する人が出会う事、その存在、凄さを知って頂く事が何よりも嬉しいので、本当に気持ちの良い勉強会でした。

今までどれだけ言われたか分からない”何の為にやってるの?”という質問やお褒め頂く事に、人を繋げるという事があるのですが、改めて、単純に自分が素晴らしいと思う人同士が繋がってもらうと嬉しいだけで、言わば趣味なのだという事も改めて分りました。

熊野会長は、捨てられるものを資源化するという事に挑戦され、無から有というより、マイナスからプラスを生むという事を実現して来られたのですが、「有る物を奪い合うより、無い物を作る」という事を仰っておられました。

世の中の戦争の原因の一番根深いものは、資源の取り合いから生まれるものです。

その資源の問題を解決できれば、多くの戦争が防げると思いますが、企業においても正にこの、”有る物を奪い合うのではなく無い物を作る”という事が、戦略なのです。

戦略とは、戦う策(略)の事ではなく、戦う事を略する為の策です。

有る物を奪い合うのではなく、無いものを作っていく、気概を持った経営を改めてしていきたいと思いました。

翌日の京都観光も同行しましたが、案内というより、行った事のなかった石清水八幡宮を同じ京都メンバーの人見さんのお蔭で、堪能させて頂きました。

今回は改めて本物を体感させて頂いた勉強会でしたが、来年は、もうちょっと本物の力を供えて、XEROXさんの表彰式に向かいたいと思います。

2016年2月13日土曜日

真のワークライフバランスから考えるリーダーの仕事

今週末は、関わり方、内容共、バラエティーに富んだセミナーがありました。

まずは、京都市の職員の方に向けて講演させて頂く機会を頂いたのですが、これは京都市が力を入れる「真のワークライフバランス」というプロジェクトで、全局からその役を任命された方々約120名を前に、ウエダ本社の考え方をお話させて頂くという、大変光栄なものでした。

様々な人を交差して生まれる価値や、制度ではなく風土や土壌作りが大事と唱えて行なっている我々の活動を、縦割りで、制度を作り執行するという役割の行政の方に話するのですから、伝えるのはなかなか難かしいものでした。





同じ日の夜には、大久保寛司さんのセミナーがウエダ本社で開かれました。
これは我々の主催ではなく、京都の若手税理士の中田さんが主催されたものだったのですが、しっかりした価格設定のセミナーでありながら満席の集客力、しかも、来場者の多くの方が、大久保さんの事はご存知ないながら、中田さんの薦めで参加したという方ばかりで、人を呼ぶ、巻き込んでいくポイントを見せて頂きました。

ほぼ初めてという中ですから、大久保さんも、いつも以上に丁寧にお話されていた様に思います。
何度も聞いているお話が、ビシビシというより、グサグサっと刺さりました。

改めて書いてみれば

・大久保さんの見る良い会社の定義は、社員の目が輝き続けている会社である。
・その良い会社の共通項は、挨拶がしっかりしている事と、会社が綺麗な事である。
・本物は360度 いつでも、どこでも、誰と(誰に対しても)でも、同様に素晴らしい
・職場の雰囲気を良くすれば必ず業績は良くなる 雰囲気は仕事力
・職場の雰囲気を良くするには、TOPは率先して皆の雰囲気を良くする
・相手が思った姿が貴方自身(人は見た目が全て)
・正しい事を言うのが仕事ではない。言った通りに動いてもらうのが幹部の仕事
・何故やらない!! -相手にはそうする理由がそれなりにある。
・聞ききる、言わせ切る、・・言ってもらえる自分であるか?
・言葉の奥にある心を見る
・正しい内容を教えるのではなく、正しい内容を実現する事をリードする。

まだまだありますが、言わている事は当たり前の事ばかりです。

ただそれが、丁度その直前に自分がしていた講演との対比から、伝え方、伝わり方の差というものを痛切に感じ、素晴らしいリーダーというものは、”誰でもが同じ様に分る言葉を放つ”というお話に、撃沈されました。

言う事は誰でも言えます。
問題はやれるかどうかで、リーダーは、それをやってもらわないといけないので、如何に伝えられるか?気づかせるか?自ら動いてくれる様にできるか?が仕事なのです。

と今更!でもないのですが、分かっていましたが、改めて、行動を変えようと反省しました。


土曜日には、ウエダ本社で、こども未来探求社さんとのコラボセミナー”親子保育園”を開催しました。

この日は、月に一度ある土曜出勤の日でしたので、通常営業をしている中、0歳~2歳の子供たちがビルに出入りしている光景は、微笑ましいものでした。

一億総活躍、女性活用、育休、イクメン、国も企業も色々な策を講じていきますが、こういう場を設けていると、当たり前ですが、皆、事情、状況は違うので、育休を与えれば良い、お父さんが休めれば良いというだけの問題ではない事がよく分ります。

「真のワークライフバランス」 この問題を掘り下げていくだけで、様々な日本の課題の共通項に行きつく様に思います。

その”雰囲気”を京都から作っていければと思いますし、京都市の方にお話させて頂いた中で、一人でも何かを感じ、行動に移してもらう事ができれば、私の”仕事”ができた事になるのですが、どこまで伝わったでしょうか?

親子保育園を主催する小笠原さん曰く、最も言う事を聞かない、思い通りにならないのが子育てなので、企業TOPや幹部の方も親子保育園を通して子育てを学べはいいのではないか?との事でした。

”何故分かってくれない”、”何度言えば分るのだ”、そんな感情に陥る事は多々ありますが、子育て、人育てというものはそういうものなんですね。

やはり社長は、社員を家族と思って、人育てする事、それが一番の仕事なのかも知れません。

2016年2月5日金曜日

報奨旅行で思うこと

 
先週土曜日から、シンガポールに行っておりました。


富士ゼロックスさんの特約店に対する報奨旅行で、うちの会社は、毎年五名程、海外旅行に招待して頂いており、社員と共に参加させて頂いておりました。

通常、この種のものは、販売員のインセンティブの為に設けられているのですが、うちの場合は、コピー販売の者だけがその様な特典があるのは不公平との事から、ゼロックスさんにもお願いをして、他の社員にも順番に回しています。
又、メーカーさん的には、オーナーや事業責任者に向けてのインセンティブでもあるのですが、これも、できるだけ社員に回すという目的から、わがままを言って、私は、都市部の時だけの参加で、リゾート地の時は社員に回させて頂いています。

そんな事で、もうウエダに来て10数年にもなってしまいましたが、以前に行った、韓国、台湾、香港・マカオについで四回目の参加でした。




起業するまでギャンブル好きであった私の事をご存知の方からすると、カジノのある時だけ参加している様な誤解を受けるでしょうが、そんな事情から、たまたまです(笑)


カジノがある所へ行くと、日中の行程に加えて夜からの行程がプラスされるので、ずっと遊んでいた感がありますが、社員と共に、非日常の事を共にするのは、違う面も見れたりして良い経験をさせて頂きました。







以前は我々の業界は、こういう会や旅行なども頻繁にあり、ゼロックスさんだけでも、どれだけあるの?という感じでしたが、時代と共に、殆どのメーカーがそういう会を廃止や休会となり、めっきり少なくなりました。

私は接待一切禁止、少しでも驕ってもらう様な事があれば、即刻クビという様な会社でサラリーマン時代を過ごした事もあり、この手の接待的な事は、本来は要らないと思っているのですが、何でも同じですが、白か黒かのどちらかという事はないので、良い所も無くしてしまっている事もある様に思います。

シャープさんが産業革新機構ではなく、鴻海への売却の方向へ向かいそうです。

私がウエダ本社に来た頃、シャープさんでも代理店会があり、並み居る大手家電店のTOPに交じって、むしろ、うちの会社の方が良い扱い(席配置)をして頂いて、驚いて聞くと、電卓が発展の切欠であったシャープさんにとって、その初めに担いで販売したウエダ本社を含めて数社は、シャープにとっては別格なのです、と言って頂いて感激した事を思い出します。

実際、その言葉の通り、歴代の社長は会社にも来て頂いていましたし、10年程前に、町田会長などにもお目にかかった際も、私の親父の事も知って頂いており、当時の事を知っているのは、自分が最後だとその頃から仰っていました。
そんな良い部分も、世界の巨大企業との戦いで、無くなっていったのではないでしょうか?

