2017年4月29日土曜日

時代に合わせた経営能力

今週は長崎に行っておりました。

実は長崎は高校の修学旅行で行っただけで、30数年ぶりの二度目という事でしたので、軍艦島は初めて行きました。

その風景的なものには以前から興味はありましたが、日本最古の鉄筋アパート始め、かつては東京の9倍以上で世界一の人口密度であったものが、現在では廃墟となり、無人島となってしまったという、100年弱の間に栄枯盛衰を経験した世界でも例のない場所ですから、興味だらけの場所でした。


通称軍艦島と言われる端島炭坑は、正に現在の日本の豊かさを作ってきたと言っても過言ではないと思います。

日本に西洋の技術を持ち込んだグラバー商会が倒産し、隣の高島炭坑の経営を引き継いだ後藤象二郎も大赤字で苦しんだ中、福沢諭吉と大隈重信が岩崎彌太郎に提案し、弟の岩崎彌之助が彌太郎を説得してそれら炭坑を三菱が買取る事となったとの事で、フィクションドラマ?という様なキャスティングです。

その後、炭坑自体もそうですが、三菱、そして日本全体の発展に繋がっていくのですから、その礎とも言える場に立っていると思うと、ゾクゾクとしました。

決してそんな綺麗事ではなく、劣悪な環境の中、過酷な労働を強いられた多くの労働者の犠牲の上での繁栄なのだと思いますが、それでも紹介されていた写真などからは、登っていく、”生命力”の様なものを感じました。

それが、石炭から石油にエネルギーの主役が変わると、繁栄を極めた炭坑が閉山して、廃墟にまで至った光景も、スパンを変えて見れば、人類の栄枯盛衰とも感じられ、色々と考えさせられるのです。

火力から主役を奪った原子力発電は、未曾有の大惨事を起こし、エネルギーの勢力変化は、世界のパワーバランスを変え、その不安定さが一触即発の危機にも繋がっていますが、物資的な豊かさを求めて、一心不乱に働いて来た当時の人達からは、どの様に映るのでしょうか?

おりしも長崎に向かった4月25日は北朝鮮人民軍の創設記念日との事で、北朝鮮が何らかの行動を取るとの話も流れていましたが、北朝鮮やアメリカのリーダーにも、無人、廃墟となった軍艦島の姿から、欲望の先の愚かさを連想してもらいたいものです。

今回、ハウステンボスにも初めて行きました。

一転、テーマパークの話?って感じですが、こちらも経営面においては、長年赤字続きであった所をHISさんに代わってから、一挙に黒字転換されたのですが、ディズニーランドやUSJの様な華々しい事はできないながらの、ソフトでの仕掛けが見て取れました。

一触即発の世界情勢の中、経営者として自分事としてできる事として、もう資源を争いあって掘り尽くす経営ではなく、無い物から生み出し、アイデアを駆使して、与えられた状況でマネジメント能力を発揮した経営を目指していきたいと思います。

資金も資源も無いので、それしかできないのですが^^;




2017年4月23日日曜日

飛び石かどうか?

今週末は"海の京都" 丹後に行っておりました。

主はトップフォーラムで宮津と伊根町に行っていたのですが、翌日は京丹後市にも足を延ばして来ました。

トップフォーラムでは、飯尾醸造の5代目飯尾社長の講演がありましたが、3年前の京都流議定書以来に聴いたお話は、その話し方だけでなく、内容、展開も進化していて、やはり本物の展開、進化というものを感じました。

飯尾醸造さんについては、6年前に訪問した際のブログhttp://okamura-kyotostyle.blogspot.jp/2011/03/48-2.html  に書いてますので、そちらをご覧頂ければと思いますが、今回はそれらの話に加えて、飯尾さんがこの数年取り組んでこられた、宮津のサンセバスチャン構想についてお話されていました。

サンセバスチャンというのは、美食の町として世界中から観光客を呼び込むスペイン北部の町ですが、飯尾さんは宮津や丹後をそんな町にしていく事を目指して、旧花街の建物を買って、そこに鮨屋とイタリアンのお店をオープンされるそうです。


勉強会では、何故イタリアン?という突っ込みもありましたが、その後個別で聞いた話などからも、決して飛び石を打った展開ではなく、農家さんや地域、そして消費者に対してどうあるべきか?と、脈々と続く本物の理念からの発想である様に感じました。

そして驚いたのは、無農薬で作る農家さんを守る為に、通常より何倍もで買い取り、数百万もする機械は飯尾醸造さんが購入して無償で貸し出すなどして、農家さんの収入を上げる事まで行なって来られながら、法人化してから一度も赤字になった事がないと言われるどころか、最近では10%以上の利益まで残しておられるのですから、自分自身、自社の展開の中途半端さが恥ずかしくなりました。

夜の懇親会は、伊根町の舟屋群にオープンしたカフェを貸し切りで、地元の豊富な魚介、山菜類を堪能させて頂きました。

見事なロケーションとお洒落な建物ですが、伊根町の規模からすればかなり大きな投資だと思いますし、個人的には、ちょっと微妙な感じを受けました。

当たり前ですが、物事にはハードとソフトが必要で、そのバランス、それを生み出すマインドというのか、何を目指し、何を生み出すのか?、そしてそれは何から生まれて来たのか?というものが必要であると思いますし、それは中小企業、過疎地域など、弱い立場の側は、よりその視点が重要だと思います。

ソーシャルや地域という、今まで陽が当たらなかったり、弱い立場であった所に参入してくる所が増え、今まで集まらなかったお金や、できなかったハードが作られたりして、ハードから来たのか?背景などソフトから作られて来たのかが、一見、分かりにくくなって来ています。

それは、我々の展開するオフィス環境でも同じで、見栄えやハードは作れますが、何故その様に構成するのか?というソフトが分からないと、昔のハコモノと変わらないものになってしまいます。

まあ、企業、会社自体もそうかもしれませんが、そういう意味でも飯尾さんの展開は、私は決して飛び石ではないと思いますし、ハードとソフトの背景が分かりにくくなっていくからこそ、我々はそのソフト部分に拘り、その微妙な差が分かる人や所と一緒に行動していきたいと思います。


2017年4月15日土曜日

働き方変革とGDP

GDPの見直しが2017年に始まるとの事です。

戦後一貫して使用してきた統計手法では複雑な経済の流れを捉えきれなくなった、との説明も違和感というか、そりゃそうだろうと思いますが、今から14年間をかけて、欧米などの先進国に揃えていくという事に、これ又、日本って、何故そんな風になるのだろうかと思ってしまいます。

”統計もガラパゴスだった”との事で、手法を変えてGDPをUPさせていきたいのだと思いますが、2015年で4.2兆ドルと1990年代から横ばいの日本に対して、米国は約3倍の18兆ドル、中国は20倍の11兆ドルと大きく離されてしまった差は、抜本的に考え方、価値観を変えていかなければ、簡単には埋めていけないのではないでしょうか?

ここに来て急速に、我々の主戦場とするオフィスに対しての考え方も変わってきていますが、これらの事に無関係ではなく、生産性を高める事、その為にはオフィスを創造空間にしていかなくてはならないという思考が出てきています。

日本のオフィスの現状から、創造空間というとまだ理想という感じがしますが、せめて最も初期レベルの作業空間からは脱していかないとなりませんし、作業空間としての捉え方では、働き方変革など絵空事になると思います。

「ワークシフト」に続いて上梓された「ライフシフト」には、20世紀にオフィスで働く人が増えたのは、現代的な大企業が台頭したからと書かれていましたが、人口減少社会を迎えるから成り立たないのか、AI、IOTが発達する事も含めてライフスタイル全体が変わるから、働き方が自ずと変わっていくのか、いずれにしても、日本の大企業をベースにした働き方から頭を変えていかないと、統計の見直しでUPしたとしても、ガラパゴスから抜け出せない様に思います。

「ライフシフト」では同時に、今後の人口減少を迎える時代には、小回りの利く俊敏な小企業が重要で、中小の新興企業で、専門性の高い職や柔軟な働き方が生まれるとも書かれています。

だからこそ、国が唱える制度から入る大企業を中心した働き方変革では、大きく打開できないと思いますし、漸くオフィスに対する考えが変わり出した今、ウエダ本社では、いい会社を目指す中小企業から柔軟な働き方と、そんな働き方が成果を生んで行く風土や環境作りを推進していきたいと考えています。

そして、まだまだ悩み中ですが、10周年を迎える今年の京都流議定書は、そんなところを出していければと思っていますので、8月4日〜6日は是非お越し下さい!




2017年4月9日日曜日

改めて、不易と流行を考える

色々あった今週は入社式からスタートしました。

今年は内定者が最終卒業できず入社見送りという不測の事態もあり、結果的には台湾人女性一人の入社式となりました。

入社式では毎年、ご両親からの手紙や本人の写真などを送ってもらって映像を作るのですが、今年はこちらからの手紙と、送って頂いたお手紙の翻訳や、そのやり取りなどもあってヒヤヒヤしましたが、京都造形大の方々のご協力のお陰で無事間に合い、例年通りスタッフも、ご両親からのメッセージが入った映像に仕上げてくれていました。

働き方や、働く環境を変革させていくにおいても、又、新たな価値を生み出していくにおいても、組織内に、男性と女性という以外の様々な属性を入れていかなくてはならないと考えており、そういう意味でも留学生の採用も考えていたので、良いタイミングで、そして今回も又、私が信頼している先生からのご紹介というご縁で、素晴らしい新入社員が入ってくれたと思っています。

ビジネス面でも今週は、ある大手企業さんのショールームを、ウエダ本社でやる事を決定して頂いたという報が入ったり、今後の我々にとっては、大きなシンボルになる様な有難いお話もいくつか頂き、同行含めて動いておりました。

今までお金を掛けたくないどころか、掛けるべきではない、という位に位置付けられて来たオフィスに対して、漸く考えが変わって来て動き出している感じです。


先日は創業120年を経過した企業から先々のご相談を受け、まずは会社の事業、展開、そしてその源泉の理念、価値観などを会長さんからご案内とご説明を受けたのですが、正に不易流行をしっかり突き詰めると、素晴らしい継承と展開になっていくのを感じていました。

その翌日、毎年4月に開催される鬼澤さんの講演に、スタッフと参加して来ました。
"毎年言ってるよ!"と言われながら、できていない事だらけで冷や汗ものですが、今年はここでも、「貴方の会社は不易流行が明確ですか?」という言葉があり、自分の中には持ってはいるつもりが、自社にとっての不易と流行が、しっかり明示できていない事に気付きました。

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」

これはその不易流行の基、松尾芭蕉が旅を重ねて持った概念だそうですが、”不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない”という事であり、しかしその根本は同じであるという事です。

人財含めた多様化、そしてその対応などの流行、しかしそれを生み出している、人やその繋がりを考える根本理念の不易を、再度明示して共有していきたいと思います。






2017年4月2日日曜日

言葉にすることができない 「暗黙知」


年度末の週が終わりました。

色々とお話しを頂いたりして慌ただしいですが、新人も含めて役割分担しながら、皆頑張ってくれています。

そのお蔭で私の方は、今週もIOTに関するシンポジウムにも参加していた東京出張含めて、未来に向けての時間に充てていました。

私自身はITリテラシーは低いのですが、やはりこの流れは掴んでおかないと、と思って参加しましたが、インパクトとしてはインターネットが解放された時よりは小さく思えるかもしれませんが、第四次産業革命と言われる様に、実際の社会において起こる事は、その時以上の大きな変化になる様に思います。

中スキルの仕事が無くなると言われたり、人工知能が人間を上回るという話が先行しがちですが、今まで以上にディープラーニングで得られたデーターをどの様に使うかなど、それを活用する”人”が重要になっていくと思います。

暗黙知というと、野中郁次郎氏が有名ですが、これを最初に唱えたのはハンガリーのマイケルポラニーという科学哲学者で、"人"は常に言葉にできることよりも多くを知ることがで
き、この、言葉で表現できない部分を暗黙知と提唱していたそうですが、”人”にしかできない暗黙知が、今後益々重要になってくる様に思うのです。

しかも、今暗黙知となっているものは、ディープラーニングによって瞬時に形式化されてしまうので、そういう意味でもポラニーが提唱した「言葉にすることができない知識」という解釈の暗黙知が、第四次産業革命以降の”人”が生きていけるポイントになると思います。

今週は京都流議定書の調整や打ち合わせなども行なっていましたが、今年10年目を迎える京都流議定書でもずっと追いかけてきたテーマは、「数値化されない価値」ですが、そんな価値観も漸く注目されて来た様に感じます。

ウエダ本社では、オフィスや働く環境において、その様な価値観を唱えてきたのですが、数値化、形式化できない為に、そんな価値観でオフィスや企業を展開して、どれだけ効果があるのか?もっと言えば、やはりオフィスはお金をかけるべきではないという考えに対して、どの様に数値化したエヴィデンスを出せるか?という事に苦労してきました。

しかしここに来て、そんな価値観をご理解頂いてお声がけ頂く案件も増えて来ており、かえって我々などは、言葉にすることができない暗黙知に拘っていっても良いのかな?という気にもなってきています。

月曜からは、新入社員や人員体制も新たになりますが、今月からはこの働き方や職場環境における暗黙知の探求を、更に進めていきたいと思います。


2017年3月26日日曜日

イベント屋の様ですが

今週は月曜日が三連休の最終日でしたが、第2回目となるKYOTO UTAFESSに参加していました。


2月末でKYOCAの運営は降りましたが、ご自身もメジャーデビュー経験のある小倉ユウゴさんが、京都の音楽シーンを何とかしたいという熱い想いから、昨年に引き続き開催したいとの事でしたので、ビルオーナーにも認めて頂き、第2回も無事開催する事ができました。


今回は、準備や構成、皆さんの動きまで、昨年よりも大幅にレベルアップしており、やはり、熱い想いで継続していく事の大切さと、その事によって、積み重なっていく力を見せて頂きました。

若手の中には、この場を目指して1年頑張ったというアーティストもおられたそうで、音楽業界や、その中での京都の位置づけについては全く分かりませんが、折角生まれたそんな繋がりを今後も続けていってほしいと思います。


今週は、九州で総合スポーツを通して、子供の教育を行われている方々も紹介で来られていましたが、スポーツも音楽も同じ様な問題を感じます。

プレーヤーとして夢を追いかけていても、それが継続できなくなった際の受け皿が全くない事や、専門的なマネジメントという視点がかなり乏しいので、その辺りの底上げ、裾野を広げていく事ができれば、日本の教育や、人の多様性、能力についての考えも変わっていくので、その課題に向かう人達にも、頑張ってほしいと思います。

音楽やスポーツと、仕事と関係ない事ばかりの様に思われますが、いつもの話、課題というものは共通しており、我々の目指す世の中像に向けては、表面の問題よりも価値観や評価、皆の考え方から変わっていかないといけないので、その根を崩していく為には、様々なジャンルで、それを目指す人達とは連携していきたいと思っています。

私は、そんな事ばかりやっていますが、現場では新人も含めて皆よく頑張ってくれており、中核の二人が抜けて、どうなるかと思ったコピー機販売も、XEROXさんの支援のお蔭もあって、期間の昨対では、結果的には150%の成績を上げてくれています。

土曜日にはミラツクフォーラムで、そんなビジネスと京都流議定書などの繋がりを話させて頂きましたが、自分では発信しているつもりですが、やはり、このギャップ、振れ幅は分り難いので、今年はリクルート活動含めて、もっと話す場を作っていこうと思います。

”ビジネスと関係ない事ばかり何やってるの?”と思っておられる方、”ウエダ本社ってイベント屋。セミナー屋じゃないの?”と思っていながら、興味持って頂いている方は、又、そんな場にお越し下さい!

