2016年10月29日土曜日

May I help you? のスタンス

今週は、ユニバーサルマナー検定と、知恵の場で、色々学ばせて頂きました。


社員と共に受講したユニバーサルマナー検定は、今年の京都流議定書にも登壇頂いたミライロの垣内さんが作られたものですが、ユニバーサルマナーとは、”自分とは違う誰かの事を思いやり、適切な理解の下、行動する事”というもので、特に障がい者向けのものではなく、全ての人がその様に対応できれば、素晴らしい世界になるというものです。

聞いてはいたのですが、改めて受講すると、目から鱗の話も多く、当社でも是非、全員に受講させたいと思うものでした。

左利きの人は全体の約10%らしいですが、障がい者は6%と、それだけを見ても障がい者は特別な存在ではなく、障がいは人にあるのではなく、その環境にあるのだという話は、腑に落ちました。

それだけに、ハードも重要だがハートを変える事と、他を思いやる行動や環境を作っていこうとしておられるのです。

その中で日本は、”無関心か過剰か”の、おしい現状であるというお話も、うちの会社でも、あるなあ~という、現在の日本人の距離感を感じました。

あくまで善意で、喜々として”やってあげる”人も、よく見かけますが、そもそも”やってあげている”と思っている時点で、キツイ言い方をすれば、善い事を行っているという自分スタンスで、相手の立場には立てていないと思います。

仕事でも、どんな人間関係でも、うまくいかない原因の多くは、この、やってあげてるのに~という過剰なところと、やってくれない、もしくは、自分の領域以外は関係ない、という自分スタンスから生まれているのではないでしょうか?

今週から始まった知恵の場の一回目のゲストは、新幹線の伝説のカリスマ販売員茂木久美子さんでした。

売上平均14万と言われる中、53万もの売上を記録されていたそうですが、当初は全く何をやってもダメという人だったそうです。

自分が売る事しか考えていなく、自分の店(販売カート)を見てくれているお客様しか見ていなかったのが、声を掛けられる存在になろうとした所から変わったとの事でした。

その後は、標準語でのマニュアル接客を止め、山形弁(山形新幹線)で、雑談接客を心がけ、徹底的にお客様の様子に注目する様にされたのです。

又同時に、お客様に向き合う時間を捻出する為に、一番時間をロスする、つり銭を渡す作業を神業的に短縮し、お客様の様子を見逃さない為に、1300名の販売員の内、数名しかできなかった、後ろ向きにカートを引っ張る販売法で、これも通常は3往復程しかできない所、7往復をして、お客様との関係性を高めたとの事でした。

正に、うちの会社でも、営業にずっと言っているポイントばかりでしたが、カート一台の販売で、それだけの工夫と、努力ができるのですから、こちらも営業全員に聴いてほしいお話でした。

障がいのある方と会った際、無関心か過剰か、の対応ではなく、まずはお手伝いできる事ありますか?という姿勢が重要だという事でしたが、販売でも我々の営業でも同様で、自分の商品を売りつけるのではなく、やはり、お役立ちできる事はないでしょうか?というのが、全ての基本だと思います。

利己、利他という話もよくありますが、人間関係においても、May I help you?というスタンスが、一番良い距離感ではないかと思います。

2016年10月22日土曜日

本物の要諦


今週は、ネタが多すぎて却ってブログに書くのが難しい状況です。

毎日、講演などでも沢山の人を集める様な方々がお越し頂いたり、個別にお会いしたり、時には、期待して頼み事をして頂いたり、”濃密”さを感じる事ができる時間を過ごさせて頂きました。

色々話したい事はありますが、やはり、我々の考え(ビジネス)に直結した話として、堀場製作所さんの滋賀工場の話は書かないわけにはいきません。

ずっと噂に聞いていましたが、今回はいつも勉強させて頂いているクオリアの会での訪問でしたので、恵まれた事に堀場社長の説明付きでした。

琵琶湖に面した10階建ての通称 E-HARBORは、今まで7~8割の生産が外部にあったものを、協力会社さんにも入ってもらい、一貫の生産ラインとされた事や、実車が持ち込まれた自動車開発試験ができる実験ラボなど、”ものづくり”においての効率性、技術力、総合力を進化させる設計となっていました。

しかし、それよりも私が驚いたのは、オフィスについての考え方でした。

よくある日本の工場は、オフィスなどについては、本社などよりも更に付属的なもので、お金はかけない所が殆どですが、ここでは、元々京都で勤務していた社員の方が、こちらに移る事になるので、皆が行きたがる工場にしないといけないと、徹底的に社員さんの立場を考えてお金もかけておられました。



ただ一点、社員さん達に強いておられるのは、10階建てでありながら移動は全て階段という事で、これは、堀場社長自ら本社で感じておられた事を元に、コミュニケーション、情報伝達を重視しての大きな仕掛けでした。

それだけに驚きは、全くオフィスについて指導した会社があるのではなく、全て社員で考えたとの事なのですが、オフィスにおいての必要な肝が全て押さえられているのです。

生産ラインの所は、トヨタの渡辺元社長には、駄目だしをいくつもされたとの事でしたが、私の推測では、トヨタさんは、もの作りについて、効率化という事においては世界TOPでしょうから、そこは進んでいるにしても、オフィスの所で、この様に人の心理やモチベーションまでを考えたものにはなっていないと思います。

という事からしても、人をベースとしながらのグローバルにも通ずる製造という点において、トータル面ではTOPの工場と言っても良いのではと思うほどでした。


そこには、精密機械を作っておられながら、機械だけでは差がつけられない、商品はそれを作る人々、伝票を発行する、梱包をするなど、関わる人々のトータルが商品力であると言われる堀場社長のお話しと、その通りの実践の姿を見せて頂くと、どこからどこまでも本物だな~とつくづく感じます。



今週は、サイボウズさんにも訪問させて頂きました。


働き方変革において、やはり本物を感じていたのですが、考えている方向が同じで、オフィスのコンセプトも全く同じでした(残念ながら、お金の掛け方の桁数が違いますが)が、その展開も頷く事ばかりでした。





今週も関わっている幅は大きかったのですが、木曜日の朝には、京都で限界集落の話、お金に頼らない新たなモデルについてのミーティングをしながら、夜には六本木ヒルズの52階展望台での夜中までのパーティーに参加していました。

折しも横では映画「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」のイベント開催でレニーゼルヴィガーとパトリックデンプシーが登場していましたが、このどちらもが今の日本の姿なのです。

そして過疎地域も一見華やかな人が密集している東京でも、人の繋がりを求めているのを感じますし、最近東京も大きく変わり出している様に感じます。

どんな産業も、どんな時代も地域も、人をベースに考えるのが本物を外さない要諦なのだと思います。

そう信じて、中小企業の働き方の変革を本物で取り組んでいきたいと思います。

2016年10月15日土曜日

東京三日間で感じた使命感

今週は、ブロックスさんの第17回日本を元気にするセミナーに参加してきました。

毎年、京都流議定書もご協力頂き、京都での試写交流会や知恵の場関西も一緒に運営させて頂いているブロックスさんの一番のイベントですから、そりゃ参加しないと!と行ってきましたが、実は三年振りでした。。

経産省でも、おもてなし企業やホワイト企業などを表彰する他、ソーシャルビジネスというものには大手まで、こぞって参入している時代ですが、17年も前から良い企業、利益のみを追求するのではなく、人や地域を大切に考える会社を追いかけ続けておられるのですから、この世界の老舗と言っても過言ではないと思います。

三年振りに参加すると、午前中の大久保寛司さんのセミナーも、百数十名の参加者の中、半分以上が初めて話を聞くという方だった様に、参加メンバーも変わっているというか、広がっている様に感じましたが、これだけでもブロックスさんの功績は大変大きいと思います。

そんな今年のテーマは「使命感」 

”良い会社オタク”と私は評していますが、西川さんらしいディープなテーマで、

バグジーの久保さんは、時間を何の為に使うのか?を考えている人が使命感を持っている。
使命感は限られた時間の使い方だとして、”人の喜びで生きていこう”と決めた所から現在に至るお話をされていたり、西精工の西さんも、”社員を幸せにする使命感”で展開しておられる事例をいくつも話され、考えさせられました。

使命感と責任感の違いは?という問いかけから、セッションはスタートしましたが、私自身、ディープな話で言えば、使命感での仕事をする事が生きる目的でもあるのに、まだ、命を使うという仕事にする事ができず、責任感でのオペレーションレベルの仕事しかできていない様に感じました。

