2013年3月31日日曜日

ドリプラ京都に参加して

昨日は、京都で初めてドリームプランプレゼンテーションが開催されました。

ドリプラというのは、誰もがワクワクする感動と共感の体験型プレゼンテーションで、夢は説明、説得できるものではなく、体験しないと分からないので、それを疑似体験をさせるもの、そして、夢を実現する為には、理屈や数字で動かない本当のパートナーを作っていく事が必要で、その力を身につけていく事を目指したものです。

という私も、初めての参加であり、しかもプレゼンに対してのコメンテーターという役割でしたので、これ又、貴重な経験をさせて頂きました。

というのも、ビジネスプランコンテストではなく夢を語るという話なので、足らない所の指摘ではなく、応援していくコメントをしないといけないのですが、フワッとしたものに、フワッと答えていても、それこそ夢物語となってもいけないので、言わば右脳で感じて、左脳で答えていく様な感覚が必要で、なかなか難しい役割でした。

私も”日本人の働き方を変革する”、と言っていますが、それは単に、どこでも仕事ができる環境を作っていくとか、ましてやオフィス内でのレイアウトという狭い範囲の話ではありません。
食べていく為にただ単にやり過ごす様な日本のサラリーマンの仕事観、人生観というのか死生観から考え、仕事への対し方を何とか変えていきたいと思っていますので、その意味では、皆が夢を持ち、足らない所を他の人が応援していく社会を作っていく事を目指す、ドリプラの思想には、共鳴できるところも多々ありました。

しかし、それを社内に向けてできているか?と自分に指を向けると、まず、その働き方の変革を唱えている私自身が、社員を巻き込めていない、私の夢を、社員に応援してもらうという状態になっておらず、耳の痛い話でもありました。

自分の足りない所を指摘されるのはプレゼンとしては失敗で、足りない所を助けたいと思われると成功だと、ドリプラを作られた福島正伸さんが仰ったいましたが、自社において、画いた状況にできていっていないのは、私自身が、現段階においてはプレゼンターとして失敗のモデルなのだと思います。

しかし同時に、失敗などはなく、失敗は成長の糧となるので、成功か成長しかないという事も言われており、私自身、この方向をずっとウエダ本社に来た時から追い続けて来て、この先も追い続けるつもりでありますので、失敗ではなく、成長していっているのです。

一昨日は盛和塾の関係で一日空けていました。
盛和塾も京都の代表となり、今後も益々会社に居る時間がなくなってしまいます。

決して遊びのものではなく、全ては、会社の存在意義や成長など、大きな意味での会社の為に色々な役回りをやっているのですが、会社に関わる時間がどんどん少なくなり、ましてやじっくりと考えたり、内省したりする時間など全くない状況となってきています。

本末転倒ではないか?と考える事もありますが、組織的には、この状況を逆利用して、この際に、皆が自主的に運営する様にしていきたいと思いますし、社内ドリプラではないですが、ウエダ本社の中で、自分の夢の実現を目指す様なリーダーを作っていきたいと思います。

そして、私は、もっと皆を結集させていける様、説得ではなく、右脳に訴えられていける様に、ドリプラでも練習していきますか(笑)


2013年3月24日日曜日

京都幸福会議の締めの挨拶

FBでも少し書いていましたが、先日、京都幸福会議というシンポジウムが行われ、定員200名の所400名という大盛況ぶりでした。

王立ブータン研究所長、山田知事、門川市長などもご出演されたパネルディスカッションの後、主催の京都経済同友会と大学の関係者のみという場ではありましたが、コミュニケーションデザイナーの山崎亮さん、京都大学こころの未来研究センターの内田先生、電通の袖川さんというそうそうたるメンバーと共に、私もパネルディスカッションに出させて頂きました。

この立場はなかなか難しく、過疎地の活性化で今や大注目の山崎さんや、内田先生、袖川さんは内閣府で仕事もされるデータ、事例をたくさんお持ちの専門家ですから、この方々の間で埋没していまわない様にするだけでも大変ですが、たくさん重鎮もおられる前で、何であいつが出ているの?とも思われかねない中、偉そうにもなり過ぎず、しかし主催する経済同友会メンバーとしての役割も果たさなくてはならないという、色々な方面を意識しながら、即座に考えなくてはならないという刺激的な経験をさせて頂きました。

結果的には、元京都大学副学長で現在は国立社会保障人口問題研究所長の西村先生の懐の深いコーディネーションや、袖川さんの、全体を考えた発言などで議論が交差するディスカッションとなり、後日、数名の方から、全セッションの中でも一番面白かったとも言っ
て頂けて、本当に良かったと思います。

1時〜6時迄3部構成で、凄い方々がそれぞれの立場から話された幸福会議は、かなり面白いものでありましたが、そんな中やっぱり最後は堀場最高顧問が、たった5分程の締めの挨拶で、見事に持っていかれました。

幸福なんていうものは人それぞれ色々あるもの。
ジェネレーションギャップの話も出ていたが、私は今、88歳で出席者では最高齢であるが、戦前から生きてきた身からすれば、皆が言うジェネレーションギャップなんて、取るに足らない誤差の範囲である。
戦争を経験しているか、していないかの差は、圧倒的に違うし、その経験から言える事は、人間がパニックに陥るのは、基本的に次の二つしかない。
一つは、死にたくないのに殺されると思う場面と、今日から本当に食べる物が何も無いという状況である。
そんな本当にパニックになる状況を戦後に生まれた人は経験していないので、取るに足らないわけだが、この中で日本に生まれたいと思って生まれて来た人は居るか?
誰も居ない筈であり、ひょっとしたら、紛争地域や、今食べる物が無い国に生まれていた可能性だってあるのだ。
それを考えると、日本に生まれただけで、全世界で考えると、それだけでまず幸せなのであり、日本の中で、もがいているのは、90点から何点上がるか程度の話なのだ。
もっと、そういう所に目を向けて、今ある幸福を考えて欲しいというお話でした。

今までの5時間は何だったんだ〜と思う位、深いお話を5分で話してサッと帰られるのですから、88歳、まだまだ現役ですね。

こんな方から身近にご指導頂けるのですから、我々京都の経営者は幸福です。


2013年3月17日日曜日

企業の成長って何でしょう?