まだ、こんな報奨旅行に呼んで頂いている間に、うちの会社も再度、そんな大メーカーさん、大企業さんに、ウエダ本社は別格だと言って頂ける存在に再び戻りたいと思います。


2016年1月24日日曜日

野心と志の差

今週京都では、この時期恒例のJC(日本青年会議所)京都会議が開かれており、全国のJCメンバーが京都に集まっておられました。

と言っても、私はJCメンバーではありませんでしたので関係ないのですが、今年は、色々と便乗させて頂いておりました。

毎年、それに合わせてOBを中心に開催される鬼澤さんの勉強会には参加させて頂いているのですが、その勉強会も昨年からはKYOCAで行なって頂いている事もあり、役得で勉強させて頂いております。
今年はそれに加えて、国際会館で行なわれているフォーラムにも、基調講演には昨年の京都流議定書にご登壇頂いた田坂広志さん、国際貢献のフォーラムには、昨年ご紹介頂いていた”アフリカの花屋”として展開する萩生田愛さんが登壇される事になっていましたので、挨拶も含めて、本丸のイベントにも「潜入」させて頂いておりました。

国際会館全体で全国から集結した数千人ものJCメンバーが、三日間フルに使って様々な催しを行われている場ですので、JCを経験していない者からすれば、その独特な雰囲気も、なかなか興味深い体験でした。

田坂さんのお話はいつも、何となくボやっとながら思い続けている方向性、目指すべき未来像を分り易くご説明頂き、クリアにして頂けるのと、この方向は正しかったのだと、お墨付きを頂いた気になり、勇気づけられて、スッとした気持ちになります。

この日は、田坂さんのお話の後、元サッカー日本代表監督の岡田さんとの対談もあり、岡田さんのサッカーを通した日本や、次世代への想い、そしてそれに向けた挑戦のお話も聴く事ができました。

J1チームからも全権を任せるというお話がいくつもありながら、日本のサッカーの”教育”を抜本的に変える必要を感じておられた事から、全く教育されていない社会人チームで一から挑戦しておられるお話、そして田坂さんと共に、40歳以下のJCメンバーに、自ら行動を起こす必要性を語られる姿を見て、自分自身、反省すると共に、焦燥感にかられました。

いみじくも田坂さんが、物理は大きな物は動かしにくいが、心理は大きな方が動かし易いというお話をしておられましたが、ここ最近の停滞感は、私自身の想いが小さかった事が原因だと思いました。

岡田さんは、自由奔放にやっていると思っていたスペインの一流選手達にも型があり、16歳までは徹底的にその型を教えて、後は自由に考えるというスタイルを知り、抜本的に日本の教育、指導を変える為に、プロではない社会人チームのオーナーとなり、”生物的組織”を作り上げる事を目指しておられるのです。
人間の体は、毎日細胞が作り変えられていますが、それは脳が指令するのではなく、細胞同士が折り合いを成して同じ体を作っているという事で、その様な組織、個々の関係性がサッカーにおいては重要との想いからなのですが、私も、会社と社員の関係、働き方の理想は、同じイメージを持ちながら、停滞感を感じる結果になっていました。

田坂さんは”野心”と”志”の違いを、己一代で成し遂げようとするものが”野心”で、”志”は、己一代では形にできるものではなく次世代に引き継がれていくものとお話されていました。

自分の地位や物質的な物を追っていたつもりはなく、使命感で動いてきたつもりでしたが、野心の域を越えられず、志にはなってなかったのだと思います。

帰宅後、何と、田坂さんから携帯にお電話頂きました。

講演が始まる前に、ご挨拶に伺ったのですが、大きい会で担当が細分化されており、全体的把握している人がおらず、田坂さんには会えずに名刺だけを置いていったのですが、”入ってくれれば良かったのに、悪かったね、”との事でわざわざお電話頂いたのでした。

こんな細やかな配慮も、謙虚なお人柄というだけではく、”野心”と”志”の差から生まれてくるものなのかも知れません。

今年の京都会議は、大変、勉強させて頂きました。

実践塾でお世話になった、鬼澤さん、人見さん、大江さん始め、京都会議を運営されたJCの皆さん、有益な会に参加させて頂き、ありがとうございました。

2016年1月17日日曜日

人ととしての報酬

今週、知恵の場で聞いた、日本のホスピタリティの元祖的な力石先生のお話は、書き起こすと、当たり前の話になるのですが、45年の実績と、実践を積んでこられたからこそのホスピタリティ溢れ出るお人柄で、当たり前の事がやはり重要という事を再認識させられました。

2020年に向けても、日本のおもてなし力、ホスピタリティが重要と言われ、ホスピタリティ産業とまで言われていますが、1970年代、まだサービス産業という言葉もなく、客商売と言われる頃から、この分野を切り拓いて来られた力石氏は、ホスピタリティ産業は心の共有業で、利用されるお客様と心の共有ができるか?だと言われます。

自分達が楽しくしていない中で、お客様に楽しんで頂けるか?

顧客満足をという前にはそれを実現する社員満足が重要。

ホスピタリティ産業、経営品質を目指す企業などでよく言われる話です。

力石氏は、挨拶や、時間を守るという事、身だしなみをしっかりするという基本的な事がしっかりできない中、ホスピタリティなど生まれないし、売上やノルマばかりをいう企業も、それを作り上げる”人”が、そんな基本的な事ができていない中、うまくいく筈がないというお話でした。

スターバックスは、サードプレイスという、自宅でも職場でもない第三の場所を提供する事を掲げて成功を収めてきたのですが、その様な場を作り上げる事が彼らの目的であり、コーヒーを売るのはその為の手段なのです。

”いらっしゃいませ” ”ありがとうございました” と言う、元々の目的は何でしょう?

それは、沢山の店がある中、我々の店にお越し頂いて、ようこそ”いらっしゃいませ”という事であり、”ありがとうございました”という事なのです。
この事が分かって、或はそういうつもりで、コーヒー一杯を”どうぞお楽しみください”と置くかどうか?が、心の共有ができるホスピタリティ産業の仕事か、単なる作業の違いなのです。
と、力石氏は仰います。

確かに、その差を創り出していくには、日々の人間教育というか、スタッフの人間力の差であり、挨拶をしっかり気持ち良くする、とか、時間を守るなど、当たり前の事を徹底していく事が何よりも大事で、又、そんな事をしっかり行える様な人間に磨かれていく事が”仕事”というものの、他では得られない人としての”報酬”なのではないかと思います。

”報酬”と言うとどうして?と思われる方もおられるかもしれませんが、そんな教えを受けて会得された方とそうでない方の、たった、コーヒー一杯を差し出すという行為の違いを想像してみると、間違いなく、そういう教えを会得され、そんな意識で仕事をしておられる方は、大袈裟でもなく、指先まで神経が行き届いて、立ち居振る舞いが綺麗であるだろうし、そんな綺麗な人に磨かれるのって、他では得られない大きな”報酬”ではないでしょうか?

女性であれば特に、綺麗になる事には、お金を割いて率先されますが、男性でも武道などで精神修行されたりもします。

そんな中で、仕事はお金をもらって、しかも、誰もが自分や家族の人生を作り上げる為のお金を得ながら、自分磨きができるという”報酬”も得られるのですから、こんな素晴らしいものはないと思います。

働く環境の総合商社として、再度、原点を見つめて、当たり前を見直したいと思います。

”当たり前”ですが、まずは、私自身の社内の挨拶から、心を込めて改めます(笑)


2016年1月10日日曜日

グローバルではなくユニバーサルで

今週は、賀詞交歓会、年始の挨拶、訪問、新年会という一週間でしたが、停滞していると言いつつ、皆さんの雰囲気も、概ね2020年頃までは、良くなっていくという感じでした。

今年は十干と十二支の組み合わせの干支で言えば丙申(ひのえさる)ですが、申という字は、樹木の果実が熟して固まっていく様子を表すそうで、固まるのは困りますが、未来に向けての新しい果実が実っていく事を望みます。

その雰囲気とは裏腹に、年初から中東、朝鮮半島などで物騒な動きが広がり、中国経済への不安も絡んで、日経平均株価は年始から5日連続の下落でスタートし、これは平均株価を出す様になってからのワースト記録だそうです。

この裏腹さは何なのでしょうか?