2017年3月19日日曜日

蓄積する'場'


今週は、六本木のHAB-YUで行なわれた、富士通✖️ミラツクさんの共創プロジェクトに呼んで頂きましたが、私にとっては、色々な意味で振り返りもできて、有り難い機会でした。







ロフトワークの林さん、ISSUE+designの筧さん、そしてこの場を作ってこられた富士通の高嶋さんという凄いメンバーとご一緒させて頂くのも嬉しかったのですが、林さんとは、色々とクロスしている事があり、それ自体が良い振り返りの機会にもなりました。



林さんと言えば、MITメディアラボの伊藤穣一所長の補佐という存在としても有名ですが、今から18年程前、ネットバブルがピークを迎えていた頃、私が関わっていたIT企業が早稲田大学アジア太平洋研究科のゼミに寄付講座を持っており、そのゼミでの自慢としていたのが、ネオテニーを創業された伊藤穣一さんでした。



その頃私は、倒産の危機に直面したウエダ本社に入りながら、その建て直しを模索する中で、このIT企業にも関わり、月に一度のこの寄付講座や、丁度このHAB-YUの向かいにあった東京事務所に来て、当時あったテレビ朝日横のカフェで朝食を取り、早くその倒産危機を抜けて、この様な成功者気分を自社で味わいたいと思ったものでした。

その後、伊藤穣一さんと言えば、米国でも最も有名な日本人の一人という存在になられ、その補佐役も務められる林千晶さんは、FAB CAFEなども作られたロフトワークを創業されて、そのロフトワークさんがJIMUKINO-UEDA BLDG.(ウエダ本社南ビル)の直ぐ近くにドロップイン型の、おしゃれなクリエイティブラウンジを作られたのがMTRL KYOTOなのです。

MTRLさんはクリエーター向けで全然オシャレですが、その開き方や場の持ち方は同じ様な感覚で常に注目してました。

そんな林さんや、デザインで地域課題の解決に取り組まれ、博報堂所属でもある筧さんが、岐阜県の飛騨や、高知県の佐川町で町づくりに奮闘しておられるお話を、六本木のど真ん中で、富士通さんが作られた'場'で話しているというのも面白かったですが、結論が出た訳ではないのに、色々と湧き出てきて、最終的には凄くワクワク感が充満した'場'となりました。

これが、ミラツクワールドなんだと思いますが、そこで出てきたことで、面白かったのは、'場'の繋がりについてで、記憶はその'場'に残るので、同じ'場'でも使う人、出入りする人によって、変わるということと、自分の精神的な許容量一杯のメモリーの減らし方についてでした。

先日もある方とお話をして、その後、”岡村さんの言っていた「蓄積する場所」という言葉が刺さりました”とメッセージを頂いて、逆に、なるほど、と思っていたのですが、私もこの、'場'に蓄積していくという感覚で行なっていたのだと腹落ちしました。

それをオフィス(企業)に向けるのか、空きビルに向けるのか、町に展開するのか、対象が違うだけで、全ては同じ事を行っているのです。

そして当時、倒産の危機で毎日難題だらけの日々で、多分、荒んだ”場”であった当時のウエダ本社から、六本木で夢見れたあの'場'や時間は、私にとって、メモリーを減らす役割をしていたんだなと、そんな振り返りもさせて頂いた、これ又、人と場の価値を感じる時間でした。

働く人のメモリーを減らすことと、繋がりという資産が蓄積する'場”を目指していきたいと思います。

2017年3月12日日曜日

様々な「時間」

3.11という日が6年を迎えました。

いつもそうですが、当事者とそうでない人の時間の流れ方が全く違って「もう6年」という場合の「もう」は、当事者ではない人は、早いという「もう」であり、当事者は、全然問題が改善されない間に、そんなに経ってしまったのか?という「もう」で、全く違うものです。

皆に平等である筈の時間が、その状況や、心境、考え方などで全く違うものになりますが、今週は、色々と時間を考えさせられる事がありました。

ロータリーでは、数少ないプロ経営者として尊敬する、カルビーの松本会長のお話を聴きました。

カルビーを改革されるに当たり、社員の方に、①過去カルビーの60年で良かったこと②良いことだけど出来ていなかったこと③すぐに止めた方が良いことで、それらについて半日づつ話合わせて、③だけを直ぐ実行されたそうです。
そして③を実行すれば、その分の時間とお金が出てくるので、それから①と②を実行していくのだという事でした。

最近は、働く環境や、働き方変革など、ずっと関わって来た事が、国の最重点課題となっている事や、自分自身でも、松本会長の様には明確ではないですが、これからの時間を意識して、③の様な考えを持った事もあり、まだまだバタバタとはしながらも、本業に繋がる動きに時間を使える様になってきています。

昨今は、働き方変革で長時間労働や、残業時間をコントロールする話ばかりが取り沙汰されてますが、場所と共に、時間からも解き放たれないと、本当の意味の働き方の変革には繋がりません。

工場などの作業は別として、時間の長短の問題ではなく、時間に管理されるのではなく、時間を管理する側に回る様に仕向けていかなくてはならないのです。

金曜日には、大変お世話になっている社長(会長)お二人の還暦のパーティ-がありました。

年上の方を呼ぶとキリがないとの事で、同い年以下の方だけを招待されたのですが、全国の経営者に加えて、芸能界、文化、スポーツ、そして何と、宮家からも参加されるという、とんでもなく豪華なメンバーでした。
驚くのは、その方々とのお付き合いが形式的なものではなく、趣味を通してなどの中身のあるお付き合いである事が感じられ、お二人とも、凄い会社を経営されながら、沢山の有効な時間を持っておられてきたことが感じられ、格好いい還暦だなと、その在り方を改めて尊敬しました。

50代に突入して遅まきながら、自分自身もすぐに止めた方が良い事を整理して、還暦を迎える際には、少しでもこのお二人の様な、恰好いい在り方に近づいていきたいと思います。

同じ日には、京都市の「これかの1000年を紡ぐ企業認定」の審査会があり、審査員として参加していました。
半日拘束ですが、有難いのは、素晴らしい想いで活動されておられる方々の理念や、展開を聞く事ができ、大変勉強になりました。

殆どが、大きな社会課題に向けて、中には、自分の代などでは到底解決などされない問題に向かっていっておられる所もあります。

東日本で被災された方々には、6年ではまだまだ何ともなっていないと思いますが、あれだけの大変な状況から、それこそ他の地域の方とは違う時間に対する感覚で、1000年を紡いでいく様な芽が出て、長ーいスパンでは、プラスに転じていく事を願いたいと思います。

様々な『時間』

3.11という日が6年を迎えました。

いつもそうですが、当事者とそうでない人の時間の流れ方が全く違って「もう6年」という場合の「もう」は、当事者ではない人は、早いという「もう」であり、当事者は、全然問題が改善されない間に、そんなに経ってしまったのか?という「もう」で、全く違うものです。

皆に平等である筈の時間が、その状況や、心境、考え方などで全く違うものになりますが、今週は、色々と時間を考えさせられる事がありました。

ロータリーでは、数少ないプロ経営者として尊敬する、カルビーの松本会長のお話を聴きました。

カルビーを改革されるに当たり、社員の方に、①過去カルビーの60年で良かったこと②良いことだけど出来ていなかったこと③すぐに止めた方が良いことで、それらについて半日づつ話合わせて、③だけを直ぐ実行されたそうです。
そして③を実行すれば、その分の時間とお金が出てくるので、それから①と②を実行していくのだという事でした。

最近は、働く環境や、働き方変革など、ずっと関わって来た事が、国の最重点課題となっている事や、自分自身でも、松本会長の様には明確ではないですが、これからの時間を意識して、③の様な考えを持った事もあり、まだまだバタバタとはしながらも、本業に繋がる動きに時間を使える様になってきています。

昨今は、働き方変革で長時間労働や、残業時間をコントロールする話ばかりが取り沙汰されてますが、場所と共に、時間からも解き放たれないと、本当の意味の働き方の変革には繋がりません。

工場などの作業は別として、時間の長短の問題ではなく、時間に管理されるのではなく、時間を管理する側に回る様に仕向けていかなくてはならないのです。

金曜日には、大変お世話になっている社長(会長)お二人の還暦のパーティ-がありました。

年上の方を呼ぶとキリがないとの事で、同い年以下の方だけを招待されたのですが、全国の経営者に加えて、芸能界、文化、スポーツ、そして何と、宮家からも参加されるという、とんでもなく豪華なメンバーでした。
驚くのは、その方々とのお付き合いが形式的なものではなく、趣味を通してなどの中身のあるお付き合いである事が感じられ、お二人とも、凄い会社を経営されながら、沢山の有効な時間を持っておられてきたことが感じられ、格好いい還暦だなと、その在り方を改めて尊敬しました。

50代に突入して遅まきながら、自分自身もすぐに止めた方が良い事を整理して、還暦を迎える際には、少しでもこのお二人の様な、恰好いい在り方に近づいていきたいと思います。

同じ日には、京都市の「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の審査会があり、審査員として参加していました。
半日拘束されてるのですが、有難いのは、素晴らしい想いで活動されておられる方々の理念や、展開を聞く事ができ、大変勉強になりました。

殆どが、大きな社会課題に向けて、中には、自分の代などでは到底解決などされない問題に向かっていっておられる所もあります。

東日本で被災された方々には、6年ではまだまだ何ともなっていないと思いますが、あれだけの大変な状況から、それこそ他の地域の方とは違う時間に対する感覚で、1000年を紡いでいく様な芽が出て、長ーいスパンでは、プラスに転じていく事を願いたいと思います。







2017年3月5日日曜日

KYOCAではお世話になりました

金曜から福岡に行っておりました。

主たる目的は、私にとってリノベーションの理想である、冷泉荘や山王マンションなどを手掛けられ、相談にも乗って頂いていたスペースアールデザインの吉原さんへの報告でした。

実は先月末で、立ち上げから行なって来たKYOCAの運営を降ろさせて頂きました。

企画からすれば約4年に渡り、殆ど苦しんでおりました(笑)が、当初計画を出していた以上の収益も上がり、ビルの存在を示すという事においては、ソーシャルと言われる世界では全国的にも知られた存在となり、京都市内ではソーシャルの拠点とも言われる様になりました。
ただ、オーナーの期待とは当初からズレもありましたので、第一段階として一息ついたこのタイミングで、運営者を変えた方が良いと進言して来て、その様になった次第です。

元々ソーシャルというものの価値は分からないと言われていたのですが、KYOCAというビルが、社会課題に向かう人達に親しまれ、その場の提供が、繋がりや、イノベーションを生み出す事になれば、収益では表す事のできない、企業価値を高める事になり、それを示していく事が私の役割と思って取り組んで来たのですが、納得頂ける所までには至らず、力不足を感じています。

この間、沢山の方々に助けて頂いたり、私がやっているならと、KYOCAにイベントを持ち込んで頂いたり、入居して頂いた所もあり、本当に申し訳なく思いますが、私自身が方向性が合わないまま行なっていても、その方々に向けても良いフィードバックができず、結果、誰の為にもならないと思いますので、その様な結論とさせて頂きました。
運営は外れるとは言え、私が引き込んだ方々への責任は、それぞれに果たしていきたいと思います。

今後はサブリースで一括借り上げして展開する所を選定していく事になりますが、新たな運営者が、あの場や積み重ねて来た繋がりの価値を生かして、更に発展させてくれる事を望みます。

昨日福岡で、昼と夜に別々でお会いした初対面の方からそれぞれに、"先週KYOCAに行きました"、"先月KYOCAに行きました"と言われて驚いたと共に、それだけ広がった事を改めて感じて、嬉しくなりました。

又嬉しかったと言えば、今週、門川市長の所に訪問した事を、市長のブログに載せて頂いていたのですが、大変アクセスが多く、"岡村さんと話してきたソーシャルの展開がそれだけ認められている証拠で嬉しかった"と、わざわざ市長からお電話頂いて感激しました。

土曜日は、面白い動きが起こっていると聞いていた、八女、柳川、久留米を回りました。

そこで共通するのは、人がポイントであるという事で、人が集まり、繋がり、自己増殖的に価値を生み出し広がりつつあるという事です。

そこには多大な投資や、強烈なリーダーシップがあるわけではなく、それだけにジワジワ感というか、少なくとも、箱を作って終わってしまうという資本投下型の開発とは全く違う、面白さ、あえて言うならば幸せな感じが漂っているのです。

そして、福岡周辺だけでも、その様に盛り上がっている地域が沢山ありますが、それらがいずれ繋がり出した時、一気に価値観の大転換が起こる様に思います。

それを「夢見て」ではなく 「目指して」、この数年KYOCAに時間を費やして疎かになっていた、自社ビルに改めて力を注いで、その大きな繋がりに乗っていける様にしたいと思います。

最後に改めて、これまで、少しでもKYOCAに関心を寄せて頂いた方を含めて、関わって頂いた本当に沢山の皆様に感謝申し上げます。

そして又、別の形で発信や、お願いもする事もあるかと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。






2017年2月26日日曜日

良い会社の概念を変えること

今週は又、色々な意味で”良い会社”というものを考えるケースが多くありました。

京都ではデザインウイーク京都というものが開催されており、伝統の技術を持っている会社がオープンファクトリーとして普段は見る事ができない工房、工場を一般の人に見せるという事が行われておりました。

私も経済同友会の委員会でこれに参加しましたが、伝統工芸の宝庫と言われる仏壇、仏具製造の小堀さんではその技術も素晴らしいのですが、幼少の頃には人が亡くなって儲かる仕事と揶揄されて嫌だった家業が、ある時、身内を亡くされた方々にとって、心の拠り所になる事に気づかれた小堀社長が、その後このビジネスの人に対しての重要さ、社会に対してやるべき事などを意識されて展開されているお話には、短時間でしたが心打たれました。

その後訪れた本藍染雅職工房さんでは、100日かけて藍葉を発酵させた染料を、灰汁や日本酒などと共に発酵させた液の中で何度も染め上げたり、沢山の工程で大変な時間をかけて行われている事を目の当たりにし、その想い、使命感に感服しました。

一つ一つは、単純作業に見えたり、過酷な労働に見えたりするのですが、どれか一つ途切れても途絶えてしまう可能性のある重要な工程と意識されていたり、最終製品の素晴らしさが共有されているからなのだと思いますが、これぞソーシャルビジネスというか、仕事や会社というものの在り方を考えさせられました。

今週は京大のこころの未来研究センターさんとの研究の途中経過や、ご紹介頂いた松山大学の東渕先生が研究して来られた良い会社診断システムについてのお話も伺いました。

良い会社を、「社員を大切にし、社員と会社がともに成長する会社」と東渕先生が定義されて作られた診断システムは、成長を規模の成長だけを意味するものではなく、質の成長を意味している所、それを指標化していこうとする所が興味深いものになっています。

規模だけで言えば、上記の様な職人さんの技や、その技術、意義を守ろうとする会社は評価されず、効率だけを考え、業績という数字を残す事だけに追われる会社を評価する事になってしまいます。

仕入れ先や下請けなど関連先を叩きまくって成績を上げる会社が、それでも厳しくなると、社員に手をつけるというか、正社員だとそういうわけにいかないので、非正規雇用で自社の都合次第で、増減が簡単にできるという、人を物や機械として扱う様になるのです。

それで、規模が大きく業績が素晴らしい会社を良い会社と言えるでしょうか?


何か虚しい気がします。

今週はロータリーでの会員スピーチや、地域FMでのインタビューなどで自分を振り返る機会もありましたので、余計に社会に対して意義ある会社でありたいし、そこに自分の役割、命を使って行きたいと考えていました。

週末は毎年恒例の富士XEROX社の年間表彰式がありました。

最近は毎年大手企業の特約店が増えていき、うちの会社のコピービジネスの停滞感もあり、単純に売上での順位は後退するばかりで焦りも感じますが、そこはしっかりと自社の意義に向かい、質の成長を目指して行きたいと思います。

昨今、かなり華やかで狙った様なソーシャルビジネスではなく、使命感から繋がった老舗企業の様な、正にソーシャルな企業、日本において残さないといけない企業をしっかりと評価して、
皆が応援する環境を作っていきたいものです。

我々も、会社も社員も質の成長をしながら、結果として、量を追いかける富士XEROXの表彰でも盛り返していく事で、良い会社の概念を変えていきたいと思います。











2017年2月19日日曜日

社員を幸せにする為のビジネスモデル

今週は知恵の場第三期の最終回でした。

毎回100名程の参加者で5回シリーズで開催してきた最終回のゲストは、道頓堀ホテルの橋本専務でした。

ホスピタリティー系の賞をいくつも取られていて、名前は知っていましたが、その展開などのお話を聴くのは初めてで、ほぼ予備知識が無い状態で聴きました。

取り組んで10年と仰ってましたが、社員さんが、お客さんの喜ばれる事を徹底追及されて、海外通話無料や、フロントに屋台を出すなど、あり得ないサービスを次々に生み出しておられるのですが、社員さんが面倒くさい仕事を自ら進んでどれだけ行なうかが経営指標、と言われる様に、常に成長や勉強し続ける風土を作りあげておられている様でした。

そこには、お客さんが喜ばれる事を自主的にできる様に、20万円までは各スタッフに決済権を与えていたり、皆が安心して働ける様に、社員さんや家族の方の保険外でかかった診療費を一人50万円まで会社負担したり、社員さんを尊重した仕組みもしっかり作っておられるのでした。

顧客満足を実現する為の社員満足という事はよく言われますが、橋本さんは、”社員さんは顧客満足を目指し、経営者は社員満足を考えるのだ”と仰っていて、この方がスッキリ腹落ちしました。

又、社風を良くするには、社員さんのやりがいを高める事が大切だが、やりがいが一番と、経営者が口に出してはいけないとの事で、これも、なるほど〜でした。

やりがいを生み出すには、
1.自分の意見を聞いてくれる土壌があるか?
2.自分の成長を実感できるか?
3.会社が自分の事を大切にしてくれているという実感があるか?
4.自分のしている仕事が社会の役に立っているという実感があるか?

の4つが大事で、こういう事をしっかり体系化し、一つ一つ、その仕掛けと共に、じっくり作って来られた所の差を強く感じました。

シンプルに言えば、同じ様な事を行って、同じ方向に向かっているつもりが、全部、中途半端やな~と痛感させられたのでした。

そして何よりも、社員さんを幸せにするには業績が大事で、それを生み出す為のビジネスモデルが必要ですが、それは経営者の腹決めと、そこに向かう仕組み化で、これは経営者の仕事ですから、指を自分に向けるしかありませんでした。

先日、いつもご指導頂いているアミタホールディングスの熊野会長から、”自分は環境というフワッとしたものを追いかけてきたが、岡村さんは、働き方やその環境というやはりフワッとしたものを追いかけている。
だから、そのフワッとしたものに、理念や価値観を反映した商品に落とし込む難しさはよく分かるよ”と、それこそ、モヤッとしたもどかしさを見抜いて的確に言って頂いて、驚くと共にスッキリしたのですが、そういう意味では、そのフワッとしたものを自社のビジネスモデルに落とす所は漸く見えて来ています。

そんなビジネスモデルを作りあげて、決済も社員任せ、社員の家族の医療費も負担する!と言える会社にしていきたいと思います。





2017年2月12日日曜日

土作りから

今週は土について考えさせられました。

火曜日には、北海道の洞爺湖にある佐々木ファームの村上夫妻のお話を聴きました。

佐々木ファームさんは大地の花咲きという映画にもなったのですが、大地君という当時4歳の息子さんが突然死をされたことから、全ての命を大切にすること、感謝することを実践され、結果的に、虫や雑草、菌なども殺さない完全無農薬の農法を確立していかれた奇跡の農家なのです。

奇跡の、というと、木村さんの奇跡のりんごを連想しますが、全く学ばれたわけではないのに、同じ様な体系になっていたそうです。

そのお話は驚く事ばかり、全ての命を殺す事の無いよう、全く放置状態にした結果、農地は雑草だらけ、作物は虫がつき放題、食べ放題となったそうですが、その中でも1割ほどが、虫にも食べられず残っていたそうで、それを出荷していくと、次々に店の方から、その違いに驚く声が上がり、全然腐らないから、どんな防腐剤を使っているのだ?というクレーム?まであったそうです。

よく、葉物野菜などは、虫が食べている方が無農薬の証で安心だと言いますが、それももっと追求していくとそうではなく、本当に良いもの(部分)は虫も食べないとの事でした。

生態系というものは凄いもので、雑草というものは、その土地であったり、その横に植えているものに必要な成分を補完する為に生えてくるそうで、全てバランスが取られており、虫が食べるというのも、バランスを取っているので、その必要がないほど、良いものは虫も食べないという事でした。

そんな村上夫妻の想像を絶するそれぞれの経験からと、自然界からの学びのお話は、経営であれ何であれ、全てに共通する話だと思います。

私も、自然の摂理に従う事が一番正しいと思っているのですが(思うだけでなかなか実践できてませんが)、ミニトマトは幾ら一所懸命育てても大玉トマトにはならないけれど、会社(組織)でそんな事をやってないでしょうか?という村上さんの問いかけには、ハッとさせられました。