大手広告代理店での自殺問題から、長時間労働がより問題視されていくと思いますが、長時間労働が問題ではなく、そうせざるを得なかったり、組織、人、社会、の価値観の方向づけが違っていっている所が問題なのですが、昨今の日本の風潮では、労働が悪いものとして、若い世代に植え付けられていく事が大変恐ろしくも感じます。

日本の自殺の特徴は50代の男性が多い事が世界でも異例な様ですが、これから想像できる事も長時間労働自体が問題というよりは、教育費、住宅ローン、会社での責任か、もしくはその反対にレールから外れたかの境遇など、想像しただけでも息苦しくなる構図が浮かびます。

今週は久しぶりに三日間東京に滞在し、色々な方とも会いました。

ある大手設計事務所にも訪問しましたが、その受付では、正に大手企業のスーツを来た方々が千客万来で賑わっていました。

我々も、オフィスにおいてですが、工事などを行っている立場からすれば、こんな大手の設計事務所などに出入りできるものではないのですが、そんなヒエラルキーとは関係のないところで、ご案内をして頂いており、ここでも日本の大企業のカッチリとした息苦しさと、違う潮流の様なものを感じていました。

クラウドファンディングではTOPというより、実質日本でクラウドファンディングを広めた、READY FORの米良さんとも会っていました。

私と会う前日の夜は、ある大臣からヒアリングを受けていたそうですし、私とのミーティングが終わった後は広島に来日中のコトラー教授に会いに行かれました。

そんな彼女から相談したいとの事で会ったのですが、若干28歳、今や社員50名以上の会社になり、最近の悩みと今後の展開を聞かせてもらったのですが、昨今のソーシャルで持て囃される事にも浮かれず、会社の課題に対しての対策と仕組化など、経営者としても既に的を得ているのに驚いたと共に、それこそ、使命感からか、東奔西走している姿が美しく感じました。

業界であれ、政界であれ、ヒエラルキーの中で日参して順番で並ぶような世界ではなく、多様な価値観の中で、それぞれが、自分で働き方や時間の使い方を決めていければ、ストレスは全く違ったものになりますし、フロー状態で仕事も行なえば、楽しくってしょうがないという事になると思います。

国も色々考えている間に、本末転倒な事になっていかない様に、働き方の変革、働く事や、仕事に対しての閉塞感を無くしていく事に、私の命=時間を使っていきたいと思います。

2016年10月9日日曜日

多様性と働き方の変革

今週から10月がスタートし、月曜日には企業では内定式が行われました。

大企業では何千人、何百人の内定式が行われたという記事を見ると羨ましいですが、うちの会社では一人の新卒者が決定しており、細やかながら朝礼に参加してもらって内定書を渡しました。

と言っても、実は新卒採用で採った訳ではなく、来年、結婚して関東へ行く為に退社する事になるデザイナーの後任で紹介を受け、採用する事にした女性がたまたま新卒生だったという事であり、うちの会社はまだ新卒採用も継続中ですので、良い人が居ればドンドンご紹介下さい!

この一件、うちの会社の現状の良い面と課題とを表しています。

まず良い面で、採用についてはここ数年、殆ど新卒採用活動を行なわずに採用しています。

毎年、一人、二人しか採れないという事もあるからですが、会社説明会を開き、広告媒体などにもお金を使ってという様な事を一切せず、入りたければ自分で調べて来て下さい、という高飛車な姿勢を取っていたり、ここ数年、京産大、工繊大、造形大のそれぞれの分野で著名な先生方からご紹介頂いており、本当に苦労せず、価値観に合った人が入ってくれています。

色々とビジネスに関係ない様な事ばかりに関わっているので、何の為にやるのか?などと聞かれますが、一番分りやすい対価?としては、我々の様な中小企業が、毎年、学校の成績だけではない”優秀な”学生を採用しようと思うと、どの位の費用が要るのか?と考えると、これだけでも計り知れない価値が生まれています。

それこそ目に見えない資産が、この費用を補ってくれているのです。

しかも有り難い事に、数年前から留学生を採りたいと思っていたのですが、今回入社してくれる学生は台湾からの留学生で、これも労せず、実現するのです。

課題の方は、退職する事になるデザイナーは、”仕事も面白く、会社も辞めたくない”と、プロポーズの返事を待ってもらった程悩んだとの事ですが、折角、そこまで思って働いてくれている女性が、結婚相手が遠方である為だけで辞めなければいけないという勿体ない話で、働く環境の総合商社を標榜している我々としては、中小企業に共通する壁として崩していかなくてはなりません。

今週、働き方変革EXPOでは、元日本IBMで初の女性役員であった方の講演を聴きましたが、IBMが最大の赤字を出し、倒産の危機と言われた1993年にCEOとなったガースナー氏が、その危機を救う為に取った戦略がダイバーシティ―であり、ダイバーシティ―を進めようとすると働き方の変革が必要だと、多様性の第一歩として女性活用を推進したとの事でした。

女性が活躍する社会にしていく為には、どうしても、在宅勤務、遠隔勤務をできる体制を作っていかなくてはなりません。

それには単に仕組を作れば良いのではなく、周囲の人の考え方から変えていかなくてはなりません。

その為には、皆が同じ仕事をするという様な時間制の仕事ではなく、それぞれの人がそれぞれの役割を持ち、それぞれの価値を出していくという働き方に移行しなければなりませんが、まず会社のカルチャーを変えていかなくてはなりません。

多様性というのは、それを最も表していけるカルチャーなのですが、うちの会社も今年の高卒の新入社員、そして来年は留学生の新卒者と、少しづつ進めて参ります。

そして、直ぐできる仕組みから導入し、順次発表もしていきますので、働き方変革を目指しておられる企業の方は、ちょこちょこと、チェックしておいて下さい!


2016年10月2日日曜日

『経営力』

先月の吉野家ホールディングス安部会長の「私の履歴書」は、毎日楽しませて頂きました。

高卒でミュージシャンを目指し、アルバイトから入られて昇進していかれた吉野家はある日倒産、その処理役として皆から推されて社長になられた後も、BSE問題、親会社都合の中での経営のお話は、ドラマの連続であり、机上の経営学にはない”実学”がありました。

波乱万丈が良いとは限りませんが、勝負して来られた方のお話は、話だけ、文字だけでも、その情景がビジュアルで浮かび上がってくる深みがあります。

個人的な感覚かもしれませんが、私が魅力を感じたり、尊敬できる方のお話にはこのビジュアルで浮かび上がってくるという共通項がある様に思います。

又一方、難しい事をシンプルにできて、実績を示せる人にも憧れを持ちますが、今週聞いたカルビーの松本会長の経営論と、それをコミットして実践されているお話しは、何度か聞いているのですが、改めて経営の”プロ”というものを痛感させられました。

経営とは、全てのステークホルダーを喜ばせる事である。

その為には、  1、世の為、人の為にならなくてはならない

そして、         2、儲けろ!

それだけだと仰います。

これを実現する為には、結果に対して厳しい、しかし温かくなくてはいけないので、社員一人一人が成果を出す為に、環境と制度を整える事、それがマネジメントの仕事だと。

そんな感覚で全てを展開される説明は至ってシンプルで、

・メーカーは儲ける為には、工場の稼働率を良くする事だけ。

・投資は使え、経費は使うな。

・仕事を、①やらなくてはいけない仕事、②やった方が良い仕事、③やらなくても良い仕事に分け、
 ②と③はやるな。

・ダイバーシティ―は長期の投資であり、成長へのエンジンである。

などなど、厳しさと人間尊重の優しさが見事にバランスされているのです。

そして我々に関係する、オフィスについても、

人間は環境に影響される動物である。
オフィスは考える場所であり作業する場所ではないとの事で、実際、それまでコミュニケーションも取りづらかった縦長ビルから、80m×50mの1フロアに移した、と、カルビーの改革時には、オフィスを改革したとの事でした。

ソーシャルビジネスと、もてはやされ過ぎている昨今、新たな視点を持った優秀なイノベーター達が、結局は形は違えど、お金や力に群がって行ってるいる様に見えるのですが、折角の思いや能力で、自らの力で切り拓いて、”儲ける”という、『経営力』を目指して欲しいと願います。

私自身も、ソーシャルビジネスと関わってきましたが、これからはその『経営』力を意識して、実績を出し、自分の役割を果たしていきたいと思っています。

安部会長が親父と慕われた、吉野家の創業者は、”人生55歳からが勝負だ、その為に20代、30代、40代の生き方で花が咲く”と、言っておられたそうですが、私自身、40代までの生き方は変える事ができませんが、55歳から花咲ける生き方を意識していきたいと思います。

まだその蕾は固そうですが^^;

