2016年1月17日日曜日

人ととしての報酬

今週、知恵の場で聞いた、日本のホスピタリティの元祖的な力石先生のお話は、書き起こすと、当たり前の話になるのですが、45年の実績と、実践を積んでこられたからこそのホスピタリティ溢れ出るお人柄で、当たり前の事がやはり重要という事を再認識させられました。

2020年に向けても、日本のおもてなし力、ホスピタリティが重要と言われ、ホスピタリティ産業とまで言われていますが、1970年代、まだサービス産業という言葉もなく、客商売と言われる頃から、この分野を切り拓いて来られた力石氏は、ホスピタリティ産業は心の共有業で、利用されるお客様と心の共有ができるか?だと言われます。

自分達が楽しくしていない中で、お客様に楽しんで頂けるか?

顧客満足をという前にはそれを実現する社員満足が重要。

ホスピタリティ産業、経営品質を目指す企業などでよく言われる話です。

力石氏は、挨拶や、時間を守るという事、身だしなみをしっかりするという基本的な事がしっかりできない中、ホスピタリティなど生まれないし、売上やノルマばかりをいう企業も、それを作り上げる”人”が、そんな基本的な事ができていない中、うまくいく筈がないというお話でした。

スターバックスは、サードプレイスという、自宅でも職場でもない第三の場所を提供する事を掲げて成功を収めてきたのですが、その様な場を作り上げる事が彼らの目的であり、コーヒーを売るのはその為の手段なのです。

”いらっしゃいませ” ”ありがとうございました” と言う、元々の目的は何でしょう?

それは、沢山の店がある中、我々の店にお越し頂いて、ようこそ”いらっしゃいませ”という事であり、”ありがとうございました”という事なのです。
この事が分かって、或はそういうつもりで、コーヒー一杯を”どうぞお楽しみください”と置くかどうか?が、心の共有ができるホスピタリティ産業の仕事か、単なる作業の違いなのです。
と、力石氏は仰います。

確かに、その差を創り出していくには、日々の人間教育というか、スタッフの人間力の差であり、挨拶をしっかり気持ち良くする、とか、時間を守るなど、当たり前の事を徹底していく事が何よりも大事で、又、そんな事をしっかり行える様な人間に磨かれていく事が”仕事”というものの、他では得られない人としての”報酬”なのではないかと思います。

”報酬”と言うとどうして?と思われる方もおられるかもしれませんが、そんな教えを受けて会得された方とそうでない方の、たった、コーヒー一杯を差し出すという行為の違いを想像してみると、間違いなく、そういう教えを会得され、そんな意識で仕事をしておられる方は、大袈裟でもなく、指先まで神経が行き届いて、立ち居振る舞いが綺麗であるだろうし、そんな綺麗な人に磨かれるのって、他では得られない大きな”報酬”ではないでしょうか?

女性であれば特に、綺麗になる事には、お金を割いて率先されますが、男性でも武道などで精神修行されたりもします。

そんな中で、仕事はお金をもらって、しかも、誰もが自分や家族の人生を作り上げる為のお金を得ながら、自分磨きができるという”報酬”も得られるのですから、こんな素晴らしいものはないと思います。

働く環境の総合商社として、再度、原点を見つめて、当たり前を見直したいと思います。

”当たり前”ですが、まずは、私自身の社内の挨拶から、心を込めて改めます(笑)


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