2008年6月8日日曜日

ウエダ再興記(39)~ 再起業計画書

第二の創業と言っている会社はよくありますが、私からすると、単に危機意識を訴える為に言っている所や、今儲かっているけれどそこから変革をしていかなくてはいけないという意味で使っている所が多い様に思います。

ウエダの場合、私の場合は、本当に第二の創業でした。
売上50億円強あったグループを解体し、10年近く実質赤字であったウエダ本社と、2期連続赤字で売上も半減してしまった、ウエダシセツという子会社を統合し、全体では四分の一の規模からスタートするわけですから、掛け声だけで言っていれる
状態ではありません。

長年赤字のウエダ本社に来た時から、やる事はシンプルに、経費を洗い出し、得意、不得意、強み、弱みを分析し、少しでも得意、強みを見つけ、そこにウエイトをかけていく、それだけの事でした。
”オフィスに向けての総合的なコンサルを目指す”そう掲げて、どういう業態にもチャネルを持っているという文具や事務機業界の強みを生かし、そこに独特の繋がりのあるIT系のネタを持ち込んで提案していけば、相手の無い存在になれる、そう確信していました。

しかし一番苦心したこと、今でも苦心していることは人の問題です。
そういう意味ではベンチャー企業などは羨ましく思う時がよくありますが、私の価値観、方向性を示し、それに賛同してくれるやる気のある人々が集まってくれれば、どれ程精神的なストレスもなく、やりすいか?と思います。

しかし一方では、今居るメンバー達が、やる気のない状態、考えない状況にしたのは、今までの経営が悪いのであり、それを行なって来た私の身内に責任があるので、今居るメンバーが駄目だから、辞めさせて新たな人を採るという事は、責任逃れであると思います。
今居るメンバーの価値観、考え方、やる気を変えて行って、会社を変えて行かなくてはならないという事が、最も大変な事であり、この問題にずっと取り組んで来たと言っても過言ではありません。

2001年5月、文具卸をジョインテックスに移管した後、残ったメンバー全員に、再起業計画書というものを作って配りました。
それは、まずは厳しい状況で一緒に頑張ってくれる社員達に、私の考え、どこに向かおうとしているのかを示すべきだと思い、それらに対しての現状分析と課題、今後の予測などを綴りました。

独立した頃は、自分の利益だけを考え、会社も大きくするつもりはなく、拘って有限会社にしていた私が、その後考えてもいなかったウエダに入ることになり、
数々の問題を、四面楚歌の状態で切り盛りする中、父親にまで梯子を外され、馬鹿らしくて辞めようと思った頃には、私が引くと、社員達始め色々な人に迷惑がかかる状況になっており、自分だけ逃げるという事はできませんでした。

この時初めて、自分以外の人達の為に経営することになったのですが、この時から、会社は誰の物か?何の為に経営するのか?という価値観が自分の中で大きく変わった様に思います。
現在社員で共有を図っている、”ウエダの指針”や”ウエダベーシック”というものも、この再起業計画書をベースにしたものですが、この様な考えになって行った事が、その後、京都流を立ち上げる事にも繋がっていった様に思います。

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