2016年9月25日日曜日

いいオフィスをつくりましょう

今週は、8月末に完成していたオフィスリニューアルのお披露目を行いました。

5階、6階の2フロアーだけのリニューアルで、工事としては仮設営業期間を含めて2か月程のものでしたので、大きなものではないのですが、ウエダ本社としての取り組みとしては、大きな意味あるものでした。

工事は2か月とは言え、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同で行なったプロジェクトとしては1年がかりで、ワークショップ、動線調査、社員アンケートなどを重ねて出て来た課題、要望を形にしたもので、設計、コンセプト、オリジナル商品企画、サイン、コンセプトブックなど、全て社員のみで作り上げました。

そこにもいくつか意味があり、”事務機のウエダ”という卸で物売りの会社から、人にSPOTを当て、”働く環境の総合商社”と銘打って発信してきた事が、理念だけではなく、従来の本業と繋がって形として表す事ができた事、それを落とし込む為にも、コンセプトから全て社員だけで作り上げた事、又、同様に、従来であればイベントにお越し頂く方と、実際のお客様が別々で、単なるアドバルーンを上げただけの様なものであったのが、今回は、営業が自分のお客様を呼び込んできた事など、うちの会社においては「激変」でした。

その為通常はFBなどでイベント案内や、お誘いを行うのですが、このオフィスリニューアル、特に、京都流議定書に引き続きご登壇頂いた仲先生の講演は殆ど告知できず、営業だけの集客で、お断りしなくてはならないという嬉しい悲鳴でした。

これは勿論、営業が頑張ったという事はありますが、仲先生の講演を聴きたいという方も多いのと、そもそも、オフィスに対しての考えが漸く変わって来た事も大きいと思います。

いい会社を作る為には、まずは組織風土を変えていく事、その為のコミュニケーション、場づくり、ファシリテーションなどが必要となります。

と同時に、それに向き合う社員、スタッフのモチベーションや人間力を向上させる研修、教育も必要で、ウエダ本社で、イベントばかり行っている様に見えて来た(うちの社員自体もその様に感じていたと思います)のは、この点からでした。

ただ折角、研修や人間力を高める教育なども行い、良かったなあ~とか、こんな風に取り組もうという気持ちになって戻ったオフィスが、詰め込まれた、管理型のものであれば、そこでイノベーションは生まれるでしょうか?というのが我々の問題提起で、その最後の、オフィスに対する考え方の壁を取り壊して頂くのが仲先生のご講演で、今年の京都流議定書でも肝であった所です。

そしてその京都流議定書も含めた仕掛け?の後に、1年かけて皆で取り組んで来たオフィスリニューアルが完成し、それを発表するのが今回でした。

という事なので、私が決めたオフィスだと全く意味がなく、皆で考えてもらったという事ですが、それを見事に完成し、来場して頂いた方から、著名なデザイナーに入ってもらっているのか?どれだけのデザイナー、企画の人を抱えているのか?などの質問もあったそうで、その様に評価を頂くオフィスに仕上げてくれた事は、スタッフの総合力を我々自身が感じる事もできて、本当に大きなプロジェクトとなりました。

ここからは、この体感を持って、日本のオフィス、働く環境を変えていきたい、組織風土、人間教育と共に、働く人が活き活きとする環境を広めていきたいと思います。

何の為に会社は存在するのでしょう?

それは本来、社会に役立つものであるからだと思います。

では何の為のオフィス(職場)なのでしょう?

それはその会社が儲かる事も含めて、働く人も含めて良くなる為のものである筈です。

”いい会社をつくりましょう” 

そしてその為にも、”いいオフィスをつくりましょう”

2016年9月18日日曜日

”伝わる”技巧派投手へ

今週も一週間振り返ると、沢山の方とお話ししました。

沢山というのは数ではなく、色々な軸において反対語にもなる様な、本当に幅広い方々とお目にかかっているという感じです。

そんな中、自社での出来事も含めて、キーワードは”伝える”という事でしょうか。

月曜日に行われた、大久保寛司さんのセミナー

ゲストは、ローカルキャリアカフェの川人ゆかりさん。

この方も私が紹介した事から、大久保さんに紹介しているのは、若いチャーミングな女性ばかり?という疑いもありますが、たまたまです(笑)

川人さん自身、今ドキ無い背景の持ち主で、キューバ、コロンビアと、危険地域を渡り歩きながら、日本の方が深刻な状況にあるのでは?という気づきから、日本の過疎地域に入り込んで活動する事になったのですが、それだけに、浮ついて目立とうという気が一切なく、むしろ、淡々とプレゼンを行うのですが、プロジェクトや事業などの組み立てや、進め方などは、しっかりと構成を考え、地道に進めていけるので、目立つ必要もないという事なのだと思います。

そんな川人さんですから、ちょっと感動的な話も期待している?大久保さんのセミナー受講者には、ちょっと伝わっていないかな?という感じもありました。

そんな感じも受けられてでしょう、大久保さんが、彼女にいくつか質問をしていかれると、それに見事に、その背景やそれに対する考えとその取り組みを、一つ一つ完璧に答えていく彼女の話に、皆さん惹き込まれ、最後には、皆さんが口々に、”凄い”と大称賛されて終わる光景に、大久保さんの”伝える”力を改めて見せつけられた感じでした。

”伝わっていないのは伝えていないのと同じ”   

”伝えると伝わるは違う”

伝える側は、相手が受け取れる技術によって変える、という意識が必要であり、受け取る側になった場合は、どんな球でも受け止める技術を持つ事が必要との事でした。


水曜日にKYOCAで開催された京信さんの女性起業家サロンは、黒岩さんの講演でした。

フレンチレストランとしてのル・クロも有名ですが、もっと有名というのか、特異な存在であるのは、
独立が当たり前、競争が当たり前の世界で、”またあの人と働きたい”という黒岩さんを評しての本がある様に、その人づくりというのか、人に対する考えと仕組みが素晴らしいのですが、その展開などをたっぷり二時間話され、女性起業家の皆さんには、伝わるだけでなく魅了してました。

金曜日にはクオリア朝食会がありましたが、毎回楽しみにしている堀場社長のお話しでも、

”直球の話は伝わらない、分りやすい例え話をする”

というお話しや、目標をしっかり定める事、研修という基礎をしっかり行い、その上の応用としての判断をさせる為の仕掛けづくりなど、社員にどの様に伝えるか、その為の取り組みなどの一端をお聞かせ頂きました。

そんな、”伝える”、”伝わる”がキーワードなった一週間、私の方は、まだまだ社内では伝わっていないなあと思います。

以前に比べて、少ない滞在時間でも、それを見計らって、色々と相談、報告をしてくれる様になってきた事は、それぞれの役割や、意識を高めてくれている証拠だと思いますが、まだ、自分の領域以外は知りません的な感覚や、やれていない事への責任回避的な発言などもあって、ついつい、二、三球目には直球を投げてしまいます(笑)

投げる私も、臨機応変に球を投げ分けられる技術、皆の方が、直球でも受け取ってくれる気になる仕組や、私自身が人間力を身に着ける事、色々な事を並行して進めていかなくてはならないですね。

ただ救われるのは、堀場社長も仰る様に、そんな組織は一日ではできなく、10年、20年とかけて、そうなっていくのだという事です。

もう50代、そろそろ技巧派投手に転じなくては。。



2016年9月11日日曜日

イノベーションの芽

今日は9・11、あの事件から既に15年が経ってしまいました。

この間世界は、どんどん危うい状況に向かっていますが、そのベースにある、民族、宗教、イデオロギーというものだけでは理解できない、何か大きな力が絡んで、複雑化していっている様に思います。

そんな中で、我々は企業運営をしていかなくてはならないのですが、世界が混沌としているからと言って何もしないわけにはいかないし、だからと言って、ただただ現状の事をしっかりやるだけというのも、不確定要素が大き過ぎて、全く意味を成さない事にもなるか、何も起こらなければラッキーという様な当てモノ的なものになってしまいます。

複雑化し、不確実な時代だからこそ、イノベーションが必要であり、どんな状況になってもそれに順応していける様なイノベーティブな組織にしていかなくてはならないというのが、昨今の流れであり、各所でイノベーションが叫ばれている所以だと思います。

イノベーションを定義づけたシュンペーターは、経済発展は、人口増加などの外的要因よりも、イノベーションの様な内的要因が主たる役割を果たすとして、その必要を説いていますが、外的要因が複雑過ぎて想定もできないので、内的要因から、世界の概念や価値観までをも変えていく為にもイノベーションが必要であり、イノベーションを起こせる人材、組織を生み出していかなくてはならないのではないかと思います。