今週のクオリア朝食会では、これだけ両極というよりも三次元的?に多才な先生はおられないと思う、現在は京大大学院教授の山口先生から”イノベーションはなぜ途絶えたか?”というお話を聴きましたが、こちらも土壌に関しての問題でした。

イノベーションには、知の創造と知の具現化の連鎖的営みが必要であるとの事ですが、暗黙知であり、夜の科学とも言われる土壌の中での研究を重要視しなくなった、日本の国、教育界、企業に対しての危機感を訴えておられたのですが、農業の話から物理、科学の話まで、効率や目に見える成果ばかりを追いかけてしまい、土壌、土作りを疎かにしてしまった事が、全ての問題の根源なのだと思います。

最後はいつもの働き方変革への警告となりますが、目に見える対策だけではなく、これも正に組織の風土が大事なのです。

どうして、目に見える事、指標化された数値での上辺の比較、それに対しての対策やスキル取得にしか目がいかない社会になったのでしょうね。

土作り、人作りから、考え直していきたいものです。


2017年2月4日土曜日

中小企業のフューチャーセンター

先週はインフルエンザの影響からあまり書けてませんでしたが、先月末は、二名が退職した上、私含めリーダー中心に五名がインフルエンザと、大混乱の月末でした。

退職者が出る事については、昨年末に少し落ち込んでもおりましたが、うちの会社では、何の為に生きてるのか?何の為に働くのか?自分のやりたい事は?など、常に投げかけ、考えてもらう機会も多いので、良くも悪くも、この際考えようとか、違う道へ行こうという事で辞める人も居て、いつも難しさを感じます。

今回の退職者の一人も、11月末に行った伊那食品工業さんへの研修時に、塚越会長が仰っていた、”人生一度きり!”という言葉に背中を押されたと言ってましたが、そういう為に行ったんじゃないんですが。(笑)

ただうちの会社で、嫌々やってられたり、無駄に時間を過ごして居られるのも、お互いにとって勿体ない話ですので、それもやむを得ないかと割り切る様にしています。

去る人もいる反面、最近は集まって来てくれる人も多く、事務所を構えてくれる人が居たり、今週は、フューチャーセンターを研究しておられる方々含めて、毎日、全国から色々な方がお越し頂いていました。

その多くが、現状を変えて行こうとされている方で、それぞれに何か一緒にできないか?と楽しい企み?をしています。

大企業と一括りにするのは良くないですが、少なくとも今までのモデルの勝ち組で甘んじている所や、現状のオペレーションばかりに追われている所は、話をしていても、全くワクワク感どころか、建設的な事が無く、苦しくさえなります。

この違いは何なのだろうと考えてみると、話ていてワクワクしたり、わざわざ来てくれる人というのは内発的動機なのに対して、オペレーションや今のモデルで動いている人は、インセンティブや外在的な動機で動いているというか動かされている違いで、波動が全く違います。

いつもながらのボヤキになりますが、その人達に向けて、制度で働き方変革を進めても乾いたオペレーションになるだけで、本質的な解決には繋がりません。

これから第二、第三の東芝はどんどん出てくるでしょう。

内発的動機で働いていく集団が、日本の閉塞感を解決していく事、それを示したいのですが、その為にも、内発的動機で動く人達が集まる場を形成していきたいと思っています。

来週も又、面白い方々が来られます。

そういう意味では、中小企業の生きたフューチャーセンターになっていきたいと思います。







2017年1月29日日曜日

推定インフルエンザ

今週はインフルエンザに荒らされました。

学校だと学級閉鎖しなくてはならないレベルでバタバタと感染したのですが、それもリーダー会議で感染したらしく、リーダー中心の異常事態となりました。

その中で私も、検査しても陽性反応は出なかったのですが、流行り方や状況、症状から、推定インフルエンザとされてしまいました。

月末で、しかも今月で退職するスタッフの送別会もあるのに、私含めてリーダーが欠席という情けない話ですが、
二次感染を考えるとやむを得ないですね。

という事で今週は短く終わりますが、これを機に、改めて強い組織、強い中小企業を考えてみたいと思います。




2017年1月22日日曜日

見えざる手に期待します

トランプ大統領が就任しました。

誰一人、予想がつかないという状況など、過去なかった事だと思いますし、我々経営者は、どんな状況になっても対応できる対応力が重要になってくるでしょうし、組織もその様な体制づくりが生命線になってくると思います。

毎年この時期に開催される経営実践塾がKYOCAでありましたが、塾長の鬼澤さんが、インターナショナルとグローバルの違いについて話されていました。

グローバルという言葉が使われる様になったのは、ソ連が崩壊して東西冷戦が終結してからとの事で、それまでは国と国の関係を表すインターナショナルであったのが、その後、世界全体、地球を意味するグローバルが使われる様になったとの事でした。

その意味からすると、トランプ大統領就任を切欠に、世界は保護主義で、自国中心のインターナショナルな考え方に逆戻りにしていく事になります。

グローバルというのは、地球儀もグローブである通り、立体イメージですが、インターナショナルというのは平面的な地図のイメージで、それこそ、大統領自らのツイッターが瞬時に世界を揺るがす時代に、この逆行感をどの様に理解していけば良いのかと思います。

トランプ大統領就任の二日前、ダボス会議で基調講演した習近平国家主席は、トランプ大統領の保護主義、反グローバル化を批判されたそうですが、共産主義国のTOPが米国の大統領に、グローバル化を訴えるという従来発想では理解できない事を見ても、ベルリンの壁が崩壊して以降の大きなインパクトで、次のステージに入る事だけは間違いないでしょう。

今回の経営実践塾のゲストは、卵の選別包装システムで世界の8割のシェアを誇るという(株)ナベルの南部会長でしたが、全共闘世代真っただ中であり、経営者は悪だ!という所から、稲盛さんの思想に出会い、こんな経営者がいるのか、と、盛和塾などでも学ばれて素晴らしい経営者になっていかれた姿を見て、左翼から右翼への転身という人もおられたらしいですが、行為は別として、気持ち的には、真にこの国をどうするか?、どうすれば良い国になるのか?を考えてきたという事においては、ずっと同じだと仰っていました。

この南部会長の仰る”自国の事”を考えてと、トランプ大統領の”米国ファースト”は、似て非なるものの様に感じます。

ホスピタリティーなどを学んでいても、よく、お客様に喜んで頂く事が重要であるが、それにはまず、自分が楽しんでいないといけないという事が言われますが、そういう相手や他を思っての自分か、自分さえ良ければの自分か、の違いを感じます。

次の時代はそれこそ、共産主義や資本主義、右や左やという時代ではなく、主義や、国籍、民族の前に、人であるのが共通項であり、もっと言えば地球上に存在する生物としての共通項で考えていかないといけないと思います。

そういう意味では、米国大統領にはグローバルから、ユニバーサルな視点で発想する人になって欲しかったものです。

トランプ大統領には、他を思っての自国という意味で言っておられる事を期待しますし、混迷を極めていく時代でも、アダムスミスが説いた様に、見えざる手が働いていく事を望みます。













2017年1月16日月曜日

カッコイイ!会社


今週は社員と共に、堀場製作所さんのE-HARBORに見学に行かせて頂いてきました。

私は昨年10月にクオリアの会で見学させて頂いたのですが、工場として素晴らしいというレベルではなく、TOPの想いと社員の方々の自主性と、細部までの拘り、贅沢さと温かさなどのバランスの素晴らしさに感動し、是非、社員とも共有したいと、堀場社長にお願いして行かせてもらったものでした。

工場についての感想はその際にも書いていますので (http://okamura-kyotostyle.blogspot.jp/2016/10/blog-post_22.html)省略しますが、今回も訪問させて頂いての感想は、シンプルに会社として、”カッコイイ!”って事です。





建物や工場自体は勿論なのですが、その考えに至る全ての中身が"カッコイイ!"し、見学していても、ワクワクすると共に、大きさは別としても、やっぱり、こんないい会社にしたいという気持ちがメラメラと出てくるのです。


商品が命のメーカーは、通常は、製造設備にはお金を掛けても、特に工場のオフィスや休憩場にお金を掛けたりしません。

又、外見は恰好良くする所はあっても、コミュ二ケーションの大切さを表していたり、ましてや、それを社員さん達が話して、その意見から作り上げている様な、これだけ大規模の工場などは殆どないと思います。

そしてその精神性が、買収した海外企業まで浸透し、どこの国の人でも”ホリバリアン”を自負するに至っている、そんな事まで感じられたりする所が、”カッコイイ!”のです。

年末年始の休みの間、社員には、自分達の幸福感について考えてきてもらいました。

どんな事が幸せと感じるかや、大事にしている事は、人それぞれ違うので、それをできるだけ実現していく様にしたいと思っています。

それを踏まえて、堀場さんへ行った翌日の土曜日は出勤した人達で、どんな会社であれば誇りを持てるかを、ディスカッションしてもらいました。

思っていたよりも、短時間ながら、やるべき事、やれる事が出てきた様に思います。

今月27日には、”100人いたら100通りの人事制度”を掲げておられるサイボウズさんと、ワークスタイル変革セミナーを開催させて頂きます。

当たり前で、人は皆それぞれであって、それぞれに素晴らしい。

それを表す社会にしたいし、それが良いという会社を増やしたいものです。

それが周りから見ても分かる様になれば、ウエダ本社の社員達も、誇りを持ってくれる様になるでしょうし、そうなれば、”カッコイイ!”会社に近づいていけると思います。











2017年1月8日日曜日

価値観のシェアビジネス

年末に吐いた弱音には、多くの方から共感を頂きました。

やはり強がっているより、弱音も吐いた方が良いのかもしれません(笑)

そして新年から、働く環境の総合商社と銘打ちながら、社員の家族も含めての幸せという事には、できていない現実を反省し、皆の幸せを追求していく事を目指すと宣言しました。

一人一人の幸せ感は違うので、社員には、皆の幸せ感についてと、大事にしている事を出す事を、宿題にしています。

それを綺麗ごと抜きで、実現していこうと思います。

そして、時短も進めていきますが、その時短をした分を、ただ漠然と過ごすのではなく、皆のそれぞれの幸せ感に繋がる事、大事にしている事に向ける様にして欲しいと言っています。

かなり大変なハードルだと思いますが、そんなところから考えないと、働き方変革、特に中小企業の働き方変革はできないと思いますので、今年は、私自身がソーシャルイノベーターのつもりで展開していきたいと思っています。


色々と苦しみもありますが、一方では、価値観に寄って来て頂く人も増えています。

先週は、わざわざ神奈川県からというか、松下政経塾の方が、ウエダ本社でインターンをしたいと来られていました。

働き方変革に問題意識を持ち、経営現場でないと本質的な解決ができない、と思っておられた様で、ネット検索で見つけたウエダ本社の価値観に興味を持ってもらっての事でした。

一度メールでの依頼をスタッフが断っていたらしいのですが、諦めず松下資料館の館長にお願いして来て頂き、お話しを聞いてみると、やはり問題意識が近いので、話を聞くだけのつもりが、結果的には即決で今月後半から1か月間、インターンに来てもらう事になりました。

ここ最近特に感じていましたが、やはり価値観が合う事が、細かな条件など無視しても、結果的にはトータルで最もうまくいくと思いますし、今年度から採用活動も、仕入先や連携先も、価値観の合う人や会社にのみ絞っていくくらいにしていきたいと思います。


2017年から、より世界は混迷を極めていくでしょう。

どうなるか全く分からない中、ビジネスも、従来型や既存価値に縛られているよりも、改めて自分達の価値観を問い直し、それに合う事に突き進んでいく方が後悔がないのではないでしょうか?

ちょっとしたスキルの高さや、値段の安さなどで選んだり、又、商売でどれだけ沢山買ってもらっていたとしても、価値観が合ってなければ、問題が出た際に結局は、その対策、フォローに多大な時間を浪費し、疲弊もしていく事になります。


ウエダ本社は今後も大きくはしません!というかできません(笑)が、同じ想いの人が沢山集まって、”想い”のシェアビジネスを構築していく事に邁進していきたいと思います。

これからも同じ方向目指す人、会社の方、お待ちしていますので、いつでもお越し下さい!

2017年1月4日水曜日

試験管の中のウエダ本社

新年明けましておめでとうございます。

ウエダ本社は5日からの営業ですので、年頭所感というものでもないのですが、いつもの土日ではなくアップ致します。

今年は多くの方が、トランプ大統領就任後の展開が全く読めない事から、不透明感について話されているのではないでしょうか?

欧州では3月のオランダ大統領選挙を皮切りに、4月にフランス大統領選、6月の国民議会選挙、8月からは、ドイツでの連邦議会選挙と続き、トランプ政権の舵取りとどの様に呼応していくのか?という事も、世界の不透明感を助長しています。

誤解を恐れずに言えば、日本が多少努力した所で、これらの動きで、一気に吹き飛んでしまうことや、世界の潮流に翻弄されてしまう事も予想されます。

果たして日本の役割はないのでしょうか?

昨年末に、「海賊と呼ばれた男」を観ました。

昨年、同じく大きな話題となった、「君の名は」「この世界の片隅に」も、それぞれ素晴らしい映画で、それぞれに考えさせられる名作でしたが、やはり経営者として、又、私個人の現況からしても、始まって直ぐからビシビシと来て、情けなさや恥ずかしさ、勇気と使命感など、色々な感情が入り混じって苦しくなるほどズシリと来ました。

一昨年の年始のブログにも書いているのですが、この映画のモデルとなった出光佐三氏が、問答しておられるものを纏めて、今から50年近く前の1969年に発刊された”働く人の資本主義”を改めて見てみると、更に又、ビシビシと来ます。

今年も更に、アベノミクスの実現の為に、一億総活躍社会、働き方の変革が、政策のど真ん中に置かれていきます。

制度だけが進んでいくのも危険だと思いますが、一方で、昨年これまた話題になったドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ」でも取り上げられた、”やりがい搾取”という問題も、難しい、微妙な話だなあと思っていました。

イキイキと働くということは素晴らしいと思うのですが、それを搾取と論議されると、それ又、どうなのか?と。

この問題でも、出光氏は、この本の中で、”無私でない場合は全て搾取ですよ”とスッパリ仰っていました。

そうなんですよね、幾ら、イキイキと働く事が素晴らしいと言っても、それを経営者が利用しようとしたら、”搾取”であるし、本人の成長を考えて行なっている事であれば、それは”搾取”にはなりません。

又、この本では、1940年~1965年までアメリカの企業が、従業員が自発的に働く事を求めて、勤務時間の短縮、有給休暇の増加、給与・賞与の増額など様々の手段を行ったが全て失敗した事が書かれています。

既に50年以上前に、アメリカでデーターが出ているという事に又、日本が制度として、真似していかないか?が最も気になる所です。

欧米では自発的に働くというのも根本が対立闘争、個人主義の主張から来ることが起因しており、日本では、”お互いの為に働く”という外国にはない感覚で考えていく事が必要だと出光氏は仰っています。

そして、既に社長退任時の1966年に、試験管のなかの出光という言葉を社員に残されたそうです。

それは、”我々がやってきたことは石油業ではなく、それは手段である。”

”我々が行ったことは、出光という試験管の中に、日本人の仲の良い力という製品を作ったのである。”

そして、日本人離れした今の日本人が、一日も早く本来の日本人に立ちかえって、世界の平和と人類の福祉の為に、日本人全部が試験管の中に入ったつもりで、そこに仲の良い”働く人の資本主義”の実体を作ってみせること、それが日本人の世界的使命だと仰っています。

正に改めて、この不透明で、内向きになっていく世界の中で、働き方変革を唱える日本が、目指すべき指針がここにあるのではないでしょうか?

改めて、試験管のなかのウエダ本社で、働き方の変革に向かいたいと思います。

2016年12月30日金曜日

働き方変革のイノベーター

今年最後のブログになりました。

今年一年も本当に早く、情けないほどバタバタした中で終わってしまいました。

普段は、FBやブログではあまり弱みというか弱音は吐かない様にしているのですが、今年最後という事で、ちょっと泣き言から始めたいと思います。

実は12月に入ってから、続けて二人の退職依頼がありました。

11月末に、伊那食品さんに社員研修に行って、皆、色々な事を感じてくれて、成長も感じていた矢先の事でありました。
そもそもこの研修旅行は、私がウエダ本社に来て16年が経過し、漸く足並みが揃ってスタートラインに立った感じであったので、まずはその最高峰の伊那食品工業さんへ行こう!という段階であっただけに、正直ガックリと来ました。

今までも、会社的には厳しい危機もありましたし、これまでの過程では、方向、価値観が合わないと辞めっていった人も結構いましたが、私自身は悪い事があっても、その状況でどうするか?を考える方なので、意外とプラス思考になるのですが、今回は一瞬、正直言えば、やってられないという気にもなってしまいました。

それには大きく三つの理由がありました。

まず、長年かけて一進一退を繰り返しながら漸く足並みが揃ったと思ったのが、一人、二人のピースが外れるだけで、バラバラっと危機に陥る可能性もあって、中小企業のはかなさを感じてしまった事。
今回の退職者は価値観が合ってないというよりも、転職への決定は奥さんの意向が働いたという事で、会社の魅力がまだまだ足りなかった事。
そしてその事自体、社員満足や幸せを追求するとしながら、できていないのを痛感させられた事です。

又、その内の一人は同業界で、それも上場企業の最大手からの誘いで引き抜かれたというのも、やり切れない気持ちになったところでした。

しかし、その落ち込みから、ポジティブな気持ちにさせてくれたのも社員達で、残るリーダーが、やるしかない!的な姿勢を見せてくれたり、他のリーダーも自分の足らない所を受け止め、行動を変えると言ってくれたり、新入社員も、不安だけど自分が役割を持てるチャンスと言ってくれたりして、かえって連携が図れて良くなるかも?といつもの様に転換できることができました。

私自身が弱っていることもありますが、確実に皆、成長してくれていると感じました。

そして考え様にによっては、同業最大手の上場企業に抜かれる社員を出すのだから、うちの会社も大したものかと思う様にしました(笑)

しかし一方で、中小企業の在職中の社員に、何の話も挨拶も無く手を突っ込んで来た同業界のO社は、絶対に許せないと思いますし、この自社さえ良ければ、という価値観自体には、徹底的に対抗していきたいと、闘志も湧いてきています(笑)

大企業の論理からすれば、引き抜きなんかも当たり前で、全く悪気すら無いと思いますが、抜かれていく中小企業側では、それだけで倒産に追い込まれたりすることだってあると思いますし、こんな感覚を許していてはいけないと思います。

私が、国が進める働き方変革について懸念するのは、何故、長時間労働になるのか?という所を政府も国民側もしっかり見ないと、多くの中小企業は余計に厳しくなり、そこで働く人たちも余計に厳しい環境になると思われるからです。

大手が、資本力やその力で仕掛けるサービス競争、そして、自社の利益のみを追求する事による、出入り業者や自社よりも力の弱い仕入先へのしわ寄せ(押しつけ)が進んでいくことになると思います。

そもそも明日(今日)になんて、着かなくて良い商品は沢山あります。

それを個々に、小口で、間違いなく一刻も早く届けるサービス、その過剰なサービスを実現する為の関係先は、果たして短時間労働で会社が成り立つでしょうか?