確かに、インバウンドが凄まじい勢いで伸び、観光関連を中心に活況を呈しており、2020年までは間違いなく伸びていくでしょう。

日本の様々な価値は、今まで当たり前に思ってきた物やサービス、思いもよらない場所や、カルチャーなどが脚光を浴びて、海外の評価から再認識するケースがドンドン起こってくるでしょう。

その中で、今後の人材はグローバルな視点を持たないといけないと言われますが、日本で言われるグローバルという感覚が、何か違う様に感じます。

グローバルという単語はグローブからきており、”球”というニュアンスの''世界”ですが、日本で語られるグローバルは、何か平面的で、平面的であるが故に、グローバル感覚というものを何か別物と捉えている様に感じてなりません。

当たり前ですが、地球は繋がっており、ましてやネット社会において、ドメスティックかグローバルかなどという分け方はなく、そういう意味ではユニバーサルという言い方が適切ではないかと思います。

そのユニバーサルにも色々な訳がありますが、使うなら世界という意味ではなく、宇宙でもなくもっと根源的に、万物の、という視点が重要になってくる様に思います。

そんな視点から見れば、ドメスティックとグローバルでの裏腹さも感じず、日本にとってや、世界にとってでもなく、人類にとって進むべき道が見えてくるのではないでしょうか。


2016年1月2日土曜日

新三本の矢におけるキャズム


新年、明けましておめでとうございます。

日本の未来にとって岐路となる終戦70周年の昨年、安全保障に軸足を置いてきた政権は、今年は改めて経済に軸足を移し、2020年に向けての経済成長を目指した、新三本の矢を実行していく様です。

新三本の矢は①希望を生み出す強い経済としてGDP600兆円 ②夢を紡ぐ子育て支援で、出生率1.8 ③安心につながる社会保障で介護離職0、と、数値目標も掲げた力の入れ様を感じます。

②や③を実現していく為には、制度や法律を整えるだけではなく、それが浸透する為の組織風土や、個性を認める多面評価、個性を伸ばす教育なども同時に進めていかなくてはなりません。
又①のGDP600兆円という目標も、第一次アベノミクス時の金融政策を中心としたものではなく、
「女性や高齢者、障がい者らの雇用拡大や地方創生を本格化して生産性革命を大胆に進める」とあり、効率一辺倒ではなく、多様な力を利用して、イノベーションを起こし、価値を生み出していく事
に舵が切られていくのです。

この方向を見て、正に、ウエダ本社としてずっと追いかけて来た事が、日本にとってのメインストリームに来ている事を認識し、今年は自社の使命、理念を改めて検証し、自負を持って取り組んでいきたいと思います。

日本においても、一方では、まだまだ、従来型の成長に翻弄され、自分、自社のみの利益を追求し、効率ばかりを追いかける力も強く働いていますが、潮目が変わる時期は間違いなく近づいていると思います。

製品のライフサイクルでは、最初に飛びつくイノベーターから、アーリーアダプター、アーリーマジョリティー、レイトマジョリティーと移っていきますが、流行りとなるポイントの、アーリーアダプターから、アーリーマジョリティーの間には、キャズムという溝があり、浸透しない多くの商品は、この溝を越えられないのですが、新たな成長の価値観、或いは、新資本主義とも言うべきものが、今、このキャズムという段階に来ている様に思います。

この溝からアーリーマジョリティーに移行させていく事、今後のウエダ本社の役割として取り組んでいきたいと思いますが、その為には、まず自社がアーリーアダプターの段階から抜けていきたいと思います。

2015年12月27日日曜日

アナロジーと幸福の因子

今週、23日の祝日は、毎年恒例となった東京でのミラツクフォーラムに参加して来ました。

毎年、クリスマスの真っただ中の休日に、全国からこれだけよく人を集めるなあ、と感心しますが、
ミラツク、そして代表の西村勇哉氏の構想力、構築力、そしてその源泉の想いから生まれる素晴らしい場だからこそ、皆、集まるのだと思います。

落とし込み切れない程内容満載なのですが、そんな中、いつも分かり易く気づきを与えてくれる井上英之さんのソーシャルイノベーションのお話からは、ソーシャルという特別なものではなく、改めてビジネスや組織としての在り方を整理する事ができました。

とてつもない社会課題を解決といっても、途方にくれてしまいそうですが、そこに向かうにはアナロジーという過程が重要だという事なのですが、アナロジーとは、特定の物と別の物の似ているパターンを発見し、試しながらメタ化していく事であり、とてつもない問題も、身近にある似たパターンを割り出し、それに対して、うまくいく事を体験し、その体感を持って課題に向かっていくと動かしていけるというお話でした。

これは別にソーシャル、所謂、社会課題というものに限らず、それこそ身の回りで関わる全ての問題に適合する話で、私などでも、会社での、理念に向けて、実体との乖離をどの様に埋めていくか?という問題、リーダーを含めて、皆の成長に向けた成功体験を如何に作るか?という課題において、大変参考になりました。

”社会課題と人の課題をつなぐのがビジネス”と、同じくスピーカーで参加されたオムロンの竹林氏も仰っていましたが、これもよく言う様に、”ソーシャルビジネス”という言葉や、それを領域の様に取り上げている事がおかしく、本来は、ビジネスというものは、皆、社会や人の課題を解決するものである筈なのが、いつからか自分(自社)の為に稼ぐという事を追求してきた結果、一般のビジネスとソーシャルビジネスという別物になってしまった所が、現代の行き詰まりの原因だと思います。

アナロジーという事で考えてみて、自社を見た時、特に日本の社会では、自分の事ばかり、自分の収入や条件を良くする事ばかり考えている社員を、どの様に思うでしょうか?
又、そんな社員ばかりで、その会社は長い目で見てうまくいくでしょうか?
そう考えてみた時、日本の多くの会社は、どうでしょうか?

我々の会社は、社会においては、自社だけの利益を追求する様な展開はしていないつもりですが、逆に自社内で、まだまだそれがつながっていない状態なので、来年は会社の想い(理念)の小さな類似モデルを作っていきたいと思います。

同じくスピーカーであった幸福学を研究しておられる慶応大の前野先生は、幸福になる為の4つの因子 ①やってみよう因子 ②ありがとう因子 ③何とかなる因子 ④あなたらしく因子 というものを発表しておられます。
それは、そういう因子を持っている人の方が持っていない人より幸福感が高いという事であり、幸福になりたければ、それぞれの因子を高めていくという事なのですが、①のやってみよう因子を高めるにおいては、大きな夢と、目の前の夢、そこをつなぐ階段が見えている事が重要だというお話で、やはり、我々の会社では、ここの幸福感を高めていく事が、まずもっての課題だと、作るべき階段を示して頂いた気がします。

来年は、アナロジーと幸福の因子、これを意識して考えてみたいと思います。


2015年12月20日日曜日

ソーシャルビジネスから伝説に

今週は、知恵の場の二回目で、以前から”伝説”は聞いていた中央タクシーの宇都宮会長のお話を伺う事ができました。

そのままでは乗らない車椅子を分解して、着いた病院では又車椅子を組み立てて送り届け、料金はワンメーターなのに、それに要した時間は一時間半という様な信じられない”伝説”が数々あるのですが、凄いのは、その”伝説”を行った本人は全くアピールもされず、お客様からの感謝の電話や手紙などで、初めて分るという位、当たり前の風土になっている事です。

特にお年寄りや障がいを持った方などは、タクシーに乗られる際の、運転手さんの悪気はない、”早くしてほしい”的な無言の態度に、傷つかれる事も多いとの事ですが、中央タクシーさんは、どの方に来てもらっても皆さんが同じ様に、親切にされるとの事で、歩合給である中、何故、そんな”効率”の悪い、自分にとっては”損”な事を厭わず行われるのか?しかもそれが、会社の風土にまでできている所が、俄かには信じられない”伝説”です。

タクシー業界というのは、給料は歩合なので、会社側は車を増やし、ドライバーさえ雇えれば利益は出せる仕組みなのですが、それだけに、車は過剰となり、ドライバーは厳しい状況になるのですが、ただ、逆に辞めても翌日から他の会社で乗れるというのが業界の常識でなのです。
そんな中、中央タクシーさんは、中途採用は一切採らず、全て新卒で教育、それも人間教育をしていかれるのだそうで、結果的にはそれが大きな価値を生んでいるのです。