今週私は、所謂、”ソーシャル”という様な人達と、色々と話をしておりました。

と言うといつもの事の様ですが、以前から知っていて色々と付き合って来た人達と、ビジネス連携での話がいくつも持ち上がり、しかもそれが又、面白い様につながって来ました。

この話が無ければ、この話も受けていないだろうな、と思う話があったり、丁度話をしていた事が、他での話に使えるとか、タイミングなのか、色々な事が繋がり出しそうな気配です。

ウエダ本社もイノベーションを生みだす為にも、こんな広範囲な繋がりから、その芽と既存モデルなどとを掛け合わせていかなくてはなりませんが、今後は、この繋がり出しそうなものを深化させていかなくてはなりません。

そんな中、土曜日にKYOCAで行なわれていたミラツクフォーラムでは、オムロンの竹林氏と、日建設計の塩浦氏のお話が私にとってもドンズバで、これまたこのタイミングで!というお話でした。

日本最大の日建設計で活躍される塩浦氏が、「建築家は、空間を通じて社会問題を解決する人」という考えから、ワークプレイスにおいても、その”場”を変える事が経営を変える事になり、そこから大きな革命が生まれるというお話をされ、オムロンで数々の立ち上げ、立て直しを行ってこられた竹林氏は、「コミュニケーションの無い所で、モチベーションは生まれない、モチベーションが無い所でイノベーションは生まれない。 コミュニケーションとモチベーション、そしてイノベーションをどの様に設計するかがポイントだ」と仰っていました。

正に我々は、日本の企業がイノベーションを生んでいける様に、企業、職場環境の内的要因を整備していきたいと思います。

少しづつ繋がり出した新たな芽を既存ビジネスに埋め込み、それを日本の企業や、職場環境に増殖させていく事、そして、それぞれの企業や、組織でイノベーションの芽を生みだしていく事、そんな世界に転じさせていきたいものです。

今月23日には、ウエダ本社では、ワークプレイスにおいての一つの芽のお披露目会を行います。

混沌とした時代、イノベーションの芽を各社で育てていきませんか?

2016年9月3日土曜日

私自身とウエダ本社の理想の姿

今週は、当社の年度末であり、9月からの新年スタートでもありました。

まだまだ低~いレベルではありながら、昨年度からは、売上、利益ともUPし、決算賞与も大盤振る舞い!とはいきませんが、出す事ができました。

経営者としては一瞬ですが、ホッとできるひと時でした。

しかし、うちの会社でも、私などは何もできず、やるのは社員ですから、皆が良くやってくれたから結果が残せるのですが、その何もできないながら、皆に動いてもらって結果を出さないといけないという事に、ジレンマを抱えるのです。

しかも中小企業は、足らないリソースだらけで、そこから脱却していくには、一人の人が色々な事をやらなけばならないのですから、中小企業の方が自分事で動く社員を増やしていかなくてはなりません。

そんな中、今週も女性社員が産休に入り、その後、育休と長い休みに入ったり、折角、自分の役割を見つけ、イキイキと仕事してくれていた女性デザイナーも結婚で関東に行かなくてはならないと、年内で退職する事になり、又考えさせられる事になりました。

当たり前ですが、女性にとっては勿論、その家族にとっても大きなライフイベントですから、喜ばしい事です。
しかし、人数が少ない中小企業では、なかなか長期間勤続とならない女性の雇用というのは大変難しい問題で、働き方の変革を唱えて、一人一人が豊かな働き方をする社会を目指している我々でも、頭を痛める問題です。

その様な中、’女性活躍’という制度だけ導入しても、有効なのは一部の大企業だけで、殆どの中小企業では、却って変な軋轢を生む事になり、結果的にそのしわ寄せは女性に行ってしまうのです。

会社に行かないとできない働き方や、仕事、それで作られた仕組の中では、他地域に移るだけで勤められなくなるし、育児や、介護で長く働けないとなった途端、仕事を辞めなくてはならなくなってしまいます。

その働き方を変えていく事、中小企業に勤めていても、ライフイベントに合わせて、働き場所を変えていける様な社会全体での仕組を作っていかなくてはなりません。

今期から、そんな構築、仕掛けを目指して動いて行こうと思っていますが、まずは私自身が何処に居ても良い状態を作る事、それには、インフラ的な仕組だけでなく、同時に、私が居なくても、自主的に経営感覚を持って運営する社員の成長が必要です。

今期はそんな狙いも含めて、あちこちに出掛けていきたいと思います。

私自身が毎週、何処に居るかも分からない、でも何処に居ても仕事をしている。

そんな状態が、私自身の理想の姿と、ウエダ本社で目指すべき社会の重なったところです。












2016年8月28日日曜日

最も美しい村(過疎)を巡って想うこと


先週から行なってきた社員との面談を水曜日で終え、木曜からは北海道に行っておりました。

と言っても休暇ではなく、勉強会に絡めてのものでしたが、私にとっては気分転換も含めて有意義な時間でした。

勉強会のメンバーでもあるカルビー元会長が、”日本で最も美しい村連合”の日本での提唱者である為、その登録地で開催される事が多く、今回も北海道の鶴居村という所で行われたのですが、どうせ道東に行くなら、と、8年前に御世話になった清里町に、レンタカーで一人で行ってきました。

全国に広がる移住計画ですが、その走りとも言える、”ちょっと暮らし”というプロジェクトや、住んでみたい北海道推進会議というものが以前からあり、そこからのお声掛けで8年前に家族で2週間、モデルとして清里町に滞在した事があったのです。

その頃には全く考えていなかったのですが、この清里町での経験は、現在の展開、考え方に大きく関わっているのです。

テレワークを絡めて、お父さんさえ仕事ができれば、北海道の自然豊かな環境は子供達にとって良いでしょう?という総務省×テレワーク協会のモデルは、その頃ADSL回線しかなかったそのエリアでは早すぎましたが、今正に、のコンセプトでした。

”行きたいけど、流石に二週間も会社空けられないので、一週間になりませんか?”と交渉しましたが、”一週間では旅行で、”ちょっと暮らし”というからには最低二週間は来てもらわないと、という担当者との話で、結局、お盆を絡めて二週間行くという事になったのですが、二週間となると生活をする感覚になり、その土地の素材や、当時の町長が、”無名な事が清里町の魅力だ”と言われる通り、観光で踏み荒らされていない自然の贅沢さを体感させて頂きました。


その経験があったので、この勉強会で美しい村(過疎)に行くと、”無いものは無い”という海士町を始め、それぞれの前向きな過疎地域の取り組みが、しっくり理解できましたし、実はそれが、今のリノベーションにも繋がっており、オフィスに向けての考え方にも影響しているのです。

誤解を招くかも知れませんが、障がい者雇用や女性活躍支援と騒いでいますが、それは特別なものではないと思います。

地方、過疎地域、中小企業、斜陽産業、一流大学卒以外の学歴、これらも基本的に同じで、弱者の論理で考えていかなくてはなりません。

しかし世の中は、強者の論理で動いていたり、分かる筈が無い弱者の事を強者の頭で考えているのです。
そして弱者も、強者の論理の教育を受け、身の程を考えず強者と同じ価値観で行いたがるのです。

前向きな過疎地域や、何故こんな所で営業できているの?という店は、弱者の論理を通しており、物も技術も持たない我々の様な中小企業も、そこを参考にすべきであり、ウエダ本社としてはそんな展開を図っているのです。

勉強会の翌日は朝一の飛行機で千歳に移動し、そこで又レンタカーを借りて、札幌と洞爺湖に行きました。

洞爺湖は、以前から話には聞いていて、”大地の花咲き”というドキュメンタリー映画にもなった佐々木ファームさんにお邪魔するのが目的でした。

14町(東京ドーム3個分)にも及ぶ広大な畑で、80種にも及ぶ多品種で完全無農薬農業を行なっておられる成功例などまず無いと思いますが、その想い、夢、今の展開などをお聞かせ頂き、思わず、協力させて下さい!と言ってしまう方に、又、会っちゃいました。

ホント何処へ行くんだろう?と思われそうですが、一人の時間も沢山取れて、今回は、自分では結構、考え纏められたと思っています(笑)

ここの所、ずっと停滞気味でしたが、再度、弱者の論理で貫いて、改めて挑戦していきたいと思います!


