2008年2月10日日曜日

ウエダ再興記(24)~ もう一つの倒産との分岐点

業績が悪い事と倒産する事は100%一致しません。

業績が悪くても銀行が援助し続ければ倒産はしませんし、逆に世の中には黒字倒産ということは頻繁にあります。
それだけに銀行取引は神経を使うことでしょうし、多くの場合、銀行には皆かなり気を使っている感じがします。

私は、ウエダに来て再建に関わる全ての事に対してそうでしたし、それ以降も何かを行う際には、通常の商売ではどうか?をシンプルに考える様にしています。
京セラの稲盛氏の表現で言えば、”何事も原理原則に従って考える”という事です。

ウエダに入るまで、銀行との本格的な取引というのは全く経験をしたことがありませんでしたが、銀行だから特別という考えを持たず、通常の取引先として考えました。

私が入って来るまで(この頃は都市銀行9行の時代でした)ウエダの銀行取引は、大手都市銀行のD銀行がメイン、地銀がサブの二行取引でした。

私は当初から、ウエダの規模で何を偉そうに都市銀行メインでやっているのだという事と、同時に、これから大改革を行うのに、2年毎に支店長が変わっていく様な都市銀行が、長い目で見た再建を理解してくれるわけがないとも思いましたので、先方から言われていない時期に、こちらからこの都市銀行を外そうと考えました。

実はこの点も、倒産を防いだ大きなポイントだと思います。
というのも、この都銀は、後に他の都銀との合併をする事になるのですが、その過程では相当ひどい切捨てもあった様ですので、もし、この合併の動きがあってから、うちがリストラを行なう様になっていれば、まず、メインからの支援を得られず、倒産に追い込まれていたのではないかと思います。

又、このメインの都銀がリストラ計画を理解してくれないからと、リストラを行なう手が遅くなれば、その分確実に倒産に向かうわけですから、この銀行取引の変更は、後から考えると、本当に良いタイミングであったと思います。

私は、サブであった地銀の営業本部長の所に行き、大リストラ(再構築)を行う事、
その為には、都銀では親身になってくれないであろうから、今までサブであったその地銀にメインになって欲しい旨を説明し、本部長からは、大いに賛成で、援助しますとの心強い言葉を得ました。

しかしそれだけでは、一行取引になり危険である為、新たに信金をサブに入れる事にし、地銀メイン、信金サブの体制を取り、安心して、大手都銀との取引を止める方向で話を進めていく事になるのでした。

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