又、値段だけで業者を競わせたり、相手の立場を無視して力づくで取引する大手に納入している多くの中小零細企業では、短時間労働、働き方変革など起こり得るでしょうか?

勿論、努力してそれを成し得る中小企業はあるでしょうが、多くの中小のサービス業に勤める人達には、しわ寄せがいく事になるのです。

そんな事を考えていくと、働き方変革を実現していく為には、高付加価値、独自性を持つ会社を増やしていく事、行き過ぎたサービス競争を持て囃すのではなく、他人や他社のことを思いやれる企業を増やしていかないと実現していかないと思うのです。

来年は、私自身、まだまだいい会社にしきれていないウエダ本社での反省と、自社だけが良ければという価値観への反発心で、働き方変革のイノベーターに突き進んでいきたいと思います。

伊那食品さんでは、パートナーとして取引されている業者さんに相見積もりすら取られないそうです。

多少それで自社だけが安く買うよりも、パートナー企業も一緒に儲けて、その分一所懸命、伊那食品さんに対応してもらった方が、気持ち良く共栄できるからです。

その伊那食品さんにトヨタさんが学んでおられます。

来年は、そんな価値観が主流になっていく年にしていきたいですね。

私のブログを読んで頂いているモノ好きな方(笑)、来年はもっと行動していきますので、よろしくお願い致します。
そして蹴落とす競争ではなく、お互いが協力して共創していく世の中を目指していきましょう!

一年間ありがとうございました!










2016年12月25日日曜日

ミラツクからのXmasプレゼント

今週は毎年恒例となったミラツクフォーラムに参加していました。

12月23日の祝日、世間は勿論、東京などは特に派手にクリスマスで盛り上がっているこの日に、招待制と言っても実費で100名程が全国から集まるフォーラムの凄さ?は、毎年書いている気がしますが、趣向も変えバージョンアップしている今年も、よくこれだけのメンバーをこの日に集めたなという豪華キャストでした。

そのオープニングは、井上英之さんと大室先生の対談からスタートしました。

その中で大室先生は、米国は個人主義なのに孤立しておらず、逆に日本は集団主義なのに孤立感を持っている調査結果があると仰っていましたが、自立する為には、相対がないと自己認識が弱く、自分が支えられていると自覚すると自立できるという、個と集団のお話をされていました。

又良い組織のTOPは、意思決定をせず、理念を語り、コミュニケーションをするだけとの事でした。

最近、漸くというか初めて前に向かえる様になったと思っていた組織がしっかり作れておらず、力不足を痛感していた私にとっては、グサリと来る話でした。


又一方で、井上さんから、マインドフルネスについても、自分を理解する事が他者を理解するというお話、セルフコンパッションという自分への共感や、初めからWeではなく、I から始まるという、”個”が必要で、多様なものが違う強みを生かしていくコレクティブインパクトのお話など、こちらも”個”の重要性を話されていました。

少し救われたのは、自分の気持ちをコントロールするのではなく、マネージする事。

怒ってはいけないのではなく、怒っている自分を知っているという状態をつくる事。というお話でした。

ついつい、怒ってしまう自分を弁護しているのではありません(笑)

そうではなく、自分の感情を知る事により、感情、脳にスペースを与え、その事で、新しい対応ができる様になるという事なのです。

今や従来の環境ではなくなり、今までと同様の対応をしていてうまくいく筈がない中、何かが起こった際、自分の感情を知り、その感情をマネージする事により、新しい対応ができる様になるのであって、その為にマインドフルネスというものが重要なのだというお話でした。

と言うと難しい話の様ですが、その前に、年間のスケジュールをしっかり立てる、今やっている事とやりたい事、増やす事と止める事をしっかり見直して、決めていく事から改めて行っていきたいと思いました。

ミラツクフォーラムも毎年確実に、色々な立場の人を巻き込み、それぞれの分野で講演料が必要な方々を一般参加者としても集め、凄い方々のセッションをバッティングさせて行っている勿体ないイベントになっていますが、これもしっかりと自分の方向性に基づき、やりたい事、やるべき事をセッティングしているから着実に進化しているのだと改めて感じました。

十数年やって来ても、うまくいかないとガックリ来た事もあったのですが、全ては私自身のマインドセットがしっかりできていなかったと気づかされました。

毎年、クリスマスのこんな時期に!!と思わせながら、それ以上の気づきを与えてくれるミラツクフォーラムは、ミラツクからのクリスマスプレゼントだったのですね。

2016年12月18日日曜日

アクティビティーとティンカリング


今年もあと半月となった今週は、恒例となった大久保寛司さんセミナー、知恵の場の他、ワコールスタディーホールで開かれたミラツクのシンポジウムなどのイベントに加えて、忘年会も重なり、バッティングしまくりの慌ただしい一週間でした。

クリエイティブな学習空間をテーマとしたミラツクのシンポジウムは、新しく京都駅前にオープンしたワコールさんのビル内をまずは回って、好きと感じた空間と、残念と思った空間を探すツアーからという構成でした。

ゲストスピーカーのお一人、日建設計の塩浦さんは、都市を構成する要素にはハードとソフト以外にアクティビティーがあり、それをどうデザインするか?を考えていく事が今後は重要であると仰っていました。


ハロウィンの時の渋谷の盛り上がり。

イベント屋やソフト屋が作ったわけではないあの盛り上り方が今の流れであり、あのアクティビティーの構成要素から、ワクワク感をどう作っていけるか?が今後重要とのお話でした。

同じくゲストスピーカーであった同志社女子大の上田先生は、ティンカリング(Tinkering)というキーワードを上げておられました。

ティンカリングとは、”様々な素材や機械をいじくりまわすこと”という意味だそうですが、もの作りにおいては、この失敗を気にせず、ドンドン行っていく様な感覚が重要だとの事です。

大量生産時代は、しっかり計画を立てる事が重要で、無駄を省き、効率良く作るという事が求められたが、今や、計画立てて皆が欲しい物が作れる時代ではないという事で、失敗してもどんどん挑戦していく姿勢や、やはりワクワク感が必要である様に感じました。

日本は欧米を追いかけ、PDCAを回す事を学んで、プランをしっかり作って行動し、評価して改善するという体制で成長して来たのですが、計画を立てている間に状況は変わってしまう昨今では、頭にあるものもを形にしていける力が必要で、プロトタイプを作ってドンドン修正していくやり方でないと、対応できないとの事でした。


我々のオフィス領域でも、イノベーションを生みだす事が求められたり、国の方では働き方変革を中心の課題に据えたりと、従来の管理型を見直す流れは出てきているのですが、取り組みというよりは、そもそものワクワク感が一番足らない所で、それが重要だと感じました。


働き方変革においても、働く事が悪い事の様に特にマスコミなどが煽り立てているのが気になります。

労働をレイバーと捉える様な感覚だから、管理型の作業となり、そうなると生産性を求められ、人間性を無視した話になってしまうのです。

そうではなく、ティンカリングでプレイフルな働き方をしていく事が、働く人にとっても人生を豊かなものにすると思いますし、そんな気持ちで働くから付加価値の高い仕事もでき、イノベーションも生み出されていくのだと思います。

オフィスツアーからスタートしたこのシンポジウムも、いつもと違う構成が考えられてましたが、働く環境においても、渋谷のハロウィンを創り出す構成要素を参考に、アクティビティーを考えていきたいと思います。





2016年12月10日土曜日

働き方変革を実現する為に

今週はサイボウズさんの大阪10周年イベントに参加していました。

グランフロントに2500名程集めてのイベントは盛大でもあり、共に生きるがテーマであった様に、温かみのあるものでした。

昼一のセッションしか出られなかったのですが、”男性学”という耳慣れぬ話はなかなか面白く、考えさせられるものでした。

働き方変革、女性の活躍推進は、女性の立場ばかりにSPOTが当たっていますが、男性側の環境も変えていかないと、女性の立場の向上にも繋がりません。

結婚相手に求める条件で、男性に求める1位は経済力で、やはりまだまだ男性は、外で稼ぐものという社会的な位置づけがあります。

先進国の中で、日本は結婚相手の男性に求める条件が厳しい(多岐に渡る)と聞いた事があります。

それに加えて育児、家事への参加が求められ、効率化が進む会社では細かい業務に忙殺され、何だかんだ言っても、男性は強いものという概念から、弱みを吐露できないという現実もあります。

年間自殺者3万人の内、約2万人が中年男性という事も、日本の大きな特徴だそうですが、今の流れが進むと、より男性、特に家族を持ち、ローンを抱えるお父さん達は、追い詰められていく事も注意しておかなくてはなりません。

と進めてくると、日本人男性の家事、育児参加は、圧倒的に少ないじゃないか?今の流れを逆流させる気か?と、女性から怒られそうですが、そういう話ではなく、男性が家事、育児参加できる、女性が働きやすい環境を作る、という事において、この男性側の問題も考えないと、歪を増やすだけになると思うのです。

平日昼間問題という事もあげておられましたが、男性が平日昼間にウロついていると、あの人はどういう人なんだ?と思われ、肩身の狭い事になる様ですが、社会全体の、”あるべき論”を崩していかなくてはなりません。

100人いれば100通りの人事制度、と、サイボウズさんは掲げておられますが、男性がどう、女性がどうという事ではなく、全員が違う働き方で、それを自らが選択できる様にしていく事、それが抜本的な解決策だと思います。

企業と社員が共有すべき価値観や果たすべき社会的使命を明文化した、ミッションステートメントというものがありますが、個人や組織だけではなく、夫婦や家族のミッションステートメントを作り、各家庭内で稼ぐ人は誰か?その割合は?という事を考え、それから来るそれぞれの働き方を、会社と話をし、その働き方に対する評価を決めていく事にしていかなければ、本当の働き方変革に繋がっていかないと思います。

社員達にはミッションステートメントを作ってもらうと共に、各家庭でのミッションステートメントを考えてもらい、その上で、個々の生き方から考えた働き方のウエイトやスタイルと、会社での役割を擦り合わせていきたいと思います。

そんな会社が増えていけば、平日昼間の男性の姿も変わっていくのではないでしょうか?








2016年12月4日日曜日

出張ばかりでしたが、これが仕事です

今、福岡から帰りの新幹線で書いてます。

今週は、ずっと出張の1週間で、またまた内容有り過ぎて、書くのが難しい状態です。

しかし何と言っても、月曜、火曜に訪問させて頂いた伊那食品さんへの社員研修については1時間の講演をさせて頂きたいほど価値あるものでした(笑)


まず、ウエダ本社にとっての大きな一歩であったのですが、私がウエダ本社に来て、早16年が経過してしまいましたが、倒産寸前の会社に入り、いずれは毎年社員旅行できる会社にしたい!と思って会社の存在意義から考え、今の経営スタイルにした先の目指すべき星が伊那食品工業さんであり、漸く色々な意味で目指す方向に会社として立ったという段階になった今、まず第一回目は全員で伊那食品さんに!と思ってのものでした。


社員からすれば、折角の社員旅行なのだから、遊んで楽しいものの方が良かったと思います。

ただ、これにも思いがあって、我々の様な弱小の会社で、社員に給与や条件的なモノのでは大手と比べて、どこまで行っても勝ち目はないですが、社員達に、成長できる環境や、生き方を見つける環境という事であれば、我々でも大手には負けない価値を提供できると思うからです。

そして恵まれた事に、その方向においては、色々な方のご縁で、ウエダ本社は大きなアドバンテージ、繋がりという資産を持っているのですから、それを社員に還元していくのが一番の目的でした。

それでも正直、楽しい所の方か良いと思っていたと思いますが、伊那食品さんであれば、そんな考えを覆してもらえると思ってましたし、少し手前みそですが、今であれば、うちの社員もそれを感じてくれるレベルにはなっていると思っての事でした。


結果的には、色ーんな事があり、翌日の朝礼での振り返りのコメントを聞いて、その期待通りであったと思いました。

講演で良い話を聞いただけではなく、全員がそれぞれで動いて、体感、遭遇した話なので、私も知らない事だらけであり、又、それぞれが遭遇した際の伊那食品の社員さんの対応が、同様に素晴らしいのです。

大久保寛司さんがいつも、”本物は360度”いつでも、誰でも、何処でも です と仰いますが、正に、その通りの会社であり、その差を感じたコメントを話している社員を見て、成長を感じましたし、本当に皆で行って良かったと思いました。


よく私などでも、プロ野球などを観て、どうしてあれが打てない?などと偉そうな事を言ってますが、それなどは、ど素人でプロの技や差が分らないから言える話で、本当に分っておられる方は、その凄さが分るので何も言えないものですが、違いや差が分るという事は、レベルが上がっている証拠なのです。

喜んでFBでも書いていましたが、今回、家を空ける事が難しく参加できなかった内務の女性が、研修旅行で皆が行くので、自分も休まず一人で出勤します!と言って出てくれていたのですが、こういう気持ちに応える為にも、行った皆は、今回の学び、気づきを自分のものとして成長して欲しいと思います。

一日出社して又木曜日からはトップフォーラムの勉強会で鹿児島へ入り、桜島が綺麗に見える素晴らしい社屋の藤田ワークスさんで、藤田社長と、農業法人さかうえの坂上社長のお話しを伺いましたが、方や板金加工、方や農業という全く違う分野でありながら、人を大事にしながら、他人とは違う方向で挑戦する人は、共通する独特の哲学を感じます。


これからの時代は特に、我々中小企業や、凡人が、皆と一緒の方向や、同じ事を行っていては逆にうまくいく筈がありません。

本当に社員を守り、幸せにしたいと思っていれば、弱い立場の中小企業ほど、”従来通り”や”皆と一緒”という決断をしていられないと思いますし、社長は皆と違う所へでも挑戦していかなくてはならないと思いますが、お二人の社長からも正にその事を感じました。
しかし、そんな社長の話は又、塚越会長や伊那食品さんの話と重なる事ばかりで、やはりどんな業種の会社でも、どんな時代でも、自然の摂理に則って考えていく事が一番間違わない事なのだと思います。

土曜日は一人で福岡に向かいました。

福岡移住計画の須賀さんに会いに行ったのですが、そこで又、各地から面白い人が来られていて、一緒に糸島をご案内頂きました。

糸島の盛り上がりは聞いていましたが、おいしい塩作りを追求し、玄界灘の水の最も綺麗な所を選んで国定公園横の森林を切り拓き、工場も全てセルフビルドで作ったという製造所で売られる塩や、プリンを求めて、人が引っ切り無しに訪れていました。

およそ人が行く様な所ではなく、そこでおいしい塩を追求していった結果に、人は引き寄せられていき、そんな事例が糸島を魅力ある市に仕立てているのです。


夜には、いつもお世話になっているスペースRデザインの吉原さん主催のトークイベントにも参加しましたが、ここでも昔は遊郭があったエリアで、博多らしい人間関係をベースにした開発をしていこうとされている方々の思いが心地よく、夜中まで通称?”ロータリーピープル”に混ぜて頂いておりました。


地方を回ると、普段国で論議されている流れとは明らかに違う流れがある事が分かります。

出張が多かったので、その間にやらなければならない仕事もあったのですが、毎日が内容満載で、やる間がなく、今日は、佐賀を見に行く予定を止めて博多のカフェで籠もり、今帰りの新幹線でこれを書いてます。

佐賀は次回の楽しみに、それまでに、佐賀で皆と違う事を行っている変な人、店、会社、をご存知の方は、是非、教えて下さい!

2016年11月27日日曜日

満足ではなく仕事の幸せとは?