2016年8月21日日曜日

社員面談の位置づけ

盆明けの今週は、社員面談でした。

当社は8月が決算の為、今期の振り返りと、来期の目標、役割の摺り合わせを行うのですが、この間にも、外部の会議や、夜の会合などもあり、朝から夜までスケジュールがビッシリとなるのですが、私にとっては最も重要な仕事の一つであり、今回はそれがより重要なものになっています。

と言うのも今週には、一昨年まで専務を務めて頂き、今期は顧問として残って頂いていた方が勇退されるという大きな出来事もありました。

「事務機のウエダ」 京都では法人関係の方には、その様に認知して頂いて来た当社も、現在では、オフィスの移転、新築などでの空間設計、工事などの数字の方が大きくなっているのですが、元々はゼネコン、工務店さんの下請けで、オフィス内の工事を行っていた子会社と一緒にし、レイアウトから工事までを行うという特徴を一般企業(我々の業界で言う、直ユーザー)に向けて転換してきたのも、この方のノウハウと現場力があったからでした。

今でも、当社の代表例とも言える、ISFネットさんの青山一丁目のオフィスビルを全面的に行わせて頂く事になったのも、別件で来られた渡邉代表が、当社の考え方を気に入って頂き、帰り道に電話で、今、この様な計画があり、業者も決めかけているが、値段も含めて、その電話口でできるかどうかの即答を求められ、3分の1はハッタリで答えて、結果、当社がその仕事を受注させてもらえたのも、この方の存在があったからでした。

又、組織体制面でも、平均が30代のリーダー達で、特に厳しさという面において、しっかりやっていけるのか?最後まで心配して頂いていました。


ただ、これは急に起こった話でもなく、数年前から分っていた事でもあり、もっと言えば、この問題は、団塊の世代を中心に、今の日本の姿を作り上げて来られた方々が抜けてどうする?という、日本全体に共通した課題であると思います。

それだけにそれぞれが、目的、意志を持って、会社やチームと摺り合わせていく事が、より重要であり、そういう意味においても今回の社員面談は、私にとって、いつもにも増しての優先事項でした。

折しも、日本勢の活躍が続く、リオオリンピックでは、100メートルリレーで、日本がアメリカに勝つというとんでもない事が起こりました。

体力的に劣勢な日本人にとって、最も困難と言っても過言ではない100メートル走という競技でも、チームで団結すれば、能力が圧倒的上のチームにも勝てるのだという事を、まざまざと見せて頂いたのです。

個人では四人ともが決勝に進んでいないチームが、バトンを渡すという繋ぎの部分と、それぞれの役割を最大限に発揮すると、個人で素晴らしい能力を持った人を集めたチームにすら勝てるという事を見せて頂いたのは、日本人の特性と、特に、強いリーダーや、スキルを持った人が少なくなっていく日本において、大きな視座を与えてもらったのではないかと思います。

我々ウエダ本社でも、スキル、ノウハウを持ったベテランが抜けていかれた中、皆が自分の役割をしっかり認識し、周りの人と繋いでメダルを目指していきたいと思います。

その為にも、まだ面談は続きます。

2016年8月13日土曜日

”道”を極める

連日、日本人選手の活躍もあって、オリンピックも大変盛り上がっています。

そんな中、体操で金メダルを取った内村選手への質問に対しての、2位のオレグベルニャエフ選手、3位マックスウィットロック選手のコメントには沢山の方が取り上げておられると思いますが、感動もしましたし、色々学びがありました。

それまでの5種目で大きくリードしていたオレグベルニャエフ選手に対して、内村選手は最終種目の鉄棒で完璧な演技をし、終わってみれば0.1ポイント差の逆転となったのですから、オレグベルニャエフ選手の立場であれば、あの採点はおかしいと言っていても良さそうな所、そこに水を向けた記者に対して、内村選手の凄さを説明し、無駄な質問と切って捨てたのです。

そして3位のマックスウィットロック選手までもが同様に称えたのですから、三人のそれぞれの人間力に一流を感じました。

プロゴルファーのタイガーウッズ選手が、優勝を争っている相手のパットを”入れ!”と願うという有名な話もありますが、これも相手のミスを期待するのではなく、相手がどうであろうと、自分が入れて勝つという強いメンタルを維持する為のもので、この感覚が一流の証だとも思いますが、オレグ選手のコメントにも同様のものを感じました。

又、内村選手は、ライバル選手が尊敬する程、常に素晴らしいパフォーマンスを見せているので、この微妙な判定がどうだとかというレベルを超えた存在となっているのだと思いますし、こちらも先日メジャーリーグで3000本安打を達成した際の、大物選手達から称賛されていたイチロー選手の姿と重なりました。

とかく我々は、負けた理由や、失敗した理由を見つけて正当化したくなるものですし、”あいつはいいよな~、えこ贔屓してもらって、などと言って、自分を慰めてしまいます。

又、なかなか自分の実績を分かってくれない周りに対して、自分がやった!と誇示したくなったり、言う事を聞いてくれない部下などに対して、力で言う事を聞いてもらおうとしてしまいがちです。

でも、あいつはいいよな~などと思っている間は、とても一流にはなれないし、ひょっとすれば勝っていたかも知れない相手が、負けを認めてしまうくらい、圧倒的な差や、人間的にも尊敬を得られる様になりたいなあと感じました。

スポーツだけでなく職人技など、一つの事を突き詰めていくと人間も磨かれ、何故これだけ立派になるのだろうと感心させられる人がいますが、道を極めると精神修行されていき、人格も磨き上げられていくのだと思いますし、それが、”〜道”というものなのだと思います。

経営を行っていくのが一番の修行になると、稲盛さんはよく仰いますが、そこまで極めているか、研ぎ澄ましているかと言われると、全然できてないですね。

他人を利用してうまくやっている人を見ると、ずるい方が得する世の中なのか?と思ってしまったり、あの業界や、あの規模や、あの位置があれば、自分も色々できるのになあと妬ましく思ってしまう事も、正直言えばまだあります。

超一流のアスリート達の人間的な格好良さに少しでも近づいていける様、社長業で修行を重ねて、”道''を極めていきたいと思います。





2016年8月7日日曜日

お・も・て・な・しの語源

リオオリンピックが始まりました。

絶対間に合わないと懸念されていましたが、表面上はトラブルも無く、見事な開会式も行われていました。

悲観的なのか、減点主義的なのか、良い面では、きっちりしている、細部まで拘る、という性質からか、日本人の感覚ではあり得ない、出来っこない話が、実際はできてしまう光景を見ると、色々と考えさせられてしまいます。

細かな問題はあれど、それ以上のパフォーマンスを上げれば隠れてしまう、やりゃいいじゃない?という南米的なのか、大陸的なのか、そんな感覚があるではないか?と思います。

次回のホスト側の知事として、土壇場でバタバタとした都知事選も終わり、結果的には初の女性都知事が誕生しました。

その都知事にも相変わらず、ファーストクラスで行くのか?スイートルームに泊まるのか?と下らない質問や、それを取り上げ議論するテレビなど、全体を見る事や、論理的に整理して考えるという事が、日本人はいつからこんなに苦手になったのかと思います。

私個人は、貧乏性にできているのと、社長だからという特別扱いが嫌いなので、基本的には新幹線でも普通車、海外出張もエコノミーで行っていますし、会社に来る社長宛ての贈り物も、それらはウエダ本社の社長に贈られる物で岡村個人の物ではないからと、社員に全て分けています。

しかし、一般的には、TOPは成果を上げる事が仕事なので、ファーストクラスやスイートルームでも、その環境だからそできる仕事であるなら、堂々と取ればいいいと思います。

その問題と、前知事の様に、家族の食事や旅行に当てていたという問題は全く別で、それをごっちゃに論議する事が馬鹿馬鹿しく、見識のある方でも平気で、あんな少額で問題にするのはおかしいと言っている人もいたりします。

又、片側で揚げ足取りの様な感覚があるかと思いきや、当初7000億強の東京オリンピックの予算が、2兆とも3兆ともに膨れ上がっているとの話ですから、きっちり細部に拘りながら、全体は結果次第という、バランス感覚のはちゃめちゃさに呆れるばかりです。

これはグランドデザインが描けず、強いリーダーシップも無いまま、問題に蓋をしながら、細かく真面目に仕事を行なっていった結果で、日本人の典型的な悪い例だと思います。

我々の会社でも、似たような話はよくありますので偉そうには言えませんが、日本人の真面目さを生かす為にも、しっかりとしたグランドデザインが必要で、それに基づいた論議をしていかなくてはなりません。

お・も・て・な・しは、東京開催が決定した際、海外でも有名になりましたが、おもてなしとホスピタリティーの違いも考えてみると日本や、我々自身もやるべき事が見えて来ます。

おもてなしは、来られる客人を想定して、その人に喜んで頂く、最大限に満足を感じて頂こうとするものであり、しかもそれを主張せず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないというものです。