今週半ばには、ソーシャルイノベーションサミットが京都市で開かれ、全国から50以上の自治体関係者約200名が集まられました。

これは京都市の構想で設立された京都市ソーシャルイノベーション研究所が主催したものですが、
パネリストで参加された井上英之さんの言葉を借りれば、課題のある今の状況に気づいて、その対策をどの様にデザインしてビジネスで解決していくか?というのがソーシャルビジネスとの事ですが、それぞれの地域が、それを起点に立ち上がっていくべきで、その流れを、これ又パネリストでもあった門川市長のお話でいけば、明治維新で人口が激減した中、宝である子供を地域で育てれば未来は明るいと、町衆の力で番組小学校を設立していったという、正にソーシャルビジネスを行ってきた京都から、その精神を伝えていかなくてはならないという事でした。

大室所長も、小さい、町、村こそが、ソーシャルビジネスを起点に自立していくべきだとの想いを持っておられ、立場は違えど同じ未来像を見てお話もさせて頂いて来た事から、このサミットにKYOCAとしても関わらせて頂いたのですが、これだけ多くの行政の方がお越しになった光景を見て、確実に流れは来ていると感じました。

人間教育を徹底的に行って来られた中央タクシーさんが、異彩を放つほどの価値を創り上げられ、
苦境にたった京都が、立て直す為に、子供の教育を町衆で作り上げたという話は、人口減少社会に突入している日本が、どの様に進むべきかも、示唆している様に思います。

ソーシャルビジネスが全国で広がり、それを元に様々なものが生まれ、それに挑戦していく人がドンドン出て来る。

素晴らしい未来が想像できますが、それだけに、周りを巻き込み課題を崩していかなくてはならないソーシャルビジネスに携わる人には、ちやほやされても浮かれず、ひけらかさずという人間力を磨いて、”伝説”で語られる様になって欲しいと切に願います。

2015年12月12日土曜日

management の意味の違い

先週はブログを休ませてもらいました。

こんなブログでも、毎週しっかりチェックして頂いている方もおられるので、簡単でも書こうかと思ったのですが、足掛け半年間の勉強が終了した事、土日二日間の最終試験で見事!撃沈した事もあり、気持ちも一旦リセットする事にしました。

何の勉強?とよく聞かれるのですが、表現が難しく、日本語で言えば不動産管理となってしまうのですが、プロパティーマネジメントという方が近い感じです。

要は、不動産オーナーの希望を満たす為に、オーナーの立場に立って、あらゆる見地から現状を分析し、地域、近隣状況も分析しながら代替案を纏めていくもので、対象は不動産物件で、確かに”管理”ではあるのですが、”管理”だけではなく、トータルのマネジメント力が必要なものなのです。

それだけに試験は、撃沈されましたが、会社経営を見直すにおいても、いい機会であった様に思います。

会社経営であれ、プロジェクトであれ、何かを行うには、目標、希望があり、それを目指していく中で、その差異を分析し、その対策などから代案を立てて検証するのですから、全く同じ事であり、そういう意味では、この勉強を通じて、うちの会社の現状で足りない所も、気づく事ができました。

マネジメントを管理と訳すと何か違和感を感じますが、現在の日本企業の閉塞感の原因もそこに有る様に思います。

管理と言えば、規則正しく行ない、上司やリーダーは、それを守る様に管理する=見張る、というイメージですが、目標を掲げ、現状分析し、目標を達成する為に企画し、人、モノ、金をそこに配備して、人においては管理するだけではなく、モチベ―トもしながら、力を結集し、組織としての力を最大化するというものがマネジメントであり、日本語で言えば、”経営”という訳の方が本来の意味に近いと思います。

management の manは、mannerや manual と同じく手を表し、任せる事や、頼む事というニュアンスも含まれるそうで、そういう意味でも”管理”しているだけでは駄目で、"手"をかけて、"手"を下していかないといけないのです。


制度や法律だけ導入しても、とても一億総活躍の社会にはならないと感じるのは、管理というmanagementしかしていない所で、制度や法律を入れても、より、ギスギスするだけで、かえって歪も生む可能性もあるからです。

人に手をかけて、任せて、成長を促し、トータル的なmanagementをする人、会社を増やしていく事がこれからの日本においては特に重要だと思います。

ウエダ本社でも、目標は明確なのですが、沢山ある現状との差異分析をしっかりして、管理ではないマネジメントをしっかり行なっていきたいと思います。

そんな気づきを得られた勉強でしたが、撃沈された試験の方は、再度、受けるかどうか、思案中です。

2015年11月29日日曜日

一人一人に向き合う社会に

今年4月に育休明けで復職した女性スタッフが退職する事になりました。

保育所に送ってからの出社、お迎えに行く為の夕方までの勤務だったのですが、それこそ、女性の活躍を広げていく為の企画、そのモデルともなりながら道を切り拓いていこうとしておりましたので、
きっちり区切れる仕事でもなく、どうしても家族にしわ寄せがいく事もあった様で、一旦、家庭に戻りたいとの事でした。

新卒で入社して来た際は既にシングルマザーだと驚かされたのですが、働く環境の総合商社としては、女性の活躍という問題は最優先事項でしたので、一緒に経験していこうと、その後の再婚、出産、育休、そして復職して子育てしながらの仕事を作っていこうとしていただけに残念です。

女性の問題と言っても、各家庭での背景、状況、会社の規模を含めた環境などで全く違うので、
制度や法律だけでは決して解決していける問題ではなく、当たり前ですが、一人一人の事情に合わせて考えていかないといけないですし、それだけ向き合えるか?又、周りも、そんな個別事情を理解、協力できるか?そんな風土を作れたとしても、カバーできる人や仕組や特に中小企業などは、余裕があるか?など、会社の根本的な問題にも直結した話にもなります。

これは女性の働き方という話だけではなく、障がい者雇用についても同様ですが、もっと言えば、働く人全般に向けても、抜本的に変えないと、これまでの働き方、仕事や会社と個人の関係では、課題先進国から脱却できないでしょう。

そんな状況にも関わらず、就職活動の解禁時期が二転三転していますが、この就職活動の問題も、産学ともども、”人”の事をもっと考えていかなくてはならないと思います。

今月、来年の新卒者を決めました。
私がウエダ本社に関わって初めて高卒採用をしたのですが、通常?の採用には大きな疑問を感じました。

それは、高卒は基本的に一度の面接で決めなければならないという事なのですが、いくら終身雇用が崩れたとは言え、その人や、その後に生まれるかも知れない家族の人生までもが掛かる就職を、たった一度の面接で決めるなんて、人を何だと思ってるのだと憤りさえ感じました。
まして、昨今は、大学生も含めて、面接であまり個人的な環境、状況の質問をしてはいけないという風潮ですが、何の為に面接をするのか?そもそもが間違っていると思います。

企業は人を、自分達の目的を達成する為の道具?とまでは言わないまでも、ソフトか機械と同様にツールとして考え、その企業の基準に合せて選ぶ事になり、学生側も企業の考え方などは関係なく、条件や規模などで選ぶのですが、お互いがそんな考えで選んで、その後、色々な事が起こってくる人生において、うまくいくとは思えません。

個人的な環境や背景などを聞いてはいけないなどと言っている事自体が、”人”を見ずに、表面上の事で判断したり、差別的な事も含んでいる様に思えますが、我々はそんな事で合否を決める事はありません。

そんな事より、その”人”に責任を持とうとしたり、会社と本当に合うのか?を考えると、家庭環境なども含めてトコトン話込まないと責任など持てる筈がありません。

休学の経歴もあった一人の学生にも何度も足を運んでもらい、トコトン状況も聞きました。

履歴書だけではマイナス情報が、トコトン聞くと、それを克服して来たプラス情報にもなり、結果内定を出しましたが、大卒も含めて三名の内定を出した中、この学生だけは手書きでお礼の手紙を出して来ました。

我々の様な、モノも技術も持たない会社の社員には、どんな事が必要なのでしょう?

2015年11月21日土曜日

ノイズがあるかどうか?

