2011年11月19日土曜日

Vision & Work hard

先日、経済同友会の例会で、IPS細胞の山中教授のお話を聞きました。

有能な方は、難しい話も易しく話されるという事を感じましたが、ES細胞からIPS細胞についてのお話を分かり易く聞かせて頂きました。
そして、その可能性と、現状出ている研究費が終わっていくので、その為に作られた基金への呼びかけもされ、プレゼンとしても素晴らしいものでした。

ES細胞、IPS細胞については、私が説明するよりもネットで調べて頂いた方が、詳しいと思いますので、興味ある方は見ていただくとして、山中教授が留学されたブラッドストーン研究所で、"Vison and Work hard"という事を教えられたそうですが、その言葉を聞き、その後ずっと経験されて来られた中で、日本人はwork hard は行うけれども、visionがなく、米国人はvison はあるけれど、work hard がないと仰っていました。

日本人研究者は、夜遅くまでやっているが、5年後、10年後、何をしたいのか?が無く、その経験から、日本人には、visionは何かを問い、考えさせる事が必要だという事でした。

目の前の事をただ一生懸命・・日本人の特徴かもしれません。

素晴らしいが、それは何処に行こうとしているのか?が無いと、全くの無駄に終わる、結果として出ない、そんな事が周りにも多くないでしょうか?
うちの会社もそれが悩みでありますが、ただ、ちょっと考えてみると、もっと恐ろしい事が浮かびます。

最近の日本ではこのwork hard の感覚が大幅に低下している事です。

又、国を挙げて、これを減少させる方向に動いているのです。

当たり前の話ですが、これがセットでないといけません。

元々の気質で日本人はvisonを持つ事が得意ではありませんし、今の若い人たちはどんどん夢を持たなくなっていっています。

その上で、work hardを悪の様に誘導していけば、日本はどうなるのでしょうか?

そこが私はどうしても、納得できないところです。

そうではない!

work hardが良くないのは、機械の歯車的にただ作業として行う事が良くないのであって、自分で考え、自発的に行うworkhardはむしろ奨励すべきものだと思います。

そしてその為には、visionが必要で、それから始まらないと、自発的なwork hardは実現しません。
そこを間違えると、或いは一方方向から捉えると、取り返しのつかない事になってしまうと思います。

若者が悪いのではありません。

日本の政治家、TOPリーダー達から、全然vison が見えない事が最大の問題で、それが無い中で、TPPなども議論しても全く不毛で、お互いの一面的な主張をし合うだけの話です。

IPS細胞しかり。

一部の皮膚などからでも臓器が作り出せるなど、夢の様な話ですが、これは生物本来の姿、倫理的な事からすると、諸刃の剣でもあり、人間生き続ける事も可能になってくるのです。

それをどの様に扱うかには、大きなvisionが必要で、それ無しに扱うと、どちらにも有効でない中途半端で恐ろしい結果になりかねません。

山中教授が基金を設立されたのも、国などからの予算は、もう後二、三年で打ち切られ、そうなるとこれからこの技術で色々な展開を見せられる所で終わってしまうと、本当に、それさえあれば救われるという目の前の人も救えなくなってしまう。
そんな事になってしまうのです。

いつもそうですが、本当に日本の総理大臣や政治家達が一番、visionを持って欲しいですし、それを持たない中で、色々な表面だけの施策を打ち、visonを持たない方向に進んで来た国民が上辺だけの良し悪しで判断し、日本の良い所、良い技術を無くしてしまわない様にしなければならないと思いますし、そういう事をもっと考えていく雰囲気を作っていかなければならないと思います。

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