それに対してホスピタリティーの語源は、病院やホテルにも繋がるホスピスであるという事は知られていますが、ホスピスの語源には、見知らぬ者という事もあり、文化人類学では、部落の外からやって来た見知らぬ者を最大限に歓待する事であり、それは気前の良さで客人を恐縮させるという力の誇示なのだそうです。

そういう意味では、今回の開会式もホスピタリティーが高かったのかも知れません。

東京では、今の状況からでも、SELFLESS HOSPITALITY(無私のホスピタリティー)と訳された、”お・も・て・な・し”のオリンピック、パラリンピックを開催していかなくてはならないと思いますし、マスコミ、国民側も、下らない事を突いていくのではなく、”何をもって何を成すのか?”という、おもてなしの語源を考えていきたいものです。

そして、うちの会社も、見知らぬ人に向かうホスピタリティーではなく、想定したお客様に、SELFLESSに対応する、お・も・て・な・しを習得していきたいと思います。

2016年7月30日土曜日

塚越会長の野望と、堀場社長の本物観

例年は京都流議定書が終わった翌週は、少し気が抜けた感じがするのですが、今年はそんな間も無く、やる事満載、刺激も沢山あった週でした。

イベント明け翌日は、引き続き?のKYOCAで、京都府下の行政区の担当者が集まられる会議に出席し、KYOCAの取り組みをお話しさせて頂きました。

まだまだ理想には遠いですが、町づくりや地域活性という事で取り組まれる方々にとっては、面白く、かつ有意義だと捉えて頂く事が多く、2年を経過してまだこういう機会を頂けるのは、有り難い事です。

翌火曜日はクオリア朝食会で、堀場社長のお話しをお聞かせ頂きましたが、先日の塚越会長とは、展開も取り扱いも全く違いながら、やはり常に人財をベースにした経営スタイルのお話は、
精密機械の製造でグローバル企業の現役経営者という、一見、数字と効率化のみを追求する様な存在だけに、改めて人をベースにした経営と、それを目指す会社を増やしていく必要性に確信を持つ事ができました。

そのお話しの一端は、

・京都企業は、その分野での日本一、世界一を目指すので、他所の真似をしないが、東京中心の
 売上、利益を評価する経済では、規模が価値だから皆が真似をし、それが魅力を無くしている。

・商売は本物に拘らないといけない、そしてその本物は、商品ではなく人財である。
 商品は陳腐化するが、本物の人を育てて行く事は直ぐにできる事ではなく、それが人財となる。

・会社はマニュアル化できない事が8割で、それを伝承していくには人財を継続的に採用していかなくてはならない。

・原発後の福島に放射能測定器の寄付なども行ったが、そういう事をセールスプロモーションに使ってはいけない、企業としての本物は、格好いい企業、しかしそれには我慢が必要。

などなど他にも沢山ありますが、加えて他に具体的な人事の方針などもお聞かせ頂く事ができ、実践して来られ、実績も残して来られた堀場社長のお話を、直接聞かせて頂ける勉強会など他にはないと思いますし、それこそ、京都の会社で良かったと、京都の価値を感じました。

それぞれの企業、業種で適正サイズがあり、京都という土地は、規模ではなく、ベンチャーであっても本物であれば、それをサポートする風土があるという事で、堀場社長にしても、厳密に言えば、会長兼社長という存在であり、大変お忙しい中、この様な時間を取って頂くのも、本物を見る京都の感覚を残していかないといけないという想いからだと思います。

数値化、標準化というものは、ある意味、TOPや指導者からすれば便利なもので、こちらの見る目や引き出す能力がなくても、判断できたり、オペレーションができるものです。

今年の京都流議定書でも全体テーマを”生かす”としたのは、勿論、主な意味では”活かす”で、それぞれの力を活かす町、企業、オフィス、働き方というものですが、そういう事、感覚が、イカス=格好いい、というメッセージも込めていたので、あえて、常用漢字の”生かす”としていたのですが、堀場社長のお話は、正にそんなズバリのお話でした。

京都フォーラムでご登壇頂いた塚越会長は、講演時にも仰っていましたが、舞台裏や、その後の食事の席でも、トヨタさんのお話を嬉しそうに話されていました。

今、塚越会長の元にトヨタの役員、子会社社長の方々が代わる代わる教えを請う為に訪問されているのですが、それこそ、規模で最大、数字を追いかけて来たTOPの企業が、日本を代表する”本物”の企業に変貌を遂げて頂けると、日本にとってもこれからの世界に取っても明るい道筋が見えてくる様に思います。

それが塚越会長がここ数年口にされる様になった”野望”であり、堀場社長の言われる”本物”の追求なのだと思います。

まだ京都流議定書が終わった翌週という事でお許し頂き、それらの話に乗っからせて頂くと、京都流議定書は、京都が偉いという話ではなく、京都に残る、その本物観、それはそもそもは日本の強みであり、そこを再認識して、発信していこうというもので、全く同じ事だと思います。

堀場製作所さんというのは、排ガス計測器など、自動車業界では圧倒的シェアをお持ちの会社ですから、こちらからもトヨタさんに”本物”攻めをしてもらえると、日本も早く転換できるかもしれません。

大きな、そして明るい夢ですね。


2016年7月24日日曜日

京都流議定書での年輪経営

第9回の京都流議定書も無事終了しました!

今年は例年のハイアットリージェンシーさんが取れず、それならと、鉄道博物館オープン後の近隣の様子もご覧頂いておこうという事もあり、KYOCAで開催を致しました。

9回目という事や、会場もKYOCAで、収容できる人数も少ないので、私自身、油断?もあって、準備がしっかりできていなかったのですが、結果としては、素晴らしい出演者の方々と、年々成長しているスタッフの現場力のお蔭で、無事に終了する事ができました。

三日間の中で、唯一有料であった京都フォーラムでは、30分の間に、一旦、皆さんにご退出頂き、お金の授受も含めた受付を行い、並んで頂くスペース、お待ち頂くスペースも無い中、会場の机、椅子を入れ替えながら対応しなければならないという、難しい対応が求められました。

しかもこの枠が、県外での講演はこれが最後と言われる、伊那食品の塚越会長でしたので、定員を大幅オーバした参加者が一気に集まり、動線がどうなるか?という状況でしたが、結果的にはクレームも無く、本当にスタッフが頼もしく思えました。
(来場者の皆様のご理解で、クレームになっていないという面はあると思いますが)

塚越会長からも、”社員さんが素晴らしいね~、社員さんの様子を見て、岡村さんを見直したよ”と言って頂いたのですが、塚越会長から社員を褒めて頂くなど、我々にとっては勲章を頂いた様なものでした。

その塚越会長のご講演と、その後、又、会長と社員さんの信頼関係の様子を、画が浮かぶ様に話される大久保さんのコーディネートで、会場全体が、やられた〜という空気感となっていました。

初日は他に、ミライロの垣内さん、こどもみらい探求社の小笠原さん、ルクロの黒岩さんに、門川京都市長と、ある社長さん曰く”半日でこれだけの方が並ぶセミナーなどあり得ない”贅沢な半日でした。

二日目は、午前中は恒例のブロックス西川社長によるワールドカフェを、理念浸透について、100名程で盛り上がった後、午後は、今年の特長でもあった、工繊大の仲先生による、イノベーションを生みだす為のオフィスデザインの考え方、クラウドワークスの吉田社長の、スキルをクラウド化する事による働き方の変革、最後には、女性みらい対談と、実際、働く環境の課題をテーマにした展開でした。

三日目は午前、ソーシャルイノベーション研究所、午後はミラツクのセッションでしたが、例年はソーシャルセクターが集まる日であるのが、今年は、経済同友会を中心に混じり合い、これも今までに無いものでした。

今回は、私自身の油断もありながら、見事に皆がカバーしてくれ、今までで一番見事なパフォーマンスで、心地良い疲労感で終える事ができました。

改めて、京都流議定書というのは、毎日が全く違うノリ、雰囲気で作られ、それぞれが素晴らしく、しかし一本の理念で横串が刺さっており、しかもそれを全て社員だけで手作りで運営しているという、他には絶対にできないイベントだと思いました。

残念なのは、まだまだ私含めて、それを訴求できず、単発での参加が多いところです。

今回も沢山の気づきがありましたが、塚越会長の仰っていた、会社の成長は、一人一人の人間的成長の総和という事を肝に銘じ、また来年に向けて、総和を上げていきたいと思います。

明らかに総和としては成長してくれている皆にも報いられる様に、社員の為にどうあるべきかはブレる事なく、年輪を重ねて、来年は、京都流議定書も10年の年輪を刻みたいと思います。


