2017年2月26日日曜日

良い会社の概念を変えること

今週は又、色々な意味で”良い会社”というものを考えるケースが多くありました。

京都ではデザインウイーク京都というものが開催されており、伝統の技術を持っている会社がオープンファクトリーとして普段は見る事ができない工房、工場を一般の人に見せるという事が行われておりました。

私も経済同友会の委員会でこれに参加しましたが、伝統工芸の宝庫と言われる仏壇、仏具製造の小堀さんではその技術も素晴らしいのですが、幼少の頃には人が亡くなって儲かる仕事と揶揄されて嫌だった家業が、ある時、身内を亡くされた方々にとって、心の拠り所になる事に気づかれた小堀社長が、その後このビジネスの人に対しての重要さ、社会に対してやるべき事などを意識されて展開されているお話には、短時間でしたが心打たれました。

その後訪れた本藍染雅職工房さんでは、100日かけて藍葉を発酵させた染料を、灰汁や日本酒などと共に発酵させた液の中で何度も染め上げたり、沢山の工程で大変な時間をかけて行われている事を目の当たりにし、その想い、使命感に感服しました。

一つ一つは、単純作業に見えたり、過酷な労働に見えたりするのですが、どれか一つ途切れても途絶えてしまう可能性のある重要な工程と意識されていたり、最終製品の素晴らしさが共有されているからなのだと思いますが、これぞソーシャルビジネスというか、仕事や会社というものの在り方を考えさせられました。

今週は京大のこころの未来研究センターさんとの研究の途中経過や、ご紹介頂いた松山大学の東渕先生が研究して来られた良い会社診断システムについてのお話も伺いました。

良い会社を、「社員を大切にし、社員と会社がともに成長する会社」と東渕先生が定義されて作られた診断システムは、成長を規模の成長だけを意味するものではなく、質の成長を意味している所、それを指標化していこうとする所が興味深いものになっています。

規模だけで言えば、上記の様な職人さんの技や、その技術、意義を守ろうとする会社は評価されず、効率だけを考え、業績という数字を残す事だけに追われる会社を評価する事になってしまいます。

仕入れ先や下請けなど関連先を叩きまくって成績を上げる会社が、それでも厳しくなると、社員に手をつけるというか、正社員だとそういうわけにいかないので、非正規雇用で自社の都合次第で、増減が簡単にできるという、人を物や機械として扱う様になるのです。

それで、規模が大きく業績が素晴らしい会社を良い会社と言えるでしょうか?


何か虚しい気がします。

今週はロータリーでの会員スピーチや、地域FMでのインタビューなどで自分を振り返る機会もありましたので、余計に社会に対して意義ある会社でありたいし、そこに自分の役割、命を使って行きたいと考えていました。

週末は毎年恒例の富士XEROX社の年間表彰式がありました。

最近は毎年大手企業の特約店が増えていき、うちの会社のコピービジネスの停滞感もあり、単純に売上での順位は後退するばかりで焦りも感じますが、そこはしっかりと自社の意義に向かい、質の成長を目指して行きたいと思います。

昨今、かなり華やかで狙った様なソーシャルビジネスではなく、使命感から繋がった老舗企業の様な、正にソーシャルな企業、日本において残さないといけない企業をしっかりと評価して、
皆が応援する環境を作っていきたいものです。

我々も、会社も社員も質の成長をしながら、結果として、量を追いかける富士XEROXの表彰でも盛り返していく事で、良い会社の概念を変えていきたいと思います。











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