来月から、急遽新卒社員が入る事になりました。

厳密に言えば、産休に入る社員の代わりの契約なのですが、うちの方向性に合っていそうでもあるので、あえて正社員と同じ様に受け入れていく事にしたのです。

ここ最近ウエダ本社では、結婚や出産というオメデタ続きであり、社員の家族というファミリーが増える事は大変嬉しい事です。
しかし同時に、我々の様な規模の会社で、しかも底が見えたとは言え、まだまだ業績的に、もがいている状況で、家族が増えていく事は、私にとっては反面で本当に恐ろしく、身の引き締まる思いです。
 ”子供ができた”と聞くと、今からこの家族が最低20年は生活していける様に、会社をしっかりさないといけないんだな、そんな事が頭をよぎるのです。

そんな中、産休はしっかり取ってもらい、その間に契約と言いながらも、実際は社員登用するつもりで。しかも、一人休むのに対して二人の女性を新卒で採っていくのは、人件費を経費と考えたり、効率で考えていけば、全くナンセンスな話だと思うのですが、日本人の働き方や働く環境を変革していく、という事を掲げ、効率追求、単なる売上数字の拡大を成長とする価値観の変革を目指している我々とすれば、その実現を一緒に目指していってくれる人であれば、やってもらうべきだと決断したのです。

企業の成長、或いは価値は、売上や利益額だけでしょうか?

人間を考えれば分かりますが、身長、体重を成長と見るのは、子供の間、少なくとも成人を迎えるまでの間です。

東南アジアの様な成人に向かっていっている国とは違って、日本は老年期に入っていっているのに、まだ、企業においての価値観、成長は、たくさん食べて大きくなる事で測られています。

その価値観が変わらないままたくさん食べようとして、内臓疾患をたくさん抱え、表面化もしているのが昨今の日本だと思います。

身長、体重以外に、内面的な、精神的な成長ってたくさんあると思いますが、もういい加減、日本の企業も、それを評価する日本人自体も、それを気づき、見る目を変えていかなくてはならないと思います。

しかし私も、ただ確信も何も無い、想いだけを唱えているのではありません。

今回、当社の方向性、価値観を良いと思って頂いている先生から、”良い学生”との事でご紹介頂き、会ってみるとその通り素晴らしく、急遽の展開となったのですが、これを、採用活動にかける時間や、ブランディング含めた広報費などを考えると、本来は大変なコストがかかると思います。

それがいとも簡単に、見つかるのですから、これって、アミタホールディングスの熊野会長が仰る、まさに”信頼資本”が増加している証拠であり、それは紛れもない”成長”だと思うのです。

身体ばかり大きくて、自分の事しか考えずコミュニケーションの取れない大人、人を平気で傷つけたり自分は何もせず批判ばかりする様な大人が増えていないでしょうか?

企業に置き換えてみると、そんな企業をまだまだ単に身体が大きいというだけで評価していないでしょうか?
それを目指す事だけを成長と考えていないでしょうか?

そんな想いと、実際、その価値観、そしてこれからの日本の”成長”のあり方を企業に問うていく為にも、ウエダ本社では、自社の理念に沿って、あえて新卒で女性社員を迎える事にしました。

今後は、新たな展開もいくつか動き出していきますので、迎える側の社員も、今回の採用を通して、再度、自分達の価値観、方向性を見直してほしいと思いますし、私自身も、ブレさせず、これからの企業の成長を目指していきたいと思います。




2013年3月9日土曜日

50歳でのベンチャースピリット

あまりこの件は自分でも認めたくないのですが、今年で何と50歳になってしまいます。

いつまでも若いつもりでいますが、"若い"のはいいですが、ただ、しっかりしていない、自覚が足りないだけという様にも感じます。

と同時に、色々な事があったとは言え、この10年間を俯瞰して見れば、自分自身の停滞感も否めません。

ウエダ本社としてのあるべき姿、存在価値を、この時点ではもっとしっかり確立できている筈が、描いていた通りにはまだ進んでいません。

置かれてきた背景、資金的な状況、自分の性格や器などから、お金をかけて一挙に形を作ってしまうという事ができず、一つ一つ、手作りで作って来たという感じです。

家に例えれば、自分達で柱から、レンガやブロックなどのパーツまで全部手作りで行うという感じで、本人は家を建てているのですが、他人から見れば、レンガを作っていたり、木を切っていたりで、"何をやっているの?"と理解してもらえなかったり、一緒に働いているスタッフにも、これで家ができるのか?と思われていたりするのだと思います。

最近それらの形が漸く見えるものが出来てきて、説明しても全体像を理解してもらえる状況にはなってきました。

そんなところを先日のクオリア朝食会では、堀場最高顧問を前にプレゼンさせて頂き、大変嬉しい事に、日本初の学生ベンチャーとして創業され、私が色々な意味で、最も尊敬する堀場最高顧問から、”何となく僕の直感的やけど、あんたの唱えている事は成功する気がする”と仰って頂きました。

そして、”前から、何をやっているのか分からん不思議な奴やが、まさしくベンチャーやね”とも言って頂いたのです。

考えてみれば、できれば一生、体と頭が許す限り、それこそ、おもしろおかしく自分の仕事を好き勝手にしていきたいと、30歳で独立したにもかかわらず、私の目指す方向に集まったわけではないウエダ本社に入る事となり、本業が落ち込む中、変革に迫られながら、ウエダ本社としての新たな存在価値を作る事に時間を要して来たのですが、元々は、生涯現役、生涯ベンチャー精神を持ちながらビジネスを生み出していきたいと思っていたのです。

そんな事で言えば、時間的には遠回りした感もありながら、自分が好き勝手にできるベンチャーでは決して経験できなかった経験は、ある意味できた様に思います。

パーツが目に見える形となって来た今年から、私自身、再度ベンチャースピリッツを持ちながら、皆さんから、”家を建てていたんだ”と分かってもらえる様にしていきたいと思います。

そして、稀代の名経営者である堀場最高顧問からは、いつまでも、”分からん、変わった奴や”と、”褒めて”頂ける様な、ベンチャー経営者であり続けたいと思います。

2013年3月3日日曜日

信頼資本と良い会社

今週は本来、鎌倉投信http://www.kamakuraim.jp の鎌田社長をお迎えしてダイアログバーを行なう予定でしたが、ホスト役の西村勇也君が退院早々という事もあって、延期させて頂きました。