2016年7月16日土曜日

反省しきりの一週間

今週も東京、横浜へ、様々な目的の混ざった出張でした。

毎年恒例の盛和塾世界大会が横浜で二日間に渡って開催され、本来はそれにべったりと行く予定だったのですが、ビックサイトでオフィス関連の展示会が行われており、働き方変革EXPOと題したものもあると、どうしても行かないわけにはいかず、世界大会初日は欠席してビックサイトに行きました。

働き方変革の主なものは、文書の電子化とWEB会議、それを行う事によっての在宅を含めたオフィスに縛られない働き方、福利厚生を充実させる為のオフィス内設置のカフェや食関係のサービスという所でしたが、サービスについては、クラウド、シェアという感覚で、面白いアイデアのものもあり、ビジネスアイデアについては柔軟な発想をしているつもりが、全然硬直化している自分に気づきました。

二日目だけの参加となった盛和塾では、毎年ながら凄い経営者の発表を聞いて反省しきりで、中でも創業7年、30代半ばで、既に上場スキームに入っているという社長の話を聞いては、小さくなるしかありませんでした。

その年代や創業年数で上場という成果の話ではなく、創業メンバーと袂を二つに分けた際、自分には、社員の4分の1程しか付いて来てくれなかった事から、それまで社員の事を考えていなかった事を反省し、社員とその家族の物心両面の幸福を追求するという事において、それこそ愚直に仕組化し、”社員さんはいつ自分の仕事をしているのだろう?”と思う程、たくさんのコミュニケーション、イベント、勉強(研修)がプログラム化され、社長の仕事は社内の関係性構築のみとも言ってもよい程の取り組みで、自分が一番になる事ばかり考えていた時には上らなかった業績が、本気で社員を家族と思って取り組んで以降、見る見る業績をUPしていかれている事を、数字と共に発表されたのでした。

塾長講話では、昨今、コンサルタントなどが、リーダーは口を出さず任せることが大事などと指導する事も多いが、それは、実際の経営をやった事が無い人が言う事で、特に中小零細という企業の場合には、社長は皆を何としても守るいう事が第一使命であり、社長が引っ張るしかないのだから、惑わされずに率先垂範で臨んでほしいというお話で、最近又、会合などで会社を空ける事が多くなっている自分を反省しておりました。

説明がつかないながら、会社価値向上の為に関わっていると胸を張って言える取り組みと、抜けられない、断れないという事で参加しているものもあり、まだまだそんなレベルの企業でもないのに、緩んでいたと感じました。

金曜日は東京で、公園遊具のメーカーの代理店会に出席しました。

今年100周年を迎えるこのメーカーの代理店会も、建築、土木という枠組みから変わっていこうとされている感じでしたが、考えてみれば、公園というのは、町や村や、その地域に住む人々にとって、一番のハブになるべきオープンなスペースですから、そこの発想を変えていく事は、地方創生にとっても、大変重要なポイントだと思います。

この会にも京都府では唯一の代理店として参加していながら、その存在を生かしきれておらず、ここでも又、発想が硬直化していた事に気づきました。

今週は、その他にお会いした方からも、自分のできていない事を気付かされる事ばかりで、何処に行っても反省ばかりの一週間でした。

もっともっと、自分や自社の役割を発揮して、日本の一般的なサラリーマンの働き方の変革とそれに向かう為の企業の考え方の変革と、人の繋がりが価値を生む場作りに、精魂を傾けたいと思います。

その為にも、様々な活動、付き合いの時間を、”動機善なりや私心なかりしか”、の目で、改めて見直したいと思います。

2016年7月10日日曜日

オフィスリニューアルの意味合い

今週は、ウエダ本社の強みが発揮された週でした。

現在、オフィスのリニューアルを行っておりますが、1週間だけの為にオフィスを作り変え、又元に戻すという作業を行なっておりました。

5、6階のリニューアルを行うに当たり、まず6階の営業フロアを空いている4階に仮設で移し、そこで月~金曜日まで営業し、その間、6階の床の張替、備品入れ替えなどを行い、4階から再び戻すのと共に5階メンバーも全て移り、月曜日からは6階で通常営業するという、離れ業?でした。

自社の自慢に聞こえるかも知れませんが、私自身は、至って不器用で何もできないので、いつもこの様な移設や、作業的な場面での、うちのメンバーの現場力を見ると、凄いなあ~と感心します。

今回のレイアウト変更は、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同研究してきたもので、数か月に渡り、ワークショップや、アンケート、動線調査などを行ない、オフィスや、働き方についての皆の意見、動向を吸い上げたものを形に表すというもので、今後、この様な展開を特に中小企業に広めていきたいと考えており、言わばそのモデルケースともするものですので、全て完了する8月末以降は、ドンドンご覧頂いたり、お越し頂く機会も作っていきますので、是非、ご活用頂きたいと思います。

そして、そんなオフィスに対しての考え方については、京都流議定書二日目の仲先生のご講演を是非お聴きください!http://kyotostyle.jp/

今後の企業がどうあるべきか?をオフィスというファシリティーを通して考えて頂けると思います。

又、我々が、何故、色々な事、それも一見、本業に関わりの無い様な事に関わっているのか?という事も何となく繋がってイメージして頂けると思いますので。

と言いつつも、うちのメンバー自身もまだまだ繋がっていない事が課題ですが。。


今週、皆が毎日の様に、移動作業などを行ってくれている間、私の方は、あるメーカーさんの感謝の集いと、その企業さんの周年記念を兼ねた会に出席の為、出張しておりました。

社長のお話、工場見学、懇親会と宿泊しての翌日は、全国から施工の職人さん達のコンテストの観戦と、二日間に渡っての会を全て、社員さんが手作りで作られた立派なものでした。

私はコンテストは見ずに別行動したのですが、コンテストを見た、うちのメンバーに感想を聞くと、結構ミスも多く、実際の現場でも、我々がカバーしていたり、そのフォローに相当な時間を取られていたりするとの事でした。

実はこの会社さんは、上場もされていて我々が偉そうに言えるレベルではないのですが、実際、私も腹に据えかねて、責任者に来てもらい、厳しく改善を求めた事があるほど、ミスが多かったのは事実で、私などは、今回の社長のお話や、工場の仕組と様子、会の運営と社員さんの姿勢を見て、改めていい会社だったのだ、と思ったほどでした。

そんな事を見ても、企業経営って本当に難しいものだと改めて感じます。

社長の考えや理念があり、それが落とし込まれる仕組み、それを行うスタッフの質(人間力)とベースになる技術力(現場力)それらがしっかり噛み合わないと、インプットとアウトプットが繋がらず、アウトカムが出ないのです。

又、難しいのは、賢い経営者であれば、短期的なアウトカムだけを作る事は可能なのですが、長期的に半ば永続的にとなると、この流れがビシッと繋がってないと無理だと思います。

という事を俯瞰して考えると、うちの会社は、唱えている事は、それなりに意味を持っていると思いますし、一部の現場力は有るとすると、それを形にしていく事、仕組化していく事が足らない所で、
現状は、それを構成できていない私(社長)の能力が足りていないのだと改めて思います。

という事で実は、今回のオフィスリニューアルは、その繋がっていない、唱えている想いと、現場力の間を繋いでいく為のものであり、唱えている事を見える化するものです。

現業もやりながら、これだけ短期間に移設も行い、その間に京都流議定書の準備もと、皆には大変負担がかかると思いますが、想いからのラインがしっかり、綺麗に並べば、インプットからアウトカムまで繋がる様になると思いますので、皆には頑張ってもらいたいと思います。

私は、自分の足らない能力を補填していく事に努めますが、それと同時に、能力補填して頂ける方は、是非ともリニューアルされたウエダ本社にもご参集下さい!






2016年7月2日土曜日

人の価値は?