今週は柄にもなく、Itzhak Perlman(イツァーク・バールマン)氏のヴァイオリンコンサートに行っておりました。

ヴァイオリン界の巨匠、クラシック音楽界のスーパースターと言われる存在の方の演奏など、なかなか得られない機会ですから、食事も終わった後のクラシックで、気持ちよくなって寝てしまうのでは?と危惧しておりましたが、しっかりと二時間堪能させて頂きました。

ヴァイオリンの事も全く分かりませんが、どんな世界でも、最高峰の技術というものは、滑らかで、しかし、色々な卓越した技術の上に成り立っているので、単にスムーズだけではなく、メリハリが利いた感じがするのですが、氏の演奏もそんな感じがしました。

ITバブル直前の15、6年前、注目されたIT企業に関わっていた事があります。
天才肌のその創業者は元々ヴァイオリンの勉強でNYに渡り、その後、コンピューターの世界に転身して起業したのですが、ある時、何故、音楽の世界からコンピューターだったんですか?と聞いた時の答えが凄く印象的でした。
それは、素晴らしい音楽は、綺麗な旋律でかかれているが、そうでないものはノイズが乗っている、
それが、ある時コンピューターのプログラムも同じで、綺麗なプログラムとノイズが乗っているプログラムがある事に気づいて、コンピューターに興味を持ち、そちらを仕事に選んだという話だったのです。

どちらも門外漢の私には分からない話ですが、一流の仕事は、そんなノイズが入っていない共通項があるのだという事に、興味を持ったのでした。

会計不祥事を起こした東芝に対する追徴金が過去最高額となり、その額は70億とも80億とも言われています。
凄い額ですが、損失先送りによる利益修正額は2248億との事で、それとの比較で言うと少なくも感じます。

こういう会計不祥事が起こるといつも、銀行や監査はどうして分からなかったのだろうと思います。

我々などとは桁がいくつ違うの?というレベルの会社ですから、複雑ではあると思うのですが、基本は同じであり、貸借対照表はバランスシートと言われる様に、全ての取引(やり取り)が借方と貸方をバランスさせているので、不正があると、必ずどこかに歪が出る筈だと思うのです。
我々レベルの小さな額で、単純な会計ではないにしろ、見る側も、レベルの高いプロ達が見ているわけですから、そんな歪、音楽で言えばノイズを何となく感じると思うのですが。

倒産危機の際、貸し渋り貸しはがしと言われた頃の銀行と、怒鳴り合い?の交渉もしていた際、ある一言で、形勢が変わった瞬間がありました。

それは、不良債権で身動きが取れなくなっていた銀行に対して、”現状、うちは赤字でボロボロかもしれないが、既にマイナスの処理はして変な不良債権は無いので、バランスシートの綺麗さだけはあなた方に言われる筋合いは無い!”、という言葉でした。

我ながら、よくも偉そうに言ったものだと思いますが、必死にやっていれば、そんなものだと思います。

綺麗な旋律、ノイズの無い旋律を奏でていく事を追求していけば、目や耳の肥えた方には分かると思いますし、規模の大小や、表面の豪華さなどで評価するのではなく、ノイズがあるかどうか?で見ていけないものでしょうか?



2015年11月15日日曜日

時間が無い!のではない

今日、6月から勉強に行っているプロパティーマネジメントの第一弾の試験が終わりました。
昨夜は、いつ以来でしょうか、勉強でほぼ徹夜状態でした。

平日は従来の動きに加えて、今期から営業本部長としての営業同行、土日はKYOCAのイベントや他の会合などで埋まっており、勉強についていけないながら、リカバリーできる時間がなく、又、試験とその講座である昨日、今日と、KYOCAでは自分が出演する筈であったものも含めて大きなイベントが重なっており、これは継続するのは無理か、と正直、脱落しかけていました。

サポートに入っておられる有資格者の方に、半分泣き言の様な相談をした所、逆に、ここで止める方が勿体ないとご説明頂き、イベントについては主催の方や、KYIOCA担当者にも話して、勉強の方を優先させてもらう事にしました。

KYOCAの方も、スタート時には鍵の開け閉めから、会場準備なども行っていたものが、今では、私の知らない間でも、全て担当者と、コラボしているオープンガーデン社で回してくれており、当初から見れば本当に有り難い状況です。

その間、色々な方に、わざわざKYOCAにイベントを持ち込んで来て頂き、本当に多くの方に助けて頂いていると思います。

昨日は尊敬するアミタホールディングスの熊野会長が、想いを込めて展開しておられる信頼資本財団の年に一度のイベント”信頼デイ”もKYOAで開催されていましたが、正にKYOCAも信頼で人が集まり、価値を生み出していると思います。

そんな事が大きな価値になるのだ!と、感覚だけで言うのではなく、私自身、皆の協力も得ながらしっかり勉強して、理論でも語れる様にしていきたいと思います。

先日、CoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏の講演を聞きました。
ご夫婦で喫茶店から始められたCoCo壱は今や世界で1400店舗以上あるそうですが、驚くのは、それだけでなく、今まで全店で一度も、値引きやセット販売などは行った事がないそうです。

お客さんからも、フランチャイズ先からもどれだけ要望が来たか分からないとの事ですが、社長時代も店の洗い場に立ち、お客さんが食べられた後のお皿を見ていると、値下げしないと駄目なのかどうかも手に取る様に分るとの事でした。

そんな宗次さんは、1日15時間、年間4500時間仕事と仕事漬け、経営者など努力さえすれば誰でも成功できると仰っていました。

時間が無いなどと言っていて、やりかけた事も脱落しかかっている様では、そりゃうまくいかないと思います。

今期は、私自身も、任していく所、率先垂範していく所、それに合せた時間の使い方を考えていきたいと思います。

でも実年齢を考えて、徹夜状態は避けたいと思います。

2015年11月8日日曜日

ウエダ本社もイノベーターとして

今週は社会イノベーター公志園の結晶大会への参加、aeru gojo 店のオープニングレセプション、ウエダ本社で、こどもみらい探求社さんとのコラボイベントと、”ソーシャルイノベーター”達と、どっぷりと過ごした一週間でした。

公志園については、何度も書いていますので、説明は省きますが、今年は実行委員として、最初と中間段階も見ていましたので、素晴らしい想いと人間性を持ったイノベーターが、巨大企業の経営者、行政、シンクタンクなどの錚々たる方々に、愛ある叱咤激励を受けながら、半年間で、全くステージが変わるほどの成長をして行く姿を間近で見て、自分自身、奮い立つものがありました。

”何でそんなに言われないといけないんだ”

”自分が一番この事に詳しくて想いも持って考えているのに、何もやっていないあなた方に言われる筋合いなんて無い”

そんな事を思ったイノベーターもおられた筈ですし、私があの立場でもきっとそう思ったに違いないと思います。

しかし、ふと冷静に見れば、本当に忙しい、世間的には凄い立場の方々が、少ない休みをこの伴走に割いてまでの意見であり、それだけの言わば同志に対しても、伝わらない表現であれば、単なる傍観者や、ましてや抵抗勢力を動かすパワー、巻き込みなどできるわけがなく、それであれば、幾ら正論を言い、想いだけ持っていても、世の中の課題を動かし、解決に向かわせる事などできないのです。

そういう意味で、イノベーター公志園は本気で、大きな壁に向かい、その壁を動かしていけるリーダーを養成しようとしているのだと思いますし、そこがまた、協力している側も、刺激も得ながら、楽しんでるのだと思います。

金曜日は、二店舗目となるaeru gojoのオープニングレセプションに出席、とても店舗とは思えない畳の間で、門川市長、京信の榊田専務をゲストに迎えて、車座になってのディスカッションという、矢島さんの巻き込み力を見せつけるレセプションでしたが、それこそ、公志園にも出場していた矢島さんの伴走者を務めておられた日本GEキャピタルの安渕社長もわざわざ駆けつけて来られていました。


土曜日は、ウエダ本社で、”かぞく保育園”というイベントを開催しました。
これも、小笠原舞さん、小竹めぐみさんというそれぞれでも活動しながら、二人では、こども未来探求社という会社も設立して活動しているイノベーターですが、ウエダとしても、女性の働き方、特に、子供を持ちながら働ける企業の風土作りを一緒に研究していこうとしてのものです。
既に京都でも大注目されている矢島さんは、レセプション時でも、全ての京都での切欠は京都流議定書が作ってくれた、と言って頂いていたり、関東では既に活躍している小笠原さん、小竹さんも、関西にウエイトをかけようとして、その足掛かりをウエダ本社と組んで進めようとしてくれていたり、
本当に有り難い事ですし、そんな有望な人達、そして有益な活動の少しでも支援になっているのは、役に立っていて嬉しいのですが、そろそろウエダ本社としても、自らが大きな壁に向かって、その壁を打ち破って行くイノベーターとなっていきたいと思います。