FBでも書いたのですが、土曜日はウエダ本社にとっても嬉しい日となりましたので、改めて触れたいと思います。

シライ電子工業さんという上場企業の、50周年事業の全てを当社で取り仕切らせて頂いていたのですが、その式典と懇親会が行われ、スタッフ達が見事にやり切ってくれたのです。

毎年、京都流議定書という三日間のイベントを社員だけで行い、いつも、これだけの事をやれるという強みを生かせられないのか?これだけの事ができるなら、こういう事を仕事にしたら?という投げかけを行っていたのですが、それを今回実現してくれたのでした。

京都ではどうしても”事務機のウエダ”というイメージが強いので、ここ数年のウエダ本社は一体何をやっているの? と、多くの経営者からもご理解頂けなかったり、逆に昔をご存知ない新しい層からは、CSR活動に熱心な会社ですね?などと言って頂けるのですが、あくまでこれら活動も、真っ当に仕事として追求しているものなのです。

スタッフも含めて、京都流議定書を始めとした一見収益を生まない活動や関わりと、皆が本業と思っている付加価値の低い”モノ”の販売が結びつかず、現場力や、対応力などの人的な価値を生かしていく領域を創っていく事が我々の課題でした。

というと難しいですが、単純に、もっと役に立つ会社、無くてはならない存在になりたい!という話で、スタッフにも、多くの人から”無くてはならないと思われている会社”のスタッフになって欲しいという事を目指してきたのです。

勿論、事務機器の販売も立派な仕事です。

ただ、どうせやるなら、他の会社で代替えが利く仕事より、他ではできない仕事、これがコケたらどうしようもないという仕事を、一緒に担わせて頂ける方が、存在する意味、生きている意味があるではないか?会社もスタッフもそういう存在にしたいと思ってきました。

よく、利他と利己の話がありますが、これらの活動も、利他的に見えて、私自身の、そういう存在にしたい!という利己なのかも知れません。

でもどこまでいっても利他と利己の問題は絡み合って出てくるものですし、利他的な事をしたい!という利己で、それもレベルを上げていきたいと思います。

今週行なわれた知恵の場のゲストは、ネッツトヨタ南国の横田相談役でした。

”教えないから人が育つ”という事を実践して来られ、実績を示しておられる横田さんのお話しは、今までは、”教えて”頂けるスタイルではなかったのですが、今回は大変分かり易く、目的と目標の違い、満足と幸せの違い、知識とできる(行動)の間の壁など、人を育てる事について、体系立ててお話し頂けて、私などでもよく分かりました。

中でも、満足と幸せの違いを体系化されたお話しは、こういう分析自体が今までなかったのではないか?と思いますが、大変分かり易く、しかも、条件に絡む”満足”項目ではなく、目的に紐づく”幸せ”項目を増やしていく事という、やるべき事も明確になりました。

ウエダ本社でも私だけが会社の目的を唱えてそこに進めたがっている事が、皆には目標しか見えず(見せられておらず)そのギャップに苦しんで来たのだと思います。

シライ電子さんの式典では、一代で上場までされた間の壮絶な浮き沈みの裏話もお聞かせ頂きましたが、そんな会社を創って来られた方々の様々な想いを凝縮した式典、記念事業を任せて頂いて仕事しているスタッフ達の姿を見て、格好よく見えましたし、そんな意味有る仕事をもっと増やして行きたいと思いました。

自分の成長を実感できるという働きがい=幸せを感じられる”いい会社”、それを目指して、明日、明後日(28日、29日)は、私がウエダ本社に来て初めて、社員研修旅行に行かせてもらいます。

その行先は、伊那食品工業。

目指す方向にある最高峰の会社に行って、働きがいを感じる風土と、それが作られる様々な差を感じてくれれば嬉しいですね。

勿論TOPの差が大きいですが、、それも含めて、皆で感じて来たいと思います。




2016年11月20日日曜日

信頼の仕組づくり

今週は安倍首相が、世界の首脳として初めてトランプ次期大統領に会うという事で注目されました。

大統領就任前に会うという事、それも自宅で、家族も同席し、日本側は同行者無しという異例ずくめでしたが、日本が真っ先にという動きの早さも異例だった気がします。

日本はどうやら、トランプ氏に決まったから慌ててという事ではなく、クリントンさんでも、この安倍首相が米国に行くタイミングでの会談を準備していたようですが、選挙直前になってクリントン一本被りではマズイと、トランプ氏の繋がりをありとあらゆる所から探した様で、最初にメッセージを届けた日本には印象が良かった様です。

こんな事を見ても、会談時間が延長された事からして友好的には進んだであろう事を見ても、やはり、人は繋がりを感じたり、面と向かって話する事が如何に大事かという事も感じました。

しかし、トランプさんというのは、改革者か暴君か、いずれにしても並外れた自信家ですね。

いくらビジネスで大成功を収めているからと言っても、全てを網羅した国家、しかも世界を動かす国家のTOPに就任するのに、今の所、側近に現状を理解したベテランや、気脈に通じた人を置こうという感じはなく、あまり意見を聞く感じに見えないのですが、その重圧に怖ろしくなるという事はないのでしょうか?

現状を踏襲した様な感覚では改革は起こせないですから、その姿勢から、”変える”という事には期待が持てますが、現状を徹底的に分析して、分かった上で知らないフリをして変えないと、ホントに知らないで変えるのは、一か八かのバクチになってしまいます。

トランプさんが安倍首相の言葉通り、”信頼できる指導者”であれば、学ぶ姿勢は持っておられる筈ですから、この”信頼”を切り口に、安倍首相や日本が、行き詰った資本主義の新たな形の先導役になっていかなくてはならないと思います。

昨日は、私も理事を務めさせて頂いている信頼資本財団の最大のイベント「信頼デイ」がありました。

信頼は資本となるのか?

人は信じられるのか?

人間は助けるものである筈なのに、その本能が封じ込められている世の中とは、人ではなく、仕組が誤作動をしてしまっているのではないか?

その誤作動を無くせば、人は豊かになるのではないか?

その基盤づくりに我々一人一人が参加していくこと。

そんなテーマと構成だった様に思います(内容、参加者、想いなどが濃すぎてなかなか整理できてないですが)。

来年は、世界(歴史)が大きく変わる起点になる事は間違いありません。

日本では、更に2020年に向けて行き詰った従来型資本主義と、世界の軍事、民族、宗教などが絡んでの潮流が入り混じってきて、濁流に飲み込まれる可能性もあります。

その中でやはり日本は、改めて信頼をベースにした仕組作りを積み重ねていく事が役割なのだと思います。



昨日は、信頼資本財団の熊野理事長と京都地域創造基金の深尾理事長の対談もありましたが、この二つの財団が連携するだけでもできる事は広がりますし、この動きに京都では、京都信用金庫さんも連動して頂いています。


金融庁も評価基準を抜本的に変えていっている様ですし、お金の流れがまず、信頼と連動した形になれば大きく変わっていくと思います。


昨日のイベントで、PaKT(パクト)というマナビノバで集まる学生や、アショカジャパンのユースメンバーなどが、会場準備から後片付けまでを行ってくれていたのですが、その動きや、そもそもの取り組み(参加)姿勢、それぞれの人間性が素晴らしくて感心しました。

悪い事ばかりではなく、希望を持てる変化も着実に広がっていっていると思います。

昨日の目を輝かせていた若者達が信頼をし、その信頼が裏切られず増幅していく様な仕組を、一つ一つそれぞれの立場から作っていく事、これから二、三年に課せられた命題です。



2016年11月13日日曜日

トランプ大統領を生み出す「長波」とは

米国大統領選の感想について、今までFBでも何も書いていなかったのですが、その事に気づかれて、『待ってます』と言って頂く、マニアックな方もおられました(笑)ので、今週は、思っていた事から書きたいと思います。

意図的なマスコミの報道があると言いつつも、私もやはりクリントンさんが勝つと思っていましたし、その方が”マシ”だと直前まで思っていました。

しかしギリギリになって、拮抗しそうになってからは、これはどちらにしても今回の溝や、内向きさ、人権に関した過激な発言などへの流れは止まらないので、クリントンさんが勝ったとしても、かなりマズイ状況だと思う様になり、トランプ氏が勝った頃には、かえって思い切り変わらざるを得ないので、劇薬とも言われる様に、長期的に見ればズルズルと変わり切れないよりは良かったのかも?と思う様になりました。

当選してから、暴言を控えているところを見て、あれは戦略だったとか、マスコミが助長していたとして、トランプ氏を擁護する様な人もおられますが、どう割り引いても、ある発言を一部だけ切り取ってマスコミが偏向報道したものとは全く違って、人格からストレートに出ているものだと思いますし、何せ米国の大統領ですから、やはりその頂に座る人の人格としては、物分りよく認めるべきものではないと思います。

しかし同時に、それでもそこに流れつかなくてはならない、従来型の仕組、力、そしてそれで選ばれるリーダーに対しての批判である状況と、そこまでの状況に気づかなかった、或は、気づきながらそれを又、従来型の力で覆ってしまおうとした勢力の、大きなギャップを目の当たりにした事の方が恐ろしく感じました。

そういう意味で、そのギャップ、亀裂を生んだまま、クリントンさんが従来型のモデルで展開するよりも、トランプさんが、そのギャップ感をあぶり出し、従来型のリーダーではできない新たな展開をした方が、長期的に見れば良かったのか?となる事を期待したいと思います。

ただ一点だけ期待を感じたのは、スピーチなどを聞いて、彼が”やる”と言った際の感じ方が、あれだけの実業家だけに、従来の頭だけのエリートが言った際とは違って、ホントにやるかも?という気になる所です。

勿論、それが悪い方向で行かれたら、どうしようもないのですが、何とかそれが、良い方向に向かわせてくれる事、それを願うばかりです。

「仕事に効く教養としての世界史Ⅱ」で著者の出口さんは、アメリカ大陸を舞台に交流が始まった16世紀を取り上げた二人の学者を紹介されています。

一人は歴史を、表層に登場する出来事を「短波」、王朝の興亡や宗教の発展や戦争などの「中波」、自然環境や、地理的条件、死生観や人情など、ゆっくりとした変化しか起こさない「長波」に分け、中波と短波が重なり合って、変化を生み出す様に見えているけれど、時代が大きく変化する時には、その深層にある長波を見なければならないとしたブローデルと、世界を中央、半周辺、周辺と区分し、それらの分業体制によって世界が成立しているとしたウォーラーステインが、共に16世紀を中心に自らの学説を展開したのは、16世紀が激動の時代であったからだと書かれています。

コロンブスがアメリカ大陸を発見(正確には到達)した事により、世界が繋がり、大きく世界システムが動いた16世紀から、その後世界の中央に君臨するアメリカが、今回の大統領選挙から21世紀をどの様に進んで行くのか?

トランプ大統領誕生という「短波」がアメリカの興亡や、紛争などの「中波」とどう重なっていくのか、
我々が生きている時代に、不名誉な戦争を起こさない為に、トランプ現象を生み出す自然環境や、気候、日常生活を支える死生観などの「長波」から見直さなければならないと思います。



2016年11月6日日曜日

微力だけれど無力ではない

韓国では現職大統領の疑惑で大変な状況となってます。

来週には米国の大統領選挙が行われますが、直前になっても、FBI捜査をされる候補と、下世話なワイドショーばりのネタを提供する候補の一騎打ちという状況で、世界の警察と公言していた国のTOPを決める選挙と思うと、背筋がゾッとします。

これら全て、権力、金、蹴落とす競争というものが共通していて、資本主義の最終形が世界を蝕んでいる様にも感じます。

国富論で有名なアダムスミスは、市場経済を提唱しながら、それより以前に、道徳感情論という著書を1759年に出していたそうです。

そこでは、利己心の追求を肯定しつつも、道徳的歯止めをかけていく為の方法を説いていて、それによって初めてこの競争社会をうまくいきぬいていけると説いていたそうです。

そんな事を見てみると、時代とか主義というものではなく、人間とは?を考えていかないといけない所に来ている様に感じます。

人間とは元々、利己心の強いものであるので、同時に道徳観や倫理というもの、更には生き物として、自然の摂理に則ったものから併せて考えていかないといけないのではないでしょうか。

正に、論語と算盤の両輪で展開しないといけないものを、人間として、生き物としての本来を見失い、利己心ばかりで蹴落として来た人達がTOPに立つ世の中になってしまっている状況を変えていかなくてはなりません。

先程まで、テラルネッサンスの15周年イベントに参加していました。

何故世界は平和にならないのか?
大学生であった鬼丸さんが、”自分達は微力だが無力ではない”と一人から始めた活動が、沢山の人を巻き込み、15年で世界6ヶ国にも及ぶ活動となっているのですが、金や権力にまみれてのし上がってきた世界のリーダー達とは反対に、世界的にもこんな若者達が沢山現れてきています。

小川理事長の奥さんでもあるトシャさんは、7歳の時に生まれたブルンジの紛争で家族全員を殺され、路上生活を経験しながらも英語を覚えて仕事に就き、自分と同じ様なストリートチルドレンを何人も自分の子供として育てられたのですが、アフリカに居た頃、豊かで皆が幸せに暮らしていると思っていた日本が、若者までが自殺をするという蝕まれた現実を知った時大きなショックを受けたそうです。

皮肉な事に、日本を蝕んだ原因も、アフリカなどで殺戮が繰り返されるのも、日本を含めた先進国が金や権力だけを追いかけて来た結果であり、問題の根元は同じなのです。

トシャさんは、肌の色、国籍など、何人(なにじん)など関係なく、人間自体が大事、”See humanbeing”と語りかけていました。

肩書き、資産、人種などに捉われず、人の存在自体を見ていけるリーダーを輩出していく事に向けて、”微力だけれど無力ではない”世界全体でそんな意識を持っていきたいものです。





2016年10月29日土曜日

May I help you? のスタンス

今週は、ユニバーサルマナー検定と、知恵の場で、色々学ばせて頂きました。


社員と共に受講したユニバーサルマナー検定は、今年の京都流議定書にも登壇頂いたミライロの垣内さんが作られたものですが、ユニバーサルマナーとは、”自分とは違う誰かの事を思いやり、適切な理解の下、行動する事”というもので、特に障がい者向けのものではなく、全ての人がその様に対応できれば、素晴らしい世界になるというものです。

聞いてはいたのですが、改めて受講すると、目から鱗の話も多く、当社でも是非、全員に受講させたいと思うものでした。

左利きの人は全体の約10%らしいですが、障がい者は6%と、それだけを見ても障がい者は特別な存在ではなく、障がいは人にあるのではなく、その環境にあるのだという話は、腑に落ちました。

それだけに、ハードも重要だがハートを変える事と、他を思いやる行動や環境を作っていこうとしておられるのです。

その中で日本は、”無関心か過剰か”の、おしい現状であるというお話も、うちの会社でも、あるなあ~という、現在の日本人の距離感を感じました。

あくまで善意で、喜々として”やってあげる”人も、よく見かけますが、そもそも”やってあげている”と思っている時点で、キツイ言い方をすれば、善い事を行っているという自分スタンスで、相手の立場には立てていないと思います。

仕事でも、どんな人間関係でも、うまくいかない原因の多くは、この、やってあげてるのに~という過剰なところと、やってくれない、もしくは、自分の領域以外は関係ない、という自分スタンスから生まれているのではないでしょうか?

今週から始まった知恵の場の一回目のゲストは、新幹線の伝説のカリスマ販売員茂木久美子さんでした。

売上平均14万と言われる中、53万もの売上を記録されていたそうですが、当初は全く何をやってもダメという人だったそうです。

自分が売る事しか考えていなく、自分の店(販売カート)を見てくれているお客様しか見ていなかったのが、声を掛けられる存在になろうとした所から変わったとの事でした。

その後は、標準語でのマニュアル接客を止め、山形弁(山形新幹線)で、雑談接客を心がけ、徹底的にお客様の様子に注目する様にされたのです。

又同時に、お客様に向き合う時間を捻出する為に、一番時間をロスする、つり銭を渡す作業を神業的に短縮し、お客様の様子を見逃さない為に、1300名の販売員の内、数名しかできなかった、後ろ向きにカートを引っ張る販売法で、これも通常は3往復程しかできない所、7往復をして、お客様との関係性を高めたとの事でした。

正に、うちの会社でも、営業にずっと言っているポイントばかりでしたが、カート一台の販売で、それだけの工夫と、努力ができるのですから、こちらも営業全員に聴いてほしいお話でした。

障がいのある方と会った際、無関心か過剰か、の対応ではなく、まずはお手伝いできる事ありますか?という姿勢が重要だという事でしたが、販売でも我々の営業でも同様で、自分の商品を売りつけるのではなく、やはり、お役立ちできる事はないでしょうか?というのが、全ての基本だと思います。

利己、利他という話もよくありますが、人間関係においても、May I help you?というスタンスが、一番良い距離感ではないかと思います。

2016年10月22日土曜日

本物の要諦


今週は、ネタが多すぎて却ってブログに書くのが難しい状況です。

毎日、講演などでも沢山の人を集める様な方々がお越し頂いたり、個別にお会いしたり、時には、期待して頼み事をして頂いたり、”濃密”さを感じる事ができる時間を過ごさせて頂きました。

色々話したい事はありますが、やはり、我々の考え(ビジネス)に直結した話として、堀場製作所さんの滋賀工場の話は書かないわけにはいきません。

ずっと噂に聞いていましたが、今回はいつも勉強させて頂いているクオリアの会での訪問でしたので、恵まれた事に堀場社長の説明付きでした。

琵琶湖に面した10階建ての通称 E-HARBORは、今まで7~8割の生産が外部にあったものを、協力会社さんにも入ってもらい、一貫の生産ラインとされた事や、実車が持ち込まれた自動車開発試験ができる実験ラボなど、”ものづくり”においての効率性、技術力、総合力を進化させる設計となっていました。

しかし、それよりも私が驚いたのは、オフィスについての考え方でした。

よくある日本の工場は、オフィスなどについては、本社などよりも更に付属的なもので、お金はかけない所が殆どですが、ここでは、元々京都で勤務していた社員の方が、こちらに移る事になるので、皆が行きたがる工場にしないといけないと、徹底的に社員さんの立場を考えてお金もかけておられました。



ただ一点、社員さん達に強いておられるのは、10階建てでありながら移動は全て階段という事で、これは、堀場社長自ら本社で感じておられた事を元に、コミュニケーション、情報伝達を重視しての大きな仕掛けでした。

それだけに驚きは、全くオフィスについて指導した会社があるのではなく、全て社員で考えたとの事なのですが、オフィスにおいての必要な肝が全て押さえられているのです。

生産ラインの所は、トヨタの渡辺元社長には、駄目だしをいくつもされたとの事でしたが、私の推測では、トヨタさんは、もの作りについて、効率化という事においては世界TOPでしょうから、そこは進んでいるにしても、オフィスの所で、この様に人の心理やモチベーションまでを考えたものにはなっていないと思います。

という事からしても、人をベースとしながらのグローバルにも通ずる製造という点において、トータル面ではTOPの工場と言っても良いのではと思うほどでした。


そこには、精密機械を作っておられながら、機械だけでは差がつけられない、商品はそれを作る人々、伝票を発行する、梱包をするなど、関わる人々のトータルが商品力であると言われる堀場社長のお話しと、その通りの実践の姿を見せて頂くと、どこからどこまでも本物だな~とつくづく感じます。



今週は、サイボウズさんにも訪問させて頂きました。


働き方変革において、やはり本物を感じていたのですが、考えている方向が同じで、オフィスのコンセプトも全く同じでした(残念ながら、お金の掛け方の桁数が違いますが)が、その展開も頷く事ばかりでした。





今週も関わっている幅は大きかったのですが、木曜日の朝には、京都で限界集落の話、お金に頼らない新たなモデルについてのミーティングをしながら、夜には六本木ヒルズの52階展望台での夜中までのパーティーに参加していました。

折しも横では映画「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」のイベント開催でレニーゼルヴィガーとパトリックデンプシーが登場していましたが、このどちらもが今の日本の姿なのです。