折角、鎌田社長が京都に来てもらえる機会でもあったので、アミタホールディングスhttp://www.amita-net.co.jp/の熊野会長が拾って頂き、京町家を改装とは言えないレベルで改築されたご自宅で、鎌田社長を囲む勉強会に仕立てて頂きました。

アミタさんはリサイクル技術、環境分野では有名な会社ですが、熊野j会長は、そんな分野や言葉も確立されていない30年以上前から取り組んで来られ、言葉では言い表せる事ができない様な抵抗や壁と戦いながら、事業として確立して来られたという、仮にも事業を立ち上げた経験のある者からすれば、想像を絶する、理想と実業を両立して来られた”有り得ない”事業家です。

そんな熊野会長が私財を投じて創設された信頼資本財団http://www.shinrai.or.jp/さん。

そこが融資された起業家達を数名と、これ又、信頼という資本を集めて、素晴らしい会社に投資を行なわれている鎌田社長の話から侃侃諤諤やるのですから、志ある起業家達にはこんな贅沢な時間はないと思いましたし、元々鎌田社長をお呼びした私自身が、本当に濃密な時間を堪能させて頂いておりました。

そして、そんなアミタさんの会社自体と熊野会長のご自宅までもを、京都に移されたのですから、京都にとって、誠に心強い存在でありますが、私とウエダ本社にとっては実はもっと有り難い話で、その信頼資本財団さんが、うちの北ビルに開設したプロジェクトオフィスに入って頂く事になるのです。

これにより今後はウエダ本社としても、従来以上に、志ある若者、起業家達が集い、そこに我々や、我々が信頼できる素晴らしい事業家や資本家が交差できる場を形成し、信頼を交換していける世の中に、少なくともそのベースを有する日本は、変えていきたいと思います。

最後に、いつも私のブログを読んで頂いている奇特な方には、是非、信頼資本財団の熊野理事長の挨拶文http://www.shinrai.or.jp/aboutus/greeting.htmlをお読み頂きたいと思います。

私の足りない表現力とボキャブラリーを補填して頂いているかの様ですので(笑)

2013年2月24日日曜日

XEROX表彰式での未来図

今週は年に一度のXEROXの販売パートナーの表彰式があり、先程東京から帰りました。

ここ数年は、この会が会社の状態や自分の気持ちなどを映し出す良い機会になっている様に思います。

今年は全国から486名の招待者であったそうですが、その中で、あるクラスでのトップ
であったので、挨拶をしなくてはなりませんでしたが、全体では9位の成績で、3年前まで3年連続全社1位として最後に話をさせて頂いていた事からすると、そこでの挨拶はバツの悪さもありました。

しかし私自身は、1位で挨拶している時よりも、これから楽しみな要素もあり、"ここからは又上がっていきます"と話しました。

連続1位の年には逆に、" 計画していた組織変革をしっかり行えていれば、順位も落ちる筈なのに、今まだ1位で居るというのは、変革が進んでいない証拠です"と、本当に偉そうに思われる話をしていましたが本音でした。

その後、順位が落ちるという事においては時期は遅れながらも予定通り?昨年には13位にまで落ち、会社としての底とも重なり、昨年度は最も居づらい年でした。

そして今年、9位と若干盛り返してくれましたが、その結果よりも、ほんの少しながら、漸く考えて来た方向に皆が動き始めてくれており、1位で居た時より、内心では楽しみも持ちながら、皆さんにもいずれこれらの挨拶の意味も、時系列で分かって頂ける様にしたいと思っています。

当たり前ですが、他人は結果しか見れないですから、いずれ取り組んで来た方向で結果が出た時に、あの時はこうだったと、挨拶したいと思います。

そんな表彰式の後、今年は二つのエンターテイメントに勉強させられました。

一つは懇親会でショーをされた松崎しげるさんですがこれぞエンタティナーという感じで、惹きつけ方が素晴らしく、短時間の内に会場全体を一つに纏めていかれる姿に感心しました。

そして今日は、生まれて初めて劇団四季のサウンドオブミュージックを鑑賞し、これ又、それぞれプロとしての技量、惹きつける力、全体の構成、プロデュースなどに感服し、人を楽しませたり、魅了する力を続けて学ばせて頂き、個人で身につけたいと思うのと同時に、会社全体でも、人を惹きつけ、魅了する仕事を目指したいと思いました。

人を魅了して、そして売れて、表彰される、XEROX表彰式での未来図はそんな風に描いて
おく事にします。

2013年2月17日日曜日

国、企業をデザインする

日本がGDPで2位になったのは1968年だそうですが、これは明治維新から丁度100年目であり、不思議なのは、その日本に代わって中国が2位になった2011年は、辛亥革命から100年目であったとの事です。

それを見ると、日本と中国は同じ様に動いてきたのですが、違うのは、日本はここからインド、ブラジルなどに抜かれていくのに対して、中国はいずれ米国を抜き1位となっていくと言われています。

そんな時代をどう生きて行くのか?先日、同志社大学の次期学長になられる村田晃嗣さんがこれらから展開されてたお話は大変分かりやすいお話でした。

そのお話を聞いて、当たり前ですが、今後の日本は相当高いレベルでの国家観と、したたかさを兼ね備えていないと、舵取りはかなり難しいと思いました。

村田さん曰く、アメリカとの連携無くして日本は成り立たないと言われます。

しかしそれは、決して言いなりになるというのではなく、又中国と敵対すると言うのでもありません。

今後の日本は、韓国を始めアジア諸国と連携を深めるべきであり、それができるとアメリカとも連携していく事ができ、それができると、中国とも程よい距離感で付き合っていけ
るのだと仰っていましたが、私もその通りだと思います。

アメリカは、日本から出て行く可能性はあるが、中国が日本の隣から居なくなる事はない
と仰っていましたが、そんな所で、アメリカが好きで中国が嫌いだとか、中国とは組めないから、アメリカを取るとか、そんな発想では存在感など示していけないと思います。

これは国だからの話でもなく、企業においても、又そこで働く個人においても同じ事が言えると思います。

魂胆というとイメージは悪いですが、自分の目指したい方向を見据え、そこに向けて強み、独自性を築いていかなければならないのであって、自分の力が弱く独自では達成できないのであれば、色々と連携を図っていかなければならないのです。

