2019年3月11日月曜日

"ムダ”の定義と良い会社デザイナー

今週金曜日には、三週間インターンで受け入れていた京都芸術デザイン専門学校の学生さんのプレゼンがありました。
今やインターンというのを、ほぼ採用活動の一環として利用している企業も多いですが、我々は一切関係なく、ハッキリ言えば学生さんや送り先の学校や企業への協力で受けているケースが殆どですが、今回は、デザイナー志望の学生4名という事で、これは我々も仕事的に助かるかも?と受け入れました。
ところがそんな下心?を持ったのが甘かったのですが、デザイナー志望と言っても、コミックイラストコースの学生さんで、うちの業務とはほぼ関連性がなく、しかもコミュニケーションが苦手で、このメンバーも同じクラスなのに、殆ど話した事が無いと本人達も言っている様な状態で、主に関わったこちらの担当者が、当初かなり負荷がかかり、精神的にも落ち込む状態になっていました。
それでも一所懸命にやってくれていたのと、気にかけて関わってくれているメンバーもいたので、私は全く関わっていなかったのですが、最終日のプレゼンを見て、というより彼らの発言内容を聞いて、あまりの成長ぶりに感激しました。
コミュニケーションが苦手だと言う彼らが、この三週間で学んだ事として口々に言っていたのは、”挨拶が大事”という事と、”報・連・相の重要性や意味”についてであり、”デザインをやるにしても、一緒に仕事をする人や、お客さんの意図をくみ取ってそれをデザインしないといけないので、ヒアリング能力が大事と気づいた”という事を、ハッキリ言えばプレゼンとしては決してうまくはないながら、それだけに自分で感じた事を自分の言葉で言ってくれているのがよく分かり、感激したのでした。
彼らは毎朝、フロアで挨拶するだけでなく、一人ひとりの所に言って挨拶してくれていたのですが、うちのスタッフがその指導をしてくれていたのが、それをたった三週間で、その意味までを自ら気づいたのですから凄いのと共に、彼らにそんな気付きを与えてくれたスタッフ達には、完全に負けました。

ウエダ本社が一見、”ムダ”な事を何故行っているのか?はよく話をする所ですが、そもそも我々はこの”ムダ”への反発で展開している面があります。
自社の採用に繋げるわけでもないのにインターンを受け入れ、しかも、2月~3月と言えば、年間で最も忙しい時期に、業務外の負荷がかかるという、効率性を追求する企業からすれば、全く”ムダ”としか言えない様な事だと思いますが、考えないといけないのは″ムダ”の定義です。
”ムダ”を定義づけるには、”目的”をハッキリしないと、それによって”ムダ”は変わります。
別にトヨタさんが決めた”ムダ”がどの企業にとってもの”ムダ”とは限らないし、少なくとも我々の考える”ムダ”とは違います。
勿論、”ムリ””ムラ”だらけの会社ですから、改善すべき”ムダ”は沢山ありますが、我々の目的が、オフィスの設計やコピー機などの販売であれば、こんな事は”ムダ”以外の何物でもないし、こんな事に、業務を放ったらかしにして取り組むなど、意味分からないどころかやってはいけない事でしょう。
ただ、ウエダ本社の目的は、オフィスや備品というハードを提供するのではなく、働き方をデザインし、良い会社をデザインする事であり、それらは全て”人を活かす”事をベースにして行っていくので、今回のインターンでも”ムダ”ではなく、良い経験をさせて頂いているのです。
と言っても、私は言っているだけなので、スタッフからは”気楽でいいよな”と思われてると思いますが、ウエダ本社としての目的のすり合わせを、まだまだやっていきたいと思いますし、オフィスやインテリアデザイナーではなく、皆が”良い会社デザイナー”となってもらう事を目指していきたいと思います。
とは言え、時間も限りがありますので、これを見られた学校関係者や某金庫の方(笑)、いつも受け入れられるわけではありませんので、その点はどうぞご了承下さい。

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