2012年9月22日土曜日

相手方を含めた自利

中国のデモも漸く沈静化しましたが、国のさじ加減であれだけコントロールできる中国の恐ろしさも感じました。

我々の感覚では全く理解できない世界があるという事ですから、そこを見ないと、こちらの感覚、常識で物事を考え、対応していても、解決などには程遠いどころか、むしろ悪化させてしまう事になる、そう感じさせられる最近の情勢です。

しかし、これは相手が中国だから、韓国だから、という問題ではない様な気もします。

日本人のコミュニケーション能力が恐ろしく低下していて、人の気持ちや、何故そうなるのか?という背景を読んだりする事が著しく低下している事に原因がある様に思えてなりません。

原発問題であれ、環境問題であれ、素晴らしい事を唱えている人が、自分と違う見解を持つ人に対して、その人間性までを否定したりする光景を見たりもしますが、何故、そうなってしまうのでしょうか?

それは、領土問題においての中国や韓国、ロシアと、構図的には変わらない気がします。

その人達が置かれている背景、目的、価値観などを理解したその上で、両者の前にある課
題を解決するには、どうしていくのか?を考えないと、解決には繋がらないと思います。


その為にはベースを合わせて行くことが重要で、国内問題で言えば、少なくともそれが自
分の欲や悪意で行っているのではなく、本当に、利他の精神で日本の事を考えて言ってい
たり行っているのであれば、違う立ち位置の人でも、共通の想いをベースに話していく
事、それしかないと思います。

むしろ、同じイデオロギーの人達同士が集まって、幾ら相手の悪い点を上げていても、
その方が何の解決にもならない様に思います。


中国や韓国との間であれば、アジアをどうする?という話になるかもしれませんし、もっとグローバルな問題については、我々の住む地球をどうする? そして宇宙全体でどうする?という事から考えないといけないのだと思います。


世の中の為、利他と言うけれど、それって、それを行う自分のエゴであって、自利ではないのでしょうか?

ある時盛和塾で、塾生がこんな質問を稲盛塾長にしました。

の時、稲盛塾長は、

確かにそうかもしれない。    
しかし、自分だけという自利より、まずは自分の家族の為と考える、すると隣の家はどうなっても良いのか?となって、町内の為にという利他で行動しようとなり、又そうなると、自分の町の自利となって、それではいけないから利他の心で、隣の町を考え、その繰り返しで、市や国や世界へと利他の心を大きくしていくのだと仰っていました。


原発問題でも領土問題でも、まずは相手も含めた自利で考えてみると、発想が変わってくると思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