いつからか、日本にはそのグランドデザインを描ける人が居なくなった様に思います。

昨日、京都文教大学さんで、うちがキャスティングをした太刀川英輔さんのお話を聞く機会がありました。

太刀川さんは目に見えないものをつくるというコンセプトで、建築からグラフィックに留まらず、幅広い分野で基本もしっかりできるデザイナーですが、デザインとは、単に意匠のデザインではなく、課題を解決する事だと取り組んでおられ、次々に成果を出されているのです。

国も企業も、本物の"デザイナー" を養成していくべき時代だと思いますね。

2013年2月9日土曜日

大きな役回り

昨日、盛和塾京都の総会で今年度代表世話人となりました。

盛和塾というのは、今から30年前、京都の若手経営者が京セラ社長であった稲盛さんに、経営を教えて欲しいと日参し、25人で自主勉強会を開かれた事から始まったものです。

今では、アメリカ、ブラジル、中国、台湾など海外を含む70塾で8000名を超える塾生が集う組織となっているのですが、その経緯から”京都”というのは常に注目されているのです。

こういう会などの”役”については、決してなりたいわけではありませんが、お話があるというのは役割があるという事、又、自分に起こってくる事は全て必然であると常々考えていますので、通常であればこの大役もすんなりお受けしていたかもしれません。

しかし今回は塾として、私では不相応だという事と、ウエダ本社とその中の私に取って、今はあまりにもタイミングが悪く、本当にそんな事をやっていて良いのか?とかなり悩みました。

分かっていながらも結果的には手が遅れた事から、大口倒産で業績が落ちた時期と組織改革の時期が重なり、問題山積の中、新規展開の種を蒔きながら、漸く底打ちをし、良い芽もちらほら出掛かってきているタイミングでしたので、ここで間違うと、この数年間かけ
てきた事がパーになってしまうのではないか?、塾に対しても代表に求められる”時間”の捻出と責任が果たせるのか?なども考えたのですが、最終的には、やはりこれも、このタイミングで、お話を頂く事には意味があるのだと思い、お受けする事にしたのです。

代表になると自ずと、中途半端であった稲盛哲学の勉強ももっとしなくてはならないでしょうし、会社的にも、少しづつではありますが、それぞれの役割を発揮し出してくれてい
る中、私があまり口出しする時間が無くなる様に、神様が仕向けてくれたのかも知れないとも思いました(笑)

4年前にも世話人をやっていて、交代して以降は、塾に対しても思うところがあり、あまり参加していなかったのですが、代表になるので、久しぶりに参加する様になると、改め
て他の塾生から学ぶ事や、気づきも多く、やはり、今だからこそ、改めて勉強しなさいと言われている様に思います。

一部かも知れませんが、”そんな由緒ある会で、社長が代表になるという事は誇らしい”とも言ってくれ、社員にはそんな感情もあって、意外と喜んでくれるのだ、と気づかされました。

ただ現実的には、その盛和塾も30周年で記念行事を8月に京都で行なう事や、これも分不相応ながら理事を務める経済同友会でも、15年ぶりに京都開催となる西日本大会が京都流議
定書の翌週に開かれ、これも集客担当をしなくてはならず、7月、8月などは、イベント屋さん状態で大変だと思います。

しかしこれらの活動については、地位や名誉を求めているのではなく、これだけは自信を持って、”動機善なりや私心なかりしか”の精神で、行なっていると言えます。

そう言えば、中学生の時に一瞬、”役者”になりたいと思った事がありましたが、テレビや
映画ではなく、世の中という舞台で、大きな”役回り”を演じていくと考えれば面白いです
し、できるだけ大きな舞台でウエダ本社の社員もキャスティングしていきたいと思います。


2013年2月3日日曜日

会いたくなかった人

今週は、いつもにも増して色々な立場から、社会課題に向き合っていたり、世の中を良くしようとされる方々との面会が多い週でした。
それも講演会などではなく、個別で話させて頂くのですから、刺激を受けてのワクワク感や、できていない自分の反省など、たくさんの想いが錯綜し、頭がパニック状態になっています。

それぞれが、それぞれの領域において注目されておられる方々が立ち寄って頂けるのですから、つくづく幸せだと思いますが、この様になってきたのも、京都流議定書というイベントや南ビル、北ビルが、人の集まるHUB的な役割となってきたからだと思いますし、つくづく"場"の重要性を痛感します。

そんな中、私からすれば、ついに”会いたくなかった人”にもお越し頂く事になりました。

会いたくなかった人、それはISFネット代表の渡邉さんですが、当然、嫌いなどという話ではなく、以前から大久保寛司さんから聞いていたり、著書も読んだりし、その想いの崇高さと、言行一致させていく行動力と精神力の凄さに、近づいていけなかったのです。

又、それは今回お会いしても感じましたが、想いのレベルは何桁も違いますが、方向性だけは同じ所を向いているだけに、そこに立ちながら、できていない自分が浮き彫りになる事で、かえって自分を見失ってしまうのではないか?という恐ろしさもあったのです。

就労という事において、障がい、ニート、引きこもりなど、20項目のハンディキャップ背負う人を雇用し、現在でも2000人中800人のハンディを背負う人の雇用を、2000人にすると掲げられているのですが、今まで言ってこられた事、着想された事は全て実現し、しかも、それだけの規模で、そんな事を行ないながら、事業は黒字化されているですから、理解できない凄さなのです。

重度の知的障がいで左手しか動かず、お母さんがトイレなどの補助をしなくてはならない為、お母さんも介助役という仕事で、一緒に雇い入れているとの事で、”どうしてそこまでされるのですか?”との問いにも、"私が雇わないと誰も雇ってくれないでしょ?誰も雇わないとその子はどうするのですか?"と、真顔で言われます。

色々ある精神障がいも、"全ての特徴を把握しているから、全部対処できるし、皆、それぞれの特徴を生かして立派に働いてもらう事ができる、そして彼らもやっぱり働きたいという願望を持っているのです"と、全てがこんな感じで、 できるかどうか?という発想ではなく、やらなくてはいけないという事から、どうすればできるのか?しかないのです。

課題などというレベルの話ではなく、"毎日命の危機にさらされている、十数年前、こういう雇用を行おうと決めた時から365日休み無しを決めた"などなど、全てがそんな調子で一貫しているのですから、ちっぽけな規模で、一端の苦労をしているつもりでいる自分が、本当にちっぽけな人間に思えて、ある意味、元気にもなりました(笑)

大久保寛司さんは、渡邉さんを評して、現代のマザーテレサであり、しかも実業版だと仰っていましたが、正にその通りの、日本にとっての救世主だと思いますが、理解できない事に、その邪魔をしようとする行政があったり、やりもしないのに批判だけする人達も居るそうですから、それこそ、本当の"障害”ですよね。

日本で最初の学生ベンチャーで色々な規制と戦って来られた堀場最高顧問も、行政が行なうべき事の意見を求められて、"民間が行なう事の邪魔だけしないでくれ"と言われたという話を思い出しました。

飲みに行くのも止め、9時には寝て3時に起き、365日休み無しの生活を続けられている渡邉さんは、その生活が楽しくて仕方ないと仰います。

生きている実感なんでしょうね。

やってもいないのに批判だけする人や、目先の自分の利権、利益の為だけで動いている人などは、生きているって実感はあるのでしょうか?