そして過疎地域も一見華やかな人が密集している東京でも、人の繋がりを求めているのを感じますし、最近東京も大きく変わり出している様に感じます。

どんな産業も、どんな時代も地域も、人をベースに考えるのが本物を外さない要諦なのだと思います。

そう信じて、中小企業の働き方の変革を本物で取り組んでいきたいと思います。

2016年10月15日土曜日

東京三日間で感じた使命感

今週は、ブロックスさんの第17回日本を元気にするセミナーに参加してきました。

毎年、京都流議定書もご協力頂き、京都での試写交流会や知恵の場関西も一緒に運営させて頂いているブロックスさんの一番のイベントですから、そりゃ参加しないと!と行ってきましたが、実は三年振りでした。。

経産省でも、おもてなし企業やホワイト企業などを表彰する他、ソーシャルビジネスというものには大手まで、こぞって参入している時代ですが、17年も前から良い企業、利益のみを追求するのではなく、人や地域を大切に考える会社を追いかけ続けておられるのですから、この世界の老舗と言っても過言ではないと思います。

三年振りに参加すると、午前中の大久保寛司さんのセミナーも、百数十名の参加者の中、半分以上が初めて話を聞くという方だった様に、参加メンバーも変わっているというか、広がっている様に感じましたが、これだけでもブロックスさんの功績は大変大きいと思います。

そんな今年のテーマは「使命感」 

”良い会社オタク”と私は評していますが、西川さんらしいディープなテーマで、

バグジーの久保さんは、時間を何の為に使うのか?を考えている人が使命感を持っている。
使命感は限られた時間の使い方だとして、”人の喜びで生きていこう”と決めた所から現在に至るお話をされていたり、西精工の西さんも、”社員を幸せにする使命感”で展開しておられる事例をいくつも話され、考えさせられました。

使命感と責任感の違いは?という問いかけから、セッションはスタートしましたが、私自身、ディープな話で言えば、使命感での仕事をする事が生きる目的でもあるのに、まだ、命を使うという仕事にする事ができず、責任感でのオペレーションレベルの仕事しかできていない様に感じました。

大手広告代理店での自殺問題から、長時間労働がより問題視されていくと思いますが、長時間労働が問題ではなく、そうせざるを得なかったり、組織、人、社会、の価値観の方向づけが違っていっている所が問題なのですが、昨今の日本の風潮では、労働が悪いものとして、若い世代に植え付けられていく事が大変恐ろしくも感じます。

日本の自殺の特徴は50代の男性が多い事が世界でも異例な様ですが、これから想像できる事も長時間労働自体が問題というよりは、教育費、住宅ローン、会社での責任か、もしくはその反対にレールから外れたかの境遇など、想像しただけでも息苦しくなる構図が浮かびます。

今週は久しぶりに三日間東京に滞在し、色々な方とも会いました。

ある大手設計事務所にも訪問しましたが、その受付では、正に大手企業のスーツを来た方々が千客万来で賑わっていました。

我々も、オフィスにおいてですが、工事などを行っている立場からすれば、こんな大手の設計事務所などに出入りできるものではないのですが、そんなヒエラルキーとは関係のないところで、ご案内をして頂いており、ここでも日本の大企業のカッチリとした息苦しさと、違う潮流の様なものを感じていました。

クラウドファンディングではTOPというより、実質日本でクラウドファンディングを広めた、READY FORの米良さんとも会っていました。

私と会う前日の夜は、ある大臣からヒアリングを受けていたそうですし、私とのミーティングが終わった後は広島に来日中のコトラー教授に会いに行かれました。

そんな彼女から相談したいとの事で会ったのですが、若干28歳、今や社員50名以上の会社になり、最近の悩みと今後の展開を聞かせてもらったのですが、昨今のソーシャルで持て囃される事にも浮かれず、会社の課題に対しての対策と仕組化など、経営者としても既に的を得ているのに驚いたと共に、それこそ、使命感からか、東奔西走している姿が美しく感じました。

業界であれ、政界であれ、ヒエラルキーの中で日参して順番で並ぶような世界ではなく、多様な価値観の中で、それぞれが、自分で働き方や時間の使い方を決めていければ、ストレスは全く違ったものになりますし、フロー状態で仕事も行なえば、楽しくってしょうがないという事になると思います。

国も色々考えている間に、本末転倒な事になっていかない様に、働き方の変革、働く事や、仕事に対しての閉塞感を無くしていく事に、私の命=時間を使っていきたいと思います。

2016年10月9日日曜日

多様性と働き方の変革

今週から10月がスタートし、月曜日には企業では内定式が行われました。

大企業では何千人、何百人の内定式が行われたという記事を見ると羨ましいですが、うちの会社では一人の新卒者が決定しており、細やかながら朝礼に参加してもらって内定書を渡しました。

と言っても、実は新卒採用で採った訳ではなく、来年、結婚して関東へ行く為に退社する事になるデザイナーの後任で紹介を受け、採用する事にした女性がたまたま新卒生だったという事であり、うちの会社はまだ新卒採用も継続中ですので、良い人が居ればドンドンご紹介下さい!

この一件、うちの会社の現状の良い面と課題とを表しています。

まず良い面で、採用についてはここ数年、殆ど新卒採用活動を行なわずに採用しています。

毎年、一人、二人しか採れないという事もあるからですが、会社説明会を開き、広告媒体などにもお金を使ってという様な事を一切せず、入りたければ自分で調べて来て下さい、という高飛車な姿勢を取っていたり、ここ数年、京産大、工繊大、造形大のそれぞれの分野で著名な先生方からご紹介頂いており、本当に苦労せず、価値観に合った人が入ってくれています。

色々とビジネスに関係ない様な事ばかりに関わっているので、何の為にやるのか?などと聞かれますが、一番分りやすい対価?としては、我々の様な中小企業が、毎年、学校の成績だけではない”優秀な”学生を採用しようと思うと、どの位の費用が要るのか?と考えると、これだけでも計り知れない価値が生まれています。

それこそ目に見えない資産が、この費用を補ってくれているのです。

しかも有り難い事に、数年前から留学生を採りたいと思っていたのですが、今回入社してくれる学生は台湾からの留学生で、これも労せず、実現するのです。

課題の方は、退職する事になるデザイナーは、”仕事も面白く、会社も辞めたくない”と、プロポーズの返事を待ってもらった程悩んだとの事ですが、折角、そこまで思って働いてくれている女性が、結婚相手が遠方である為だけで辞めなければいけないという勿体ない話で、働く環境の総合商社を標榜している我々としては、中小企業に共通する壁として崩していかなくてはなりません。

今週、働き方変革EXPOでは、元日本IBMで初の女性役員であった方の講演を聴きましたが、IBMが最大の赤字を出し、倒産の危機と言われた1993年にCEOとなったガースナー氏が、その危機を救う為に取った戦略がダイバーシティ―であり、ダイバーシティ―を進めようとすると働き方の変革が必要だと、多様性の第一歩として女性活用を推進したとの事でした。

女性が活躍する社会にしていく為には、どうしても、在宅勤務、遠隔勤務をできる体制を作っていかなくてはなりません。

それには単に仕組を作れば良いのではなく、周囲の人の考え方から変えていかなくてはなりません。

その為には、皆が同じ仕事をするという様な時間制の仕事ではなく、それぞれの人がそれぞれの役割を持ち、それぞれの価値を出していくという働き方に移行しなければなりませんが、まず会社のカルチャーを変えていかなくてはなりません。

多様性というのは、それを最も表していけるカルチャーなのですが、うちの会社も今年の高卒の新入社員、そして来年は留学生の新卒者と、少しづつ進めて参ります。

そして、直ぐできる仕組みから導入し、順次発表もしていきますので、働き方変革を目指しておられる企業の方は、ちょこちょこと、チェックしておいて下さい!


2016年10月2日日曜日

『経営力』

先月の吉野家ホールディングス安部会長の「私の履歴書」は、毎日楽しませて頂きました。

高卒でミュージシャンを目指し、アルバイトから入られて昇進していかれた吉野家はある日倒産、その処理役として皆から推されて社長になられた後も、BSE問題、親会社都合の中での経営のお話は、ドラマの連続であり、机上の経営学にはない”実学”がありました。

波乱万丈が良いとは限りませんが、勝負して来られた方のお話は、話だけ、文字だけでも、その情景がビジュアルで浮かび上がってくる深みがあります。

個人的な感覚かもしれませんが、私が魅力を感じたり、尊敬できる方のお話にはこのビジュアルで浮かび上がってくるという共通項がある様に思います。

又一方、難しい事をシンプルにできて、実績を示せる人にも憧れを持ちますが、今週聞いたカルビーの松本会長の経営論と、それをコミットして実践されているお話しは、何度か聞いているのですが、改めて経営の”プロ”というものを痛感させられました。

経営とは、全てのステークホルダーを喜ばせる事である。

その為には、  1、世の為、人の為にならなくてはならない

そして、         2、儲けろ!

それだけだと仰います。

これを実現する為には、結果に対して厳しい、しかし温かくなくてはいけないので、社員一人一人が成果を出す為に、環境と制度を整える事、それがマネジメントの仕事だと。

そんな感覚で全てを展開される説明は至ってシンプルで、

・メーカーは儲ける為には、工場の稼働率を良くする事だけ。

・投資は使え、経費は使うな。

・仕事を、①やらなくてはいけない仕事、②やった方が良い仕事、③やらなくても良い仕事に分け、
 ②と③はやるな。

・ダイバーシティ―は長期の投資であり、成長へのエンジンである。

などなど、厳しさと人間尊重の優しさが見事にバランスされているのです。

そして我々に関係する、オフィスについても、

人間は環境に影響される動物である。
オフィスは考える場所であり作業する場所ではないとの事で、実際、それまでコミュニケーションも取りづらかった縦長ビルから、80m×50mの1フロアに移した、と、カルビーの改革時には、オフィスを改革したとの事でした。

ソーシャルビジネスと、もてはやされ過ぎている昨今、新たな視点を持った優秀なイノベーター達が、結局は形は違えど、お金や力に群がって行ってるいる様に見えるのですが、折角の思いや能力で、自らの力で切り拓いて、”儲ける”という、『経営力』を目指して欲しいと願います。

私自身も、ソーシャルビジネスと関わってきましたが、これからはその『経営』力を意識して、実績を出し、自分の役割を果たしていきたいと思っています。

安部会長が親父と慕われた、吉野家の創業者は、”人生55歳からが勝負だ、その為に20代、30代、40代の生き方で花が咲く”と、言っておられたそうですが、私自身、40代までの生き方は変える事ができませんが、55歳から花咲ける生き方を意識していきたいと思います。

まだその蕾は固そうですが^^;

2016年9月25日日曜日

いいオフィスをつくりましょう

今週は、8月末に完成していたオフィスリニューアルのお披露目を行いました。

5階、6階の2フロアーだけのリニューアルで、工事としては仮設営業期間を含めて2か月程のものでしたので、大きなものではないのですが、ウエダ本社としての取り組みとしては、大きな意味あるものでした。

工事は2か月とは言え、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同で行なったプロジェクトとしては1年がかりで、ワークショップ、動線調査、社員アンケートなどを重ねて出て来た課題、要望を形にしたもので、設計、コンセプト、オリジナル商品企画、サイン、コンセプトブックなど、全て社員のみで作り上げました。

そこにもいくつか意味があり、”事務機のウエダ”という卸で物売りの会社から、人にSPOTを当て、”働く環境の総合商社”と銘打って発信してきた事が、理念だけではなく、従来の本業と繋がって形として表す事ができた事、それを落とし込む為にも、コンセプトから全て社員だけで作り上げた事、又、同様に、従来であればイベントにお越し頂く方と、実際のお客様が別々で、単なるアドバルーンを上げただけの様なものであったのが、今回は、営業が自分のお客様を呼び込んできた事など、うちの会社においては「激変」でした。

その為通常はFBなどでイベント案内や、お誘いを行うのですが、このオフィスリニューアル、特に、京都流議定書に引き続きご登壇頂いた仲先生の講演は殆ど告知できず、営業だけの集客で、お断りしなくてはならないという嬉しい悲鳴でした。

これは勿論、営業が頑張ったという事はありますが、仲先生の講演を聴きたいという方も多いのと、そもそも、オフィスに対しての考えが漸く変わって来た事も大きいと思います。

いい会社を作る為には、まずは組織風土を変えていく事、その為のコミュニケーション、場づくり、ファシリテーションなどが必要となります。

と同時に、それに向き合う社員、スタッフのモチベーションや人間力を向上させる研修、教育も必要で、ウエダ本社で、イベントばかり行っている様に見えて来た(うちの社員自体もその様に感じていたと思います)のは、この点からでした。

ただ折角、研修や人間力を高める教育なども行い、良かったなあ~とか、こんな風に取り組もうという気持ちになって戻ったオフィスが、詰め込まれた、管理型のものであれば、そこでイノベーションは生まれるでしょうか?というのが我々の問題提起で、その最後の、オフィスに対する考え方の壁を取り壊して頂くのが仲先生のご講演で、今年の京都流議定書でも肝であった所です。

そしてその京都流議定書も含めた仕掛け?の後に、1年かけて皆で取り組んで来たオフィスリニューアルが完成し、それを発表するのが今回でした。

という事なので、私が決めたオフィスだと全く意味がなく、皆で考えてもらったという事ですが、それを見事に完成し、来場して頂いた方から、著名なデザイナーに入ってもらっているのか?どれだけのデザイナー、企画の人を抱えているのか?などの質問もあったそうで、その様に評価を頂くオフィスに仕上げてくれた事は、スタッフの総合力を我々自身が感じる事もできて、本当に大きなプロジェクトとなりました。

ここからは、この体感を持って、日本のオフィス、働く環境を変えていきたい、組織風土、人間教育と共に、働く人が活き活きとする環境を広めていきたいと思います。

何の為に会社は存在するのでしょう?

それは本来、社会に役立つものであるからだと思います。

では何の為のオフィス(職場)なのでしょう?

それはその会社が儲かる事も含めて、働く人も含めて良くなる為のものである筈です。

”いい会社をつくりましょう” 

そしてその為にも、”いいオフィスをつくりましょう”

2016年9月18日日曜日

”伝わる”技巧派投手へ

今週も一週間振り返ると、沢山の方とお話ししました。

沢山というのは数ではなく、色々な軸において反対語にもなる様な、本当に幅広い方々とお目にかかっているという感じです。

そんな中、自社での出来事も含めて、キーワードは”伝える”という事でしょうか。

月曜日に行われた、大久保寛司さんのセミナー

ゲストは、ローカルキャリアカフェの川人ゆかりさん。

この方も私が紹介した事から、大久保さんに紹介しているのは、若いチャーミングな女性ばかり?という疑いもありますが、たまたまです(笑)

川人さん自身、今ドキ無い背景の持ち主で、キューバ、コロンビアと、危険地域を渡り歩きながら、日本の方が深刻な状況にあるのでは?という気づきから、日本の過疎地域に入り込んで活動する事になったのですが、それだけに、浮ついて目立とうという気が一切なく、むしろ、淡々とプレゼンを行うのですが、プロジェクトや事業などの組み立てや、進め方などは、しっかりと構成を考え、地道に進めていけるので、目立つ必要もないという事なのだと思います。

そんな川人さんですから、ちょっと感動的な話も期待している?大久保さんのセミナー受講者には、ちょっと伝わっていないかな?という感じもありました。

そんな感じも受けられてでしょう、大久保さんが、彼女にいくつか質問をしていかれると、それに見事に、その背景やそれに対する考えとその取り組みを、一つ一つ完璧に答えていく彼女の話に、皆さん惹き込まれ、最後には、皆さんが口々に、”凄い”と大称賛されて終わる光景に、大久保さんの”伝える”力を改めて見せつけられた感じでした。

”伝わっていないのは伝えていないのと同じ”   

”伝えると伝わるは違う”

伝える側は、相手が受け取れる技術によって変える、という意識が必要であり、受け取る側になった場合は、どんな球でも受け止める技術を持つ事が必要との事でした。


水曜日にKYOCAで開催された京信さんの女性起業家サロンは、黒岩さんの講演でした。

フレンチレストランとしてのル・クロも有名ですが、もっと有名というのか、特異な存在であるのは、
独立が当たり前、競争が当たり前の世界で、”またあの人と働きたい”という黒岩さんを評しての本がある様に、その人づくりというのか、人に対する考えと仕組みが素晴らしいのですが、その展開などをたっぷり二時間話され、女性起業家の皆さんには、伝わるだけでなく魅了してました。

金曜日にはクオリア朝食会がありましたが、毎回楽しみにしている堀場社長のお話しでも、

”直球の話は伝わらない、分りやすい例え話をする”

というお話しや、目標をしっかり定める事、研修という基礎をしっかり行い、その上の応用としての判断をさせる為の仕掛けづくりなど、社員にどの様に伝えるか、その為の取り組みなどの一端をお聞かせ頂きました。

そんな、”伝える”、”伝わる”がキーワードなった一週間、私の方は、まだまだ社内では伝わっていないなあと思います。

以前に比べて、少ない滞在時間でも、それを見計らって、色々と相談、報告をしてくれる様になってきた事は、それぞれの役割や、意識を高めてくれている証拠だと思いますが、まだ、自分の領域以外は知りません的な感覚や、やれていない事への責任回避的な発言などもあって、ついつい、二、三球目には直球を投げてしまいます(笑)

投げる私も、臨機応変に球を投げ分けられる技術、皆の方が、直球でも受け取ってくれる気になる仕組や、私自身が人間力を身に着ける事、色々な事を並行して進めていかなくてはならないですね。

ただ救われるのは、堀場社長も仰る様に、そんな組織は一日ではできなく、10年、20年とかけて、そうなっていくのだという事です。

もう50代、そろそろ技巧派投手に転じなくては。。



2016年9月11日日曜日

イノベーションの芽

今日は9・11、あの事件から既に15年が経ってしまいました。

この間世界は、どんどん危うい状況に向かっていますが、そのベースにある、民族、宗教、イデオロギーというものだけでは理解できない、何か大きな力が絡んで、複雑化していっている様に思います。

そんな中で、我々は企業運営をしていかなくてはならないのですが、世界が混沌としているからと言って何もしないわけにはいかないし、だからと言って、ただただ現状の事をしっかりやるだけというのも、不確定要素が大き過ぎて、全く意味を成さない事にもなるか、何も起こらなければラッキーという様な当てモノ的なものになってしまいます。

複雑化し、不確実な時代だからこそ、イノベーションが必要であり、どんな状況になってもそれに順応していける様なイノベーティブな組織にしていかなくてはならないというのが、昨今の流れであり、各所でイノベーションが叫ばれている所以だと思います。

イノベーションを定義づけたシュンペーターは、経済発展は、人口増加などの外的要因よりも、イノベーションの様な内的要因が主たる役割を果たすとして、その必要を説いていますが、外的要因が複雑過ぎて想定もできないので、内的要因から、世界の概念や価値観までをも変えていく為にもイノベーションが必要であり、イノベーションを起こせる人材、組織を生み出していかなくてはならないのではないかと思います。


今週私は、所謂、”ソーシャル”という様な人達と、色々と話をしておりました。

と言うといつもの事の様ですが、以前から知っていて色々と付き合って来た人達と、ビジネス連携での話がいくつも持ち上がり、しかもそれが又、面白い様につながって来ました。

この話が無ければ、この話も受けていないだろうな、と思う話があったり、丁度話をしていた事が、他での話に使えるとか、タイミングなのか、色々な事が繋がり出しそうな気配です。

ウエダ本社もイノベーションを生みだす為にも、こんな広範囲な繋がりから、その芽と既存モデルなどとを掛け合わせていかなくてはなりませんが、今後は、この繋がり出しそうなものを深化させていかなくてはなりません。

そんな中、土曜日にKYOCAで行なわれていたミラツクフォーラムでは、オムロンの竹林氏と、日建設計の塩浦氏のお話が私にとってもドンズバで、これまたこのタイミングで!というお話でした。

日本最大の日建設計で活躍される塩浦氏が、「建築家は、空間を通じて社会問題を解決する人」という考えから、ワークプレイスにおいても、その”場”を変える事が経営を変える事になり、そこから大きな革命が生まれるというお話をされ、オムロンで数々の立ち上げ、立て直しを行ってこられた竹林氏は、「コミュニケーションの無い所で、モチベーションは生まれない、モチベーションが無い所でイノベーションは生まれない。 コミュニケーションとモチベーション、そしてイノベーションをどの様に設計するかがポイントだ」と仰っていました。

正に我々は、日本の企業がイノベーションを生んでいける様に、企業、職場環境の内的要因を整備していきたいと思います。

少しづつ繋がり出した新たな芽を既存ビジネスに埋め込み、それを日本の企業や、職場環境に増殖させていく事、そして、それぞれの企業や、組織でイノベーションの芽を生みだしていく事、そんな世界に転じさせていきたいものです。

今月23日には、ウエダ本社では、ワークプレイスにおいての一つの芽のお披露目会を行います。

混沌とした時代、イノベーションの芽を各社で育てていきませんか?