今週は、又、親バカな話となります。

と言っても、私の息子ではなく、同年代の新入社員の話ですが、一応、新入社員でも試用期間というものが設けられていて、今週で晴れて正社員となりました。

皆それぞれのキャラクターを発揮し、新鮮な刺激を与えてくれています。

高卒で入社し、まだ未成年のU君は、初めの印象はコミュニケーションが不得意な様に見えるのですが、話し出すと大変しっかりしています。
まず状況をしっかり説明し、どの様に感じたかを説明するのですが、素晴らしいのは、だからこの様にしようと思う、と、対策まで必ず話します。

周りの先輩たちも口を揃えて、U君は真っ白で何を言っても直ぐに吸収してくれるというのですが、ご両親からも怒られた事が無いというのに、会社で怒られたりしたら嫌にならないのか?と聞いても、”怒ってもらうのは、自分の事を思っての事だと分るので有り難いし、少しでもできる様にしようと思う”と、泣かせるセリフを言うのです。
そんな姿勢で吸収して来た彼は、悪気無くやっていた覇気なく見える姿も、他人からそう見えるのは良くないからと、積極的に声も出す様にしていたり、最初は関係ない仕事も面倒臭かったが、まだ仕事ができない間は、そういう事で役に立つ様にとのアドバイスから、率先してやる様になったとの事で、質問を続けて行っても全てに見事な答えが返ってくるので、思わず、笑ってしまいます。

もう一名の高卒新入社員のK君は、施工や納品等の現場が楽しいと、一日作業で体がクタクタでも、”楽しかった”とニコニコして帰って来るので、これ又、その感覚は希少価値で大きな資産だと本人にも言っています。

又、これだけ高卒が素晴らしいと、普通の大卒だと逆に埋もれてしまうとも思いますが、N君は、新卒募集してない中、うちの会社を志望して来てくれただけに、それらも良い刺激として捉え、自分の方向付けに役立てています。

内務の女性社員も、本来は苦手な電話も、失敗が許される間に克服しようと積極的に出てくれていましたが、そんな姿勢なので、他の仕事の吸収も早いそうです。

以前から私は、それも何の為に?と思われるのですが、教育問題にも色々と関わって来ました。
それは、一言で言えば偏差値教育とその評価への反発ですが、ウエダ本社で向かう、人を活かして運営していく企業、組織を増やす事にも合致するからで、今年の採用と、現在の姿は、ずっと思って来た事を、皆が証明してくれてる様で、大変嬉しく思います。

今年の京都流議定書二日目は、そんな組織風土、理念、オフィス、仕事、働き方、等についてのヒント満載です。

この日の午前中は、素晴らしい会社を長年、映像で追いかけて来られたブロックスさんですが、うちの新入社員のこの三カ月の成長ぶりを、ドキュメントで追いかけて欲しかったものです。

当たり前で、人の価値は、偏差値や、知識、だけでは決まりません。

能力は未来進行形で考える」

考え方、取り組み方が、その後を変えていく一番重要な資産だと思います。















2016年6月25日土曜日

ウエダ本社も離脱します。

イギリスがEU離脱という衝撃的なニュースが入ってきました。

詳しい事は私などが論じれる話ではないですが、一方方向に進んで来た流れにSTOPがかかり、逆流するのか、ここから出た傍流に新たな流れが加わり、違う流れを形成していくのか、いずれにしても、大きな転換を迎える事は間違いないでしょう。

同時に問題は、撤退と言っても、来月から即というわけではなく、実際別々で稼働するには5年はかかるとの話もある様ですから、その間の停滞、混乱というものが、ヨーロッパ内外に向けて、どの様に効いてくるのか、全く想像ができない所です。


丁度このニュースが飛び込んでくる前日、スケールは全く違う話ですが、私自身、会社での展開を転換しようと思い、社内ネットに配信していました。

ずっと行ってきた月曜日の朝礼の在りかた、会議の持ち方についてですが、変える所は、それ自体のやり方というより、やはり流れの転換、我々として重要としていく事を鮮明にしていくつもりでした。

今週、クオリア朝食会で、堀場社長のお話しを伺い、改めて感心すると共に、痛切に反省していました。

前回時も、お父様の堀場雅夫氏から、あれだけ見事に継承そして、発展がなされている会社も珍しいという話を書いていましたが、厚氏からは、今までお父様から聞いていた話の否定でもないですが、実際は違ったというお話しも出てきます。
しかしその様子は、他で演じられる親子間の対立という感じではなく、あくまで”おもしろおかしく”の精神は同じで、その表し方が違って、そして、それそれがオリジナルで素晴らしいという感じで、違いを話されても”対立”とは感じず、絶妙なバランスを感じるのです。

お父様の時代には営業利益率が4~5%であったものが、現在では毎年10%開発費には投資しながら、営業利益率は10%を確保し、海外への展開も積極的に行っておられるのですが、相手が米国人、フランス人、インド人など関係なく、HORIBAのフィロソフィーで”統治”ではなく”信頼”で繋がっている関係を築いておられる様でした。
事業の拡大についても、”人を育てるつもりがなければ手を広げてはいけない”、”任せる人を信頼できなければ広げてはいけない”と仰る通り、そのポイントを”人”においておられるので、グローバル企業でありながら、中小企業の家族的な良さもあるのです。

組織風土、人事、業績、それらマネジメントは、やはりTOPが全てで、その器次第で決まるというお話でしたから、隣に座りながら、グサリと突き刺されていました(笑)

そして、ここ最近ずっと感じていた事や、モヤモヤしていた事が、すっきりとしたというか背中を押された感じでした。

”人の繋がりが価値”と言いつつ、その浸透も中途半端で、結果も中途半端なのも、私自身の構想力と現場への落とし込みが足りていなかったのだと感じました。

EU、イギリスは何処に向かうのか分りませんが、世界は混沌としていく事は間違いありませんし、日本にとっても、厳しい環境になっていくでしょう。

その中でウエダ本社は、以前からそのつもりであった、従来型の資本主義から離脱し、独自モデルで従来とは違う流れを作っていきたいと思います。

2016年6月19日日曜日

業界の常識と女性脳

漸く、舛添都知事が辞任という形になり、この話題も収束しそうです。

と、言うのは本来おかしい話で、問題はTOPとしての資質という事だけではなく、本質的には政治資金の使い道が、ほぼ、”何でも有り”に近い形であったという事で、そこにおいては国会議員もどこまで糾弾できるのか?と思います。
初め静観していたものが、途中から参院選への影響を考え、逆に一人を潰して収束を図ったという所で、今回問題となった”せこさ”は別として、どこまで他の国政、地方含めた議員さんが、この本質を糾弾できるのでしょうか?

それだけに、やはり金額の大小ではなく、駄目なものは駄目という線引きが必要なのだと思いますし、政治の特殊な世界だけの当たり前を抜本的に見直してもらいたいと思います。

その世界だけの常識というのは、政治の世界だけではなく、どの業界にもあると思います。

以前からずっとこの様にやってきた、

皆がこの様にやっている、

という話は、それが一般の概念や新たな潮流が出てきた際に、その業界内で凝り固まった人から出る話です。

ところが、ネット、SNS社会では、白日の下に晒されるので、所謂、業界の常識でも世間の非常識は通用しなくなっていきますし、増してやAI、ビックデーターという世界では、業界の素人でも、どんどん参入していく事になるので、今まででは有りえなかった、どんでん返しが、一瞬にして起きてしまう事もあると思います。

それぞれの所謂、勝ち組と言われる所ほど、新たな潮流に対して、否定的で、あんなものは・・という話になります。
そして、そういう話は、現状で裏打ちされたものであるので、論理的に説明され、反論の余地もない事が多いのですが、新たな潮流は、何となくそんな感じがするというもので、しっかりとしたロジックもないところから始まるものですから、我々の様な弱小の会社ほど、業界の常識を疑い、あくまで一般常識に照らして、そんな現状や、勝ち組論理への違和感を大事にしていきたいと思います。

今週もソーシャルビジネスを展開している人や、本業としての稼ぎをベースに、大きな問題意識で社会課題に向かっている方々と沢山、お会いしました。

それらはロジックで考えると、割に合わない話ばかりですし、それで流れが変えられるのか?と問われると、ロジックでは説明がつきません。

ただ、言えるのは、どの話もワクワク感があり、何となく光を感じます。

そして、面白いなあ~、真似できないなあ~と感じる展開をされているのは、殆ど女性である事に気づきます。

そういう面でも、女性の活躍支援というものも、単に、育休や早帰りできる制度を整えるとか、管理職の女性比率を高めるという話ではなく、これも本質的に、男性がロジックで作った社会フレームの中で考えるのはなく、女性が感性で突っ走り、それをサポートできる様なフレーム作りが必要なのではないかと思います。

そしてこの問題も、ウエダ本社で男性脳で考えるのではなく、女性脳で考えないと本質が変えられないという事で設立したのがMegami http://www.ueda-h.co.jp/megami/という会社です。

その代表の小島も出演しますが、京都流議定書二日目には、「女性が活き活きと活躍できる組織とイノベーションを生みだすダイバーシティ経営」というパネルディスカッションも行いますので、そのフレーム(土壌)作りから考えておられる企業関係者は是非、ご参加下さい。

舛添さんも、ここを研究してもらえば、女性を味方にできる対応ができて、結果が違ったかも知れないですね。