2013年1月26日土曜日

デフレ脱却は難しいでしょうか?

日銀が2%の物価目標を決めましたが、なかなか難しい数字の様です。

しかし、デフレ脱却が大きなテーマですが、抜本的に企業の考え方、価値観を変えていく事ができれば、まだまだ幾らでもやれる事はあると思いますし、それを援護する、少なくとも邪魔をしない施策であって欲しいと思います。

殆どの企業が、お客様スタンスを掲げ、安さ追求を行っていますが、お客様側は、その安さを実現する為に行なわれている事や、原材料の実態などを知った上でも、値段だけを求めているとは思えません。

という事は、安さ追求は、そういう事を知らしめずに、値段で勝負し、市場を席巻し、シェアを拡大するという、企業の為である様に思います。

私も経営者の端くれですから、そういう事が全くないのか?と言えば、0とは言えませんし、企業も生きていかないと、雇用を含めた役割を実現できないのですから、全てが悪だと言っているのではありません。

ただ、必要以上に、望まれている以上の安さ競争、それを実現する為に値段だけでの調達などを行なっていれば、当たり前でデフレスパイラルが起こり、しかもその自分達の争いの理由を、消費者の為、お客様の為と言っている様な人は、幾ら凄い業績をあげていよう
と、凄く優秀であろうと、影響を考えても、賞賛すべきではないと思います。

安さを志向していけば、当たり前ですが、量を売らなければ成り立ちません。

一社がそれを実現していれば、他は負けていくわけで、そこで働く人々の生活は脅かさ
、その厳しい状況になった人々が消費者に回れば又、安い方が良いという循環になるのです。

しかも、勝者となる一社が勝つために行なっている安さの背景には、途上国の人々を酷
使した様な事や、紛争に繋がる原因となっていたり、効率的に大量生産する為に、危険な
薬や化学物質を使っていたりする事もあるのです。

その様な状況、スパイラルは一体誰の為になっているのでしょう?

そんな事をトータルで考えても、多くの人が、値段だけの安さを求めているでしょうか?

私は少なくとも今の日本ではそうではないと思います。

フェアトレードとまでいかないまでも、皆がその値段の背景についての情報も得られ、ト
ータルで選ぶ状況になれば、少なくともそういう選択肢を持てるだけで、賢い消費者は違
う行動をすると思いますし、それで選ばれた企業は、調達するにおいても、仕入先を泣か
しまくって調達する事も無くなり、何よりも、その様な付加価値を認められる世界では、
間違いなく日本の企業は得意で、それこそ勝負していけるところだと思うのです。

しかも、そこの勝負というのは、規模の大小、同じ方向性での優劣ではなく、それぞれが
自分の特長を生かす、個性を発揮する勝負なのです。

その様に日本の企業が向かっていく事が、目先のデフレ脱却だけでなく、今後の日本を夢
のある方向に転じられる唯一の方法だと思うのです。
至ってシンプルな話だと思うのですが、何故、賢い政治家、官僚、学者の先生などが気づ
いてくれないのでしょうか?











2013年1月20日日曜日

経営実践塾 ドリプラ京都とレイブル

今日は鬼澤さんの経営品質実践塾がうちの会社で行われていました。

場所貸しの特権で、鬼澤さんの今までの経緯、考えを改めて聞く事ができ、私自身にとっては、自分の足らないところとやっているところの検証もでき、大変有難い勉強会でした。

今までに、何度もお話しは聞いていますが、何故あれだけ、全国を飛び回って自ら火を点け、色々なプロジェクトや、自治体、中小企業などの改革に取り組まれているのかの繋がりがよく理解でき、鬼澤さんの想い、構想力、展開力、そして行動力を体系的に捉える事ができたのと共に、改めて感服しました。

内容は、以下のご本人のブログ http://ameblo.jp/onikko-nikki/entry-11452690991.html をご覧下さい。

私も、何故、会社を営むのか?の前に、何故、どの様に生きて行くのか?が有り、その中で、意図せず入る事となったウエダ本社をどの様に、存在価値や使命を持って展開するのか?その為には、何をどの様に進めて行くのか?それも、厳しい状況からスタートしたので、お金やリスクをかけず、一つ一つ作って来ました。

京都流議定書や、そこに至るまでの環境、伝統、教育などへの取り組み、セミナー、研修の展開、南ビルリノベーションや、ダイアログバーを始めとするソーシャルビジネやNPOなどを展開する若者達との関わりなど、今まで、社内外に向けて、何の為に行っているのか?をどれだけ説明したか分かりませんが、鬼澤さんの考え、やって来られた事を聞くと、大変納得しましたし、心強くも感じました。

何故、若者を支援するのか?という点も同じ感覚でしたが、そんな鬼澤さんが以前から取り組まれ、今度京都でも立ち上がる、ドリプラ京都 http://drepla-kyoto.com/   は、変革に向けては起業家を育てていかなくてはならず、人を共感させていけるリーダーを育てなければならない、そんな想いが込められている様ですので、世の中変革まで考えられなくとも、自分から変えたいという方も、3月30日は、是非ドリプラ京都に参加してみて下さい。

そしてもう一つ、2月月10日は、ニートの日でもないのですが、この問題に取り組んでいる素晴らしい若者、NPOが主催するイベントも http://jisedaiwork.jp/ あります。
こちらは京都流議定書としても協力しておりますので、是非、ご参加お待ちしております!