2016年9月3日土曜日

私自身とウエダ本社の理想の姿

今週は、当社の年度末であり、9月からの新年スタートでもありました。

まだまだ低~いレベルではありながら、昨年度からは、売上、利益ともUPし、決算賞与も大盤振る舞い!とはいきませんが、出す事ができました。

経営者としては一瞬ですが、ホッとできるひと時でした。

しかし、うちの会社でも、私などは何もできず、やるのは社員ですから、皆が良くやってくれたから結果が残せるのですが、その何もできないながら、皆に動いてもらって結果を出さないといけないという事に、ジレンマを抱えるのです。

しかも中小企業は、足らないリソースだらけで、そこから脱却していくには、一人の人が色々な事をやらなけばならないのですから、中小企業の方が自分事で動く社員を増やしていかなくてはなりません。

そんな中、今週も女性社員が産休に入り、その後、育休と長い休みに入ったり、折角、自分の役割を見つけ、イキイキと仕事してくれていた女性デザイナーも結婚で関東に行かなくてはならないと、年内で退職する事になり、又考えさせられる事になりました。

当たり前ですが、女性にとっては勿論、その家族にとっても大きなライフイベントですから、喜ばしい事です。
しかし、人数が少ない中小企業では、なかなか長期間勤続とならない女性の雇用というのは大変難しい問題で、働き方の変革を唱えて、一人一人が豊かな働き方をする社会を目指している我々でも、頭を痛める問題です。

その様な中、’女性活躍’という制度だけ導入しても、有効なのは一部の大企業だけで、殆どの中小企業では、却って変な軋轢を生む事になり、結果的にそのしわ寄せは女性に行ってしまうのです。

会社に行かないとできない働き方や、仕事、それで作られた仕組の中では、他地域に移るだけで勤められなくなるし、育児や、介護で長く働けないとなった途端、仕事を辞めなくてはならなくなってしまいます。

その働き方を変えていく事、中小企業に勤めていても、ライフイベントに合わせて、働き場所を変えていける様な社会全体での仕組を作っていかなくてはなりません。

今期から、そんな構築、仕掛けを目指して動いて行こうと思っていますが、まずは私自身が何処に居ても良い状態を作る事、それには、インフラ的な仕組だけでなく、同時に、私が居なくても、自主的に経営感覚を持って運営する社員の成長が必要です。

今期はそんな狙いも含めて、あちこちに出掛けていきたいと思います。

私自身が毎週、何処に居るかも分からない、でも何処に居ても仕事をしている。

そんな状態が、私自身の理想の姿と、ウエダ本社で目指すべき社会の重なったところです。












2016年8月28日日曜日

最も美しい村(過疎)を巡って想うこと


先週から行なってきた社員との面談を水曜日で終え、木曜からは北海道に行っておりました。

と言っても休暇ではなく、勉強会に絡めてのものでしたが、私にとっては気分転換も含めて有意義な時間でした。

勉強会のメンバーでもあるカルビー元会長が、”日本で最も美しい村連合”の日本での提唱者である為、その登録地で開催される事が多く、今回も北海道の鶴居村という所で行われたのですが、どうせ道東に行くなら、と、8年前に御世話になった清里町に、レンタカーで一人で行ってきました。

全国に広がる移住計画ですが、その走りとも言える、”ちょっと暮らし”というプロジェクトや、住んでみたい北海道推進会議というものが以前からあり、そこからのお声掛けで8年前に家族で2週間、モデルとして清里町に滞在した事があったのです。

その頃には全く考えていなかったのですが、この清里町での経験は、現在の展開、考え方に大きく関わっているのです。

テレワークを絡めて、お父さんさえ仕事ができれば、北海道の自然豊かな環境は子供達にとって良いでしょう?という総務省×テレワーク協会のモデルは、その頃ADSL回線しかなかったそのエリアでは早すぎましたが、今正に、のコンセプトでした。

”行きたいけど、流石に二週間も会社空けられないので、一週間になりませんか?”と交渉しましたが、”一週間では旅行で、”ちょっと暮らし”というからには最低二週間は来てもらわないと、という担当者との話で、結局、お盆を絡めて二週間行くという事になったのですが、二週間となると生活をする感覚になり、その土地の素材や、当時の町長が、”無名な事が清里町の魅力だ”と言われる通り、観光で踏み荒らされていない自然の贅沢さを体感させて頂きました。


その経験があったので、この勉強会で美しい村(過疎)に行くと、”無いものは無い”という海士町を始め、それぞれの前向きな過疎地域の取り組みが、しっくり理解できましたし、実はそれが、今のリノベーションにも繋がっており、オフィスに向けての考え方にも影響しているのです。

誤解を招くかも知れませんが、障がい者雇用や女性活躍支援と騒いでいますが、それは特別なものではないと思います。

地方、過疎地域、中小企業、斜陽産業、一流大学卒以外の学歴、これらも基本的に同じで、弱者の論理で考えていかなくてはなりません。

しかし世の中は、強者の論理で動いていたり、分かる筈が無い弱者の事を強者の頭で考えているのです。
そして弱者も、強者の論理の教育を受け、身の程を考えず強者と同じ価値観で行いたがるのです。

前向きな過疎地域や、何故こんな所で営業できているの?という店は、弱者の論理を通しており、物も技術も持たない我々の様な中小企業も、そこを参考にすべきであり、ウエダ本社としてはそんな展開を図っているのです。

勉強会の翌日は朝一の飛行機で千歳に移動し、そこで又レンタカーを借りて、札幌と洞爺湖に行きました。

洞爺湖は、以前から話には聞いていて、”大地の花咲き”というドキュメンタリー映画にもなった佐々木ファームさんにお邪魔するのが目的でした。

14町(東京ドーム3個分)にも及ぶ広大な畑で、80種にも及ぶ多品種で完全無農薬農業を行なっておられる成功例などまず無いと思いますが、その想い、夢、今の展開などをお聞かせ頂き、思わず、協力させて下さい!と言ってしまう方に、又、会っちゃいました。

ホント何処へ行くんだろう?と思われそうですが、一人の時間も沢山取れて、今回は、自分では結構、考え纏められたと思っています(笑)

ここの所、ずっと停滞気味でしたが、再度、弱者の論理で貫いて、改めて挑戦していきたいと思います!


2016年8月21日日曜日

社員面談の位置づけ

盆明けの今週は、社員面談でした。

当社は8月が決算の為、今期の振り返りと、来期の目標、役割の摺り合わせを行うのですが、この間にも、外部の会議や、夜の会合などもあり、朝から夜までスケジュールがビッシリとなるのですが、私にとっては最も重要な仕事の一つであり、今回はそれがより重要なものになっています。

と言うのも今週には、一昨年まで専務を務めて頂き、今期は顧問として残って頂いていた方が勇退されるという大きな出来事もありました。

「事務機のウエダ」 京都では法人関係の方には、その様に認知して頂いて来た当社も、現在では、オフィスの移転、新築などでの空間設計、工事などの数字の方が大きくなっているのですが、元々はゼネコン、工務店さんの下請けで、オフィス内の工事を行っていた子会社と一緒にし、レイアウトから工事までを行うという特徴を一般企業(我々の業界で言う、直ユーザー)に向けて転換してきたのも、この方のノウハウと現場力があったからでした。

今でも、当社の代表例とも言える、ISFネットさんの青山一丁目のオフィスビルを全面的に行わせて頂く事になったのも、別件で来られた渡邉代表が、当社の考え方を気に入って頂き、帰り道に電話で、今、この様な計画があり、業者も決めかけているが、値段も含めて、その電話口でできるかどうかの即答を求められ、3分の1はハッタリで答えて、結果、当社がその仕事を受注させてもらえたのも、この方の存在があったからでした。

又、組織体制面でも、平均が30代のリーダー達で、特に厳しさという面において、しっかりやっていけるのか?最後まで心配して頂いていました。


ただ、これは急に起こった話でもなく、数年前から分っていた事でもあり、もっと言えば、この問題は、団塊の世代を中心に、今の日本の姿を作り上げて来られた方々が抜けてどうする?という、日本全体に共通した課題であると思います。

それだけにそれぞれが、目的、意志を持って、会社やチームと摺り合わせていく事が、より重要であり、そういう意味においても今回の社員面談は、私にとって、いつもにも増しての優先事項でした。

折しも、日本勢の活躍が続く、リオオリンピックでは、100メートルリレーで、日本がアメリカに勝つというとんでもない事が起こりました。

体力的に劣勢な日本人にとって、最も困難と言っても過言ではない100メートル走という競技でも、チームで団結すれば、能力が圧倒的上のチームにも勝てるのだという事を、まざまざと見せて頂いたのです。

個人では四人ともが決勝に進んでいないチームが、バトンを渡すという繋ぎの部分と、それぞれの役割を最大限に発揮すると、個人で素晴らしい能力を持った人を集めたチームにすら勝てるという事を見せて頂いたのは、日本人の特性と、特に、強いリーダーや、スキルを持った人が少なくなっていく日本において、大きな視座を与えてもらったのではないかと思います。

我々ウエダ本社でも、スキル、ノウハウを持ったベテランが抜けていかれた中、皆が自分の役割をしっかり認識し、周りの人と繋いでメダルを目指していきたいと思います。

その為にも、まだ面談は続きます。

2016年8月13日土曜日

”道”を極める

連日、日本人選手の活躍もあって、オリンピックも大変盛り上がっています。

そんな中、体操で金メダルを取った内村選手への質問に対しての、2位のオレグベルニャエフ選手、3位マックスウィットロック選手のコメントには沢山の方が取り上げておられると思いますが、感動もしましたし、色々学びがありました。

それまでの5種目で大きくリードしていたオレグベルニャエフ選手に対して、内村選手は最終種目の鉄棒で完璧な演技をし、終わってみれば0.1ポイント差の逆転となったのですから、オレグベルニャエフ選手の立場であれば、あの採点はおかしいと言っていても良さそうな所、そこに水を向けた記者に対して、内村選手の凄さを説明し、無駄な質問と切って捨てたのです。

そして3位のマックスウィットロック選手までもが同様に称えたのですから、三人のそれぞれの人間力に一流を感じました。

プロゴルファーのタイガーウッズ選手が、優勝を争っている相手のパットを”入れ!”と願うという有名な話もありますが、これも相手のミスを期待するのではなく、相手がどうであろうと、自分が入れて勝つという強いメンタルを維持する為のもので、この感覚が一流の証だとも思いますが、オレグ選手のコメントにも同様のものを感じました。

又、内村選手は、ライバル選手が尊敬する程、常に素晴らしいパフォーマンスを見せているので、この微妙な判定がどうだとかというレベルを超えた存在となっているのだと思いますし、こちらも先日メジャーリーグで3000本安打を達成した際の、大物選手達から称賛されていたイチロー選手の姿と重なりました。

とかく我々は、負けた理由や、失敗した理由を見つけて正当化したくなるものですし、”あいつはいいよな~、えこ贔屓してもらって、などと言って、自分を慰めてしまいます。

又、なかなか自分の実績を分かってくれない周りに対して、自分がやった!と誇示したくなったり、言う事を聞いてくれない部下などに対して、力で言う事を聞いてもらおうとしてしまいがちです。

でも、あいつはいいよな~などと思っている間は、とても一流にはなれないし、ひょっとすれば勝っていたかも知れない相手が、負けを認めてしまうくらい、圧倒的な差や、人間的にも尊敬を得られる様になりたいなあと感じました。

スポーツだけでなく職人技など、一つの事を突き詰めていくと人間も磨かれ、何故これだけ立派になるのだろうと感心させられる人がいますが、道を極めると精神修行されていき、人格も磨き上げられていくのだと思いますし、それが、”〜道”というものなのだと思います。

経営を行っていくのが一番の修行になると、稲盛さんはよく仰いますが、そこまで極めているか、研ぎ澄ましているかと言われると、全然できてないですね。

他人を利用してうまくやっている人を見ると、ずるい方が得する世の中なのか?と思ってしまったり、あの業界や、あの規模や、あの位置があれば、自分も色々できるのになあと妬ましく思ってしまう事も、正直言えばまだあります。

超一流のアスリート達の人間的な格好良さに少しでも近づいていける様、社長業で修行を重ねて、”道''を極めていきたいと思います。





2016年8月7日日曜日

お・も・て・な・しの語源

リオオリンピックが始まりました。

絶対間に合わないと懸念されていましたが、表面上はトラブルも無く、見事な開会式も行われていました。

悲観的なのか、減点主義的なのか、良い面では、きっちりしている、細部まで拘る、という性質からか、日本人の感覚ではあり得ない、出来っこない話が、実際はできてしまう光景を見ると、色々と考えさせられてしまいます。

細かな問題はあれど、それ以上のパフォーマンスを上げれば隠れてしまう、やりゃいいじゃない?という南米的なのか、大陸的なのか、そんな感覚があるではないか?と思います。

次回のホスト側の知事として、土壇場でバタバタとした都知事選も終わり、結果的には初の女性都知事が誕生しました。

その都知事にも相変わらず、ファーストクラスで行くのか?スイートルームに泊まるのか?と下らない質問や、それを取り上げ議論するテレビなど、全体を見る事や、論理的に整理して考えるという事が、日本人はいつからこんなに苦手になったのかと思います。

私個人は、貧乏性にできているのと、社長だからという特別扱いが嫌いなので、基本的には新幹線でも普通車、海外出張もエコノミーで行っていますし、会社に来る社長宛ての贈り物も、それらはウエダ本社の社長に贈られる物で岡村個人の物ではないからと、社員に全て分けています。

しかし、一般的には、TOPは成果を上げる事が仕事なので、ファーストクラスやスイートルームでも、その環境だからそできる仕事であるなら、堂々と取ればいいいと思います。

その問題と、前知事の様に、家族の食事や旅行に当てていたという問題は全く別で、それをごっちゃに論議する事が馬鹿馬鹿しく、見識のある方でも平気で、あんな少額で問題にするのはおかしいと言っている人もいたりします。

又、片側で揚げ足取りの様な感覚があるかと思いきや、当初7000億強の東京オリンピックの予算が、2兆とも3兆ともに膨れ上がっているとの話ですから、きっちり細部に拘りながら、全体は結果次第という、バランス感覚のはちゃめちゃさに呆れるばかりです。

これはグランドデザインが描けず、強いリーダーシップも無いまま、問題に蓋をしながら、細かく真面目に仕事を行なっていった結果で、日本人の典型的な悪い例だと思います。

我々の会社でも、似たような話はよくありますので偉そうには言えませんが、日本人の真面目さを生かす為にも、しっかりとしたグランドデザインが必要で、それに基づいた論議をしていかなくてはなりません。

お・も・て・な・しは、東京開催が決定した際、海外でも有名になりましたが、おもてなしとホスピタリティーの違いも考えてみると日本や、我々自身もやるべき事が見えて来ます。

おもてなしは、来られる客人を想定して、その人に喜んで頂く、最大限に満足を感じて頂こうとするものであり、しかもそれを主張せず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないというものです。

それに対してホスピタリティーの語源は、病院やホテルにも繋がるホスピスであるという事は知られていますが、ホスピスの語源には、見知らぬ者という事もあり、文化人類学では、部落の外からやって来た見知らぬ者を最大限に歓待する事であり、それは気前の良さで客人を恐縮させるという力の誇示なのだそうです。

そういう意味では、今回の開会式もホスピタリティーが高かったのかも知れません。

東京では、今の状況からでも、SELFLESS HOSPITALITY(無私のホスピタリティー)と訳された、”お・も・て・な・し”のオリンピック、パラリンピックを開催していかなくてはならないと思いますし、マスコミ、国民側も、下らない事を突いていくのではなく、”何をもって何を成すのか?”という、おもてなしの語源を考えていきたいものです。