2015年11月1日日曜日

宮古島で改めて

今週は、宮古島に勉強会で行っておりました。

ゲストスピーカーはカルビ―の松本会長。

松本会長には、昨年度、例会担当をしていた京都経済同友会でもお話頂いたのですが、今回は少人数で、しかもホテルに半日こもっての講演でしたので、お腹にズシリと来るお話でした。

初っ端から、「私はゴルフも40数年やっていっこうにうまくならないし何の取柄もないが、唯一才能があったのが経営で、儲ける事だ」という、強烈なパンチからスタートしました。
整理して来いと送り込まれた伊藤忠子会社を黒字会社に転換、45歳で退職した際には、23社からオファーがあり、その内のジョンソン&ジョンソンの日本支社長として、経常利益率を15%から52%!!にまで上げて定年退職、その後、カルビーの会長に就任されて創業家念願の上場を達成、その後も上場時の株価の10倍前後まで押し上げたというイントロの紹介で、出席していた経営者の皆さんも、気のせいか背筋が伸びて聞いておられました(笑)

会社の経営は易しく考えろ! 
世の為人の為にやる事と、儲けろ、という事だ。
経営とは、シンプルに全てのステークホルダーを喜ばせる事である。

うまくいく経営の要素は、ビジョン、プラン、リーダーシップの三つである。

リーダーとは、組織を率いて、継続して、成果を出し、結果に対して責任を取れる人であり、必要なものは、①圧倒的な実績②なるほどと思わせる理論③この人について行きたいと思わせる人徳である。

こんな調子で、経営とは?から、経営者の在り方、組織での展開、仕組化、仕事とは?や、我々の最大テーマでもある働き方、そしてダイバーシティ―についてなどなど、具体的施策まで全体構成を分かり易くご説明頂き、自分自身と自社にとって、足らない所もよく分りましたが、出るのはため息ばかりでした。

そんな話が繰り広げられているホテルの外は、東洋一とも言われる与那覇前ビーチが広がり、海水の透明度も、今まで見た中でも随一のものでした。


宮古島には山が一つも無く、川も無いので、海に陸から汚れた物が流れ込む事が無いから、海の綺麗さが守られているとの事でした。

経営においても、色々な事を考えているつもりが、わざわざ異物を混入して、かえって清流を汚してしまっているのかもしれません。

我々もミッションステートメントは、検証してみても、結構いい線いっている様に思うのですが、その後をシンプルに決めた事に忠実に、私自身が改めて”儲ける”という事に拘ってリーダーシップを磨いていきたいと思います。

そして儲かった時にはゆっくりと、皆で休暇で、この海を楽しみたいものです。


2015年10月24日土曜日

弱音を吐かない練習

先週はブログを休ませてもらいました。

6月から土日はプロパティーマネジメントの勉強に行っている事が多く、毎回、授業の時点ではついていけないので、帰宅後見直して日曜日の確認テストに向かうという自転車操業の様な事になっているのですが、土日には大体KYOCAでのイベントや、役を担っている会などがあり、夜だけは顔を出すというパターンも続いて、時間が作れませんでした。

これから12月まで、イベントも三つも重なったりする日もあり、出演や参加をお断りしなければなない事も多いですが、その様な状況ですので、ご関係の方にはご了解頂ければ幸いです。

平日には、今期営業本部長として、営業同行なども行っていますが、これまで繋がっていなかったウエダ本社で展開しているイベントや研修、NPOやソーシャルビジネス、CSR活動などへの関わり、大学との研究、リノベーションや町づくりなどとの関わりを、所謂、従来の本業と繋げていく事を目的としており、今期には少し、その辺りが見える形になってくると思います。

逆にそうならないと、営業本部長は首に致します(笑)

そうは言いつつ、現場で営業と同行をしていると、そもそもの事が全然できておらず、長年放置してきた事が恐ろしくなると共に責任を感じています。

そんな中、今週はブロックスさんと共催で行なっている試写交流会で、西精工さんのDO ITのDVDを見せて頂きましたが、ほんの二十分程見ただけで、圧倒的な差を痛感させられました。

ブロックスの西川社長が、とても一本には編集できないと二本組みにされた理由もよく分りましたが、研修として皆で観るという点においては最高傑作ではないかと思います。

出来上がった凄い会社というのではなく、一見は、自社との距離が近く、そういう意味でも社員と一緒に見やすいものですが、それだけに、自社との差も圧倒的に感じる事ができ、よくある、経営者だけが辛い?DVDではなく、特に、中間層(リーダー)ともその辛さを共有できるものに仕上がってます。

試写交流会後は、社員と共に西川社長と終電近くまで懇親?ではなく、熱い人生論を語り、翌朝出社すると、同じ会場で又セミナー準備されていたのですが、それが何と、鬼澤さんが講師で来られるとの事だったので、空き時間には、覗かせて頂きました。

セミナーは行政マン向けの人材マネジメント部会というものだったのですが、丁度、そのスタートと、夕方の纏めの際の鬼澤さんのお話を聞く事ができ、これ又、ほんの十分程の話なのですが、気づきと反省をする事となりました。

”何事も人を巻き込み、動かしていかなくてはいけないが、人を動かすにも、まず、自分の中の人、つまり自分を動かさないといけない。
その為に、人格を磨いていかなくてはならないし、自分の中に目的、あるべき姿をしっかり持っていなくてはならない”

私も同じ様な事も言っているのですが、その私自身が、鬼澤さんの話がスッと入ってくるという事は、自分自身まだまだできていないという事と、やはりここでも”誰が言うか”で、私の話は伝わっていないよな~と客観的に感じる事ができ、短い時間でしたが、気づきを頂く事ができました。

いつも思いますが、こんな素晴らしい方々が集まって来て頂くウエダ本社は本当に幸せな存在ですし、その良い空気感を日本の閉塞感の打開に向けても、もっともっと広めていきたいと思います。

その為にはまだまだ課題は色々ありますが、自分の中の自分を動かして、弱音は吐かず進んでいきたいと思います。

来月、再来月と、このプロパティーマネジメントの試験があります。
正直脱落しかけていましたが、まずは精神修行として、弱音は吐かないようにしていきます(笑)







2015年10月11日日曜日

靖国神社参拝

今週はFBでも少し触れていましたが、なかなか行けない所に行っておりました。

知っている名前の部屋がずらりと並ぶ衆議院会館、昭和初期の純国産の最高技術を集めた国会議事堂、首相官邸では、前日には大臣、翌日は副大臣が選ばれるという間の日で、皆さんが並ばれる階段には、赤いカーペットが敷かれていました。
官房長官も1時間後に会見をされる記者会見場では、参加メンバーも代わる代わる写真を撮らせて頂きましたが、やはり何だかんだ言っても、日本を動かしているど真ん中ですから、高揚感がありました。

多分殆どの政治家も、初当選した頃は、我々よりももっと大きな胸の高鳴りを覚えた筈ですが、ずっとその真ん中に居ると、誇りが自尊となり、それが段々と尊大になっていくのでしょうか?

内閣官房副長官とも面談させて頂くという、おまけの後は、靖国神社に参拝に行きました。

これも初めての経験で、参拝も凛とした空気を感じて心が静まりましたが、奥にある遊就館は、明治期からの、日本では何故かしっかり教える事のない近代史の系譜が納められており、ここだけでも時間を取って再訪したいと思う場所でした。

その後は、防衛省の、東京裁判の法廷となった大講堂(移築されたもの)にも行き、現在の中枢から日本の歴史にも触れた本当に貴重な一日でした。

靖国神社参拝というと、イデオロギーを持ち出す人もいるでしょうが、私は特に、"right" な思想ではありません。

靖国神社はA級戦犯の合祀をしたが為に、政治的な駆け引きのリトマス紙の様な存在になってしまいましたが、いくら"left"な思想の方でも、これらの事実があっての今であり、今の自分自身もあるのですから、しっかりと知る事は必要だと思います。

私は、親父が戦争に行っておりましたので、ふと、親父が戦死していたら、、自分はこの世に存在していないのだと思う時があります。

でも考えてみれば、親父が戦争体験があるかどうかは別として、今生きている人全て、自分の祖先の誰かが戦死、いや戦死でなくても、その子供が生まれる前に亡くなっていたら、生まれていないのです。

そう考えると、イデオロギーがどうだとかという話ではなく、正しい事も正しくない事も、それが有っての今なのですから、自分達のルーツはしっかりと学ばないといけないと思います。

自分が生きている間だけでも、あの時ちょっと、こちらに行っていたら、この出会いがなければ、、、
全く違う展開になっていたという事の連鎖なのに、その自分が生まれてくるまでに、途方もない人々の行動や、選択の掛け合わせが折り重なっての今の自分があるのです。

”やりたくない”、”めんどくさい”、”自分はどうなってもいい”、そんな自分一人の軽はずみな思いで
いいのでしょうか?