そんな若者に刺激を受けながら、鬼澤さんの一つ下で今年同じ世代に突入してしまう私も、同じく、やって来た事を纏めてみようと思いました。



2013年1月13日日曜日

社員をサーフィンに行かせよう

これはパタゴニア創業者のイヴォン・シュナードさんの本ですが、パタゴニアさんでは、良い波が来れば、サーフィンに行く事が最優先事項だそうです。

というと、如何にも楽な会社、もしくは、甘っちょろい会社と思われるかもしれません。

しかし実際は逆で、ある意味厳しく、仕事への対し方についての本質ではないか?と思います。

サーフィンを最優先にして、業績が悪く、給料も出ないというのであれば、それは会社ではなく、サークルで行なうべきであり、そんな会社であれば、幾らサーフィンを最優先する人でも、文句を言うのではないでしょうか?

サーフィンを最優先にするという事は、良い波はいつ来るか分かないのですから、常に行ける体制で仕事をしておかなければならなず、やるべき事、自分の役割をしっかりと果たしていないと成り立たないのです。

実はこれ、私自身の仕事観とズバリの考え方であり、このベースからウエダ本社の理念や展開も出てきているのですが、あくまでどういう人生を目指すのか?どんなライフスタイルが理想か?の中で、それを骨格となる仕事を考え、対していくものだと思うのです。
だからこそ、日本で言われているワークライフバランスは違うと言うのであり、そんな発
想で制度ばかりを考えるから、どんどん、働くのか、家庭や趣味を生かすのか?どちらか的な話になってしまうのです。

仕事は言われてイヤイヤ行なう、食べる為に仕方なく我慢して行なうものでもなく、時間で計られるものではありません。
それぞれの立場、状況において、自分の責任において行なうものであり、そんな働き方、仕事観が生まれて来ないと、我々が目指す"イキイキと働く"という社会は実現しないのです。

ウエダ本社の理念はそんなところから、出てきているのであり、まだまだそれが社員の方でも理解されていないところが課題である為、年明け第一週目の面談では、この話に終始していました。

もう6、7年前になるでしょうか?うちの会社では、有給休暇を1時間単位で取れる様にし、子育て支援に理解があるとして評価も頂きましたが、実際に使われていたのは子育て支援よりも介護の方でしたし、実は、これの根幹は正に、"社員をサーフィンに行かせよう"の
通り、平日の昼間から堂々と自分の趣味に時間を使うライフスタイル、その中でしっかりと働く会社と、そんな会社がスタンダードを占める社会を創るという事でした。

今年は改めてそれを目指していきたいと思いますが、海の無い、しかも京都の会社ですから、"社員をお寺に行かせよう"とでも掲げていきますか?

2013年1月6日日曜日

京都企業、我々の役割

今年の大企業TOPの年頭所感は、政権交代による経済好転への期待感と、グローバル化しか選択肢がないと、ここでの変革を訴えたものばかりであった様に思います。

京都経済四団体での立石商工会議所会頭も、今年への期待とグローバル化の進展について話されました。

しかし、その後が京都らしいところで、私も全く同感であり、京都流議定書の精神にも繋がる話なのです。

それは、これから最も変化するのは、規模のメリットの低下であり、大量消費の工業社会から持続可能社会への変化であり、それ故、京都の持つ、知恵と多様性が活かせる時代を本格的に迎えるという事でした。

又それ故に、次代に向けた変化対応力を最優先にした企業経営が求められるとの事でした。

物を生み出していかなくてはならないメーカーは、その市場を求めて海外に展開して行かざるを得ないでしょう。

しかし、8割を占める非製造業こそが、今年以降、大転換を図る日本の命運を握っていると言っても過言ではないでしょうし、それを最も実現しやすい環境が揃っているのが京都であり、ナレッジ、ノウハウ、伝統など、数値化できない価値を持つ京都企業がその実例を示していく事が、大きな役割だと思います。

そして東京以外の全ての地域が、それぞれの強みを再認識して、それぞれの地域に根ざした持続可能社会を作っていく事が、日本を再びTOPリーダーにしていくのだと思います。

同じ尺度での優劣を争う競争は繰り返すべきではありませんが、競争の無い社会などは又、成り立ちません。

自然の摂理に従っても、価値のあるものは存在し、価値の無くなったものは淘汰されるのですから、今後の企業や、個人においても、他には無い、存在価値を作る競争をしていく
べきなのです。

そう考えてみても、今年から、より京都企業、そして我々自身の役割は重大だと思います。

大きな役割を担える事を楽しんでいきたいと思います。


2013年1月1日火曜日

対話の土壌形成元年

新年明けましておめでとうございます。

昨年は選挙の年と言われ世界中で首長選挙が行われましたが、最後に日本でも行われ、政権交代がおこりました。

良い、悪いはそれぞれの立場によって違うでしょうが、この二、三年停滞していた閉塞感から、色々動き出していくであろう事は、歓迎したいと思います。

しかし、米国との関係は修復されていくのに対して、中国やアジア諸国との関係はかなり神経質なものとなっていくでしょう。

TPPや原発も推進となり、金融緩和も図られ、目先の経済は良くなっていくでしょうが、日本国内における格差は拡がり、それらの問題への対処は、国から"援助する"という中央集権型のスタイルから抜け出せず、拡大、大量生産型に戻ってしまう可能性も危惧されます。

グローバル化が絶対条件の様に叫ばれていますが、言われているグローバル化というのは、一体誰から見たグローバルなのでしょう?

世界は米国を中心とした西欧諸国のモノなのでしょうか?
そのモノサシでのグローバル化に、今後の日本も乗せられていって良いのでしょうか?

どんな話でも0か1の話ではありませんので、今叫ばれているグローバル化に背を向けろというのではありません。

ただ、地理的にも背景的にもアジアにありながら、敗戦から米国流の発展を遂げて来た日本、東日本大震災から原発問題を抱えながら、少子高齢化に向かっている日本だからこ
そ、世界にアピールしていくべき事があると思うのです。

ここ数年の決められない政治から決別し、決して以前の価値観に戻らず、各自治体、各業界、団体、そして各国民が、自分ができる事、その現状でできる事を考え、行動する事、そんな転換の年にしなくてはならないと思います。

まずは、意見、立場の違う"人" 自体を批判するのではなく、感情と対策をしっかり分けて対話していける土壌形成を行なっていきたいですね。

2012年12月29日土曜日

2012年 お世話になりました。

毎年バタバタとして年末を迎えていますが、今年も更に慌ただしく一年を終えました。

ここ数年、苦しい中、色々な事に取り組んできましたが、今年の後半あたりから、漸くそれらが繋がる様になってきて、バタバタの中身が違って来た様に思います。

社員の方もバラツキはあるものの、それぞれの役割を意識してくれる様になり、目に見えて成長してくれている人もいますし、少なくとも、以前より厳しい状況であっても、不平不満よりも何とかしようとする姿勢に変化してきてくれています。