そして、うちの会社も、見知らぬ人に向かうホスピタリティーではなく、想定したお客様に、SELFLESSに対応する、お・も・て・な・しを習得していきたいと思います。

2016年7月30日土曜日

塚越会長の野望と、堀場社長の本物観

例年は京都流議定書が終わった翌週は、少し気が抜けた感じがするのですが、今年はそんな間も無く、やる事満載、刺激も沢山あった週でした。

イベント明け翌日は、引き続き?のKYOCAで、京都府下の行政区の担当者が集まられる会議に出席し、KYOCAの取り組みをお話しさせて頂きました。

まだまだ理想には遠いですが、町づくりや地域活性という事で取り組まれる方々にとっては、面白く、かつ有意義だと捉えて頂く事が多く、2年を経過してまだこういう機会を頂けるのは、有り難い事です。

翌火曜日はクオリア朝食会で、堀場社長のお話しをお聞かせ頂きましたが、先日の塚越会長とは、展開も取り扱いも全く違いながら、やはり常に人財をベースにした経営スタイルのお話は、
精密機械の製造でグローバル企業の現役経営者という、一見、数字と効率化のみを追求する様な存在だけに、改めて人をベースにした経営と、それを目指す会社を増やしていく必要性に確信を持つ事ができました。

そのお話しの一端は、

・京都企業は、その分野での日本一、世界一を目指すので、他所の真似をしないが、東京中心の
 売上、利益を評価する経済では、規模が価値だから皆が真似をし、それが魅力を無くしている。

・商売は本物に拘らないといけない、そしてその本物は、商品ではなく人財である。
 商品は陳腐化するが、本物の人を育てて行く事は直ぐにできる事ではなく、それが人財となる。

・会社はマニュアル化できない事が8割で、それを伝承していくには人財を継続的に採用していかなくてはならない。

・原発後の福島に放射能測定器の寄付なども行ったが、そういう事をセールスプロモーションに使ってはいけない、企業としての本物は、格好いい企業、しかしそれには我慢が必要。

などなど他にも沢山ありますが、加えて他に具体的な人事の方針などもお聞かせ頂く事ができ、実践して来られ、実績も残して来られた堀場社長のお話を、直接聞かせて頂ける勉強会など他にはないと思いますし、それこそ、京都の会社で良かったと、京都の価値を感じました。

それぞれの企業、業種で適正サイズがあり、京都という土地は、規模ではなく、ベンチャーであっても本物であれば、それをサポートする風土があるという事で、堀場社長にしても、厳密に言えば、会長兼社長という存在であり、大変お忙しい中、この様な時間を取って頂くのも、本物を見る京都の感覚を残していかないといけないという想いからだと思います。

数値化、標準化というものは、ある意味、TOPや指導者からすれば便利なもので、こちらの見る目や引き出す能力がなくても、判断できたり、オペレーションができるものです。

今年の京都流議定書でも全体テーマを”生かす”としたのは、勿論、主な意味では”活かす”で、それぞれの力を活かす町、企業、オフィス、働き方というものですが、そういう事、感覚が、イカス=格好いい、というメッセージも込めていたので、あえて、常用漢字の”生かす”としていたのですが、堀場社長のお話は、正にそんなズバリのお話でした。

京都フォーラムでご登壇頂いた塚越会長は、講演時にも仰っていましたが、舞台裏や、その後の食事の席でも、トヨタさんのお話を嬉しそうに話されていました。

今、塚越会長の元にトヨタの役員、子会社社長の方々が代わる代わる教えを請う為に訪問されているのですが、それこそ、規模で最大、数字を追いかけて来たTOPの企業が、日本を代表する”本物”の企業に変貌を遂げて頂けると、日本にとってもこれからの世界に取っても明るい道筋が見えてくる様に思います。

それが塚越会長がここ数年口にされる様になった”野望”であり、堀場社長の言われる”本物”の追求なのだと思います。

まだ京都流議定書が終わった翌週という事でお許し頂き、それらの話に乗っからせて頂くと、京都流議定書は、京都が偉いという話ではなく、京都に残る、その本物観、それはそもそもは日本の強みであり、そこを再認識して、発信していこうというもので、全く同じ事だと思います。

堀場製作所さんというのは、排ガス計測器など、自動車業界では圧倒的シェアをお持ちの会社ですから、こちらからもトヨタさんに”本物”攻めをしてもらえると、日本も早く転換できるかもしれません。

大きな、そして明るい夢ですね。


2016年7月24日日曜日

京都流議定書での年輪経営

第9回の京都流議定書も無事終了しました!

今年は例年のハイアットリージェンシーさんが取れず、それならと、鉄道博物館オープン後の近隣の様子もご覧頂いておこうという事もあり、KYOCAで開催を致しました。

9回目という事や、会場もKYOCAで、収容できる人数も少ないので、私自身、油断?もあって、準備がしっかりできていなかったのですが、結果としては、素晴らしい出演者の方々と、年々成長しているスタッフの現場力のお蔭で、無事に終了する事ができました。

三日間の中で、唯一有料であった京都フォーラムでは、30分の間に、一旦、皆さんにご退出頂き、お金の授受も含めた受付を行い、並んで頂くスペース、お待ち頂くスペースも無い中、会場の机、椅子を入れ替えながら対応しなければならないという、難しい対応が求められました。

しかもこの枠が、県外での講演はこれが最後と言われる、伊那食品の塚越会長でしたので、定員を大幅オーバした参加者が一気に集まり、動線がどうなるか?という状況でしたが、結果的にはクレームも無く、本当にスタッフが頼もしく思えました。
(来場者の皆様のご理解で、クレームになっていないという面はあると思いますが)

塚越会長からも、”社員さんが素晴らしいね~、社員さんの様子を見て、岡村さんを見直したよ”と言って頂いたのですが、塚越会長から社員を褒めて頂くなど、我々にとっては勲章を頂いた様なものでした。

その塚越会長のご講演と、その後、又、会長と社員さんの信頼関係の様子を、画が浮かぶ様に話される大久保さんのコーディネートで、会場全体が、やられた〜という空気感となっていました。

初日は他に、ミライロの垣内さん、こどもみらい探求社の小笠原さん、ルクロの黒岩さんに、門川京都市長と、ある社長さん曰く”半日でこれだけの方が並ぶセミナーなどあり得ない”贅沢な半日でした。

二日目は、午前中は恒例のブロックス西川社長によるワールドカフェを、理念浸透について、100名程で盛り上がった後、午後は、今年の特長でもあった、工繊大の仲先生による、イノベーションを生みだす為のオフィスデザインの考え方、クラウドワークスの吉田社長の、スキルをクラウド化する事による働き方の変革、最後には、女性みらい対談と、実際、働く環境の課題をテーマにした展開でした。

三日目は午前、ソーシャルイノベーション研究所、午後はミラツクのセッションでしたが、例年はソーシャルセクターが集まる日であるのが、今年は、経済同友会を中心に混じり合い、これも今までに無いものでした。

今回は、私自身の油断もありながら、見事に皆がカバーしてくれ、今までで一番見事なパフォーマンスで、心地良い疲労感で終える事ができました。

改めて、京都流議定書というのは、毎日が全く違うノリ、雰囲気で作られ、それぞれが素晴らしく、しかし一本の理念で横串が刺さっており、しかもそれを全て社員だけで手作りで運営しているという、他には絶対にできないイベントだと思いました。

残念なのは、まだまだ私含めて、それを訴求できず、単発での参加が多いところです。

今回も沢山の気づきがありましたが、塚越会長の仰っていた、会社の成長は、一人一人の人間的成長の総和という事を肝に銘じ、また来年に向けて、総和を上げていきたいと思います。

明らかに総和としては成長してくれている皆にも報いられる様に、社員の為にどうあるべきかはブレる事なく、年輪を重ねて、来年は、京都流議定書も10年の年輪を刻みたいと思います。


2016年7月16日土曜日

反省しきりの一週間

今週も東京、横浜へ、様々な目的の混ざった出張でした。

毎年恒例の盛和塾世界大会が横浜で二日間に渡って開催され、本来はそれにべったりと行く予定だったのですが、ビックサイトでオフィス関連の展示会が行われており、働き方変革EXPOと題したものもあると、どうしても行かないわけにはいかず、世界大会初日は欠席してビックサイトに行きました。

働き方変革の主なものは、文書の電子化とWEB会議、それを行う事によっての在宅を含めたオフィスに縛られない働き方、福利厚生を充実させる為のオフィス内設置のカフェや食関係のサービスという所でしたが、サービスについては、クラウド、シェアという感覚で、面白いアイデアのものもあり、ビジネスアイデアについては柔軟な発想をしているつもりが、全然硬直化している自分に気づきました。

二日目だけの参加となった盛和塾では、毎年ながら凄い経営者の発表を聞いて反省しきりで、中でも創業7年、30代半ばで、既に上場スキームに入っているという社長の話を聞いては、小さくなるしかありませんでした。

その年代や創業年数で上場という成果の話ではなく、創業メンバーと袂を二つに分けた際、自分には、社員の4分の1程しか付いて来てくれなかった事から、それまで社員の事を考えていなかった事を反省し、社員とその家族の物心両面の幸福を追求するという事において、それこそ愚直に仕組化し、”社員さんはいつ自分の仕事をしているのだろう?”と思う程、たくさんのコミュニケーション、イベント、勉強(研修)がプログラム化され、社長の仕事は社内の関係性構築のみとも言ってもよい程の取り組みで、自分が一番になる事ばかり考えていた時には上らなかった業績が、本気で社員を家族と思って取り組んで以降、見る見る業績をUPしていかれている事を、数字と共に発表されたのでした。

塾長講話では、昨今、コンサルタントなどが、リーダーは口を出さず任せることが大事などと指導する事も多いが、それは、実際の経営をやった事が無い人が言う事で、特に中小零細という企業の場合には、社長は皆を何としても守るいう事が第一使命であり、社長が引っ張るしかないのだから、惑わされずに率先垂範で臨んでほしいというお話で、最近又、会合などで会社を空ける事が多くなっている自分を反省しておりました。

説明がつかないながら、会社価値向上の為に関わっていると胸を張って言える取り組みと、抜けられない、断れないという事で参加しているものもあり、まだまだそんなレベルの企業でもないのに、緩んでいたと感じました。

金曜日は東京で、公園遊具のメーカーの代理店会に出席しました。

今年100周年を迎えるこのメーカーの代理店会も、建築、土木という枠組みから変わっていこうとされている感じでしたが、考えてみれば、公園というのは、町や村や、その地域に住む人々にとって、一番のハブになるべきオープンなスペースですから、そこの発想を変えていく事は、地方創生にとっても、大変重要なポイントだと思います。

この会にも京都府では唯一の代理店として参加していながら、その存在を生かしきれておらず、ここでも又、発想が硬直化していた事に気づきました。

今週は、その他にお会いした方からも、自分のできていない事を気付かされる事ばかりで、何処に行っても反省ばかりの一週間でした。

もっともっと、自分や自社の役割を発揮して、日本の一般的なサラリーマンの働き方の変革とそれに向かう為の企業の考え方の変革と、人の繋がりが価値を生む場作りに、精魂を傾けたいと思います。

その為にも、様々な活動、付き合いの時間を、”動機善なりや私心なかりしか”、の目で、改めて見直したいと思います。

2016年7月10日日曜日

オフィスリニューアルの意味合い

今週は、ウエダ本社の強みが発揮された週でした。

現在、オフィスのリニューアルを行っておりますが、1週間だけの為にオフィスを作り変え、又元に戻すという作業を行なっておりました。

5、6階のリニューアルを行うに当たり、まず6階の営業フロアを空いている4階に仮設で移し、そこで月~金曜日まで営業し、その間、6階の床の張替、備品入れ替えなどを行い、4階から再び戻すのと共に5階メンバーも全て移り、月曜日からは6階で通常営業するという、離れ業?でした。

自社の自慢に聞こえるかも知れませんが、私自身は、至って不器用で何もできないので、いつもこの様な移設や、作業的な場面での、うちのメンバーの現場力を見ると、凄いなあ~と感心します。

今回のレイアウト変更は、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同研究してきたもので、数か月に渡り、ワークショップや、アンケート、動線調査などを行ない、オフィスや、働き方についての皆の意見、動向を吸い上げたものを形に表すというもので、今後、この様な展開を特に中小企業に広めていきたいと考えており、言わばそのモデルケースともするものですので、全て完了する8月末以降は、ドンドンご覧頂いたり、お越し頂く機会も作っていきますので、是非、ご活用頂きたいと思います。

そして、そんなオフィスに対しての考え方については、京都流議定書二日目の仲先生のご講演を是非お聴きください!http://kyotostyle.jp/

今後の企業がどうあるべきか?をオフィスというファシリティーを通して考えて頂けると思います。

又、我々が、何故、色々な事、それも一見、本業に関わりの無い様な事に関わっているのか?という事も何となく繋がってイメージして頂けると思いますので。

と言いつつも、うちのメンバー自身もまだまだ繋がっていない事が課題ですが。。


今週、皆が毎日の様に、移動作業などを行ってくれている間、私の方は、あるメーカーさんの感謝の集いと、その企業さんの周年記念を兼ねた会に出席の為、出張しておりました。

社長のお話、工場見学、懇親会と宿泊しての翌日は、全国から施工の職人さん達のコンテストの観戦と、二日間に渡っての会を全て、社員さんが手作りで作られた立派なものでした。

私はコンテストは見ずに別行動したのですが、コンテストを見た、うちのメンバーに感想を聞くと、結構ミスも多く、実際の現場でも、我々がカバーしていたり、そのフォローに相当な時間を取られていたりするとの事でした。

実はこの会社さんは、上場もされていて我々が偉そうに言えるレベルではないのですが、実際、私も腹に据えかねて、責任者に来てもらい、厳しく改善を求めた事があるほど、ミスが多かったのは事実で、私などは、今回の社長のお話や、工場の仕組と様子、会の運営と社員さんの姿勢を見て、改めていい会社だったのだ、と思ったほどでした。

そんな事を見ても、企業経営って本当に難しいものだと改めて感じます。

社長の考えや理念があり、それが落とし込まれる仕組み、それを行うスタッフの質(人間力)とベースになる技術力(現場力)それらがしっかり噛み合わないと、インプットとアウトプットが繋がらず、アウトカムが出ないのです。

又、難しいのは、賢い経営者であれば、短期的なアウトカムだけを作る事は可能なのですが、長期的に半ば永続的にとなると、この流れがビシッと繋がってないと無理だと思います。

という事を俯瞰して考えると、うちの会社は、唱えている事は、それなりに意味を持っていると思いますし、一部の現場力は有るとすると、それを形にしていく事、仕組化していく事が足らない所で、
現状は、それを構成できていない私(社長)の能力が足りていないのだと改めて思います。

という事で実は、今回のオフィスリニューアルは、その繋がっていない、唱えている想いと、現場力の間を繋いでいく為のものであり、唱えている事を見える化するものです。

現業もやりながら、これだけ短期間に移設も行い、その間に京都流議定書の準備もと、皆には大変負担がかかると思いますが、想いからのラインがしっかり、綺麗に並べば、インプットからアウトカムまで繋がる様になると思いますので、皆には頑張ってもらいたいと思います。

私は、自分の足らない能力を補填していく事に努めますが、それと同時に、能力補填して頂ける方は、是非ともリニューアルされたウエダ本社にもご参集下さい!






2016年7月2日土曜日

人の価値は?

今週は、又、親バカな話となります。

と言っても、私の息子ではなく、同年代の新入社員の話ですが、一応、新入社員でも試用期間というものが設けられていて、今週で晴れて正社員となりました。

皆それぞれのキャラクターを発揮し、新鮮な刺激を与えてくれています。

高卒で入社し、まだ未成年のU君は、初めの印象はコミュニケーションが不得意な様に見えるのですが、話し出すと大変しっかりしています。
まず状況をしっかり説明し、どの様に感じたかを説明するのですが、素晴らしいのは、だからこの様にしようと思う、と、対策まで必ず話します。

周りの先輩たちも口を揃えて、U君は真っ白で何を言っても直ぐに吸収してくれるというのですが、ご両親からも怒られた事が無いというのに、会社で怒られたりしたら嫌にならないのか?と聞いても、”怒ってもらうのは、自分の事を思っての事だと分るので有り難いし、少しでもできる様にしようと思う”と、泣かせるセリフを言うのです。
そんな姿勢で吸収して来た彼は、悪気無くやっていた覇気なく見える姿も、他人からそう見えるのは良くないからと、積極的に声も出す様にしていたり、最初は関係ない仕事も面倒臭かったが、まだ仕事ができない間は、そういう事で役に立つ様にとのアドバイスから、率先してやる様になったとの事で、質問を続けて行っても全てに見事な答えが返ってくるので、思わず、笑ってしまいます。

もう一名の高卒新入社員のK君は、施工や納品等の現場が楽しいと、一日作業で体がクタクタでも、”楽しかった”とニコニコして帰って来るので、これ又、その感覚は希少価値で大きな資産だと本人にも言っています。

又、これだけ高卒が素晴らしいと、普通の大卒だと逆に埋もれてしまうとも思いますが、N君は、新卒募集してない中、うちの会社を志望して来てくれただけに、それらも良い刺激として捉え、自分の方向付けに役立てています。

内務の女性社員も、本来は苦手な電話も、失敗が許される間に克服しようと積極的に出てくれていましたが、そんな姿勢なので、他の仕事の吸収も早いそうです。

以前から私は、それも何の為に?と思われるのですが、教育問題にも色々と関わって来ました。
それは、一言で言えば偏差値教育とその評価への反発ですが、ウエダ本社で向かう、人を活かして運営していく企業、組織を増やす事にも合致するからで、今年の採用と、現在の姿は、ずっと思って来た事を、皆が証明してくれてる様で、大変嬉しく思います。

今年の京都流議定書二日目は、そんな組織風土、理念、オフィス、仕事、働き方、等についてのヒント満載です。

この日の午前中は、素晴らしい会社を長年、映像で追いかけて来られたブロックスさんですが、うちの新入社員のこの三カ月の成長ぶりを、ドキュメントで追いかけて欲しかったものです。

当たり前で、人の価値は、偏差値や、知識、だけでは決まりません。

能力は未来進行形で考える」

考え方、取り組み方が、その後を変えていく一番重要な資産だと思います。