自分の選択が、後の時代に生きて行く人達に、良い影響をもたらせる事になれば、、それが生物としての本望なのではないでしょうか?

国会議事堂で日本の中心に居る人には、そんな日本人を継承しているという自覚を持って、初登庁した際の想いに立ち返って欲しいと、先日の安保法案の醜態を見て、より一層思います。

2015年10月4日日曜日

社会イノベーター公志園でのファシリテーター

今週も講演や、役を務めている会の出席など忙しい土日でした。
他にも重要な会、出たい会などが重なっていて出れず、ちょっと土日は、イベントや会で目いっぱいになってきました。

今日も朝から、社会イノベーター公志園の出場者をブラッシュアップする為のワークショップが行われ、ファシリテーターを割り振られて参加しておりました。

タイムキープくらいで後は各チームの伴走者達が勝手に話進めるから、との説明とは裏腹に、前回に行なった出場者のプレゼンを皆で見て、プレゼンの内容、声の抑揚から、使用する映像、音楽なども含めて、かなり辛辣な突っ込みを入れていくもので、それを引き出していくという重要な役割でした。

実行委員でお手伝いすると思っていましたが、とんでもない話で、財閥系企業の役員さんや、コンサルタント業、経営者という凄い方々が伴走者として分析、アドバイスされる光景は、こちらが大変勉強させて頂きました。
とてもタイムキープくらいの進行で作れる場ではなく、主催者の野田さんからも、そんなやり取りで残り一か月で全く磨き上げられないという厳しい指摘も頂きましたが、それ自体もなかなか得られる事ができない貴重な機会だったと思います。

思いを持って大きな課題に向かっている実践者にすれば、やっていない人から言われるのなんて
納得いかない事だらけだと思いますが、それでも、応援しようとする伴走者や支援者にも伝わらない話が、一般の方を振り向け、巻き込んでいくものになる筈もありませんので、その納得いかない壁を越えて、如何に、自分の思いを伝え、共感を呼び、協力を得られる様に巻き込んでいけないと、それこそ正しい事を言っていても役に立たないのです。


社会イノベーター公志園は、意思あるイノベーター達を、ビジネスシーンで活躍する人、早い話が大企業のTOPなどにも伝わるモデル、プレゼン能力を養成し、世の中の仕組みを大企業が変える事によって早く変えていく事を狙っているのだと思いますが、それだけに、他のソーシャルイベントとはまた違うものですので、ソーシャルというものについては初級の方、大企業でCSRなどに関わる方、会社をその方向に進めないといけない方などは、是非、参加して頂きたいと思います。

結晶は11月3日東京です。 http://koshien-online.jp/


2015年9月27日日曜日

ウエダ本社としての腹決め

先週のブログでも、盛和塾世界大会で発表された台湾の塾生の話を書いていましたが、ご自分の様に貧しい事が理由で、しっかりとした教育を受けられなかった人達の職業を作っていく事を使命として展開され、見事に成功しておられたり、今週の石坂産業さんの様に、意図や事実に反して地域から悪者扱いされ、想像するに、人としても許されないない言動や、腸の煮えくり返る納得のいかない事だらけであったであろうにも関わらず、地域に必要とされない仕事をしていても駄目だと、
裁判にもかけて来ている地域の人の為に、会社の環境、在り方を変えて行かれた話などは、本当に見ている所、そもそもの次元が全く違う様に感じました。

しかし、こういう話を聞くと、一つの事に真っ直ぐに向かっておられる姿に、羨ましく思うというか、羨望の眼差しで見ている自分もいるのです。

ただ同時に、そういう想いがありながら、全部中途半端で時間ばかりが経過し、自分は大した事ができていないと、落ち込みもしてしまいます。

何の為に会社をやるのか?

何故、そんな一見、本業と関わりの無い事ばかりやるのか?

目立ちたいのか?

人からはずっとそんな問いかけをされ、自分でも何故?って思った事もありました。

”謙虚にして驕らず” 京セラフィロソフィーにもあり、それを実直に実践しておられる様な稲盛塾長が、サラリと自慢の様な話をされる事があり、初めの頃私は、そのギャップが分からなかったのですが、ある時、”稲盛和夫に与えられた能力は稲盛和夫個人の物ではなく、それは、世の中の為に使いなさいと天から与えられたものなのだ”というお話をされた時に凄く腹落ちがしたのです。

その話で私も同じだというのはおこがましい話で、とても才能などありませんが、その考え方は凄くスーッと体に入り、何の為に会社を経営するのか?という事についても、私自身、そういう事なのだと納得感があったのです。

そもそも会社を経営するという立場の人は、企業数が420万社としても、全人口の3%しかいないわけで、その少数に入る言わば”才能”を、最大限に世の中の役に立てる事が、会社を営む目的であるし、もっと言えば、自分が生まれて、生きて来た証だと思うのです。

経営者たるもの、そうあって欲しいと勝手に思っている所があり、その中で、利他と口にしながら、
自社の利益ばかり追いかけ、自分達が楽しんでいるだけという人を見ると情けなく思っている自分が居るのですが、逆に、こんな風に、腰を据えて、そもそもの所を追求しておられる方に会うと、自分は思っていても、全然何もできていないと、自暴自棄にも陥ってしまうのです。

今期、ウエダ本社では、改めて自社をモデルにしながら、日本のオフィス、職場の在り方を研究して参ります。

自分の才能とはおこがましいですが、よく評価して頂く点として、幅広い人脈や、その多様な人を繋げる役割、という事がありますが、それを世の中の役に立て、オフィスを対象としてきたウエダ本社として、日本でも全然開かれていない硬直化した企業の職場環境を変革する事に、全て振り向けていこうと思います。



2015年9月21日月曜日

フィロソフィー血肉化のバロメーター

先週は、KYOCAでは、issue + design さん他、平日のイベントが有ったり、京都CMEXのレセプション他、梅小路公園界隈でのイベント出席、信頼資本財団の理事会他、外部で関わる団体などの会議、そして盛和塾世界大会での横浜出張、その間は来客と、殆どスタッフと会ってない感じでした。

盛和塾世界大会では、毎年ではありますが、凄い展開をして来られた塾生の発表に、全然努力が足らない事を思い知らされます。

今回発表された台湾の塾生のお話は、貧しくて家族が一緒に住めず里子に出されて成長し、お金という成功を目指してコンサルタント業で成功を収め、その後、素晴らしい人格者との出会いから、
人としてしての役割、天命を目指して、自分の様に貧しくてチャンスがない人の雇用を行う為に事業展開をされ、そちらでも見事に成功をされているお話でした。

発想があくまで自分が儲けるというよりも、世の中の為にどうできるか?という事からで、苦労している家庭の子供に就労の機会を作る事に全てを注いでおられました。
そしてそれでいて、元々の能力と、ハングリー精神で事業を立ち上げて来られた強さから、事業としてもしっかり成功させていかれている姿に、感動すると共に、本質を教えられた感じがしました。

この様な話を聞くと、本来、日本の方がその様な発想を持っていた筈なのに、その良さが薄れていっている様に感じます。

利他と言っても、成功したからこそ利他に向かう人は、まだある意味自然なのかもしれませんが、
自社の成功ばかり考えている人、利他とした方が成功するからという利己心から利他を唱えているケースも実は多い様に感じます。

二日間の大会で、殆ど、コメントもされなかった事を見ても、かなり体調が悪い中、皆の為を思ってフル参加しておられた稲盛塾長は、何の為に成績を伸ばすのか?それは私的な願望ではなく、公の目的の為でなければならない、そしてその為に盛和塾で学ぶのだと今回の講話でも仰っていましたが、そんな真髄を貧しい環境から立ち上げて来られた台湾の方の方が実践しておられる様に感じました。