会社の雰囲気は楽しい朝礼を行なっていた三年程前より、表面上はトーンダウンしてみえますが、これも変革へ向けての、組織としての段階で、上っ面と現実とのギャップを埋めていく為に、一旦落ちて地に足つけて上がって行っている状況だと思います。

ビル全体をリノベーションした南ビル、ウエダ本社として初めての自社ブランドである、北山材の"Waoffice(和オフィス)"のショールームを兼ねてのコワーキングスペースを設置した北ビル、それらが完成した事により、お客様や知人などから相談される内容が明らかに変わって来ています。

今年5回目であった京都流議定書が終わって以降、これも今までとは違うのは、何処へ行っても、"京都流議定書に参加してました"などと言って頂いたり、その存在を知って頂いて
いる方がおられ、継続する事の重要性と、人の縁の力を痛感させられました。

来年はこんな要素を結集させ、又新たなウエダ本社として生まれ変わっていきたいと思います。

皆様、本年も大変お世話になりました。
そして、来年もどうぞ宜しくお願い致します。






2012年12月27日木曜日

社報 廃刊 !

創業者の頃から続けられて来た社報を、この度止める事にしました。

というと大そうな話ですが、ここ最近は、社内向けの社報をそのままブログにもUPしており、ご覧頂いている方もありましたので、お知らせ致します。

私も社報については、社長になって自動的に引き継いでいましたので、かれこれ10年以上書いてきました。

この間、ブログは7年前から書く様になり、一時期はほぼ毎日書いていて現在では1000話を超えております。

1年半程前からはFBも行なう様になり、日々の発信についてはFBで行い、ブログについては週一ペースにして、FBとブログで、想いや活動などを発信しております。

それに加えて、4ヶ月程前からは、予ねてから望んでおりました社内新聞を社員の方で作ってくれる様になり、今後は、それを関係先に送らせて頂く事にもなりますので、この度、社報を廃刊する事にしました。

何でもそうですが、一つ一つは大した事がなくても、続けていくとそれなりの資産になるもので、社長就任当時の社報などを見ると、10年前の様子がビジュアルで浮かびます。

今のブログや社内新聞も、未来の資産となります様、発信を続けて参りますので、ご興味ある方は、
ご笑覧下さいませ。

2012年12月24日月曜日

様々な空気感

今東京からの帰りです。

最近、休みの日にしか東京にも行けていない感じもしますが、関わっている事も多くなって、休みの日に会合やイベントが行なわれる事も多いからだと思います。

休みの日と言っても、私などはそういう時でないとできない事をやるべきであり、という事は、これが優先度の高い仕事でもあります。

と、言いつつも、いつまでもベンチャー精神を持っていたいので、有能で、熱く、大きい想いを持っている若い人達との関わりは、趣味に近い話ですが。。

今回、二つの素晴らしい会に出席しておりましたが、主催している人が素晴らしいと、その想いに共鳴して、集まる人々も素晴らしいので、こういう空間に居ると、日本の未来も明るいと、いつも元気になります。

しかし不思議なことに、何かそれぞれの空気感は違います。

これは、それぞれが醸し出す空気感があるという事で、その"場"が素晴らしいという証明でもあるのですが、少し引いて見てみると、異質な人が居ない"場"となっているとも言えます。

同じ様に日本を良くしていこう、自分の利益のみを追いかけず、効率化よりもサステナビリティーに重きを置く考えである様な人ばかりなのに、何故か違う空気感となり、こういうそれぞれが混じりあうかな?と思うと、ちょっとどうかな?という感じもします。

つくづく私は、色々な所に首を突っ込んでいるもんだと思いますが、それだけに、それぞれの素晴らしい人達が混じり合って欲しいなと思います。

とか、言っているから、色々お誘いも増えるのだと思うのですが。

年末年始は何も予定を入れず、内省の時を過ごしたいと思います。

2012年12月22日土曜日

多様性を認める事と野合は違います

16日の総選挙に始まり、今週も色々な事がありました。

自民党の大勝は、望まれてのものではなく、あくまで消去法でのものだと思います。

第三極という事で新たな政党にも期待がありましたが、それらも理念がなく、手段だけで結びついていたところが残念でした。

民主党がこけた原因は、寄り合い所帯で決められなかった事と,,野党時代には威勢が良かった面も政権を担うと、世界全体で考えなくてはならず、感情論だけでは動かせない現実に直面し、手も足も出なくなっていた所だと思います。

その失敗を突いていこうとする第三極が、また、数合わせのみ、原発の一点のみで結びついたのは、戦略としても失敗だったと思います。

 今週、招待制で行なったダイアログバー京都は、行政、経済界のTOP、ソーシャルビジネス、環境など、色々な”筋”で活躍されたり、注目されている方々が集まって頂き、小規模ですが、他では有り得なかった”場”となりました。

全然反対の意見も出ますし、立場も全く違いますが、こういう場に来ようとする人は、必ず、どこかのベースは合う筈で、その最大公約数を見つけていく事が大事なのです。

この場合は、表面に出ている事よりも、深い所で合う層を見つけていく、もしくは、何の為にという、そもそもの大きい所から発想していく事が必要だと思います。

それは、政権をとる為に、或いは、人気を取る為に結びつくという様な”野合”とは似て非なるものです。

又、同時に、同じ主義主張の人、同質の人ばかりでは、何の解決もできないと思います。

大変素晴らしい想いで、素晴らしい活動なのに、先鋭化していくと、そうではない考えの人を糾弾する残念なケースをよく見受けますが、それは本末転倒な話で、ただ考えが違うというだけで、その”人”自体を責め立てる様な言動、行動をする人では問題解決などできる筈などありません。

原発問題であれ、TPPであれ、ある一面から見た事が正解という事はありません。

意見、イデオロギーが違うからと言って、その”人間”が悪いという事にはなりません。

意見が違うからと言ってその”人間”自体を認める事ができなくて、人間の多様性を認められない人が、環境や地球の為に!というのは、おかしな話に思えてなりません。

深い深い所から考えていかなくてはならないし、その為には、国のリーダーや政治家は、批判や反対を浴びてもやっていける人を選んでいかなくてはなりません、表面上の甘い言葉に釣られるのではなく、深い所を見れる国民になっていかなくてはなりません。

