2013年9月7日土曜日

企業の長編プロデューサー

第三創業と位置づけ、決算期も変更して臨んだ第一期が終わり、今週から新年度がスタートしました。

社員に向けての今年度事業説明も行いましたが、自分の中では、向かう先、自分がやるべき事、皆に望む事、そして課題が、この十年強、ウエダ本社に来てから一番明確になっています。
いや、初めて、漸く色々行なってきた事が揃って来たと言えるでしょう。

後ろ向きな変化としては、最終形になると思いますが、これから人の入れ替わりもあり、現場はまだまだ大変で、一番明確になったと言っても、現場からすれば俄かに信じられないかも知れません。

しかし、係数管理だけではなく、切った張ったという中で経営をしていると、作品が完成形に向かっているのを皮膚感覚で感じます。

以前から私は、経営というものは、最高のアートだという感じがしています。

様々な要素が組み合わさり、その総合値の最大化を図るのですが、その為には、世の中の変化、先行きの予測、取り巻く人々の感情や行動などがそれぞれ変化して絡み合っていく中で、それらを感じ、対応しながら、作品を描いていかなければならないのです。

つまり、自分のインスピレーションだけで描いて行く静的なアートではなく、周りの状況が相互作用しながら激変していく中で、動的で、最も複雑なアートだと思うのです。

昨夜オムロンの方から、オムロン創業者の立石一真氏も、経営は最高芸術だと仰っていたという事をお聞きし、ずっと思っていた事が正解だと言われた気がして嬉しかったのですが、この感覚は、経営コンサルタントやアナリスト、数字や効率だけの成果を求めている経営者でも分からないと思います。

生き物である企業、そしてその価値を最大化していく経営、しかもその価値というものは、目に見えない、数字では表す事ができない価値を含んだものが重要となっていく時代では、経営は最高の芸術だと思うのです。

立石一真氏が、40数年前にこれだけの未来を体系化して予測されておられたのか、と驚くべきSINIC理論によれば、工業社会の最終段階に情報社会があり、その後、最適化社会、自律社会、自然社会と向かっていく事になります。

その理論に当てはめていけば、日本人の働き方の変革を目指していくウエダ本社では、自律した働き方、自律した企業を広めていく事、それを目指しながら、事業である以上、実際の数字成果も上げていくという最高芸術を創っていかなくてはならないのですが、そこに向っていける段階に漸く入っていくのです。

そして、"企業は舞台だ"と堀場最高顧問も仰る様に、社員という役者達が、それぞれが自律した最高のパフォーマンスを発揮してくれる様、これから舞台を整えていきたいと思います。

宮崎駿さんも長編から引退される事だし、長編プロデューサーでも目指していこうかな。。

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