台湾と中国は考え方は違いますが、中国系の方は一般的に個人主義で、拝金主義的な印象ですが、こと盛和塾ではその様子が違います。

それを見てもやはりフィロソフィーが重要だと感じますし、”JAL再生は、フィロソフィーとアメーバ―会計で行なったと言っていたが、アメーバ―会計が作用したのは二年目で、特に初年度はフィロソフィーだけで黒字転換した”とも仰っていましたが、”社員と共にフィロソフィーを血肉化するだけで、業績は伸びる、逆に、それができない中、手法や手段をいくら講じてもそれは砂上の楼閣であり、直ぐに崩れる”との事でした。
そして、”血肉化されている状態というのは、同じ話を聞いても、常に新しい気づきがあるのであって、前にも同じ話を聞いたという状態はまだ知識の状態で、全然血肉化できていないのだ”、というお話でした。

これには正に腹落ちした感じで、今期は、改めてフィロソフィーの血肉化を目指していきたいと思います。

社員の皆さん、今期は、更に、同じ話を繰り返すと思いますが、その反応が血肉化のバロメーターですから、毎回新しい気づきになる様、どうぞよろしくお願い致します(笑)

2015年9月13日日曜日

”けったいな奴っちゃ”を胸に

今週は、KYOCAでの京都ショコラボオープニングイベント、堀場最高顧問のお別れの会と、大きな事がありました。

ショコラボオープニングは、集客がしっかりできていなかったにも関わらず、用意した100名席は満杯で追加する盛況ぶりで、門川市長のご挨拶、KBS京都のテレビ取材など、華やかな形で迎える事ができました。

門川市長には5分程のご挨拶の中で、ウエダ本社が京都流議定書を行い、KYOCAというビルを展開し、ソーシャルの拠点としていく意味など、そこまでお話した事はないにも関わらず、的確に捉えて頂いていて有り難かったのと共に、いくら話してもピンと来ない人が多い中、本質を捉える目には驚きました。

ショコラボを行う意味をご理解頂いたり、応援しようとされる方々が集まっておられたので、勇気づけられましたし、京都ショコラボにとっても良いスタートとなったと思います。

翌9日にあった堀場最高顧問のお別れの会は、政治家か大スターか、国賓かでないと、こんな会はないだろうと思う程の素晴らしいものでした。

千玄室大宗匠の80年にも渡るご友人としての語り掛ける様なお言葉、そして伊吹文明元衆議院議長の、”政治家らしからぬ”全く何も無しで10分程にも及ぶ30年の経緯を語られた挨拶は、感情がこもったもので、目頭が熱くなりました。

私も、血の繋がりも無い方で、亡くなった後もこれだけ、何か空虚感を感じるのは初めてです。

その理由の一つは、どう考えても、あれだけユニーク(唯一無二)で、あの様に大局からものを見て、真逆の意見でも飲み込める懐の深さを持っておられる方などおられないので、今後益々難しい局面を迎えていく中、京都のみならず日本にとって大きな支柱を無くしたと思うからです。

個人的にも、17、8年前からお付き合いさせて頂いていた中で、簡単に厚かましくご相談に行く事は控えており、ウエダ本社に来て倒産危機に直面した際に一度、京都流議定書の件で困った際に一度、そして他の方の相談で二度の計四度だけでしたが、それでも本当に困れば最高顧問に相談できるという気持ちを何処かに持っていた様に思いますし、それだけに、心の拠り所を失った様な空虚感があるのだと思います。

素晴らしい弔辞をされた伊吹文明さんとそれだけ懇意でありながら、民主党議員の後援会長も並行して務めておられたり、日本の為には、共産党がしっかりしないと駄目だと、共産党の議員さんに発破をかけたり、党だとかというレベルではなく、イイものはイイ、健全な野党ではないですが、健全なる対立軸や反対意見がないといけないというスタンスなど、いつも考えておられるレベルが違っていました。

”けったいな奴っちゃ” 私の誇りは、堀場最高顧問が私の事をこの様に紹介頂く事でした。
標準語で言えば、”変わった奴だ”になるのでしょうが、全く無趣味で自分でも面白くないと思う私を”けったいな”と仰って頂いていたのは、表面上”面白い”という意味ではなく、他人と違うというユニークという事だと思いますし、私にとっては最大級の褒め言葉でした。

同様に、社是にもなった”おもしろおかしく”も単におもしろく楽しいという意味だけではなく、もっと深いもので、人間の本質から来る言葉だと思います。

これについては、稲盛さんが盛和塾の中で、おもしろおかしい経営などあり得ない、と、公然と堀場さんの事を批判された事がありました。

ほんの三年ほど前ですが、その事も堀場さんはご存知で、その話に水を向けると、”何でアイツはあんな事を言いよるんやろうなあ。別に仲ええんやけどなあ”と苦笑いしながら仰ってました。

稲盛さんの事を”アイツ”と呼ぶ人など初めてでしたし、大物の関係を垣間見る事ができたのも、経営者の端くれとして、そんな一コマも高揚感を覚えたのを思い出します。

90歳で亡くなられた堀場さんは、その3倍ほど中身のある人生を送られたと思います。
それでも、”それまでは好きな事をやって生きて来たから、いつ死んでも悔いは無いと思って来たが、80歳を超えてから、まだまだ知りたい事、勉強した事が沢山あって、死にたくないと思う様になった”とよく仰っていました。

その話をしておられる映像が、お別れの会で献花を済ませた後の食事など、ふるまいされる部屋で繰り返し流されていましたが、そのメッセージを直接教えて頂いていた我々がもっと頑張らないといけないですね。

7,8000人(新聞発表では5000人)と思われた来場者の殆どが、本当に、惜しい人を亡くしたと思われているお別れの会などまず無いでしょうし、こちらもそんな想いの方が集まっておられたので、より素晴らしい会となったのでしょう。

90歳にもなって、まだ知りたい事だらけ、勉強したい事だらけ、そんな風に思える人でありたいし、そんな生き様を表せる生き方をこれから追い求め行きたいと思います。


2015年9月6日日曜日

受益者総会から感じた ”たくましく、そして、やさしく”

今週は東京、横浜への出張と、土曜日は鎌倉投信さんの受益者総会に出席しての対比構造が印象的な一週間でした。

出張では、大企業への訪問と、大企業が関わるプロジェクトの話を伺っていましたが、資金が豊富で、一挙に色々な事ができる羨ましさと、一方で、セキュリティーはガチガチに厳しくなっていく中、コミュニケーションや、コラボレーションをキーワードにしているちぐはぐさというのか、本質から外れた展開を感じました。

しかしそれは大企業が悪いのではなく、現在の日本において、大企業の立場では、そう展開するしかない様に思います。

簡単に立ち入れない管理された空間で、取ってつけた様に、かっちりと作られた場で、コラボレーションやイノベーションと言う光景を見て、首を傾げると共に、ウエダ本社としての進むべき方向も確認できた様に思います。

鎌倉投信さんの受益者総会は、全国から約700人という、二年前京都で行なわれた際の二倍弱ほどの応募人数で、新井さんのプロフェッショナル出演効果だけではない、潮目の転換を感じました。

パタゴニア、池内オーガニック、トビムシ、マイファームのパネルディスカッションの他、障がい者雇用に命を燃やすと言っても過言ではないダックス四国の且田社長や、古着などからバイオエタノールを作る日本環境設計の岩元社長のお話などは、ミッション、使命だけでなく、ビジネスとしての力強さがあり、他のソーシャルの集まりとも違うものがありました。

鎌倉投信さんの社是は、伊那食品さんの「いい会社をつくりましょう」を”了解を得て真似て”、「いい会社を増やしましょう」としておられるのですが、サブタイトルにある、”たくましくそしてやさしく”の通りに、たくましさがあり、それだけに潮目が変わる力を感じたのです。

来年からマイナンバーが施行されると、企業を取り巻く環境は、益々堅苦しいものとなり、より管理がきつくなり、息苦しい状況となるでしょう。

そんな中で、女性活用の目標が数値化され、制度で、女性や障がい者雇用が強制されても、それを受ける側にとって、望まれる環境は生まれていかないと思います。

それでも売り手市場の学生は窮屈な大企業ばかりを目指して、又、ミスマッチを助長していくのです。

日本の働く環境を本質的に変えていくには、中小企業が頑張らないと駄目だと思います。

そんな事が見えているだけに、ウエダ本社の役割も大きいと思っていますし、今期は、鎌倉投信さんとは違う立場で、組織としてゆるーい所を整えて、”たくましくそしてやさしく” でいきたいと思います。