その為にも、違う意見を持った人達が集まり、話していく”場”、他の”人”を認めながら話を積み重ねるダイアログというものを広げていくべきだと思います。

明日は、そんな活動を行なっているミラツクフォーラムが東京であります。

色々な立場の人を巻き込んでいける人達の輪が、広がっていく姿を見てきたいと思います。

2012年12月15日土曜日

”いいちこ”な考え方

先週勉強会でお話をお聞きした三和酒類さん、あの”いいちこ”を製造されている会社です。

経営品質、ブロックスさんのDVD、坂本教授の日本で一番大切にしたい会社など、それらで取り上げられていなくても、まだまだ凄い、素晴らしい会社は日本にはたくさんありますね。

”大きくなることが目的ではなく、継続することが目的”

”継続するには、どうするか?それはおいしいお酒を造ることの一点のみ、そうでなければ会社の存在意義は無い” 

”品格のある会社をどう作るか?社員全員が品格を持たなければならない”

”営業マンは本社の価値観のシャワーを浴びないといけない、だから支店は作らない”
また、この支店を作らないのは、単身赴任という家族にとって負担のある事をしない為とも。

まるで伊那食品の塚越会長のお話を聞いている様ですが、ここもまた、こういう事を言われていながら業績も素晴らしく、売上500億円で経常利益約70億円、しかも、社員数は300名という、とんでもない好業績なのです。

たくさんの成功要因はあるのでしょうが、西会長は、その一つに、広報、宣伝部を持たず、川北秀也さんというデザイナーに全てを任せておられる点も上げられていました。

競合先の想定において、サントリー、キリンや、アルコール飲料メーカーを上げられる西会長に対して、川北さんは、そんなちっぽけな考えでは駄目だと言われたそうです。

三和酒類にとっての真のライバルは、ベンツ、BMW,トヨタという考えをもつべきである。
それは、お酒を飲む為には、車には乗れないわけで、車を乗らずして飲んでもらう様にしなければならないからとの事でした。

これからは、一日24時間の時間の取り合いであり、どの様にして、自分の商品に時間を使ってもらえるか?が勝負だと。

鋭い話ですね。

私は、他業界から来たせいもあるのか、あまり同業者に競合という意識を普段から持っていません。
事務機や家具の販売、または、オフィスの内装工事屋とは思っていないからです。

もっと、基というのか川上というのか、働き方を構成する要素に関わる会社が、我々の考えるべき”相手”だと思いますし、これからの時代、モノではなくて、時間やライフスタイル、生活シーンでの比較をするべきだと思います。

逆に、世の中の課題に向かって、それを変革していこうとする様な場合は、自分の居る位置で見えている事で考え、違う意見の人を批判するのではなく、その基か、川上の所で、一つ深い所では組めるという発想で考えていかないと、何も問題解決はできないと思います。

よく、誠に正しい事を行なったり唱えている人が、先鋭化していくと、他を認めず、他を中傷さえしていく言動や行動をされる姿を見ますが、幾ら正しい事であっても、これでは解決できないと思います。

もっと大きな視野で、深いところからの発想で、見えている表面上での敵や、意見の違いで考えるのではなく、”いいちこ”な世の中を作っていきたいですね。

あ、”いいちこ”というのは、大分の方言で ”いいですね”という事らしいのです。

三和酒類さん、正に、”いいちこ”な企業でした。

2012年12月9日日曜日

全ての問題解決の第一歩

先日、FBでも少しふれましたが、パタゴニア京都店でのオープンの際、パタゴニアという会社の存在意義、スタンスを知り、感銘を受けました。

「環境保全・保護こそがミッションであり、ビジネスはその方法論」売れていてもそれが環境に悪影響を及ぼしているからと販売を中止したり、綿栽培で、枯れ葉剤なども農薬として使われている状況からオーガニックコットンに進出された経緯など、全くそのミッションをお題目ではなく、その通りに実践されているのですから、そんな企業など、世界で一体どの位あるのだろう?と、尊敬と共に驚嘆しました。


私が初めてパタゴニアの名前を知ったのは、20数年前の繊維商社時代でしたが、それも、その当時には世の中に普及していなかったフリースという素材を、世界で初めて、消費者から回収したペットボトルで生産していたのでした。


しかしその繊維商社出身の私も、恥ずかしながら先日まで、綿栽培でそれだけ強烈な農薬を使用していたという事は全く知りませんでした。


私が勤めていたのは、繊維商社では最大手でしたし、私も綿素材を使っていましたが、そんな事は一切知りませんでした。


今では日本も環境意識は高まり、その頃の状況とは違うと思いますが、それでも日本の商社やメーカーでは、世界で起こっている他の問題も含めて、知らないか、あえて知ろうとせず、調達していると思います。


極端な安さ追求の先には、発展途上国、貧国に、無用な貨幣経済を押し付けたり、不法労働や紛争に繋がっていたり、誰かの負担の上に成り立っているのです。


その反対側のフェアトレードやソーシャルビジネスも広がりを見せており、それ自体は素晴らしい事なのですが、こちら側では、言われた価格で買ってもらえるのを良い事に、原価積み上げで甘い仕入れやプランになっているケースも多いと思います。


これはこれで、買う人に必要以上の不利益を与えてしまう事にもなっていたり、やはりビジネスとしてしっかり自立できない為に、存続できなくなり、結果的には、その活動を当てにしている人々に迷惑を掛ける事になってしまうのです。


だからこそこのパタゴニアさんのミッションは素晴らしく、しかもそれでいてTOPブランドを作り上げられている"本物の素晴らしい企業"を賞賛していかなくてはならないと思うのです。


一部上場の超優良企業でも、その仕入れスタンスを見ると、いくら素晴らしい理念を掲げていても、結局は自社の利益しか考えていないじゃないか!と思う企業も多いですが、それだけに良い会社を増やしていく事無しに、環境、貧困など、世の中の課題解決はできないと思うのです。


いくら世界で競争に勝って、凄い業績を残していても、必要以上に人々や環境を犠牲にしている企業と、本物の企業をうまく見分けていきたいものですし、それが世界平和も含めて、全ての問題解決に繋げる第一歩だと思います。